1on1のメリット・デメリットとは? やめてほしいと言われる理由

1on1(ミーティング)とは上司と部下が1対1で対話を行うことで、週に1回、1回30分程度、定期的に繰り返し実施されるといった特徴を持つのです。

1on1ミーティングとは? 目的や効果、やり方、話すことを簡単に
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ここでは、

  • 1on1のメリット
  • 1on1のデメリット

について、解説します。

1.1on1の8つのメリット

上司と部下とが1対1で対話を行う1on1には、8つのメリットがあると考えられています。ここでは、1on1の8つのメリットを、上司と部下の関係、部下の反応など、人材マネジメントの観点から解説しましょう。

  1. 上司と部下に信頼関係が生まれる
  2. 部下の心身の不調に早く気付ける
  3. 部下のモチベーションが向上する
  4. 人事評価への納得感が高まる
  5. 優秀な部下の離職を防げる
  6. 人材マネジメントコストを軽減できる
  7. 部下とのコミュニケーション量が増える
  8. 部下の急な退職を防げる

①上司と部下に信頼関係が生まれる

1対1のコミュニケーションを増やすと相互の信頼関係が強くなることを、心理学では「単純接触効果」と呼んでいます。

単純接触効果の仕組みは、「人が対象と繰り返し接触する」「接触を繰り返すにつれ、警戒心が薄れる」「警戒心が薄れる代わりに、好意度が増していく」です。

②部下の心身の不調に早く気付ける

過重労働や業務上のストレスで心身に不調を訴える社員が増えています。1on1を実施すると、上司が部下とコミュニケーションを取る中で、下記のようなアクションを取りやすくなるのです。

  • 部下の様子を直接確認できる
  • 心身に不調がある部下に対し、早期に対策を打つことができる

③部下のモチベーションが向上する

ロチェスター大学教授のエドワード・デシ氏が提唱する「内発的動機付け」によれば下記を満たすことで、人はやる気になります。

  • 関係性への欲求
  • 有能さへの欲求
  • 自律性への欲求

1on1では、上司が部下とコミュニケーションを取る中で、3つの欲求を満たすことができるため、部下のモチベーションが高まるのです。

④人事評価への納得感が高まる

上司が部下と1on1を行うことで、その都度、部下自身がそうあるべきだと思っている評価や実際に下された評価とのギャップを埋めていくことができます。その結果、部下は「これは正当な人事評価だ」と納得を深めていけるのです。

⑤優秀な部下の離職を防げる

部下が優秀な場合、多くの上司はその部下に対し不干渉になります。しかし優秀な部下は、それによって上司に不信感を持ってしまうのです。

しかし、1on1を実施すれば、上位2割といわれる優秀な人材に対しても言葉掛けを行うため、不干渉や不信感などが改善されます。これにより、優秀な部下の離職を防ぐことができるでしょう。

⑥人材マネジメントコストを軽減できる

日常業務に1on1を取り入れると、「上司から1を聞いた部下はそれ以上の事柄を理解できるようになる」「報告、連絡、相談が円滑に行われ、アクシデントを未然に防ぐことができる」といった好循環が生まれます。

その結果、人材マネジメントに対するコストが軽減できるのです。

⑦部下とのコミュニケーション量が増える

普段から1on1を取り入れている職場からは、部下から「ちょっとしたことでも上司に話しやすくなった」「気軽に相談できる」「トラブルを未然に防ぐことができるようになった」といった声が聞こえてきます。

1on1は、上司と部下のコミュニケーション量を増加できるのです。

⑧部下の急な退職を防げる

1on1を行うことで、上司は部下の変化をつかみやすくなります。それにより、「急ですが、今月末で退職したい」「次の仕事が決まったので退職させてほしい」といった突然の退職の申し出を受けることが少なくなるのです。

1on1には、上司と部下が普段から円滑にコミュニケーションを図ることによって得られる8つのメリットがあります

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2.1on1の3つのデメリット

1on1には、8つのメリットがある一方で、デメリットもあるのです。ここでは、1on1のデメリットを3つにまとめて解説します。

  1. 現場への負担になる
  2. 上司にスキルが必要である
  3. 本来の目的を理解するのが難しい

①現場への負担になる

「日本の中間管理職白書2014」によれば、中間管理職と呼ばれている層の約8割は、プレイングマネージャーとして、担当業務や管理職業務を掛け持ちしています。

自分自身の業務もこなしながら、1on1で部下とも頻繁にコミュニケーションを取ることは、多忙なプレイングマネージャーや現場にとって、大きな負担です。

②上司にスキルが必要である

1on1は、ただ部下と話をすればいいのではありません。効果的に1on1を実施するためには、1on1の当事者である上司が、1on1の目的ややり方などを熟知する必要があるのです。1on1に対する理解が不十分な場合、マネジメント層への研修が必要になるでしょう。

③本来の目的を理解するのが難しい

1on1の本来の目的は、「エンゲージメントの向上」「経験学習サイクルの回転」。1on1の目的を理解し共有することなく、1on1が単なる業務連絡や相談に終始してしまえば、1on1を実施する意味が薄れてしまいます。

1on1のデメリットを解消しながらメリットを享受できるよう、1on1を効果的に活用していきましょう