1on1を導入しようとする企業が増えています。しかし、上司と部下の面談の機会を定期的に設けるだけでは、1on1は有効に機能しません。そればかりか、1on1の導入や運用次第では、かえって職場に悪影響を与えてしまうこともあるのです。
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ここでは、1on1の導入や運用において人事担当者が直面する「課題」を6つに絞り解説していきます。
1on1の導入・運用における具体的課題
1on1の導入や運用における具体的課題を6つの視点から解説します。
- 現場が忙しい
- 新たな人事施策への抵抗感が強い
- 上司との面談に対する抵抗感が強い
- マネージャーが嫌がる
- 部下からの不満が聞こえてこない
- 上司に1on1の経験がない
①現場が忙しい
1on1において、実際に部下と面談の機会を持つのは中間管理職などの上司です。「日本の中間管理職白書2014」によれば、8割以上の中間管理職が、担当業務や管理職業務を兼務している、プレイングマネージャーだと分かります。
しかし中間管理職は、兼務によって非常に多忙な日々を送ることがほとんど。1on1に割くための時間をどう生み出すかは課題となります。
②新たな人事施策への抵抗感が強い
「仕事が立て込んでいて忙しい」ではなく、「新しい仕事が自分の業務として増えることに抵抗を感じる」といった人も存在します。そういった人の場合、現況で余裕があったとしても、新しい人事施策の追加に対する抵抗感は非常に大きいです。
③上司との面談に対する抵抗感が強い
1on1では、上司と部下が1対1でミーティングを実施します。「自分自身に上司との1on1の経験がない」「1on1で上司と話したことがトラウマになっている」など、上司と1対1で面談をすることそのものに抵抗感を持つ人がいることも理解しておきましょう。
④上司が嫌がる
1対1で部下の話を聴くことに対して、「仕事だから渋々やっている」「できれば部下から直接愚痴や不満を聞きたくない」と思うマネージャーもいます。
多くの決定権を持たない中間管理職だからこそ、部下の話を聞いても自分には何の解決もできないと考えているマネージャーも少なくありません。
⑤部下からの不満が聞こえてこない
部下から特段の不満が聞こえてこない場合、上司の中に「うまくマネジメントができている」「部下に余計な刺激を与えたくない」といった感情が生まれます。結果、事なかれ主義のように、1on1を導入するよりも現状維持を好む傾向になってしまうのです。
⑥上司に1on1の経験がない
1on1を継続的に実行できる上司は、自分自身が部下だった頃、上司から頻繁に1on1ミーティングを実施してもらっていることが多いようです。
逆に考えれば、上司自身に1on1の経験がない場合には、1on1をどのように進めていけばいいのか1から学ばなければなりません。