1on1の活用で目標達成できる組織にするには?

1on1ミーティングの目的は、上司と部下が1対1で自由に会話をしながら、部下の成長を促進することです。この1on1ミーティングを効果的に行い、目標を達成できるチームをつくるにはどうしたらよいのでしょうか。

  • そもそも1on1ミーティングの目的とは
  • 日本企業で実施されている一般的面談との違いとは
  • 目標を達成できる1on1ミーティングとは

などから、進め方の具体例などを紹介します。

1.1on1ミーティングの意味

1on1ミーティングとは、部下と上司が1対1で行うもので、30分~1時間ほどの対話を週1回、隔週、月1回といった短いペースで定期的に実施します。

あくまでも部下のために設ける時間で、上司は部下が話すことに真剣に耳を傾けます。話す内容は、仕事で得た体験や失敗談、課題や悩み、今後の目標など自由です。こうした対話の繰り返しで部下の能力を引き出し、部下を育成していきます。

1on1ミーティングとは? 目的や効果、やり方、話すことを簡単に
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目標を達成できるチームをつくる1on1ミーティング

1on1ミーティングのスパンは1週間、隔週などと短く、そのたびに上司から的確なアドバイスやヒントを得ることができます。それにより、一人では解決できなかった問題を早期にクリアできたり着実に目標を達成したりできるようになるのです。

また、

  • 要領が悪い
  • 非効率的な作業を行っている

という部下に対しては軌道修正を促すようなアドバイスを行います。そして個人の目標達成が進み、それはやがて組織やチーム全体の目標達成につながるのです。

短いスパンで定期的に実施する1on1ミーティングだからこそ、高い頻度でのフィードバックが可能となり、目標達成の確率も上がるのです

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2.1on1ミーティングの目的とは?

1on1ミーティングは、短期的な業務の課題解決を目的に行うものではありません。週1、月1回などの短いスパンで上司と部下がミーティングを重ねて、部下の成長を促すという中期的な人材育成なのです。

また頻度の高いミーティングにより、上司と部下の信頼関係が深まります。部下一人ひとりが組織やチームに愛着を持つようになれば、従業員と会社が一体となって成長し合える関係性が構築されるでしょう。

こうした目的を目指して1on1ミーティングを効果的に実行するなら覚えておきたいのが、2つのサイクルです。

  1. 経験学習サイクル
  2. 組織の成功循環モデル

1on1の目的とは? 3つの支援、達成するためのポイントを解説
1on1の目的とは上司と部下の信頼関係を深め、部下の育成を目指すこと。その目的に対し、上司が部下に行うべき「3つの支援」と「達成するポイント」「企業事例」を交えて解説します。 1.1on1の目的と3...

①経験学習サイクル

経験学習サイクルとは、人は経験によって深く学ぶことができるという内容で、デビッド・コルブが提唱しました。

部下は、上司が部下から聴いた失敗談や成功談から理解した思いや、部下本人が気付かなかった視点からのアドバイスによって成長し、それを次の経験に活かします。これが経験学習サイクルです。

②組織の成功循環モデル

組織の成功循環モデルとは、ミーティングの最初から部下に結果を追求することはしないという内容で、ダニエル・キム教授が提唱しました。

まずはじっくり時間をかけて、関係の質を向上させます。この基礎ともいえる部分が構築されなければ、時間と労力が無駄になってしまうでしょう。

  • 関係の質
  • 思考の質
  • 行動の質
  • 結果の質

と順を追って上げていくことが重要です。

目標を達成できる組織をつくる

上司が部下の話にじっくり耳を傾け理解を深めることで、部下は上司を信頼できますし、それは勇気付けにもなるでしょう。しかし最初から結果を求めるような質問をすれば、考課面談と同じで、上司が一方的に指摘、指示をする関係になってしまいます。

行動や結果の質を向上し、目標を達成できる組織のためにも、互いに上質な関係性が築けるようにしましょう。

1on1ミーティングによって上司と部下の信頼関係が深まれば、人材育成とともに社員一人ひとりおよび組織の目標達成など、良い結果がもたらされます

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3.なぜ目標を達成できる? 1on1ミーティングの効果

1on1ミーティングは、1年に1~2回行われるような一般的な考課面談と異なり、定期的に上司と部下が1対1で対話を行うものです。

1on1ミーティングでは、

  • 部下の悩み
  • 不安、困っていること
  • 業務の問題点
  • 改善点

などに上司はじっくりと耳を傾け、部下の状況や問題を把握します。ときにはアドバイスや問題解決へのヒントも授けるのです。

部下は上司に直接話せる機会が頻繁にあることで、業務上の悩みや不安も早期に解消できますし、上司が理解してくれているという安心から、納得感を持って仕事に取り組め、次のチャレンジに自ら行動できるようにもなるでしょう。

1on1ミーティングを繰り返すことで、コミュニケーション不足が解消され、そこから部下の能力が引き出されるようになり、パフォーマンス向上が見込めるのです。

エンゲージメントの向上と目標の達成

エンゲージメントとは、人事的に用いられる場合、従業員一人ひとりが組織やチームに愛着を持ち、会社と一体となって成長し合い、絆を深めていくような関係をいいます。

1on1ミーティングを実践した際、期待される効果として最初に挙げられるのが、会社と従業員のエンゲージメント。会社と従業員が互いに絆を深めつつ成長できるような関係性になるほど組織が目標を達成し、会社に利益をもたらすといった調査結果もあるほどです。

1on1ミーティングでは、部下と上司が常に対話をしてコミュニケーションを持つことで、部下は安心感と納得感を得て仕事に取り組めます。

また1on1ミーティングは、誰にでも上司と対話する機会があり、部下が自由に意見を言える場です。発言が上司に否定されたり、発言によって査定されたりするようなことはありません。

こうした職場の環境があってこそ組織や会社の業績が高まります。

1on1ミーティングの効果は、会社と従業員のエンゲージメント向上です。その結果、組織や会社の業績も高まります

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4.一般的な面談では目標を達成できない理由

年に1~2回ほど実施する一般的な面談では、上司と部下のコミュニケーション不足により、個人やチームの問題や課題は解決できません。信頼関係を築くこともできないため、部下のモチベーションも上がらないでしょう。

情報交換のコミュニケーションとは?

目標を達成できない一般的な面談では、業績を上げるためだけの情報交換になってしまうのです。数字的な目標達成や会社が求める結果を出すためだけの面談で、部下や個人に焦点を当てた内容は一切ありません。組織の人間関係は希薄になる一方です。

具体例

年に1~2回程度の一般的な面談は、ただ情報交換をしているだけで、コミュニケーションとは違います。その様子が分かる具体例を紹介しましょう。

  • 部下「今、抱えている案件なのですが。競合メーカーが同じサービスをぶつけてきたので、今回だけイレギュラーで対応したいと思っています」
  • 上司「そうか。その案件をイレギュラーで対応して、その後に期待できるメリットがあるのなら進めてもいいだろう」

一般的な企業でよく見られる上司と部下の個別案件のやりとりです。こうした業務報告は会議や部下からの「報告・連絡・相談(ほうれんそう)」で行っているもので、上司と部下のコミュニケーションではありません。結果を出すための情報交換です。

個人に焦点を当てた対話とは?

個人に焦点を当てた対話とは日常業務や失敗、キャリアアップの悩み、家族のことなど部下が話すことを上司が親身になって聴きながら共感するといったように部下自身について対話すること。

ときには問題解決のアドバイスをすることもあるでしょう。これがまさに1on1ミーティングの場で行われることなのです。

個人に焦点を当てた1対1の対話の目的は、

  • 部下との信頼関係づくり
  • 部下の不安解消
  • 部下の心身の状態を確認

など、すべて部下個人に関することにあります。

具体例

1on1ミーティングの取り組みを始めた企業で働く、ある女性の話を紹介しましょう。1on1ミーティングを行って良かったことはありますか?それはどんなことですか?と質問したその回答です。

「1on1ミーティングでは、仕事への自分の思いを正直にすべて上司に話しました。私は毎日、仕事をしながら自分の目標が見つからない、会社での自分の立ち位置が分からないといった不安な気持ちをずっと持っていました。

このモヤモヤした気持ちを自分自身も整理できないまま、上司にぶつけました。最初はこんなことまで話してもいいのだろうかという不安もありましたが、真剣に話を聞いてもらえているという安心感は大きかったですね。

話をしているうちに、自分の問題点も客観的に見られるようになっていきました。上司に『これからは自分で思ったことをどんどんやっていきなさい』と言っていただいて、私がやってきた仕事を認めてもらったという励みと自信にもなりました。

思い返すと上司とここまで会話をしたことはなく、そういった場もなかったことに改めて気付かされましたね」

個人に焦点を当てた面談を行うと、上司と部下の間に信頼関係が生まれます。その結果、部下は前向きになり、自ら動き、仕事へのモチベーションがアップするのです