目標振り返りの考え方と書き方|例文、具体的な手法を簡単に

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目標設定した後、目標に対しての振り返りは欠かせません。良い結果にしろ、悪い結果にしろ、振り返りを行うことで、改善策を見出すことができるからです。

  • 目標の振り返りとはどのようなものか
  • 振り返りの目的や重要性、基本理論
  • 振り返りができる人とできない人の思考的特徴

などについて説明します。

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1.目標の振り返りの効果

目標の振り返りとは、

  • 一定の期間を設定
  • 設定した期間内に掲げた目標をいかに達成できたかを検討
  • 未達成の場合には、その原因が何であるかを反省

といったプロセスのこと。

経験学習理論では、目標の振り返りの効果の特徴について、

  1. 高いパフォーマンスを生み出す人は、振り返り力が高い
  2. 自ら内省を促せる人も、振り返りによる結果を生み出す

2点を挙げています。

「週報」や「月報」といった名前を付け、1週間あるいは1カ月に1回職場の全員で目標や目標の振り返りをシェアすると、グループ内に、

  • 話し合いにより建設的なコミュニティを構築
  • 自分は一人ではないという安心感や帰属意識、自信をつくる

という変化がもたらされるのです。

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2.振り返り(リフレクション)とは?

振り返りとは、日常の業務や作業から一旦距離を置いて、自分またはグループが経験した仕事のプロセスや成果を振り返る行動のこと。振り返りによって、自分やグループの取り組んでいる業務を客観的に見つめ直すことができるのです。

振り返りの場面では価値観の違う人同士が本音で話し合うことになります。意見の相違を紐解く中から、よりさまざまなヒントが得られるでしょう。

振り返りは、

  • グループ内での自分の役割の再認識
  • プロジェクトマネジメントの構築
  • 新しい価値観の創造

といった幅広い分野に大きな影響を与えます。

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振り返りの重要性とは?

どうして振り返りは重要視されているのでしょう?

  • 設定した目標や計画通りに進まなかった原因を洗い出すことができる
  • 設定した目標や計画を超えた成果をあげた要因を考察できる
  • 原因を速やかに反省するとともに修正作業を実施できる

という点にあります。

振り返りは、「どうして失敗してしまったのか」といった失敗の原因追究を目的としているわけではありません。振り返りの目的は、純粋に目標と現状とのギャップを振り返り、これからどうしていくべきかを考えること。

良い意味でのギャップと課題を残すギャップの両方について冷静に見つめ直せるため、振り返りは重要視されているのです。

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3.振り返り方の基本理論

下記3つは、振り返り方です。

  1. 経験学習モデル
  2. ダブルループ学習
  3. ジョハリの窓

3つの基本理論について、簡単に説明しましょう。

①経験学習モデル

経験学習モデルとは、現代教育学において主流になっている振り返り理論のこと。組織行動学者のデービッド・コルブが提供したもので、

  • 具体的経験:自分が経験した具体的事実や経験を振り返る
  • 省察的観察:経験と自分とを一旦切り離してリフレクションを行う
  • 概念化:具体的経験と省察的観察を総合的に踏まえて、次の経験に生かせるものを概念化
  • 新しい取り組み:抽象的概念を実践に反映させる

といった4ステップを順に繰り返していく方法をいいます。このサイクルを繰り返すことにより、経験をもとにして成長、発展、改善を促すという理論です。

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②ダブルループ学習

ダブルループ学習は、ハーバード大学ビジネススクールの研究員であるクリス・アージリスが提唱しました。

  • シングルループ学習
  • ダブルループ学習

の2つがあります。

シングルループ学習は、1つのループから成り立つ学習のこと。

  • 行動により成果を得る
  • 問題解決する
  • 問題解決の過程で学習を行う

これらのシングルループを複数回繰り返し、改善を重ねる中で目標を達成していく理論です。

ダブルループ学習は、シングルループ理論に「行動の前提条件が何であったのかにさかのぼり、考え直す」といったワンステップをプラスした理論。行動そのものの前提にまで思考を巡らすことで、

  • 行動を疑問視する
  • 隠れた前提に気付くきっかけをつくる

などを可能にします。

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③ジョハリの窓

ジョハリの窓は、コミュニケーション心理学者であったジョセフとハリーにより提唱されました。ジョハリの窓では、人の認知を、

  • 開放の窓:自分も他人も分かっていることを示しており、円滑なコミュニケーションの裏付けになる
  • 盲点の窓:他人だけが分かっていることを示しており、他人からの指摘を素直に受け入れることが求められる
  • 秘密の窓:自分だけが分かっていることを示しており、自分をオープンにすることでコミュニケーションが良好になることが分かる
  • 未知の窓:自分も他人も分かっていないことを示しており、潜在的な能力の可能性を秘めている領域

の4つに分類します。そして「他人が分かっているかどうか」の縦軸と「自分が分かっているかどうか」の横軸を用いて、この4つの窓を配置するのです。

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4.仕事で使える! 目標の振り返りの3つの具体的手法

目標の振り返りは、仕事をする上でも非常に役立ちます。ここでは、仕事で使える振り返りの具体的手法をご紹介しましょう。

  1. YWT(「やったこと」「分かったこと」「次にやること」)
  2. KPT(「Keep」「Problem」「Try」)
  3. PDCA(「Plan」「Do」「Check」「Act」)

①YWT(「やったこと」「分かったこと」「次にやること」)

YWTとは、

  • Y:「やったこと」
  • W:「分かったこと」
  • T:「次にやること」

というそれぞれの頭文字を取った造語です。YWTのフレームを使って業務上の行動を振り返ると、

  • プロジェクトのメンバー自身の行動について、気付きのきっかけを得る
  • 気付いたことを次の行動につなげる
  • 行動が改善されたことで、メンバー自身の成長を促す

という3ステップを実現します。

  • 行動を起こしたままで結果を放置しがち
  • 反省するだけで次の行動に結び付けようとしない

といった場合は、YWTの振り返り手法を用いて行動の改善を促しましょう。

YWTでの振り返りのポイントと具体例

YWTの具体例をご紹介します。

  • Y:やったこと「イベントの集客」
  • W:分かったこと「集客率が低かった」
  • T:次にやること「会場の選択、広告宣伝、イベント内容などの見直し、改善」

ここから、YWTが単なる業務報告に終わらない上、メンバー自身が気付き、成長するための思考プロセスとなることが分かります。YWTは、振り返りを次のアクションに活用できるというメリットを持つのです。

②KPT(「Keep」「Problem」「Try」)

KPTとは、

  • 「Keep」:良かったこと、今後も続けること
  • 「Problem」:困ったこと、問題点
  • 「Try」:今後の活動で試したいこと

の頭文字を取った言葉で、チームや個人で目標の振り返りを行う際に活用するフレームワークとして有名です。

KPTは振り返りの内容を、

  • 継続
  • 問題点
  • 挑戦

の3分野に分けて考えることで、問題を整理できます。

  • 自分の行動を分析し切れず、課題を見失っている
  • チームの考え方が混沌として問題点の的確な洗い出しが必要

などに有効な手法です。

KPTでの振り返りのポイントと具体例

KPTでの目標の振り返りを、ビジネスシーンを例に考えてみましょう。

  • 「Keep」: 新商品の試食会で、味は合格した
  • 「Problem」:手に取って食べてみたくなるような見た目の工夫が求められた
  • 「Try」:パッケージのデザイン変更やトッピングの追加でおいしさをアップした新商品を目指すことが決まった

のような目標に向けた行動の中で、

  • 良い項目
  • 悪い項目
  • 改善する項目

をはっきりと洗い出すことができるのが、KPTの大きな特徴なのです。

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③PDCA(「Plan」「Do」「Check」「Act」)

PDCAとは、

  • 「Plan」:計画
  • 「Do」:実行
  • 「Check」:評価
  • 「Act」:行動

の頭文字を取ったもの。ビジネスの場面でも広く活用されている手法なので、ご存知の方も多いでしょう。PDCAは、品質管理のためのフレームワークとして誕生しました。

  • 「Plan」では目標達成のための行動計画の作成を行う
  • 「Do」では、目標に向かって行動計画を実施
  • 「Check」では、行動の結果から読み取れる問題点を洗い出す
  • 「Act」では、改善案を提案し、業務を実際に改善

Plan→Do→Check→Actの順番で業務を進め、最後のActからまた新たなPlanを進めることで、改善案を次のプランに生かすことができます。

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PDCAでの振り返りのポイントと具体例

PDCAの具体的な事例を見てみましょう。

  • 「Plan」:営業成績を上げるために、昼間は顧客先を10件訪問すると決める
  • 「Do」:昼間は顧客訪問を行い、事務作業を夕方から夜の時間帯にずらす
  • 「Check」:顧客の在籍率を見ると、夕方のほうが高かったと分かる
  • 「Act」:午前中に事務作業を行い、午後から夕方にかけて顧客訪問を行うことにした

このように、具体的な数字や計画を用いてPDCAを回すと改善策が明確になるのです。また、次のPDCAも回しやすくなります。PDCAは、本気で具体的な業務改善を目指している人にお勧めです。

目標管理制度(MBO・OKR)の運用は、従業員にも負担がかかります。シートやファイルのやり取りが発生する紙やExcelの利用した制度運用の負担は大きく、目標設定や自己評価に取り組む従業員のモチベーションを下げる恐れがあります。 目標管理を成功させるには、その負担を取り除くことも重要なのです。

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5.目標の振り返りができる人とできない人の違い

目標の振り返りができる人とできない人がいます。できる人、できない人の違いは、どのような点にあるのでしょう。

振り返りができる人の特徴

目標の振り返りができる人は、思考にある特徴を持ちます。

  • 本来、自分に期待されていたのはどのような結果だったのか
  • 期待値に対し、実際の結果がどのようなものだったのか
  • 理想と現実の間のギャップには、どの程度の差が生じていたのか
  • 理想と現実とのギャップを埋めるためには、何をどのように改善すべきなのか

といったことを常に頭の中に置いて、業務を進めている点。

常に、

  • 目標や理想
  • 現状
  • 目標や理想と現状とのギャップ

について考えを巡らせています。そのため、現状の改善や現状からの向上がスムーズに進み、自分を大きく成長できるのです。

問題意識が高い人とは、すなわち自分や自分の置かれている状況を常に客観的に正視できる人のこと。このような高い意識を持った人であれば、振り返りのチャンスを有効活用できます。

振り返りができない人の特徴

振り返りができない人は、どのような特徴を持つのでしょう。

  • トラブルや失敗が起きることばかりを気にする
  • 今回のトラブルや失敗は、誰の責任なのかが気になる
  • 事態に対し自分は悪くないという言い訳を常に考えている
  • 謝罪することに終始し、謝罪の先にある改善に気持ちが向かない

といった思考を持つ人です。

責任を取らずに済む方法を考えたり周りのせいにしたりといった特徴を持つ人は、振り返りのチャンスを無駄にするため成長から遠ざかります

また、いくら経験を重ねても全く成長せずに、時間だけが過ぎていってしまうでしょう。


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