研修中に私物を没収することが問題かどうかは、研修を委託された企業が決めることではなく、委託する企業つまり御社が決めることではないでしょうか。
たとえ研修を外部に委託する場合でも、依頼主は研修目的について、しっかりと確認しておく必要があります。
新人研修合宿で新入社員の携帯を没収することで、どのような効果が得られるのか、もし納得する効果が得られないのであれば内容の変更を求めることも検討しましょう。
携帯を没収する場合は、研修に集中してもらうことが目的であるべき
新人研修を宿泊を伴う合宿スタイルで実施する場合、参加者の携帯を没収し外部との接触を断たせるケースがあるようです。
研修に集中して参加してもらうことが目的だと推察されますので、研修を受ける時間以外には携帯を返しても差支えはないでしょう。返却できないのであれば、明確な理由を示してもらう必要があります。
特に企業に服従させるための洗脳のような研修は、直ちに取りやめなければなりません。
原則として研修時間は法定労働時間内であるべき
参加が義務付けられている研修は、労働時間として認められるので、原則として研修時間も1日8時間もしくは週40時間以内であるべきです。宿泊を伴う研修でも、この原則は変わりませんので、合宿中に私物を没収することは個人の時間を侵害しているとも言えます。
さらに、法定労働時間を超えて研修を実施する場合は残業手当、もしくは休日出勤手当などの割増賃金の支払い対象となります。研修後も課題作成などで実質的に24時間の拘束が続くような場合も、労働時間としてみなされるので、相応の賃金支払いが必要となります。
携帯没収には、参加者が納得する相応の理由が必要
宿泊を伴う研修は、参加者の一体感が生まれやすいのがメリットですが、研修内容あくまでも業務に役立つことであるべきです。携帯を没収するのであれば、参加者が納得する相応の理由を事前に説明する必要があるでしょう。
とはいえ、現代はいかに素早く情報を収集するかが求められるので、もっとも身近な情報ツールである携帯を取り上げるメリットは考えにくいのではないでしょうか。