研修の目的やゴールを決める上で、まず理解しておきたいのが、研修目標と研修目的の違いです。
目標は研修を通して到達したいことであり、目的はその目標を達成した上で目指すべき方向性を指します。その上で、目的を決める際には、研修を受ける社員が抱える課題を把握し、どのような行動を期待するのかを考える必要があります。
研修の目的を明確にすることで、参加者は目的を意識して研修に臨める
研修の目的やゴールは言わば組織の方向性であり、大きな視点で設定するものです。一方の研修目標とは、研修で学習したことを理解したり習得したりするレベルを指します。目的は習得した知識やスキルを活用して実際の現場で成果を上げることです。
そのため、目的が曖昧なままでは、目標を定めることができないばかりか、研修を実施する意味もありません。
新入社員へのコミュニケーションについての研修を例にした場合、コミュニケーションの基本スキルを身に着けるのが研修の目標であり、上司へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)が円滑にできるようになるのが目的です。
研修前に最終ゴールとしての目的を明確にすることで、参加者は目的を意識して研修に臨みやすくなります。
研修目的は大きく設定し、目標はポイントを絞る
研修の目的を決める際には、参加者がどのような課題に直面しているのかを正確に把握する必要があります。研修は参加者の課題解決のためなので、課題にそぐわない研修内容では参加者の理解や行動変化は進みません。
参加者だけでなく上司にもヒアリングを行い、現状で発生している問題を確認すると良いでしょう。
また、研修目的は大きく設定しますが、研修後に到達してほしい細かな目標についてはポイントを絞ることも大切です。目標が多すると覚えきれず、どの目標も中途半端なる恐れがあるからです。1回の研修で3~4つくらいの目標に絞ると良いでしょう。
課題を正確に把握し、現状に即した目標を設定する
研修目的を決めることは、研修の肝とも言える作業です。経営環境は毎年変化するので、以前の研修や目的をそのまま実施するだけでは、現状にそぐわないこともあります。
基本的には会社の理念を尊重することになりますが、社員がかかえる課題を正確に把握し現状に即した目的を設定することも大切です。