そのような場合、残業時間に対して賃金を支払う必要があります。雇用者は労働時間に対して賃金を支払う義務があるためです。
労働時間とは、「労働者が雇用側からの指示で労務を提供している時間」のことを指します。
研修後にレポート作成を指示した場合、会社側からの指示により労務を提供している状態にあるので、レポート作成のための時間は賃金支払い対象になるということです。
会社の指示によるレポート作成は、労働時間とみなされる
宿泊型の研修では、業務時間いっぱいに講習やディスカッションを組んでいることが多く、レポートは翌日までに提出となることがよくあります。
レポートの記入は業務外と考える企業もあるかもしれませんが、労働基準法では会社からの指示で労力を提供しているのは労働時間とみなされます。
一方で、宿泊の場合は食事や就寝時間も会社の指示といえます。ですが、労務の提供をしているわけではないため、これらの時間に給与を支払う必要はありません。
見込み残業として一律の金額を支給すると良い
ただし、必ずしもレポートにかけた全ての時間に対しての給与を支払う必要があるとは限りません。
早く完成する人もいれば、時間ばかりかけてしまう人もいる場合、ダラダラと時間をかけた方が賃金が増えてしまっては不公平です。
このような場合は、見込み残業として一律の金額を支給するのがいいかと思います。
また、宿泊型研修ではない場合に自宅へ持ち帰り作成した場合は、
- 会社からの指示
- 該当時間が証明できる
- レポート作成が完成し成果物として提出している
このような場合に労働時間として認められます。
労働に見合った賃金の設定を
研修後のレポートは、研修の効果を上げるために非常に有効です。最近では確認のテストを実施する企業もあります。
研修時間内だけでなく、終わった後のレポートやテストなども研修のうちだと考え、労働に見合った賃金を設定しましょう。