論理的誤謬とは、評価者が頭の中で作った理屈に基づいて知らず知らずのうちに誤った評価を行い、その結果エラーを起こしてしまうことです。評価者のエラーは人事評価制度がうまくいかない原因の一つとなっています。
論理的誤謬の具体例
論理的誤謬の具体例は以下の通りです。
- 人事評価の仕組みやルールを理解せず、「この人は知識があるので、理解力も高いはずだ」という理屈をつけて評価する
- 「責任感がある」という特性と、「規律的である」という特性は、論理的には直接関係がないが、「責任感が強いので、規律も守るだろう」という評価をしてしまう
- 「ゆとり世代だから積極性が足りない」といった偏見に基づき、評価を低くしてしまう
論理的誤謬を防ぐ方法
論理的誤謬を防ぐには、自分の考え方の癖を認識し、人事評価制度と、三段階の判断行動(行動、評価要素、評価段階の選択)について十分に理解する必要があります。
評価結果についての説明が不十分な場合、部下が評価の結果に納得できず、モチベーションやパフォーマンスが下がることがあります。
評価の結果への不満や不信感が高まった場合は、退社へとつながる場合もあります。
論理的誤謬の防止は、モチベーションアップにつながり企業が活性化する
論理的誤謬を生むのは、ある項目で評価が高いので、別の項目でも評価が高いはずだという思い込みです。
論理的誤謬を防ぎ、部下の能力が正当に評価されれば、モチベーションアップにつながり企業が活性化します。評価者は、人事評価にはエラーがあるということを認識し、それをなくすための工夫を行わねばなりません。
また、評価の段階で、どのような能力をどのような分野で発揮すればよいのかという目標設定をしっかりと行い、部下の取り組みに反映させることも人事評価担当者に課せられた使命です。