内定通知書とは?【郵送?メール?】テンプレ、返信方法

採用時に、決定内容を記載した「内定通知書」を取り交わす場面が多々あります。転職活動では、内定通知書が届くことで「ゴールが見えた」と感じる人もいるでしょう。

ここでは「採用通知書」との違いや、返信・返送や紛失、再発行、書き方や送り方など、内定通知書に関するあらゆる事柄を紹介します。

1.内定通知書とは?

内定通知書とは、企業が採用応募者に対して「内定」を知らせる書類のことで、オファーレターとも呼ばれています。

内定は、転職、就職活動の場面において、求職者は雇用契約を申し込み、採用企業は求職者に対して内定通知を行うといった手順を踏んで、求職者が内定に承諾した場合に成立するもの。

内定が成立した時点で、雇用契約も成立したこととなるため、内定の取り消しは解雇に相当する意味も持つのです。

口頭だけの内定報告だとトラブルに発展する場合も。トラブルを回避するためにも、内容通知書というきちんと内容を確認できるかたちで残していくことが大切でしょう。ただし、企業に必ずしも内定通知書を発行しなければならないという法的義務はありません。

その他通知書との違い

転職、就職活動に関わる通知書には、内定通知書の他に、採用通知書、合格通知書といった書類があるのです。ここでは、それぞれの違いを説明します。

採用通知書

採用通知書とは、応募者に採用を決定した旨を知らせる書類で、内定通知書とほぼ同義です。内定通知書との違いは、

  • 採用通知書という書類の法的な定義はない
  • 内定通知書は採用内定という行為を証拠として示すため、法的な効力が発生する

企業によっては、内定通知書を採用通知書だとしている場合もあるため、採用通知書がどのような内容を示す書類なのかは、状況によって異なるのです。

合格通知書

合格通知書とは、大学や資格試験などで合格を認める書類のこと。企業の採用とは違って、大抵の大学の合格通知書では入学手続が同封されています。これによる入学手続きを行わないと、合格が取り消されることもあるのです。

そもそも内定とは?

そもそも内定とは何でしょう?内定とは、正式に発表される前段階に内々で決定された事項のこと。採用活動の場合の内定は、企業が「応募者の採用を決定した」ことを意味します。

一般的に内定というと、新卒採用の際によく使われます。しかし、中途採用などの場合でも「内定」という言葉が用いられているのです。

採用の際は、応募者に「採用を決定した」ことを通知するために、内定通知書もしくは採用通知書と呼ばれる書類を送付します。応募者はそれを受け取った後、正式に契約を承諾する必要があるのです。

なお、企業内で辞令を発表する前に、当事者に異動や昇格などの旨を伝えることも「内定」といわれています。

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内定と内々定との違いは?

内々定とは、文字通り内定前の内定という意味で、内定よりも拘束力がない、つまり労働契約を締結しない採用決定のことです。

実情は以下の通りとなっています。

  • 「採用という事実を早く伝えて人材を確保」という目的から、多くの場合は口約束で行われる
  • 企業によっては、正式な内定通知書もしくは採用通知書に先立って、非公式の採用予定通知を出す場合も
  • 新卒者の就職活動の場合、内定式前の採用通知も「内々定」とされている

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2.内定通知書を受け取る際のQ&A、返信、届かない、紛失、再発行

ここでは、企業から内定通知書が送られてきた際に注意すべき点、また思わぬ事態になった場合の対処の仕方を紹介します。

内定通知書が届いたら

「内定通知書」が届いたら、まず記載された内容をチェックしましょう。一般的に、「内定通知書」には入社日やそれまでに準備が必要な書類などが記載されています。

また、企業によっては「内定取消事由」が記載されている場合も。新卒の場合は「学校の卒業」、中途採用の場合は「免許や資格の取得」など、条件が設定されています。入社までに条件を満たしていないと、内定が取り消されてしまうこともあるのです。

内定通知書がメールだった場合

企業によっては内定通知書をメールで送信するところもあります。その際に気を付けなければならないポイントは下記のとおりです。

  • 企業側には入社か辞退かを早めに知りたいという事情があるため、なるべく24時間以内に返信するというのが一般的
  • 誰から来たメールなのか企業が分かるように、新規でメールを作成せず「Re:」で返信する
  • 件名や宛名、感謝や本題となる「入社意思」などは必ず記載する
  • 「メールでは告知のみで、後から書類も郵送する」という場合は、速やかにメールを返信し、書類も届き次第対応する

内定通知書ではなく電話だった場合

電話で内定通知を行う企業もあります。最終面接時などで「採用だった場合、●日に電話する」と告知された際は、指定された日に必ず電話に出られるよう準備しておきましょう。

電話での対応方法は、

  • お礼の言葉を述べる
  • 内定を受諾する場合はその旨をはっきりと述べて、感謝の気持ちをしっかりと伝える
  • 内定を辞退する場合はしっかりとその旨を伝え、マナーとして感謝の気持ちを伝える

辞退する場合、伝えにくい気持ちもあるでしょう。しかし曖昧な返答をしてしまっては、相手が混乱してしまいますので、注意が必要です。

内定受諾書の作成

内定受諾書とは、内定を得た応募者が「企業に対して内定を承諾し、入社することを誓約する」書類のこと。一般的には、企業から内定通知書が送付される際、内定受諾書が同封されています。

受け取ったら内定受諾書内の必要事項を記載し、署名・捺印して返送します。トラブルを避けるためにも、捺印後にコピーを取っておきましょう。

内定受諾書の返送

内定受諾書は、「添え状」や「送付状」と呼ばれる書類とともに、返送期日までに届くよう返送しましょう。

添え状とは、書類を送付する際の表紙の役目を果たすもの。ビジネスシーンではほぼ一般的に使われる文書です。添え状には、日付や宛名、自分の名前と連絡先、件名、本文、同封書類を記載します。

また、内定受諾書の折れ曲がりや水ぬれを防ぐために、透明のクリアファイルや薄手のビニールに入れると安心です。

内定通知書が届かない場合

「内定通知書は必ず発行する」という法的義務はありません。そのため企業によっては、内定通知書を作成しない場合もあります。しかし応募者の立場としては、「もし不採用なら、次の就職・転職活動を早く行いたい」という不安定な心境になるでしょう。

また、大きな企業になればなるほど応募者の数が多く、選考や事務手続きに時間がかかることも多々ありますので、少なくとも2週間程度は待ってみるとよいでしょう。

もし企業が指定していた日時を過ぎても内定通知書が届かない場合は、応募者側から確認を取るなど状況によって臨機応変に対応しましょう。連絡の際は、相手の時間の都合に配慮してメールで行うことが一般的です。

内定通知書を紛失した場合

内定通知書を紛失したからといって、内定自体が取り消されることはなく、すでに内定受諾書を送付していた場合も、何も問題はありません。

しかし内定通知書は、応募者に対して企業に「採用の意思がある」「いつから社員として採用する」といった内容を伝える書類です。「企業が内定を出した」という証明書でもあり、重要な書類であることに変わりはありません。

もし企業都合で「内定が一方的に取り消された」などのトラブルが生じた場合、書類などがあれば証拠として役立ちます。

紛失してしまった場合は、速やかに企業に連絡して、再発行を依頼しましょう。再発行された内定通知書は、なくさないように大切に保管しておいてください。

内定を辞退する場合

内定を辞退する場合の連絡は、入社日の2週間前までに済ませておくことが一般的です。また、内定承諾書の提出後でも、内定を辞退することに問題はありません。

辞退の際に気を付けるべきポイントは、以下のとおりです。

  • 突然のメールでは一方的な印象を与えかねないので、電話で直接説明する
  • 辞退を決めたら、できる限り早く企業側に伝える
  • 企業側にとって内定辞退は想定内だが、中小企業においては1名の辞退が経営に大きく響く点を認識しておく
  • 企業の採用計画では、常に予定人数の問題を抱えている
  • 社会人としてモラルのある言葉で、きちんとした謝罪を述べながら、辞退する旨を丁寧に伝えることを心掛ける

企業によって、電話やメールなど内定を通知する方法は異なりますので、状況に応じてきちんと対応してください。もし内定を辞退する場合は、社会人としてのマナーを持って相手に伝えましょう

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3.内定通知書を作る際のQ&A①書き方、作り方

内定通知書を作成する際、どのような事項を記載すればよいのでしょう。ここではフォーマットやテンプレート、書き方・作り方などを紹介します。

内定通知書に記載する事項

内定通知書は法定書面ではないため、企業ごとに自由に記載内容を定められるのです。また内定通知書には、採用者に「採用が内定したこと」がきちんと伝わるよう、以下の項目が記載されています。

  • 採用試験に応募したお礼
  • 採用が内定したというお知らせ
  • 同封された書類の内容
  • 返送書類の期限日
  • 入社日(未定の場合は、別途連絡する旨を伝える)
  • 人事担当者の連絡先(問い合わせ先)

また、労働条件に関する事項(契約期間、勤務地、勤務時間、休暇、給与、保険、退職等)を記載している場合もあります。

入社するに当たって、学校の卒業や免許や資格の取得など条件を設定している企業もあるのです。これらは「内定取消事由」として記載されています。

内定通知書作成に便利なフォーマットやテンプレート

一から内定通知書を作成してもよいですが、慣れていないと、必要な項目が抜けてしまう可能性があります。その際にはインターネットなどからフォーマットやテンプレートをダウンロードするとよいでしょう。

  • さまざまな種類のデザインが揃っている
  • ワードやエクセルで簡単に打ち込める
  • 無料で利用できるものも

内定通知書を作成する際は、「採用を内定したこと」をしっかりと伝えるためにも、入社日や連絡先などの必要事項を明記しましょう

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4.内定通知書を作る側のQ&A②内定通知書の送信・送付方法

企業は採用結果が出たらできるだけ早く、内定した旨を応募者に正確に伝えなければなりません。迅速に内定を伝えることで、応募者も速やかにその後の準備ができるからです。

そんな内定通知の方法となる郵送とメールの特徴を見てみましょう。

郵送
  • メリット:内定通知書以外の書類を同封できる
  • デメリット:メールよりも伝わるのに時間がかかってしまう
メール
  • メリット:郵送よりも早く「内定が決まった」ことを応募者に通知できる
  • デメリット:後日改めて内定通知書を郵送で送らなければならない

内定通知書をメール送信する場合

近年は使い勝手の良さから、メールで内定を知らせる企業が増えています。またウェブ上のエントリーシートなどでも、内定通知の際はメールが使われているのです。

内定通知書をメール送信する場合、応募者へのマナーとなる3つのポイントを見ていきましょう。

  1. 事前に、「合否はメールで通知する」と告知する
  2. メールの本文に、入社日、必要書類、出社日に持参する物などを記載する
  3. メールで内定の旨を伝えた後、改めて内定者に内定通知書を郵送する

内定通知書を郵送する場合

内定通知書を郵送する際、一日も早く応募者に「内定が決まったこと」を知らせるという趣旨から、速達や簡易書留を使う場合があります。

応募者によっては同居している家族に転職や就職を知らせていないことも。そのため「親展」と記した封筒を使用するのが一般的です。

また内定通知書と共に入社承諾書や入社誓約書などの書類を同封する場合、マナーとして、あて先を記載した返信専用の封筒も一緒に同封します。送付状を添付する際は、内定通知書の内容を必要最小限とどめ、盛り込むべき文言は「送付状に記載しましょう。

採用が決定したら、なるべく早く内定通知書を応募者に送ります。内定を通知する方法は、郵送とメールの2種類です