相手の感情を読み取る際、言葉以上に重要になるのが、表情やしぐさなどの態度に表れる部分です。
言葉によらないコミュニケーションを、非言語コミュニケーションと呼びますが、企業内でも業務を円滑に進める上で、非言語コミュニケーションへの理解が求められています。非言語コミュニケーションが表す意味や、対人コミュニケーションの中での重要性について考えます。
目次
1.非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)とは?(意味)
非言語コミュニケーションとは、字のごとく言語に頼らないコミュニケーションを意味します。ノンバーバル・コミュニケーション(non-verbal communication)ともいわれ、たとえば話す、メッセージを書くといった言葉を使うコミュニケーション以外の意思伝達方法を指します。
他者とコミュニケーションを図る上で、表情や顔色、声のトーン、話す速度、ジェスチャー、視線などは、言葉以上に大きな役割を果たします。
こうした非言語コミュニケーションを私たちは無意識に、時に意識的に使い分けています。また、服装や髪形、香りなども非言語コミュニケーションとして影響しているという考えもあります。
非言語コミュニケーションの具体例
しぐさやジェスチャーなどは、同じ表現でもいくつかの解釈があり、時にまったく異なる感情を意味することもあります。
たとえば、いつもより目を合わせないしぐさは、「シャイ」、「退屈している」、「懐疑的」、「非同意的」など、複数の感情を意味するといわれています。逆に、いつもより目を合わせると、「攻撃的」もしくは「誠実さ」という真逆の2つの感情を表します。
また、胸の前で腕を組むのは、身構えていたり、よそよそしい態度を表す可能性がある一方で、集中している可能性もあります。目を閉じるのも、同じく集中している可能性と、興味がなかったり、退屈していたりする可能性といった、相対する解釈を含みます。
非言語コミュニケーション | 想定される意味 |
いつもより目を合わせない |
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いつもより目を合わせる |
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胸の前で腕を組む |
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鼻に触る |
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耳や髪に触る |
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歯の間から息を吸う、頭を傾ける、頭の後ろをかく |
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目を閉じる |
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沈黙 |
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非言語コミュニケーションには注意が必要?
非言語コミュニケーションは、伝達内容をコントロールするのが難しいという特徴があります。時に隠したり、コントロールしようとしている感情さえも、あらわにしてしまいます。より本能的なコミュニケーション方法であるといってよいでしょう。だからこそ、他者の真意を読み取るときには、言語よりも非言語的な情報が頼りになるのです。
しかし、非言語コミュニケーションの解釈は、民族や文化、社会などが異なる場合、必ずしも同じであるとは限りません。文化や地域によって、非言語コミュニケーションの頻度や形式はさまざまな種類が存在するということも覚えておきましょう。
2.メラビアンの法則「7-38-55ルール」・「3Vの法則」とは?
アメリカの心理学者アルバート・メラビアンによって1971年に発表された、「7-38-55ルール」あるいは「3Vの法則」と呼ばれる法則があります。
この法則によると、人はコミュニケーションを取るときには、受け取る情報を100とすると、相手から発せられる言語の内容である「言語情報」から7%、声のトーンや口調、大きさ、話す速さなどの「聴覚情報」から38%、そして相手のジェスチャーや視線、表情といった「視覚情報」から55%の情報を受けています。
つまり、言語メッセージよりも非言語コミュニケーションによるメッセージのほうが、影響力が強いということが分かります。
メラビアンの法則とは?【わかりやすく解説】第一印象、誤解
みなさんは、就職面接のセミナーや接客研修などで「人のイメージは第一印象で決まる」「声のトーンが大切」などと指導された経験はありませんか?実はこちら、「メラビアンの法則」によるものなのです。
メラビアン...
3.非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション)の3つの重要性
非言語コミュニケーションには、3つの重要な意味があると考えられています。
1つ目は、言葉だけでは表せない想いや空気、置かれている状況を伝える、言語を補完する役割です。
たとえば、営業で「わが社にぜひお任せください」と言うときに、大きく胸を叩くジェスチャーがあれば、「これは任せても大丈夫そうだ」という印象を持たれるでしょう。自信なさげに伏し目がちに言われても、実際のところどうなのかと不安を抱かれてしまいます。
2つ目は、コミュニケーションを取る相手との距離感を縮め、信頼を得ようとする信頼関係構築の役割です。
部下に「大丈夫か、疲れてないか?」と声を掛けても、遠くの自席に座ったまま問い掛けるのでは、本当に心配されているようには感じられません。しかし、歩み寄って距離を縮め、心配そうな視線とともに言われれば、本当に心配してもらえていると実感できるでしょう。
3つ目は相手の本当の気持ち、状況を理解しようとする役割です。
たとえば部下が「顧客の希望納期までに間に合います」と言っても、その声が小さく震えていたり、視線が下を向いていたりすれば、部下が自信を持ってはいないことが読み取れます。それに気付かずに、結果として納期に間に合わなかった場合に「間に合うと言っていた部下のミス」としてしまうか、事前に察知してフォローするかで管理職の力量の差が分かります。
これらのことから、管理職研修など社内研修で非言語コミュニケーションの大切さを考える機会を持つことは大切です。
4.非言語コミュニケーションの目的・役割
非言語コミュニケーションには、表情や視線、姿勢など「動作で表れるもの」と、声の大きさや話す速度など「言葉を発する際に表れるもの」、また、相手との間にある距離感のように「空間に表れるもの」があります。これらは、意識的に使っている場合もあれば、無意識的にあらわれてしまっているケースも見受けられます。
非言語コミュニケーションには、情報の提供、感情表出(親密さを表すなど)、相互作用の調整(発言の交代を促すしぐさなど)といった3つの目的・機能があります。具体的に確認してみましょう。
①情報の提供
非言語コミュニケーションを意識的に使用するときに、まず基本的な目的・機能として挙げられるのが「情報の提供」です。具体的には、自分の考えや感情、または動機や知識といったメッセージを相手に伝える際に、非言語的な表現を用いることを指します。たとえば、伝えたい事物のカタチを宙に描くといった行為が、これに当たるでしょう。
②好意を表すなどの親密さの感情表出
好意を示したり、親密さをアピールする目的も、非言語コミュニケーションにはあります。好意を持つ相手には、視線を送って見つめたり、近い席に座って接近したりする表現や行動が増える傾向があります。逆に好意レベルが低い相手に対しては、このような表現が減ったり、距離を置いたりする傾向があります。
③発言の交代を促すなどの相互作用の調整
コミュニケーションの最中に、発言の交代を求めたり、もしくは促したりといった相互作用を調節する目的で、非言語コミュニケーションが行われるケースもあります。具体的には、相手を支持する際に打つ相づちや、発言を求めるために身体の向きを変える動作、咳払いをするなどの表現が挙げられます。また、言語的なコミュニケーションを補完する目的で使われることも多くあります。
5.非言語コミュニケーションの種類
人と人とがメッセージをやり取りすることを「対人コミュニケーション」といいます。
メッセージのやり取りには、音声で表現するものもあれば、身体や事物を用いて表現するものもあります。対人コミュニケーションは、さまざまなチャネル(伝達手段)を用いて行われます。たとえば同じ気持ちを表す場合でも、言葉を使うこともあれば、視線やジェスチャーのように動作を用いる場合もあるでしょう。
ここでは、対人コミュニケーションで使われるチャネルの種類を紹介し、それぞれの特徴について解説します。
対人コミュニケーションチャンネル一覧
対人コミュニケーションチャネルは、音声的なチャネルと非音声的なチャネルの2つに大きく分かれます。
音声的なチャネルは、さらに言語的なものと近言語的なものに分けられます。言語的なものとは、言葉に含まれる内容や意味を指し、近言語的なものとは、声の大きさや高さ、話す速度、発言のタイミングといった、言葉を発する際の属性を指します。
また、非音声的なチャネルは、
- 視線やジェスチャー、顔の表情などを含む身体動作
- プロクセミックス(空間の行動)と呼ばれる対人距離
- 衣類や化粧、装飾品などの人工物の使用
- 家具、照明、温度などが影響を及ぼす物理的環境
の4つに分けることができます。
つまり非言語コミュニケーションとは、対人コミュニケーションチャネルの中でも、近言語的チャネルと非音声的チャネルを使用したコミュニケーションを意味するのです。
「マレービアン(1986)の研究」によれば、好意の伝達については非言語コミュニケーションがその9割以上を担います。対人コミュニケーションにおいて、いかに非言語コミュニケーションが重要であるか、示されています。
非言語コミュニケーションのチャンネル例
言語コミュニケーションよりも、非言語コミュニケーションのほうが適していると思われる場面はいくつもあります。
その一つが、情動の伝達です。情動とは、喜びや怒り、悲しみなどの感情の動きのこと。
これらの情動が最も表れやすいといわれているのが、表情や姿勢、パラ言語(言葉を発する際の声の大きさや話すスピードなど)などの非言語コミュニケーションチャネルです。
たとえば、親密さを表す際には、相手との距離感や視線、身体への接触といったチャネルが影響しますし、ほかにも、相手の印象を判断する際には、顔や身長など外見的特徴のチャネルが大きく影響を及ぼします。日常的にジェスチャーを使う人も多いと思いますが、ジェスチャーは言葉を補足する際に有効なチャネルの一つであるといわれています。
①表情
情動と表情の関係について、エクマン(1987)の研究を紹介しましょう。
彼は顔を3つの部分に分けて、驚き、恐怖、嫌悪、怒り、幸福、悲しみの基本的な情動によって、これらがどのように変化するかを分析しました。
3つの部分とは、
- 顔の上部に当たる眉毛と額
- 中間部分の目とまぶたと鼻の付け根
- それより下の部分を指します
たとえば、恐怖の情動では「眉毛はつりあがり、両方の眉毛が接近して、内側の角が寄り、外側の角がまっすぐ伸びたようになり、額に横皺ができるが短い。上まぶたは上がるが、下まぶたはぴんと張って上がる。口は開き、唇は緊張して後方に引っ張られる」としています。
また、悲しみの情動では「眉毛の内側の角はつり上がって互いに寄り、眉毛の下の皮膚が三角形になる。下まぶたが上がったように見え、唇の両端は下に下がるか、震えるように見える」と記しています。
これらを絵にすると、下図のようになります。
参考 わかりやすいコミュニケーション学―基礎から応用までAmazon.co.jp眉毛・額 | 目・まぶた・鼻の付け根 | 顔の下部 | |
驚き |
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恐怖 |
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嫌悪 | ー |
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怒り |
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幸福 | ー |
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悲しみ |
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外国人も表情から情動を正しく判断できるか?
しかし、文化の異なる外国人の場合でも、同じように表情から情動を判断することができるのでしょうか。
非言語コミュニケーションの中でも、たとえばジェスチャーは、文化や地域によって意味が異なるチャネルとしてよく知られています。では、表情についてはどうでしょうか?
エクマンは、国の違いと情動判断の関係についても研究しています。
アメリカ、ブラジル、チリ、アルゼンチン、日本の5カ国の人々に、情動判断の実験を行った結果、多少の違いはあったものの、表情から正しく情動を判断できることが分かりました。
つまり表情は、人種や国籍に関係なく、情動を正しく判断する非言語コミュニケーションチャネルとして、非常に役立つといえるのです。
アメリカ | ブラジル | チリ | アルゼンチン | 日本 | |
恐怖 | 85% | 67% | 68% | 54% | 66% |
嫌悪 | 92% | 97% | 92% | 92% | 90% |
幸福 | 97% | 95% | 95% | 98% | 100% |
怒り | 67% | 90% | 94% | 90% | 90% |
それぞれの表情を正しく判断した人の割合(Ekaman&Friesen,1987)
②姿勢
情動の中でも、得に興味と退屈については「姿勢」に表れることが、ブル(2001)の実験によって判明されています。
ブルの実験では、参加者を椅子に座らせて興味のあるビデオと退屈なビデオを数本視聴させます。視聴後に感想をたずね、その際の姿勢を調べた結果、退屈なビデオを視聴したり感想を述べたりしている際は、「身体を後ろに向ける」「頭を下げる」「一方の手で頭を支える」という姿勢になる傾向があることが分かりました。
また、興味のあるビデオの場合には、「身体を前に向ける」「両足を後ろに引く」という姿勢になる傾向があります。
相手の姿勢を見ることで、興味の高さ、またどれほど退屈しているかなどが、手に取るように伝わってしまうというわけです。
③パラ言語(聴覚)
パラ言語とは、イントネーションやリズム、声質やスピードなどの言葉の周辺的側面のことを指します。単純に言えば、「言い方」のことです。
パラ言語が情動の伝達に及ぼす影響について、W・デイビッツ(1959)の実験を紹介しましょう。
まず、参加者を2つのグループに分け、片方のグループに情動を体験しているつもりでアルファベットを発音させ、それを録音したものを他方のグループに聞かせるというもの。
その結果、発音している人の情動を、相手は高確率で正しく判断できることが分かりました。
一方、ウォルボットら(1986)の研究では、プロの役者に喜び、悲しみ、怒り、驚きの4つの情動を演じさせて、パラ言語の特徴の差を比べました。
すると、悲しみを演じる際には、弱々しく低い声でゆっくり話す傾向があるのに対して、怒りでは、強く高い声、また速く話すことが分かりました。
同じ言葉でも、言い方によって異なる意味があるように感じることが日常でもありますが、これぞパラ言語の機能なのです。
④視線
視線は、親密さを測るのに有効な非言語コミュニケーションチャネルといわれています。たとえば恋人が視線を絡め合うのは、人間は親密さを感じるほど、相手に視線を向ける傾向があるためです。
ルビン(1970)の実験では、恋愛度の高いカップルほど、視線交差の時間が長くなることが分かりました。また、マレービアン(1986)の研究では、好意をもつ相手に対しては、より視線を向けることが明らかになりました。
ところが、親密さをあらわす以外にも、たとえば発言の交代を知らせる機能や、相手を威嚇する機能もあるため、視線は状況によって果たす役割に幅があることも覚えておきましょう。
⑤対人距離
他者との距離も、親密さを測る上で役立つチャネルです。一般的には、恋人や親子のように、親密な関係にある人間同士は、互いの距離が近くなる傾向があります。
リトル(1965)は実験で、見知らぬ人、知人、友人の3種類の対人関係について、4つの場所(オフィス、ロビー、大学構内、通り)で、どのくらいの距離を取るのか、対人距離を調べました。
その結果、場所に関係なく、見知らぬ人→知人→友人の順に、人間同士の距離が近くなることが分かりました。
オフィス | ロビー | 大学構内 | 通り | |
【友人】 現実他者 人形 |
18.5 11.0 |
13.7 7.7 |
15.9 7.5 |
13.7 8.7 |
【知人】 現実他者 人形 |
30.6 18.5 |
25.6 14.2 |
26.6 13.9 |
26.1 13.4 |
【見知らぬ人】 現実他者 人形 |
41.8 24.1 |
34.1 16.7 |
30.9 16.6 |
30.5 16.6 |
条件ごとの対人距離の平均値(Little,1965)
(注)数字はインチ
一方で、相手を攻撃しようとしているときも、両者の距離は近くなります。もちろん親密な関係を表すためではありません。視線と同様に、対人距離も、場面に応じて意味や果たす役割が変化する性質があります。
⑥身体への接触
身体への接触も、親密さを測る上で分かりやすいチャネルの一つですが、関係性や性別によって接触する範囲や位置に違いがあることが特徴です。
ジェラード(1965)が大学生を対象に、親密な関係にある4人の対象人物(父親、母親、同性の友人、異性の友人)との接触有無について行った調査では、興味深いある傾向が見られました。
両親や同性の友人から触られるのは、顔の周辺、もしくは腕、脚など身体の端にある部分であったのに対して、異性の友人からは、首から太ももまでの身体の中心部分、しかも広い範囲を触られる傾向にあったのです。
この結果から、関係が親密になればなるほど、接触の範囲が広くなり、また対象範囲が身体の中心部分になりやすいことが分かります。
参考 身体接触における文化の影響阪南大学⑦外見的特徴(顔)
顔は、特に女性の印象を左右する非言語コミュニケーションチャネルの一つであるといわれています。
宮本・山本(1994)が行った顔の特徴と印象の関係性についての実験では、目や口の周辺の特徴が、女性自身の印象と強く結び付く傾向があることが分かりました。
たとえば、目がぱっちりしていると、明るい、親しみやすい、自信のある、積極的な、意欲的な、といったポジティブな印象を抱きやすいのに対して、目が小さい場合は、暗い、親しみにくい、自信のない、消極的な、意欲的でない、などネガティブな印象になりやすかったのです。
また、女性の肌の色についても、色が白い場合には、親切な、素直な、まじめな、信頼できる、といった印象を残していました。
女性が美容に興味を持つ背景には、このような非言語コミュニケーションチャネルの影響があるといえるでしょう。
相貌特徴 | 印象 |
色の白い | 親切な、素直な、責任感の強い、我慢強い、まじめな、控えめな、信頼できる、知的な、落ち着いた、誠実な、暗い、自信のない、消極的な |
下がり目の | 心の広い、さっぱりした、親しみやすい、親切な、感じのよい、素直な、まじめな、控えめな、信頼できる、落ち着いた、誠実な、自信のない |
目のぱっちりした | 明るい、さっぱりした、親しみやすい、ユーモアのある、自信のある、積極的な、意欲的な、意思が強い |
眉の濃い | 明るい、自信のある、積極的な、意欲的な、意思が強い、控えめでない |
目の小さい | 暗い、親しみにくい、ユーモアのない、地震のない、消極的な、意欲的でない |
口の大きい | 明るい、ユーモアのある、積極的な、意欲的な、我慢強くない、控えめでない、落ち着きのない |
口元の引き締まった | 知的な、自信のある、積極的な、意欲的な、意思が強い、素直でない |
相貌特徴と印象の関連について(宮本・山本(1994)をもとに作成)
⑧外見的特徴(身長)
一方、男性に対する印象に影響しやすいチャネルは、身長です。
山本(1995)は、身長が異なる男女の写真を用いて、身長が与える印象の違いを調べています。
その結果、身長の高い男性については
- 努力家である
- 落ち着いている
- 責任感のある
- 慎重である
- 大人っぽい
などポジティブな印象を持つ一方で、身長の低い男性については
- 感情的である
- 怒りっぽい
- ごうまんな
など、ネガティブな印象を抱く傾向がありました。この傾向は女性については見られないことからも、男性について、特に身長がその人の印象に大きく関わることがうかがえます。
身長が高いことが望ましい男性像であり、身長が低いと、それだけネガティブな印象を持たれてしまう可能性があるのです。
⑨ジェスチャー
非言語コミュニケーションの中でも、言葉の代わりに直接的な意味を表す際に使われるのが、ジェスチャーです。
特に手指を使ったジェスチャーは、日常的によく使われているチャネルでしょう。人差し指と中指を立てるVサインは、勝利や平和を意味するジェスチャーとして広く知られています。
しかし同じジェスチャーでも、使われる文化や地域によって、まったく意味が異なる場合もあります。たとえば、小指を立てるジェスチャーは、日本では女の子や恋人、妻などの女性を表す意味で使われますが、インドでは「トイレに行きたい」、また中国では「つまらない」という意味で使われます。
ジェスチャーは、言葉の通じない外国人とのコミュニケーションにおいて有効である一方で、意味の違いによって誤解を招く可能性もあります。
参考 わかりやすいコミュニケーション学―基礎から応用までAmazon.co.jp