CS(顧客満足度)とは? 調べ方、高め方、ESとの違いを簡単に

CSは、商品やサービスによって得られる顧客の満足で、顧客が満足できる条件を提示しているかを総合的に判断する「顧客満足度」ともいわれます。CSを調べる目的やESとの違い、特徴や実態などについて解説しましょう。

1.CS(顧客満足度)とは?

CS(顧客満足度)とは、企業が提供するサービスや商品によって顧客がどの程度満足したかを数値化したもので、Customer Satisfactionの略称です。

「顧客は満足を感じたときに物品やサービスを購入する」といった考えに基づいており、企業ではCSを戦略に取り込んで現状を診断し、新しい商品の開発につなげています。

CSは絶対値ではなく事前期待と実績評価の相対値で、一般的にCSの高い企業はES(従業員満足度)も高いといわれているのです。

提供する商品やサービスの価値を定期的に評価して、マーケティング活動のゴールにつなげるためにも、CSは企業戦略に欠かせないといえます

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2.CSの目的

CSによって、現在の商品やサービスに対して顧客がどの程度満足しているかが分かります。

商品やサービスに対する満足度が高ければ顧客はリピーターとなりさらなる消費が見込めるのです。CSの数値をもとに改善を進めることで、売り上げの向上やリピーター、新規顧客の増加といった好循環が期待できます。

CSには商品やサービス自体の品質、価値はもちろん、企業の信頼性やイメージといった要素も含まれています

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3.CSとESとの違い

CSと合わせて注目されているのがES、従業員満足度です。ESとはEmployee Satisfactionの略称で、働いている人がどの程度現在の職場に満足しているかを意味します。

ESの指標は給料や福利厚生などの待遇面だけでなく、職場環境や人間関係、業務内容など総合的な満足度が含まれているのです。

会社の大切な財産であるすべての人材が、風通しのよい人間関係のもとやりがいを持って働ける環境をつくると、ESが向上します。

近年、ESの向上がCSの向上につながり、結果的に会社の業績も向上するという考え方が広まっています

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4.CSの特徴

顧客は商品やサービスを利用する際、ある程度の期待を持っています。よってCSは「サービスを受けた後の実績評価が、利用する前の事前期待を上回った際に得られるもの」と定義できるのです。

顧客満足は事前期待と実績評価の相対値によって決まるため、CSを得るには顧客の事前期待を把握することが欠かせません。そして事前期待を知るためには顧客ニーズの把握が必要です。

どれだけ高品質な商品や丁寧なサービスでも、顧客がそれを求めていなければ満足度は上がりません。

CSは顧客至上主義ではありません。顧客満足度をいかに企業の業績アップにつなげるかという具体的なアクションが重要なのです

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5.CSの調査方法

CSを知るには、実績に対する評価の正しい理解が必要です。漠然と顧客満足度向上を掲げるだけで、自社における顧客満足度の定義を不明瞭にしたままでは、長期的に利益をもたらす顧客の創造は困難です。

ここでは具体的にCSを知る方法を見ていきましょう。

Webの分析

前述の通り、CSを知るには顧客ニーズの把握が必要です。顧客は興味のあるサービスや商品に対してインターネットで検索することが多いため、検索キーワードそのものが顧客のニーズを映しているといえるでしょう。

Web上でどんな言葉が検索されているのか、自社サイトではどのページにアクセスが多いのか、といったWebの分析がニーズの把握に役立ちます。

スマホの普及によりSNSが当たり前のように使われるようになりました。CSを知るためにはSNSの活用、分析も重要となるでしょう。

直接声を聞く

直接顧客と会った際にヒアリングを行い、現状の課題や顧客ニーズについて聞くことも重要です。Webとは違い直接顧客の話を聞き出せるため、温度感や緊急性、よりリアルな評価を把握できます。

しかし顧客から具体的なニーズが得られることはそう多くありません。課題はあるがどう解決したらいいか分からない、何が必要なのか分からないからニーズも伝えられない、といったケースもあるからです。

担当者は顧客の発言や課題点、悩みなどからニーズを類推する必要があります。

データの収集・分析

CSを知るためには実績評価の把握が欠かせません。売り上げやユーザー数、確率などのデータを集めて分析することが、CSの把握につながります。

おそらくこんなサービスが求められているのだろう、数年前と同じできっと今もこの商品が必要なのだろう、と曖昧なままでは、顧客のリアルなCSを知ることはできません。

ときには調査会社や行政が公表している統計データから顧客ニーズを読み取ることも必要です。市場規模の推移や商品への支出を追うことで、ニーズのシフトを把握できるでしょう。

アンケート調査

CSや顧客のニーズが色濃く反映されたアンケート調査の活用も効果的です。インターネットや紙などさまざまな媒体を通したアンケート調査にて、顧客の声を集めましょう。

中には耳の痛い評価や誹謗中傷めいた声もあるかもしれません。しかし実績評価の把握というのは、顧客の声に向き合うということなのです。

顧客の声や実情を可視化することで、よりリアルなCSを把握できます。顧客の声をいかに商品やサービスに反映させていけるかがCS向上の鍵といえるでしょう。

顧客自身も気付いていない潜在ニーズをいかに把握するかが重要です。まずは真摯かつ謙虚な姿勢で実績評価を把握しましょう

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6.CSの高め方

CSを高めるには、どのような方法を取ればよいのでしょう。アンケートやヒアリングなどを通じてCSを知るだけでは効果はありません。マーケティングの目的は、継続的に顧客に支持され、長期的に利益をもたらす顧客の創造です。

基本をしっかり

顧客のニーズや実績評価の把握も重要ですが、それらはすべて「やるべきことをきっちりやる」ことが前提です。

予算や人員、時間に余裕があれば簡単にできることも多いですが、最も難しいことは基本業務を忠実にこなし、顧客に対して企業が果たすべき責任を継続的に果たすこと。

基本をおろそかにしていては、どんな調査もどんな付加サービスも価値がなくなってしまいます。「基本」をきっちりやることがCSを高める近道なのです。

目指すCSを共有

「前任者は便利なサービスを提供してくれたが今の担当者は不必要なサービスばかり薦めてくる」「前はこんな商品があって助かったがなくなってしまい悲しい」そんな思いをした顧客が企業から離れていくのは当然でしょう。

その企業にとって顧客満足とは何を指すのか、どういう状態にすればいいのかを組織全体で共有する必要があります。

この共有認識が不完全なままでは商品やサービスに一貫性が生まれず、不信感が高まる原因になってしまうのです。必ず企業の共通認識をつくり、組織全体で共有しましょう。

一人ひとりの対応力を向上

目指すCSを共有したら、社員一人ひとりがそのCSに対応できるよう力を付けます。CS向上は一部の担当者や責任者、一部の部署だけに推進されるものではありません。トップから現場まで、部門や立場を超えた組織的な活動の展開が重要となるのです。

これには、個人のレベルに応じたOJTや部署単位での研修といったトレーニングが効果的です。優秀な社員のスキルやプロセスなどを可視化して共有するのもよいでしょう。

集めたCSをもとに満足度向上の施策を行う

アンケートやWeb調査などで集めたCSに基づいて、定期的に満足度向上のための施策を考案・実施します。

たとえば店舗のマネージャーが中心となり調査結果をフィードバックする場を設けるなどです。サービス内容や商品に対して、顧客の視点から徹底的に見直してみましょう。

CS活動は、調査によって顧客の評価傾向を把握するだけの取り組みではありません。社員全体で改善検討会を実施し、改善のためのPDCAサイクルを回すことが重要なのです。

CS向上の施策をモニタリング

CS向上の施策がどのような効果を生み出したのか、何が必要で何が足りなかったのか、といった改善点を定期的にモニタリングしてブラッシュアップしていきましょう。そのためには顧客評価に対して即座に対応するモニタリング制度の確立が必要です。

そしてここに前述したES(従業員満足度)が関わってきます。社員のモチベーションを高め、満足度を上げるための仕組みづくりをしておきましょう。それにより、顧客も社員も満足しながら進められます。

顧客管理ツールを導入

CRMやSFA(営業支援システム)といった顧客管理ツールを導入すると、顧客管理や顧客満足度の理解が進み、CS向上に活用できます。

近年、CRMとSFAの両方の役割を果たすツールが一般的となってきました。各システムを活用すれば、簡単に各営業担当者が把握した顧客ニーズを部署全体で共有できます。

企業そのものの価値向上

「名の知れた会社だから」「全国展開している店舗なら安心」といったように企業そのものの価値を向上させ、ブランド化することもCS向上につながります。

CSはすぐに効果が表れる取り組みではありません。企業は中長期的に全社員の意識が長続きするようさまざまな働きかけや演出を講じる必要があるのです。

顧客一人ひとりが満足体験を繰り返すことで、企業のブランドが成立していきます。顧客満足度の向上が企業ブランドの価値を高め、好循環をつくり出すといっても過言ではありません。

CSは相対的に判断されるため、絶えず変化していきます。常に競合商品や他社サービスと比較し、どこまで差別化を図るかの見極めが重要となるでしょう