部下のエンゲージメントを高めるために必要なマネージャーの能力とは何でしょうか。それは下記の通りです。
- 組織のビジョンや戦略についての説明と共有
- キャリアや能力の開発
- 仕事に対するフィードバック
- 情緒的なケア
ここではさまざまな視点で解説していきます。
目次
1.従業員エンゲージメントを高めるマネージャーの存在
従業員のエンゲージメントを高められるマネージャーがいる組織では、生産性が上がります。なぜなら、部下が幸せを感じながら能力を発揮して仕事できるからです。
しかし、何もせずに高まるものではありません。従業員エンゲージメントは、適切な取り組み、そしてその取り組みを管理するマネージャーがいて初めて高まるものといえます。
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マネージャーが部下のエンゲージメントを高める理由
前述の通り従業員エンゲージメントは、何もしないままでは高まりません。気付けば離職者が増えていた、生産性や業務効率が低下していたなど、従業員エンゲージメントが低くなっていたという状況も大いにあり得るでしょう。
そこで、マネージャーが部下のエンゲージメント向上に取り組みます。なぜなら、調査などで適切に状況を把握し、課題を見出し、改善に取り組み、状況を逐一モニタリングしていく、こうしたサイクルを執り行なう人物が必要となるからです。
また部下は、正しい評価をしてもらう、より成長へ導いてくれる存在を求めています。こうした点から見ても、マネージャーは必要な存在といえるのです。
2.部下のエンゲージメントが低下する原因とは?
対応によって、部下のエンゲージメントは低下します。下記の点について適切な振る舞いができていない場合、部下は失望したり傷ついたりしてしまうのです。
- 組織のビジョンは正しく伝えられているか
- 本人の希望を聞いているか
- 能力を正当に評価しているか
- 心情を推し量った声掛けができているか
3.部下のエンゲージメントを強化するための仕組み
既存の従業員エンゲージメントを土台に、より強化させる仕組みがあります。
- 組織での仕事に「誇り」を持つ
- 自らやる気を出して「熱中」する
こういったエンゲージメントがある状況で仕事に打ち込むと、よりよい業績を生み出せるのです。
さらに、これらに、「従業員が持つ資源」「心理的オーナーシップ」「ジョブクラフティング」が関わると、従業員ロイヤルティ(従業員満足・パフォーマンス・勤務継続の意向)が向上し、より一層エンゲージメントは向上するでしょう。
- 従業員が持つ資源:仕事ができる環境や個人の知識や能力といった「仕事の資源」「個人資源」
- ジョブクラフティング:個人の能力や提案を活かしながら業務改善のためにチャレンジしていく取り組み
- 心理的オーナーシップ:組織や職務に対しての精神的なつながりで、共感や所属意識、責任感を持った意欲的な働き方に効果がある
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従業員エンゲージメントの構成要素
従業員エンゲージメントは、3つの要素から成り立っていると考えられています。
- 働く環境:適切なコミュニケーションや適度な業務量、チャレンジできるといった環境
- やりがい:売上など数値で表せるものと認められるなど心理面に影響をおよぼすものの2つ
- ビジョン:従業員個人が持つビジョンと企業が持つビジョンが重なる、つまり企業のビジョンに従業員が共感して組織と「同一化」する
4.エンゲージメント向上に必要なマネージャーの能力4つ
部下のエンゲージメントを高めるために必要なマネージャーの能力とは、下記の4つです。
- 組織のビジョンや戦略についての説明と共有
- キャリアや能力の開発
- 仕事に対するフィードバック
- 情緒的なケア
それぞれの能力について詳しく説明しましょう。
中間管理職に関係する項目の4類型 | ①組織のビジョンや戦略的決定についての説明と共有 |
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②キャリア開発や能力開発の指導 | |
③仕事に対するフィードバック | |
④情緒的なケア |
①組織のビジョンや戦略についての説明と共有
マネージャーは、部下の理解に努めています。そのため、組織のビジョンや戦略について、適切な説明のもと、部下と共有できるのです。それにより部下も深く内容を理解するため、エンゲージメントの向上に役立つでしょう。
②キャリアや能力の開発
熱意だけの指導では、部下の心に響きません。普段のコミュニケーションなどで、下記について尋ね、部下を理解しましょう。それにより、部下のキャリアや能力開発が進みます。1on1ミーティングの活用も有効です。
- 何が得意なのか
- どんなキャリアを目指しているのか、どんな仕事をしたいと思っているのか
- どうしてそう思うのか、その理由
③仕事に対するフィードバック
フィードバックのポイントは、「早いタイミングで、具体的に分かりやすく、今後どのようにして欲しいか伝える」ことです。ただ褒めたり叱ったりするだけではなく、5W1Hを活用して分かりやすく伝え、自発的に考えられるよう導きます。
④情緒的なケア
部下を一人の人間として大切に思いながら適切なコミュニケーションを取ると、心身の健康や感情のケアに役立ちます。それにより部下は信頼感や安心感が高まり、パフォーマンスとともにエンゲージメントも向上するでしょう。