スーパーグローバル大学は、国際化を徹底し世界的にハイレベルな教育研究を行う大学を支援する国の事業です。新卒採用で学生に接する機会の多い人事の皆さまに、スーパーグローバル大学と「トップ型」「グローバル化牽引型」の指定校について紹介します。
目次
スーパーグローバル大学とは?その目的と2つのタイプ
スーパーグローバル大学は、2014年に文部科学省によって創設された国の事業です。日本の大学の教育研究を世界レベルで戦える水準に引き上げるため、大学教育のグローバル化を進め、世界を舞台に活躍できる優秀な人材を育成することを目的としています。
具体的には、日本学術振興会が審査する委員会を設け、重点支援大学を指定して補助金を助成します。そのうち「トップ型」は、世界的に評価の高い3つの世界大学ランキングでトップ100入りをする力のある大学を指定。
また、「グローバル化牽引型」は、これまでの実績と新たな取り組みで、日本のグローバル化を牽引すると期待される大学が指定されます。
2014年の4月に、この2つのタイプの大学を公募したところ、「トップ型」に16件、「グローバル化牽引型」に93件の応募があり、そしてその中から同年9月には「トップ型」に13校、「グローバル化牽引型」に24校が指定されました。
スーパーグローバル大学トップ型一覧
スーパーグローバル大学トップ型に指定されている大学は以下の13校です。
【国立】
北海道大学、東北大学、筑波大学、東京大学、東京医科歯科大学、東京工業大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、広島大学、九州大学
【私立】
慶應義塾大学、早稲田大学
スーパーグローバル大学グローバル化牽引型指定校一覧
スーパーグローバル大学グローバル化牽引型に指定されている大学は以下の24校です。
【国立】
千葉大学、東京外国語大学、東京芸術大学、長岡技術科学大学、金沢大学、豊橋技術科学大学、京都工芸繊維大学、奈良先端科学技術大学院大学、岡山大学、熊本大学
【公立】
国際教養大学、会津大学
【私立】
国際基督教大学、芝浦工業大学、上智大学、東洋大学、法政大学、明治大学、立教大学、創価大学、国際大学、立命館大学、関西学院大学、立命館アジア太平洋大学
世界大学ランキングでわかる、スーパーグローバル大学事業の必要性
主要な世界大学ランキングには、英国のクアクアレリ・シモンズ「QS世界大学ランキング」と、英国のタイムズ紙が秋に新聞付録として発行している冊子「タイムズ・ハイアー・エデュケーション」の「THE世界大学ランキング」、そして上海交通大学の「世界大学学術ランキング」の3つがあります。それぞれ最近発表された世界ランキングでの、日本の大学の順位を見てみましょう。
「QS世界大学ランキング」2016年9月発表
米マサチューセッツ工科大学が5年連続1位となり、日本国内では、前年度トップの京都大学から東京大学が首位を奪還しましたが、その東京大学も世界ランキングでは34位、アジアでも5位でした。世界ランキング100位に入った日本の大学は、東京大学の他、京都大学(37位)、大阪大学(63位)、東北大学(75位)の計4校でした。
「THE世界大学ランキング」2016年9月発表
英オックスフォード大学が1位。日本国内では東京大学が1位でしたが、世界では39位。アジアでは4位でした。世界ランキング100位内にランクインした日本の大学は、東京大学の他、京都大学(91位)だけでした。
「上海交通大学世界大学学術ランキング」1996年8月発表
米ハーバード大学が1位。日本国内では東京大学が1位で、世界ランキングでは20位、アジアではトップでした。世界ランキング100位内に入ったのは、東京大学の他、京都大学(32位)、名古屋大学(72位)、大阪大学(96位)の計4校でした。
このように、日本では名だたる大学であっても、世界、アジアでの競争力はまだまだ弱いのが現状です。国では、スーパーグローバル大学事業などによって、10年のうちに主要な世界大学ランキングのトップ100に10大学以上をランクインさせることを目標としています。