従業員エンゲージメントが高まる人事制度の構築方法とは?

エンゲージメントの向上は、優秀な人材の流出に歯止めをかけるためにも避けて通れない課題です。ここではエンゲージメントの向上を人事制度の立場から解説します。

1.従業員エンゲージメントを高める人事制度とは?

従業員エンゲージメントが高い企業に共通するのは、すべての従業員が企業のビジョンを共有し、壁を作らない活発なコミュニケーションがなされているという点。人事制度には経営者と従業員がお互いに尊敬しあえる、期待しあえる関係作りが求められます。

従業員エンゲージメントは会社と従業員の双方向に関係を問うものなので、従業員から見た一方向的な「従業員満足度」とは異なります

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.エンゲージメント向上に直結しない人事制度だと……?

導入した施策がエンゲージメント向上に直結しない人事制度だった場合、どのような事態を招くのでしょうか。ここでは従業員エンゲージメントの向上が必要と感じた企業が抱く課題点、人事のリアルな声をいくつか紹介します。

入社3年で退職する新卒が多い

日本の会社における従業員エンゲージメントの水準は、海外に比べて非常に低いと分かっています。

入社を検討している学生により魅力を感じてもらえるよう、新卒採用に相当な労力をかけているにも関わらず、入社して2〜3年程度で辞めてしまう従業員が後を絶ちません。

従業員エンゲージメントの向上に結び付かない人事制度は、優秀で貴重な人材が離れていく環境を生み出している要因の一つといえます。

若手従業員のモチベーションを維持できない

若手従業員の不満として多く挙げられているのが、「自身のキャリア目標達成の見込み」。つまり企業は、若手従業員のモチベーションを保てていないのです。

既に実施されている人事制度が、「もっとダイレクトに事業と関わりたい」「市場を体感できる仕事に携わりたい」という若手従業員の欲求を満たせているのか、この機会に一度見直してみましょう。

従業員エンゲージメント低下の原因に漠然とした見解しか持てず、若手従業員に起きている変化を捉え切れていない企業も少なくありません

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

3.従業員エンゲージメントに影響するポイントとは?

2012年、コンサルティング会社のウイリス・タワーズワトソンが行った「グローバル・ワークフォース・スタディ」によれば、従業員エンゲージメントに影響するポイントには下記6つの要素が世界で共通していると分かりました。

  1. リーダーシップ
  2. 業務量
  3. ストレス
  4. 上司
  5. 目標
  6. ミッション

①リーダーシップ

日本における従業員エンゲージメントの重要な要素トップ5には、リーダーシップが入っていません。リーダーシップのランクが低いことは、中小企業より大企業に多く見られます。原因とされるのは、恵まれた労働環境に囲まれている点です。

②業務量

従業員エンゲージメントを継続的に高くキープするには、健全な就労状態かどうかが欠かせません。業務量は、過不足のない適切なものになっているでしょうか。定期的に業務量のバランスを見直し、流動的な就労スタイルを導入していくとよいでしょう。

③ストレス

かつての日本では、「会社への貢献のためなら長時間労働もやむなし」という風潮が蔓延していました。今でも違法な長時間労働がなくならず、指摘される企業も数多く存在します。また貢献意欲が高まれば、ついつい業務量が増えてしまうかもしれません。

しかしそれは生産性の低下につながるだけでなく、ストレスとなって従業員の心身を壊す要因にもなり得るのです。

④上司

組織において上司と部下の関係性は非常に重要です。経営層の目標や会社の目的は、上層部から中間管理職、そして現場の従業員へと伝わります。間違った伝達が行われたり意思疎通が上手くいかなかったりしては、意味がありません。

従業員エンゲージメントの向上には、組織運営に携わる全員に確かな信頼関係が構築されているかが重要となります。

⑤目標

ゴールのないマラソンは苦痛以外の何ものでもありません。これはビジネスの世界においても同じです。ゴールや目標は適切に、また明確に設定されている必要があります。

また流行り廃りの早い時代です。エンゲージメントを向上させる人事制度には、柔軟に経営戦略を見直したり変更したりするなども併せて求められています。

⑥ミッション

企業のイメージと企業のミッションは、従業員に浸透しているでしょうか。企業イメージを発信して企業価値を高めましょう。また社会に対する貢献方法を企業のミッションに組み込むと、従業員エンゲージメントの向上につながります。

世界で共通する従業員エンゲージメントに影響するポイントは、「リーダーシップ」「業務量」「ストレス」「上司」「目標」「ミッション」の6つです

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

4.従業員エンゲージメントと人事制度

日本では、経営陣らが取り組みの推進主体となることはほぼありません。即効性の高い、現場レベルでの取り組みが重要と考えられているため、従業員エンゲージメントに関する取り組みを管理しているのは、人事部や総務部などが多いようです。

エンゲージメント向上のための人事制度

従業員エンゲージメントの向上は、数日でどうにかなる問題ではありません。旧来的な従業員との関係性を見直さなければならないのですから、当然でしょう。

人事部や総務に任せっきりではいけません。経営者が従業員の自己実現と育成に対して本腰を入れてバックアップしなければ、従業員エンゲージメントの向上は難しいでしょう。

具体例

ヤマト運輸では従業員エンゲージメントを高める施策として、2008年11月から「満足ポイント制度」を導入しています。企業からの評価や周囲の評価、自己評価などをポイントで蓄積をして、バッジを入手できるという独自の制度です。

この制度の素晴らしいところは、従業員同士がお互いのいい面を引き出しながらポイントを積み上げていく点。その結果、従業員間の信頼関係が強くなるだけでなく、従業員エンゲージメントの向上にも成功しています。

即効性が大切と考えられているため、人事部などが従業員エンゲージメントに関する取り組みを管理している場合が多いです。しかし経営者が従業員の自己実現と育成に対して本腰を入れてバックアップしなければ、従業員エンゲージメントの向上は難しいでしょう