ドリブン / Drivenとは?【ビジネス上の意味】種類一覧

データドリブンとは、データをもとに戦略の意思決定を行うことです。ここでは、データドリブンについて詳しく解説します。

1.ドリブンとは?

ドリブンとは、仕事上で手に入るデータをもとにして、経営戦略の策定や人事配置に冠する意思決定を行うこと。主観的な判断ではなくデータをもとに意思決定を行うため、複雑化した消費行動を把握し、勝算の高い選択ができます。

ドリブンの英語的意味

ドリブンは、英語の「drive」の過去分詞に由来しています。「driven」をカタカナ表記したもので、もともとは「(~に)突き動かされた」を意味する言葉です。

ビジネスの世界で用いられているドリブンは意味が転じたもので、「○○をもとにした」「○○を起点とした」といった物事を示す言葉になっています。

さまざまなドリブンが存在する

ドリブンは、「○○ドリブン」と他の単語と組み合わせて活用します。ビジネスの世界で多用されているのは、データドリブンやイベントドリブンです。

  • データドリブン:測定や実験などのデータをもとにマーケティングなどの意思決定を行う
  • イベントドリブン:プログラミング用語で、イベントを起点としプログラミングが作動する

ドリブンとは、仕事上で得たデータをもとにさまざまな意思決定を行うことです。「○○ドリブン」といった形で活用されています

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2.ドリブンの種類・例

ドリブンは、「○○ドリブン」といった形で活用されている言葉です。ここでは、6つのドリブンについて解説します。

  1. データドリブン
  2. テクノロジードリブン
  3. 議事録ドリブン
  4. イベントドリブン
  5. カスタマードリブン
  6. クォート・ドリブン

①データドリブン

データドリブンとは、効果測定や実験、調査などで得られた情報やデータをもとに、次のステップで行うアクションを決定すること。経験や勘など主観に依存せず、客観的なデータをもとに意思決定を行います。

データドリブンは、今、話題のビッグデータやAIマーケティングの手法として確立しています。

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②テクノロジードリブン

テクノロジードリブンとは、科学技術の進歩をもとにして、常識を覆す発見や新たなイノベーション、斬新なビジネスなどを誕生させること。テクノロジードリブンの多くは、AIやソーシャルメディアの活用によって誕生しています。

シェアリングエコノミーや人事労務のHRテックなどは、その代表です。

③議事録ドリブン

議事録ドリブンとは、事前に設計した定型の議事録フォーマットを用いて会議を進行していくテクニックのこと。

個々で会議メモを作成せず定型の議事録フォーマットを活用すると、出席者全員が会議の目的や結論までのプロセス、会議時間などを共有しやすくなります。その結果、会議を効率的に運営できるのです。

④イベントドリブン

イベントドリブンは、イベントの発生をもとに特定のプログラムが動くことで、プログラミングで用いられます。

イベントとは、「クリックする」「キーボードが押される」などのパソコン操作です。パソコンの多くはイベントドリブン方式を活用して作成されており、イベントドリブンは、私たちの身近なところで活用されています。

⑤カスタマードリブン

カスタマードリブンとは、アンケート調査などによって得られた、顧客の意見や行動、意識などのデータを起点とし、事業のマーケティングを行うこと。日本語では、顧客主義と訳されます。

顧客主義に類似する言葉に顧客志向があり、これは顧客ニーズを想定したマーケティングとなり、カスタマードリブンとは異なるのです。

⑥クォート・ドリブン

クォート・ドリブンとは、証券業界で使用されている売買注文方式のこと。

  • 証券会社が、売買に関する気配をコンピュータネットワークに提示する
  • 投資家は、自己にとって最良であると判断できる価格条件を提示した証券会社に売買注文を発注する

という方式で、売買発注を実行します。

東京証券取引所やNASDAQなどが採用しています。

ビジネスの世界では、「○○ドリブン」といった造語が多く創造されています。ドリブンは、私たちの身近なところで活用されているのです

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3.データドリブンの概要

ドリブンから生まれた造語であるデータドリブンは、現在、ビジネスにはなくてはならないものになっているのです。ここでは、ビジネスと深い関係を構築してきたデータドリブンについて7つの視点から解説します。

データドリブンが必要な理由

データドリブンが必要な理由は、下記のとおりです。

  • デジタルマーケティング技術の向上
  • 顧客の購買行動の複雑化

マーケティングの舞台は、リスティング広告の運用や・動画プラットフォーム上での動画広告配信などデジタルの世界に移行しています。それにより、顧客の購買行動が見えにくくなったため、顧客データの活用が企業の将来を左右する課題になっているのです。

データドリブンの必要要素

データドリブンの必要要素5つについて解説しましょう。

  1. データ収集のための環境づくり
  2. データの可視化
  3. 可視化したデータの分析
  4. アクションプランを考える
  5. アクションプランを実行に移す

①データ収集のための環境づくり

データ収集のための環境づくりとは、効率的なデータ収集ができる環境を整備すること。データドリブンでは、適切なデータを効率よく収集します。そのためには社内に複数あるシステムの一元管理が必要です。

従来、部門や事業部ごとに最適化したシステムを統合し、データを一元管理できる環境の整備が求められます。

②データの可視化

データの可視化とは、データの特徴や関係性を視覚的に情報化すること。収集したデータの多くは、単なる数字の羅列です。

データを生かした意思決定のためには、各種データを加工し、可視化しなければなりません。手間のかかるデータの加工は、BI(Business Intelligence)ツールを活用すると容易に実現できます。

③可視化したデータの分析

可視化したデータの分析とは、可視化したデータを解析、分析して読み解くこと。従来、この分析作業には、データエンジニアやデータサイエンティストといった専門家の存在が不可欠でした。

しかしデータの可視化と同様、データ分析機能搭載のBIツールなどを活用すれば、データの分析まで自動化できます。

④アクションプランを考える

アクションプランを考えるというのは、データを分析した結果からビジネスの場で行うアクションプランを策定すること。BIツールなどを活用して可視化したデータから、さまざまな情報やヒントが見えてきます。

これら分析結果をもとに、最適なアクションプランを検討するのです。複数の選択肢を挙げ、その中から最適なプランを選択します。

⑤アクションプランを実行に移す

アクションプランを実行に移すというのは、策定したアクションプランをビジネス現場で実行すること。BIツールなどを活用して可視化されたデータを分析すると、最適と判断できるアクションプランを導き出せます。

あとはプランを実行するのみで、実行後は、プランの評価や修正など、PDCAサイクルを回すのです。

データドリブンの必要要素は、「データ収集のための環境づくり」「データの可視化」「可視化したデータの分析」「アクションプランを考える」「アクションプランを実行に移す」の5つです

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4.データドリブンを成功させるために

データドリブンを成功させるためのポイントは3つあります。ここでは、下記3つの観点から成功のポイントについて解説しましょう。

  1. 優秀な人材の確保
  2. 組織全体の理解力・実行力の向上
  3. 解析ツールなどの導入

①優秀な人材の確保

優秀な人材とは、組織的にデータドリブンを成功に導ける人材のこと。求められるスキルとして挙げられるのは、下記のとおりです。

  • ビジネスへの理解
  • データ分析、解析、処理に関する知識
  • 業務遂行に関わるロジカルシンキング力
  • マーケティング知識

②組織全体の理解力・実行力の向上

データドリブンの多くは組織的に行われるため、組織全体で「デジタルマーケティングへの理解力」「データ分析結果に基づくアクションプランの確実な実行」が不可欠です。これができなければ、データドリブンは成立しません。

③解析ツールなどの導入

データドリブンを成功させる鍵は、データの的確な収集、分析です。社内の人材不足や経験不足などの課題が壁となる場合、解析ツールなどの目的別支援ツールを導入し活用するとよいでしょう。

データドリブンを成功させるポイントは、「優秀な人材の確保」「組織全体の理解力・実行力の向上」「解析ツールなどの導入」の3つです

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5.データドリブンマーケティング

データドリブンマーケティングとは、データドリブンによって得られたデータ分析を活用したマーケティング手法のこと。ここでは、データドリブンマーケティングに関するポイントを解説します。

データドリブンマーケティングの流れ

データドリブンマーケティングの流れは、下記の3つです。

  1. データの収集
  2. データの分析
  3. アクションプランの決定

データドリブンマーケティングでは、この3つのステップを適切に推し進めていきます。

①データ収集

データ収集とは、マーケティングの対象に関するデータを収集すること。ただしこれは膨大な時間をかけて、全方位的なデータを収集するという意味ではありません。

データドリブンマーケティングでは、データ分析後に入手したい情報や最終的な着地点をイメージしてデータを収集します。つまり、焦点を定めたデータ収集となるのです。

②データ分析

データ分析とは、収集したデータを整理すること。データを収集した時点では、さまざまな情報がデータの中にバラバラに混在しているため、まずはマーケティングの目的に応じて、収集したデータを分類、整理するのです。

データの整理が終わったら、それらデータの持つ意味をひとつひとつ読み解いていきます。

③アクションプランの決定

アクションプランの決定とは、実際にどのような行動に移していくかを検討、決定すること。収集したデータの整理が済むと、何が問題だったのかそして何をすればいいのかが明確になります。

そこで見えてきた課題に対し、いつ・誰が・何を・どのように実行していくのか、というプランを策定するのです。

データドリブンマーケティングとは、データドリブンにより得たデータを分析し、活用したマーケティング手法です

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5.データドリブン支援ツールについて

ここでは、代表的なデータドリブン支援ツールである3つについてまとめます。

  1. マーケティングオートメーション
  2. Web解析ツール
  3. CRM

①マーケティングオートメーション

マーケティングオートメーションとは、マーケティングに関わる作業やマーケティングのプロセスを自動化するソフトウェアのこと。「MA」とも呼ばれ、「見込み客をどのように育成するか」といったマーケティングに活用されています。

マーケティングオートメーションの特徴は、容易なセグメントの実現や業務の効率化などです。たとえば展示会や説明会などで取得した名刺をもとに、後のセールスにつなぐためのメールを自動で送信できます。

②Web解析ツール

Web解析ツールとは、Webサイトへの流入やアクセスアップを目的とした意思決定に役立つ支援ツールです。下記のような項目を確認できます。

  • PV(ページビュー)
  • UU(ユニークユーザー数)
  • セッション数
  • インプレッション数(表示回数)
  • CTR(クリックスルー率)
  • Bounce Rate(直帰率)

③CRM

CRMとは、カスタマーリレーションシップマネジメントの頭文字をとったもので、顧客情報をもとにして、顧客と自社の関係を強化します。ここでいう顧客情報とは、下記のとおり基本データを含んださまざまなデータのことです。

  • 氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 購買日
  • 購買頻度

CRMを活用すれば、データを必要に応じて加工できるため、顧客情報の一元管理や優良顧客の絞り込みが可能になります。

データドリブン支援ツールには、さまざまな機能が搭載されています。自社に最適なツールを選択するとよいでしょう

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6.その他のデータドリブンの活用法

データドリブンには、マーケティング以外にもさまざまな活用方法があります。ここでは、ビジネスの世界で用いられる2つの活用方法について解説します。

  1. データドリブン経営
  2. データドリブンエコノミー

①データドリブン経営

データドリブン経営とは、収集し分析したデータに基づいた合理的で迅速な企業経営のことで、リアルタイムのデータやSFAやERPなどに蓄えられるデータを駆使するのです。データドリブン経営には、下記2つの方法があります。

  • データ分析結果からプロジェクトを組む
  • データの分析と蓄積による盤石なデータ基盤からプロジェクトに移す

②データドリブンエコノミー

データドリブンエコノミーとは、収集したデータの分析結果から、「新しい価値の創造」「企業や社会の大変革」をもたらす経済活動のこと。

AIによって行われるビッグデータの分析は、大量のデータから規則性・推測などの解析を可能にしました。企業や社会を従前になかった新しいステージに進めることは、データドリブンエコノミーの典型例です。

データドリブンは、企業や社会に新たな指標をもたらしてくれます。そのためデータドリブンをさまざまな分野で活用する試みが存在するのです