数年以内にやるべきことが明確になるよう、キャリアプランシートを作成しましょう。
1.キャリアプランとは?
自分の今後のキャリアについて、やるべきことを具体的にする中長期的な行動計画のことです。
「この企業や組織の中でどうなりたいか」、「仕事をすることで何を成し遂げたいか」など、人生設計の中の「仕事」に関する計画を立てます。
2.キャリアプランを立てたほうがいい理由
今やるべきことや目的が明確になる
自分の理想像に近づくために達成すべきことがわかるので、今やるべき行動が明確になります。
「何のために働くのか」といった迷いが生じにくくなり、自身の未来や目的のために前向きな姿勢で取り組めるようになるでしょう。
従業員のモチベーション向上
仕事をする目的が明確になり自分のすべきことがはっきりするため、仕事に対するモチベーションの向上が予想されます。
日々の業務がキャリアプランで設計したゴールにつながっていると意識することで、継続的に高いモチベーションを保てるはずです。
企業と従業員の成長
従業員のキャリアにおける未来像が明確になることで、人材育成の計画や新規事業などへの抜擢などがしやすくなり人材戦略につながります。
さらに、従業員一人ひとりの成長による事業成長も期待できるでしょう。
3.キャリアプランを立てるための5つのステップ
- 【ステップ1】キャリアアンカーの8タイプ
- 【ステップ2】過去を振り返る
- 【ステップ3】現状を知る
- 【ステップ4】未来の想像を描く
- 【ステップ5】現状から理想像への道筋を描く
【ステップ1】キャリアアンカーの8タイプ
自身の価値観、仕事に対する考え方や動機を理解しておくことがまず重要です。キャリアプランを立てる前に、キャリアに関する研究の第一人者であるエドガー・H. シャインが提唱する「キャリアアンカー」を参考に、自分の価値観を把握しておきましょう。
タイプ1:専門・職能別
専門家として能力を発揮したいタイプ
タイプ2:全般管理
経営者を目指すタイプで、出世思考をもつ人が多い
タイプ3:自律・独立
自分のやり方やペースを守って仕事を進めることを重視する
タイプ4:保障・安定
安定した仕事や報酬を求める
タイプ5:起業家的創造性
新しいものを生み出すといった創造性の発揮を重視する
タイプ6:奉仕・社会貢献
世の中を良くしたいという価値観を重視する
タイプ7:純粋な挑戦
障害や問題解決を追記有するチャレンジングなタイプ
タイプ8:生活様式
仕事と私生活どちらも大切に考え、バランスを重要視する
参考『キャリア・アンカー―自分のほんとうの価値を発見しよう』エドガー・H. シャイン
価値観を把握したら、過去・現在・未来の軸で考えていきます。
【ステップ2】過去を振り返る
今までの思考や行動を分析しましょう。過去に起きたものごとへの行動や思考などを深く掘り下げることで、価値観をより理解できます。
【ステップ3】現状を知る
自分の現状を明確にしましょう。スキルのレベルや業務に対して感じていること、得手不得手を明確にすることで、今の自分の現実がわかります。
【ステップ4】未来の想像を描く
未来はどうなっていたいかを言語化しましょう。過去・現在と思考整理をしたことで、あやふやだった人でもある程度未来像が見えてくるはずです。
【ステップ5】現状から理想像への道筋を描く
理想を叶えるためには、現時点から何を成していけばよいかをタスクに落とし込みます。
あまり細かくても疲れてしまうので、数ヶ月ごとや1年ごとに大目標を設定するとよいでしょう。
厚生労働省の提供する「キャリアプラン作成シート」の活用もオススメです。
例:在職者(継続勤務希望)・職歴長い・若年層向けキャリアプランシート
厚生労働省 キャリアプランシート
https://jobcard.mhlw.go.jp/make_careerplan.html
4.キャリアプランの運用
キャリアプランを立てて終了、ではありません。
定期的に見直すことで、その時点で自分はどの立ち位置にいるのかを把握し、今後どうしないといけないのかを客観的に考え、把握できます。
さまざまな経験をすることで理想像が変わってくることもあるため、定期的な見直しと更新は不可欠です。