放置状態にならないよう、積極的なコミュニケーションを図りましょう。
1.在宅と出社(対面)でのOJTの違い
テレワーク時のOJTは、対面時とはどう違うのでしょうか。
対面の場合は、
- 会話をせずともOJT対象者の様子が見て取れる
- 作業場面を見せながら同時に作業できる
- 気軽に声をかけたり雑談したりできるので、人間関係が築ける
などのメリットがありました。
しかし在宅勤務やテレワークでは、同じ調子で対応していると放置状態になりかねません。 (常にカメラとマイクがON状態であれば別ですが……)
2.テレワーク中のOJTで気をつけたほうがいい陥りがちなこと
在宅でのOJTや育成は、対面で行っていた従来の方法では失敗、最悪の場合離職を招いてしまう恐れがあります。
OJT対象者の様子が把握しづらい
対面時は「できた?」とか「これであっていますか?」など気軽に声をかけられたため、コミュニケーションも円滑で作業の進行もスムーズだったかと思います。 ですが、チャットやメールでのコミュニケーションにシフトすることで、こういったささいなコミュニケーションがとりにくくなり、ある意味放置状態になってしまうことも。
「一緒にやってみて」が難しく、細かいレクチャーができない
オンラインで画面越しに話ながら、同じ作業をやってみることはなかなかに難しいことです。 今までは一度やり方を見せながら一緒に作業をし、画面を指差しながら教えられていたので、マニュアルが補助的役割を成していた企業もあるかもしれません。 しかしテレワーク中は「ここをクリックして」など手取り足取り教えることが難しく、マニュアルに頼るケースが増えてきます。
本当に「仕事だけ」の関係になりがち
テレワーク下での主なコミュニケーションはチャットやメールなどの文字ベース。 作業をレクチャーするタイミングしか音声でのコミュニケーションが発生せず、その人がどんなことを大切にしているのか、今どんな状態なのかが把握しづらいため、人間関係を築きにくくなりがちです。
3.テレワーク中にOJTを行うときのポイント
前項でのテレワーク中に行うOJTで陥りがちなことの、解消方法の一例をご紹介します。
「やること」の細分化で進捗を追いやすく
一度に大量のレクチャーを行ってしまうと現在どのタスクに着手しているのかがわからず、状況を把握しづらいことも。
短い期間で一つひとつタスクを分け、レクチャー⇒作業⇒状況チェックを細かく回すようにすると、「できた?」と声をかけやすくなります。
徹底的にマニュアル化
オンラインでの説明では伝わりにくい部分も多くあるので、徹底的にマニュアル化しましょう。
実際に対応している空気感などが伝わりにくいので、作業の方法だけでなく、意識するポイントやメンバー、関連部署との関係性まで落とし込むなど細かすぎるくらいがちょうどいいかもしれません。
人となりを知るためのコミュニケーションスペース
文字でのコミュニケーションでは温度感や人となりをつかみにくくなりますが、四六時中カメラをONにしておくわけにもいきません。
仕事の話厳禁の雑談スペースなどを作り、「コンビニ限定の新商品がでた」「昨日のあのTV番組見た人いますか」といった雑談をして、従業員同士の理解を深めるのもよいでしょう。
ただし、人によってははじめから大人数だと発言できない場合があるので、職場で話しているような感覚で発言できるグループ単位での運用がいいかもしれません。