主体性とは? 重要な理由、自主性との違い、高める方法を簡単に

主体性とは、自らの考えにもとづいて行動する性質のこと。ここでは主体性についてさまざまな角度から解説します。

1.主体性とは?

主体性とは、周りの意見や第3者からの指示などに頼らず、自らの判断・考えにもとづいて行動する性質のこと。ここでは下記3つから説明します。

  1. 自主性との違い
  2. 自責思考が基本
  3. 対義語は「受動性」「協調性」

①自主性との違い

主体性と自主性それぞれの違いは、下記のとおりです。

  • 主体性:自分の考えや判断をもとにして実行する性質。自分の行動に対する責任が強調されている
  • 自主性:他人から指示を受ける前に、自分が取るべき行動を率先して行う態度。責任や行動選択の自由が含まれていない

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②自責思考が基本

主体性の基本は、自責思考(自分で自分の過ちを責めてしまう思考)です。主体性では、「行動の結果がうまくいかなかったとしても、その責任は自分自身にある」と判断します。

それがたとえ不可抗力だったとしても、「自らの準備不足を反省する」「反省を次のアクションに生かす」という状況になるのです。

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③対義語は「受動性」「協調性」

主体性の対義語は、「受動性」「協調性」となります。

  • 受動性:周囲からの働きかけで行動することで、自分以外の外的要因によって行動が左右される性質
  • 協調性:考えや立場が異なる人とも協力して物事を進めていく性質

どちらも、自分の考えや判断をもとにして行動する性質を意味する主体性とは、対照的な言葉です。

主体性は、周りの意見や第3者からの指示などに頼らず、自らの判断や考えにもとづき行動する性質を指します

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2.主体性がある人の特徴

主体性がある人の特徴は4つです。ここでは、主体性がある人の特徴について見ていきます。

  1. 積極的に行動する
  2. 責任感が強い
  3. 自己肯定感が強い
  4. 成長意欲がある

①積極的に行動する

主体性のある人は、指示される前に、「今、必要な行動を取る」「先の段階で必要と考えられる行動を取る」などができます。仮に失敗しても、失敗を次回以降に生かせるよう、「改善点をピックアップし、対策を講じる」など、自ら積極的に動くのです。

②責任感が強い

主体性がある人は、「自らが引き受けたこと」「自らが考え行動したこと」に対して、最後まで強い責任感を持って全うします。主体性のある人が的確に仕事できるのは、最後まで責任を負うからです。

逆に主体性のない人は、「言われたからやる」ため、責任を自分以外に押し付ける傾向にあります。

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③自己肯定感が強い

自己肯定感とは、自分をかけがえのない存在として認め、自分を肯定的に受け止められる感覚のこと。自己肯定感が強いと、下記の理由から主体的に取り組みます。

  • 自分の価値を信じられるため、感情が安定する
  • 自信を持って意欲的に取り組む

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④成長意欲がある

主体性がある人は、自分の仕事と範囲外の仕事、どちらにも意欲的に取り組むのです。指示を受けた内容だけでなく、成長意欲を最大限発揮して、「ほかに自分にできることはないか」「何か勉強になる点はないか」などから難易度の高い仕事にもトライします。

主体性がある人の特徴は、「積極的に行動する」「責任感が強い」「自己肯定感が強い」「成長意欲がある」の4つです

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3.主体性がない人の特徴

主体性がない人にも特徴があります。ここでは4つからそれぞれの内容について解説しましょう。

  1. 自分から行動しない
  2. 他人に頼る
  3. 流されやすい
  4. 自己肯定感が低い

①自分から行動しない

「自ら率先して動こうとしない」「自分の意思で行動しない」といった特徴を持ちます。与えられたミッションを指示どおりにこなすだけですので、「工夫する」「効率よく取り組む」「新しいことにチャレンジする」などとは無縁です。

②他人に頼る

主体性のない人は、指示があって初めて動けるため、「誰かと一緒でないと行動しない」「自分が取るべき行動を考えられない」という特徴を持ちます。つまりどうしても他人に頼る傾向にあるのです。

その結果、余計に一人で考えたり動いたりできなくなる悪循環に陥りやすくなります。

③流されやすい

主体性のない人は、周囲からの指示を待って指示を受けてから動き出します。そのため、結果的に周囲に流されてしまうのです。

「自分の意見を持っている」「流されたくはない」としても、他人と張り合うよりは他人の意見に流されたほうが楽だと考えるケースもあるとされています。

④自己肯定感が低い

自己肯定感とは、ありのままの自分を肯定的に受け入れる感覚のこと。主体性がない人は、こうした自己肯定感が低い傾向にあります。「他人に頼る」「他人に流されてしまう」のは自身に自信を持てない、すなわち自己肯定感の低さと関係があるのです。

主体性のない人は、指示を待ち、他人に頼ります。周囲に流されやすく、自己肯定感が低いという傾向もあるのです

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4.社員の主体性を奪う行動

上司や先輩社員が、部下である社員の主体性を奪うと考えられる行動が2つあります。ここではその内容について、見ていきましょう。

  1. 仕事を任せない
  2. 何でも教えてしまう

①仕事を任せない

仕事を任せるとは、「ある程度の責任や権限を与える」「仕事を全うするよう任命する」こと。仕事を任せないことで「相手にはその仕事を進められない」と考えるに等しい状況となります。その状況下で、自ら責任を負い自ら考える社員は育ちません。

②何でも教えてしまう

何でもかんでも教えてしまうと、「指揮命令者以上の力量がある人物に育たない」「自分で考えることを止めてしまう」ことにもなりかねません。主体性だけでなく、成長の芽をすべて積んでしまうのです。

仕事を任せなかったり何でも教えてしまったりすると、社員の主体性を奪います。主体性を育むためにも部下を信じ、仕事を任せましょう

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5.主体性のある人材を育てるには?

主体性のある人材を育てる方法は3つあります。それぞれについて解説しましょう。

  1. コーチングを活用
  2. 内発的動機づけを与える
  3. サーバント・リーダーシップ

①コーチングを活用

コーチングとは、問いかけや傾聴をとおして相手の「やる気を引き出す」「自発的行動を促す」などから目標達成を支援するコミュニケーションスキルのこと。プロセスにある「部下の話を聴く」「部下に質問する」「部下を承認する」について解説しましょう。

部下の話を聴く

部下の話を聴くのは傾聴ともいわれるプロセスです。単に事実関係だけを聴くのではなく、相手の感じ方についても徹底的に聴きます。

そのために必要なのは、「話を聴いていると相手に理解してもらうため、タイミングよくうなずいたり相槌を打ったりする」「日頃から話しやすい人間関係を構築しておく」です。

部下に質問する

傾聴と並行して部下に質問をします。目的は、意識していない問題を部下自身に理解してもらうことです。

「なぜ失敗したのか?」など、「なぜ?」と問いかけない

「失敗した理由にはなにがあるのか?」など、「なに?」と問いかける

などで話を進め、質問に対する答えも丁寧に傾聴します。

部下を承認する

コーチングで傾聴と質問が終わったら、部下を承認します。承認とは、「相手の話をそのまま受け入れる」「相手のありのままを認める」こと。

人は、自分を認めてもらえると、安心感や自己肯定感を持つため、自己信頼が生まれます。それをもとにしてモチベーションが高まると、主体的な行動が可能になるのです。

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②内発的動機づけを与える

内発的動機づけとは、自身の内面から湧き出る「好奇心」「意欲」「関心」「楽しさ」などをきっかけとする動機づけのこと。

人材育成に昇給や昇格といった外部的動機づけを用いるケースもあります。しかし即効性はあっても効果の持続性は期待できません。そこで内発的動機を原動力として行動するための方法を考えるのです。

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③サーバント・リーダーシップ

サーバント・リーダーシップとは、支援型リーダーシップのこと。上司は部下を主役に見立て上司などリーダーはサポート役になって部下の自主性を重んじ、成長を促すのです。

部下は、仕事を任されるためリーダーに感謝や貢献をし、成長していきます。ただし場面によってリーダーが部下を主導していかないと、単なる放置や放任になってしまい結果が伴わない場合も。無関心にならないよう注意が必要です。

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6.自分で主体性を高めるためには?

自分で主体性を高めるためには何をすればよいのでしょう。ここでは3つの観点から解説します。

  1. 自分で考えて行動する
  2. 自分の意見を持つ
  3. 他責思考をやめる

①自分で考えて行動する

日ごろから自分で考え、選択するよう心掛けます。たとえ失敗しても、そこから経験や知識を習得して対策を考えられれば、達成感・成功体験を積み重ねられるのです。これを繰り返すと、主体性の芽が育まれます。

②自分の意見を持つ

本やニュースなどに触れたら、まず自分の意見を考えるのです。そして「どのようなところが面白かったか」「どんな理由で同じ意見だったのか」などと考えを深めながら意見をまとめます。

周囲と意見交換したりSNSでまとめた考えを発信したりするのもよいでしょう。

③他責思考をやめる

トラブルを人のせいにしていては、いつまでたっても主体性は育ちません。トラブルが起きたら、自ら原因や問題、解決策を考えます。すべては自分の責任であると意識できれば、主体性を持ってトラブルを対処できるでしょう。

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