OBOG訪問とは?【マナー】やり方、質問、お礼メール

OBOG訪問とは、就職活動中の学生が企業や官公庁などで働く先輩と直接会い、情報を得る活動のこと。ここではOBOG訪問の意味や目的などについて、解説します。

1.OBOG訪問とは?

OBOG訪問とは、実際に働いている人の話を聴いて、会社案内やホームページだけでは分かりにくい企業の最新かつリアルな情報を得ていく活動のことまずはOBOG訪問の意義、実際に行われる採用面接との違いについて説明します。

実際の採用面接との違い

OBOG訪問での選考はありません。OBOG訪問で企業方針などを聴いておけばそれに絡めた逆質問を用意し、採用面接で印象付けるのも可能でしょう。

ただし選考過程には含まれないものの、企業によっては学生の人格把握にOBOG訪問を活用する場合があります。

OBOG訪問では、仕事のやりがいから研修、キャリアに関する内容など、ホームページには書かれていないリアルな情報を得られるのです

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2.OBOG訪問の意義・目的

多くの学生が、就職活動中にOBOG訪問を行っています。一見、学生にとってのメリットが大きいように見えるOBOG訪問ですが、企業側にもメリットがあるのです。ここでは企業側から見たOBOG訪問の目的について説明します。

業界・企業への理解を深めてもらう

ホームページや企業説明会など、多数の学生をターゲットとした説明だけでは、業界の実態や企業カルチャー、職場の雰囲気などは伝わりにくいです。その現場で働く人の話を聴けば、学生は業界や企業に対する理解をより深められるでしょう。

企業で働く社員の雰囲気を把握してもらう

企業の雰囲気や社内の風通しなどは、ホームページや書類から伝わりにくいもの。「実際に入社してみたら想像と違った」「こんな雰囲気だとは思わなかった」事態を避けるためにもOBOG訪問は有効です。

「社内での人間関係はどうか」「フレンドリーなのか規律が厳しいのか」など、OBOG訪問をとおして企業で働く社員の雰囲気を伝えられます。

働くうえでの疑問点を解消してもらう

なかには「大勢の前では質問しにくい」「時間の都合上質問できなかった」という学生もいます。働くうえでの疑問点を解消していくのは、学生と企業、双方にとって重要なポイントです。

OBOG訪問なら、「働くなかでのやりがい」「職場の雰囲気」「込み入った事業内容」「業界の動向」などさまざまな質問ができるため、疑問も解消するでしょう。

OBOG訪問の目的は、「企業や業界への理解を深めてもらう」「実際に働く社員の雰囲気を感じてもらう」「働くうえでの疑問点を解消してもらう」などです

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3.OBOG訪問の依頼を受けた時にするべきこと

OBOG訪問に向けて、就職活動中の学生はアポイント取得やマナーの見直しなどさまざまな準備を進めます。しかし準備するのは学生だけではありません。ここではOBOG訪問の依頼を受けた企業側の準備について説明します。

  1. 人事部へ報告
  2. 日程の調整
  3. 学生の反応を観察
  4. 人目のあるところで対応
  5. 学生側の事情を考慮

①人事部へ報告

OBOG訪問の依頼を人事部から受ける場合もあれば、母校の就職課名簿やSNS、ゼミや部活などさまざまな窓口から入ってくる場合もあります。

人事部を介さず直接自分に依頼が来た場合、必ず人事部へ報告しましょう。OBOG訪問を早期人材確保のチャンスと捉えて業務スケジュールを考慮する規定や、面談時の食事代を経費精算可としている企業もあります。

②日程の調整

続いて電話やメールなどで具体的な日時を調整します。企業側の連絡先を知っている学生であれば、電話よりもメールで連絡するケースが多いでしょう。

メールのなかには主な質問項目や学生自身の考え、希望などが記載されている場合もあります。対応が必要なものは、当日までに資料や回答などを整えておきましょう。

③学生の反応を観察

当日は固くなりすぎず、自然体で会話します。堅苦しい態度は不要とはいえ、学生にとってはOBOGも企業の代表者。自身の対応が企業のイメージをつくると意識しましょう。

対人コミュニケーションの基本は、相手の反応を見ること。多くの場合、その様子は人事部への報告対象となりますので、学生の反応はしっかり観察しておきましょう。

④人目のあるところで対応

OBOG訪問がセクハラ。パワハラの原因となってはいけません。近年、誰もが知る一流企業で、就職活動中の女子大生に対するセクハラがあったと発覚しました。これは単なる個人の愚行だけでは済まされない深刻な問題です。

セクハラ・パワハラ対策の一環として、OBOG訪問は人の目ある場所で行いましょう。

⑤学生側の事情を考慮

OBOG訪問の依頼を受けた際は、学生側の事情を考慮します。日本経済団体連合会では「採用選考に関する指針」の手引きを詳細に定めているのです。

実質的な選考とならない広報活動は、その活動がのちの選考稼働に影響しない旨を明示したうえで、土日や平日夕方の開催に務めます。そうして学生側の事情に配慮しましょう。

直接OBOG訪問の依頼があった際も、基本的には人事の通達に従います。企業によっては人事側で別の社員を紹介したり、業務スケジュールを考慮したりする場合もあるのです

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4.OBOG訪問の依頼を受けた際の心構え

続いてOBOG訪問を受けた際の心構えについて確認しておきましょう。学生はOBOG訪問を受けた社員から企業を見ます。採用担当者でなくても、学生にとっては企業の代表者です。採用選考と同じような姿勢で臨みましょう。

  1. 企業の代表者である点を意識する
  2. アドバイスする
  3. 就職・採用活動における規定を守る
  4. あまり固くならない

①企業の代表者である点を意識する

OBOG訪問がいくら選考過程とは関係のない場とはいえ、企業イメージや学生のキャリア形成には少なからず影響を与えます。

キャリアアドバイザーやOBOGとの接触経験は、学生の就業観形成に影響を与えるという調査結果も報告されているのです。OBOG訪問を受ける社員は、「企業の代表者」という自覚を持ちましょう。

②アドバイスする

OBOG訪問が就職活動における最初のステップ、という学生も少なくありません。学生にとっては人生のファーストキャリアを決める重要なターニングポイントでもあるのです。

OBOGによるアドバイスは、企業における上司や社内外関係者からの支援や学びと同様、キャリア自律に関連します。社会人としてのマナーや常識、エントリーシートへの具体的なアドバイスなども有効です。

③就職・採用活動における規定を守る

先に触れたとおり、就職・採用活動には日本経済団体連合会によっていくつかの規定が設けられています。OBOG訪問を受けた際は、以下のポイントを遵守しましょう。

  • 日程は土日や祝日、平日の夕方以降に設定して、学事日程に配慮する
  • パワハラやセクハラ防止を徹底する
  • 就業体験を伴わないプログラムや情報発信などを行わない

④あまり固くならない

OBOG訪問は選考過程における面接ではありません。受ける側は固くなりすぎず、自然体で会話しましょう。必要以上に飾り立てたり、見栄を張ったりする必要はありません。

固い接し方は学生にもプレッシャーを与えます。ただでさえ学生は緊張してその場に臨んでいるもの。先輩として場をほぐし、学生が本当に知りたいと思っている質問を聴き出しましょう。

OBOG訪問には、学生にとって志望動機の明確化やモチベーション向上の意味もあります。自身の対応が企業として、ひいては社会人としてのイメージもつくるのです

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5.OBOG訪問の依頼を受けた後の対応

OBOG訪問を受けた後の対応については、企業によって異なります。なかには訪問依頼を受けた点が、当該社員の人事査定につながる場合もあるのです。ここではOBOG訪問を受けた後の一般的な対応について説明します。

  1. 評価や感想を人事に報告
  2. ほかの社員を紹介する場合も

①評価や感想を人事に報告

まずは話をした学生の評価や感想を人事部に報告しましょう。自社を牽引できるような人材の育成や社員のモチベーション開発など、人材の採用活動は人事部の管轄です。

企業によっては報告マニュアルや業務報告の規定を厳密に定めている場合も。OBOG訪問は企業にとっても人材採用のリクルーティングにつながるため、報告内容が当該社員の評価に影響する場合もあるのです。

②ほかの社員を紹介する場合も

OBOG訪問を受けた際、採用担当からほかの社員も紹介するよう指示を受ける場合もあります。

またOBOG訪問で学生の希望や希望職種などを聴くなか、別部署の先輩や関連業種の友人などから話をさせたいと思った場合、その旨を学生に伝えたうえで紹介するのもよいでしょう。

学生にとっても多くの社会人から話を聴ける点は、就職活動でのメリットになります。

OBOG訪問を受けると、「初心に帰る」「自身のキャリアを見直す」チャンスにもなるのです。人事部や上司に相談しながらOBOG訪問に臨みましょう

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6.OBOG訪問を受けた際の注意点

OBOG訪問に対応する際、注意点があります。ここではOBOG訪問を受けた際、最低限気を付けなければならないポイントについて説明しましょう。

パワハラやセクハラに該当する行為をしない

選考過程における面談とは異なり、フランクな雰囲気で行われる場合が多いOBOG訪問。しかしその分、セクハラに該当する行為が発生しやすくなります。下記を踏まえて、個人的な見解と企業としての見解を区別し、受け答えをしましょう。

  • 学生は社員からの要求を断りにくい立場だと、認識しておく
  • 学生の熱意に対して、あたかも社員の立場が上かのような勘違いをしない
  • 相手が嫌がる要求はセクハラ・パワハラになる

選考の合否について言及したり、SNSでのつながりとを強要したりする行為は毎年ネット上で取り上げられています。自身の行動が企業の信用にも影響を与えると強く意識しておきましょう

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7.学生がOBOG訪問を依頼する方法と注意点

ここまでは主に企業側から見たOBOG訪問の目的、心構えなどを述べてきました。ここではOBOG訪問を依頼する側、つまり学生の目線から依頼方法や注意点などについて解説しましょう。

OB・OGの連絡先を入手する

まずOBOGの連絡先を入手します。たとえば「キャリアセンターのOBOG名簿を閲覧して探す」「学内の就職支援組織で探す」「企業などへ直接問い合わせて探す」などです。また近年、就職活動にSNSを活用するケースも増えました。

SNSを利用すると、「業界研究や訪問時におけるサポートが期待できる」「同業界を目指すグループなど特定のコミュニティをつくれる」といったメリットが得られます。

アポを取る

OBOGの連絡先を入手したら、訪問のアポを取りましょう。かんたんな自己紹介やどこで連絡先を知ったのか、訪問の目的や日時の希望などを簡潔にまとめて伝えます。

先輩とはいえ、OBOGはあくまでも実際に企業で働いている社会人。電話をする際の時間帯や伝えたい要項を簡潔に整理しておきましょう。電話番号やメールアドレスなど、依頼する側の連絡先を伝えることも忘れずに。

事前準備をする

実際にアポが取れたら、当日に向けた事前準備を進めましょう。ホームページなどで事前に確認できる基礎情報を踏まえたうえで、「聞きたいことは何か」「どこに焦点を当てて質問するか」などを整理します。

聞きたい内容を箇条書きにしたノートを作成しておけば、聞き忘れを防げるだけでなく、会話が途切れた際も焦らず対応できます。せっかくのチャンスを世間話で終わらせてしまった、とならないよう綿密に準備して訪問しましょう。

訪問する

当日訪問する際はマナーや身だしなみに気を付けて、実際の面接に臨むつもりで向かいます。一般的に、所要時間は1時間以内で終えられるよう準備しましょう。当然ながら、当日の遅刻は厳禁。遅くとも約束時間の5分から10分前には到着しましょう。

反対に、早く到着しすぎたからといって時間よりも先に呼び出すこともマナー違反です。

注意点

OBOG訪問後は、あまり時間をあけずにお礼のメールやお礼状を送りましょう。書式に決まった形式やテンプレートはありません。話を聞いて参考になった点や興味を持った点なども合わせて伝え、あらためて自分の志望に合致しているかを吟味してみましょう。

最終的な進路が決まった際、結果報告と感謝の気持ちを伝えるのも喜ばれます。

正式な人事選考ではないとはいえ、訪問を受けるOBOGもひとりの企業人。たとえ人事担当でなくても評価者の目を持っている点は、意識しておきましょう