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日本のビジネスシーンで使われているアサイン。この言葉は一体どのような意味なのでしょうか。アサインの使い方や注意点をご紹介します。
目次
1.アサインとは?
アサインとは、「任命する」や「割り当てる」という意味を持つ言葉です。英語でassignと書きます。ビジネスシーンでは、人に対して「仕事を割り当てる」「別の部署などへ配属する」「役職などを任命する」といった意味で使用されます。たとえば「プロジェクトメンバー彼をアサインする」という場合、配属の意味で使われます。
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2.ビジネスシーンにおけるアサインの使い方
アサインには命令の意味があるので「する側」と「される側」に分かれるのです。ここでは、ビジネスシーンにおけるアサインの使い方を見てみましょう。
上司が部下にむけて使うのが一般的
アサインは一般的に、上司から部下に向けて使われます。たとえば「担当業務の変更」「部署の異動や昇進などを告げる」ときです。
「あなたをプロジェクトリーダーにアサインすると決まりました」という場合、意味は「プロジェクトリーダーに任命すると決まりました」になるのです。なお席や部屋をアサインする場合、それらの割り当てを決める意味になります。
アサインする側
アサイン「する側」は、基本的に上司です。上司が任命や配属を決める、あるいは決めたときに使うため、能動的な使い方となります。
使い方は、「新しいプロジェクトリーダーには彼をアサインする」「この企画には新入社員の誰かをアサインしようと思う」「今回の失敗は彼をマネージャーにアサインしたことによる所が大きい」などです。
アサインされる側
アサイン「される側」は一般的に、部下となります。アサインされる側なので受動的な表現になるのです。
使い方の例は、「営業部の部長にアサインされた」「新しく係長にアサインされた○○と申します。よろしくお願い致します」「なぜ彼がアサインされたのか分からない」など。
目上の立場の人に「アサインしました」という表現を使うのはNGとなるので、注意しましょう。
アサインとアサインメントの違い
アサインとアサインメントは、動詞と名詞という点で違うのです。
- アサインメント:「割り当て」といった意味の名詞なので「彼はアサインメントを承諾した」という使い方であれば正しい
- アサイン:単なるアサインメントの短縮形として使われている
一般的なビジネスシーンでは「アサインする」を使います。
アサインとジョインの違い
アサインとジョインの違いは、下記のとおりです。
- アサイン:自分の意思に関係なく、上司から部下への任命など命令として行うものに使われる
- ジョイン:チームや企業などの組織に自ら参加するという能動的な意味を持つ
アサインが使われる背景
アサインを始めとしたビジネス用語は、グローバル化や多文化社会の進展に伴って使われるようになりました。少子高齢化や人口減少の影響により、日本企業が海外展開を推進し、日本国内へ多数の外国人労働者を招いています。
その結果、日本にさまざまな国の言葉や使い方が取り入れられ、アサインなどのビジネス用語が流通したと考えられているのです。
配置変更やプロジェクトへの参加など、ビジネスにはさまざまシーンがありますが、どんな目的でも共通して重要なのはアサインされる側の納得のいく環境を用意することです。
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3.アサインの使われ方は業界によって変わる
アサインはビジネス全般において使われるものの、使われ方は業界によって変わります。ここでは、IT業界・転職業界・ホテルや旅行業界に分けて業界別アサインの使い方を見てみましょう。
IT業界
IT業界で使われているアサインは、「数値や値を割り入れる」「割り当てる」という意味で使われます。これは「キーアサイン」が語源とされているのです。
キーアサインとは、キーボードもしくはマウスのキーやボタンの一部に独自の設定を割り当て、特定の操作や機能を実行できるようにすること。同じ「割り当てる」意味でも、IT業界とビジネスで使用されるアサインには違いがあるので、注意しましょう。
転職業界
転職業界で使われているアサインは、「採用」や「選出」の意味で使われます。
たとえば派遣契約などは、派遣先である企業が「この部署にこのような人をアサイン(選出)してほしい」と依頼し、派遣元である派遣会社は「この企業には○○さんをアサイン(選出)しよう」と表現するのです。
派遣労働者は「こちらの部署へアサイン(採用)された○○です。」と受け身の表現となります。
ホテル・旅行業界
ホテルや旅行業界で使われているアサインは、「部屋の割り当て」や「座席の割り当て」の意味合いで使われるのです。
ホテルや旅行業界などの運営側が利用客に対して区画やスペースを割り当てる際に使われます。使用例は、宿泊部屋の割り当ては「ルームアサイン」で、席の割り当ては「シートアサイン」など。
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4.アサインの類義となる日本語
アサインの類義となる日本語は、複数存在します。横文字ではなく日本語としての意味をしっかり把握しておきましょう。それによって間違った使い方を回避でき、より相手に分かりやすい表現で伝えられます。
割り当てる
「割り当てる」は何かを分担する際に用いられる言葉で、アサインの直訳でもあります。全体を分けて、分けたものをそれぞれに負担させていくという意味です。
ビジネスでは「社員に役職や立場を割り当てる」などの使い方をします。作業や予算など、物を振り分ける際にも使用するのです。
任命する
「任命する」は、人をある地位または職務につかせることを表す言葉で、こちらもアサインの直訳に含まれます。「官職や役目に就くよう命じる」という意味なので、上の立場の人が部下などに使う場合が多いでしょう。
一般的には人事異動や配置転換などの際、「所長に任命する」といった形で使われます。
指定する
「指定する」は、ある物事をそれと定めること。人や時や所、事物などを特定して、それと指して決めるのです。「約束の場所を指定する」といった形で使います。
また行政官庁が法令によって特定の資格を与えるという意味もあり、使い方は「国定公園に指定する」となるのです。
課する
「課する」は、負担すべきものとして引き受けさせるという意味です。一方的に負わせるという意味があるため、「割り当てる」という意味より、義務感や強制感が若干強くなります。使い方は、「任務を課する」「税金を課する」などです。
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5.アサインの対義となる日本語
アサインの対義となる日本語も知っておきましょう。対義語を覚えると、アサインの誤った使い方を回避できます。ただし一部の対義語は使い方によってはパワーハラスメントと取られる場合があるので、注意が必要です。
取り下げる
取り下げるには、「いったん提出したものを取り戻す」「いったん提起した訴えや申し立てを取り消す」などの意味があります。
使い方は、「依頼を取り下げる」「申請を取り下げる」「見積りを取り下げる」など。提出した側が提出された側に取り下げの命令を出すというイメージが近いでしょう。
(担当から)外す
「外す」は、「プロジェクトから外す」といった使い方をする言葉です。多くは、業務から離れるように仕向けることを指します。
「自身の意に沿わない社員に対して業務を与えない」「自宅研修させる」などは、業務から外した例といえるでしょう。本人が納得していないにもかかわらず業務から外す場合、パワハラに該当する可能性があるので注意してください。
異動する
「異動する」は、企業からの辞令によって、社員の所属する部署や役職の変更などが行われ、さまざまな形で働き方が変化すること。
ある企業の上司が「もっと安いところに住まないと地方に異動させる」と部下を脅してパワーハラスメントに発展した事例があります。使う際は注意しましょう。
解雇する
「解雇する」は、使用者と労働者の合意で結ばれた雇用契約を使用者側が解約すること。任命するアサインとは、まさに対極な意味を持つ言葉でしょう。
労働基準法では、突然の解雇による労働者の生活の困窮を緩和するため、労働者を解雇する際の手続きが定められています。
ときには、戦略的に役割を奪う(変更する)必要があります。
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6.アサインといったビジネス用語を使用する際の注意点
カタカナ語であるビジネス用語は一般的になったものの、依然として分かりにくいと感じる人は多いようです。可能な限り相手を理解し、正しい伝え方を心掛けましょう。相手を気遣った考え方や気持ちを表現すると、互いに対する理解を深められます。
- 言葉を分かりやすく伝える
- なるべく日本語に置き換える
- 言葉の意味をきちんと理解する
- 伝える相手を考えて使う
- 話の内容にも気を付ける
①言葉を分かりやすく伝える
伝える本人がアサインの意味を理解し、相手にとって分かりやすいように噛み砕いて伝えましょう。
アサインは前述のとおり3つの意味を持つため、上司が部下に何をさせたいのか、しっかり伝えなくてはなりません。上司は、アサインの理由や目的、期待する成果なども合わせて伝えるとよいでしょう。
②なるべく日本語に置き換える
「カタカナ語は読みにくい」「ビジネス語は新しく登場したものや意味が変化したものも多い」という理由から、ひんぱんな使用はおすすめできません。アサインの意味を分かりやすく伝えるためにも、任命や配置転換など適した日本語に置き換えてみましょう。
③言葉の意味をきちんと理解する
相手にしっかり伝えるには、正しい理解が重要です。ビジネス用語はメディアでも多用されているため、見聞きした経験のある言葉も少なくありません。しかしそれだけで分かったつもりになってしまうと誤用してしまい、混乱を招きかねないでしょう。
④伝える相手を考えて使う
ビジネス用語を理解するには、用語の意味や用途などの知識が求められます。聞き手がビジネス用語を知らない場合、話し手の意図をくみ取れるとは限りません。アサインを使う際は、話し手が伝えたい言葉の意図がうまく伝わる相手に使いましょう。
⑤話の内容にも気を付ける
ビジネス用語をただ並べるだけで十分な話ができるとはいえません。また適切にアサインという言葉を使用して話しても、その話に論理性がなければ相手に理解してもらえないでしょう。
根拠やデータにもとづいて構成を練り、相手が十分に納得できるような話の内容にすることが大切です。
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