大企業の定義とは? 中小企業との違い、占める割合を解説

大企業とは、中小企業以外で資本金が大きく従業員数も多い企業です。ここでは、大企業について詳しく解説します。

1.大企業とは?

大企業とは、

  • 中小企業以外の企業
  • 資本金の額が大きい
  • 多くの従業員を雇用している

企業のことです。

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2.大企業の定義

実は「大企業」そのものを表す定義はありません。

ただし、中小企業の定義は存在するため、大企業を「中小企業の定義を超える規模の企業」と捉えることはできます。

中小企業とは?

中小企業は、中小企業基本法が

  • 資本金
  • 従業員規模
  • 業種

によって定義しています。具体的には以下の表の通りです。

中小企業・小規模企業者の定義』中小企業庁より引用

各業種において、上記の基準を超える規模の企業は「大企業」と定義できそうです。

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小規模企業とは?

小規模企業とは、

  • 卸売業・小売業などの商業及びサービス業では、従業員5人以下
  • 製造業・建設業・運輸業・その他の業種では、従業員20人以下
  • 宿泊業や娯楽業では、従業員20人以下

といった企業のこと。

小規模企業は中小企業に含まれているため、中小企業基本法に判断基準があります。

大手企業とは?

大手企業について厳格な定義は設けられていません。一般的に大手企業といえば、各業種にてシェア上位を争う企業となります。大手企業は、多くの人が耳にしたことのある有名企業だと考えてよいでしょう。

上場企業とは?

上場企業とは、

  • プライム市場
  • スタンダード市場
  • グロース市場

といった市場に上場している企業のこと。上場企業は、自社の株式を市場に流通させて資金を調達します。

株式を上場させるためには、厳しい基準をクリアする必要があるのです。上場後も、四半期ごとに決算報告書を作成、公開する義務があります。

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3.国内における大企業の割合

国内における大企業の割合は、約0.3%。国内にある企業の総数は421万社ですから、「大企業数は約0.3%で、およそ1.2万社」「大企業以外の中小企業は約99.7%で、およそ419.8万社」と算出できます。

こうした数字から見ると、日本国内では圧倒的に中小企業が多いと分かります。

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4.みなし大企業とは?

みなし大企業とは、「資本金の額」「従業員数」の基準から判断すれば中小企業に該当するものの、実態は大企業の支配下にある企業のこと。ここでは、下記2点について解説します。

  1. みなし大企業の見直し
  2. みなし大企業は助成金を受けられる?

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①みなし大企業の見直し

みなし大企業の見直しとは、2019年度税制改正案によって行われたみなし大企業の範囲の見直しのこと。

改正前の規定にくわえ、「大法人(資本金または出資金が5億円超の法人など)の100%子法人」「100%グループ内の複数の大法人に発行済み株式または出資のすべてを保有している法人」という要件がくわわったため、みなし大企業の定義はより厳しくなりました。

②みなし大企業は助成金を受けられる?

みなし大企業は、助成金を受けられない場合があります。たとえば中小企業の自社開発支援を目的とした助成金は、大企業が親会社として関与可能であるため、募集要件に「みなし大企業は除く」と記述されているのです。

もちろん、すべての助成金を受けられないわけではありません。みなし大企業でも申請ができるかどうか、助成金の要件を確認しましょう。

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5.大企業における人事制度の課題

大企業における人事制度の課題4つについて解説します。

  1. 企業規模に現行の制度が合わなくなる
  2. 働き方の変化
  3. 終身雇用型人事制度は限界がある
  4. 優秀な人材が残りにくい

①企業規模に現行の制度が合わなくなる

創業期には、従業員数も少なく、チームとしてコミュニケーションを取りながら一体感を持って業務を進められます。しかし拡大期に入ると、従業員数の増加や組織の肥大化により、暗黙の社内ルールや階層別の役割分担などを見直す必要に迫られるのです。

②働き方の変化

現代社会では、「終身雇用制・年功序列制の崩壊」「IT技術の急速な進化」によって、新しい働き方が誕生しています。

「時間当たりの労働生産性」「ITによる業務の代替」「ワークバランスの変化」などから働き方を見直し、人事制度を再構築する必要があるのです。

③終身雇用型人事制度は限界がある

従来の日本では当たり前だった終身雇用型人事制度。しかし「企業に人件費の高騰人材の画一化といった問題を引き起こす」「労働者は安定した雇用と引き換えに、自分のキャリア選択の自由を奪われる」といった制度の限界が見えてきました。

④優秀な人材が残りにくい

大企業は企業規模の大きさゆえ、「1,000人規模で新入社員を採用するマス採用」「形骸化したOJT制度などオペレーティブな人材育成」などになります。よって一人ひとりのフォローや能力の活用などが難しくなるのです。

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6.大企業の人事制度改善に役立つ手法

大企業の人事制度改善に役立つ手法4つについて、解説しましょう。

  1. バリュー評価
  2. 360度評価
  3. ノーレイティング
  4. リアルタイムフィードバック

①バリュー評価

バリュー評価とは、バリューすなわち「企業の価値観や行動基準」をどれだけ実践できたかを評価基準にする手法のこと。

価値観などは曖昧になりやすいため、どのような行動がバリューに合致するのかを具体的に明示します。バリュー評価によって、「企業と従業員が目指す方向性の合致」「企業としての組織力の強化」が実現できるのです。

②360度評価

360度評価とは、さまざまな立場の関係者により従業員を評価する手法のこと。

一般的な評価では、評価者は上司限定です。しかし360度評価では、上司や同僚、部下や取引先、顧客といった複数の関係者が評価者になります。そのため「評価に対する納得度を高める」「エンゲージメントの向上」などができるのです。

③ノーレイティング

ノーレイティングとは、従業員にランク付けする評価を止める動きのこと。ランク付けしない代わりに、上司との1on1面談で部下の評価、育成を行います。

1on1面談は、月に数回実施されて自然体で話し合うため、「リアルタイムでのフィードバック」「上司への信頼感や評価への納得感」が生まれます。

④リアルタイムフィードバック

リアルタイムフィードバックとは、物事が起こっている状況と同時に、上司が同僚や部下に対しフィードバックを実施すること。

活用すれば、変動性や不確実性が高く働き方の多様化した環境でも、スピード感があり現実と評価にギャップのない評価ができます。

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7.大企業の人事に役立つツール・システム

大企業の人事に役立つツールやシステムがあります。ツールやシステムを活用して進められる人事管理3つについて、解説しましょう。

  1. 人材管理
  2. 給与管理
  3. 勤怠管理

①人材管理

人材管理とは、多様化する従業員の個性を一目で把握して活用を進めるマネジメントシステムのこと。

「受賞歴やスキル、資格や研修などの評価履歴」「性格診断やモチベーション、ストレスチェックやキャリアプランなどのパーソナリティ」を属性に紐付けて一括管理するため、人材育成やモチベーション管理、評価の効率化などに活用できます。

②給与管理

給与管理とは、給与計算を行うシステムで、「社会保険料や手当、所得税や住民税の自動計算」「賞与計算」「Web給与明細や源泉徴収票の作成」「年末調整」などがかんたんにできます。

通常、勤怠情報管理システムと連携して用いられるシステムで、ミスや作業量を削減するため、効率的な給与管理を実現するのです。

③勤怠管理

勤怠管理とは、就業状況の把握やデータの適正な管理を行うシステムのこと。「始業・終業時刻や労働ならびに休憩時間」「時間外労働や深夜労働、休日労働の時間」「出勤日や欠勤日、休日出勤日」「有休取得日数や残日数」などを一括管理します。

また「リアルタイムで打刻管理」「計算ミスの防止」「過重労働者へのアラート」といった機能も充実しているのです。