5W2Hとは、5W1Hに「How much(いくらで?)」を追加したものです。ここでは、5W2Hについて解説します。
目次
1.5W2Hとは?
5W2Hとは、情報を論理的に整理・分類・集約するフレームワークのこと。「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」の頭文字を取った5W1Hに「How Much(いくらで)」が加わり、5W2Hとなっています。
5W2Hの意味
5W2Hの意味するものは、下記のとおりです。
- When(いつ?)
- Where(どこで?)
- Who(誰が?)
- What(何を?)
- Why(なぜ?)
- How(どうやって?)
- How much(いくらで?)
①When(いつ)
When(いつ)とは、時間を意味する言葉のこと。「明日、〇月〇日といった日時」「5日から15日までといった期限」「次回のミーティングまでといったタイミング」3つがあります。
ビジネスの際にWhenが不明確ですと、無期限と捉えられ、期日を確認されてしまうので気を付けましょう。
②Where(どこで)
Where(どこで)とは、場所を意味する言葉のこと。「会議室で、展示場で、といった場所」「打ち合わせができる静かな場所で、といった環境や空間」といった要素があります。
実施場所や待ち合わせ場所などを伝えると相手は、移動の手段や時間、その場所でのイメージをつくりやすくなります。
③Who(誰が・誰に)
Who(誰が・誰に)とは、人物や企業といったコミュニケーションの主体を意味する言葉のこと。「誰に行うか・誰が行うか」両方の意味で使用されます。たとえば、担当者や部長、取引先などです。
Whoを決める場合、最適なコミュニケーションの主体と最適な人数を選びましょう。
④What(何を)
What(何を)とは、コミュニケーションの内容であるコンテンツを意味する言葉のこと。実行すべき課題を明確にしたもので、プロセスやステージの違いによって異なります。
ビジネスでは、商品概要や他社商品との違い、価格や商品開発、支払い条件といったさまざまなものが該当するのです。
⑤Why(なぜ)
Why(なぜ)とは、理由や根拠、目的を意味する言葉のこと。たとえば顧客ニーズの把握や新製品の開発など、実施する課題に対する取り組みの根拠を明確にしてくれるのです。
一般的に、Whyを最初に明確に設定すると、根拠ある行動を取れる・具体策を設定しやすくなるといわれています。
⑥How(どのように)
How(どのように)とは、方法や手段を意味する言葉のこと。課題を解決する際、どのように取り組むかを明確にします。Howを決めるときは、最適な方法を選択し、柔軟に運用していく点を考慮しましょう。
過剰・的外れ・非効率なHowは、想定外のコストの発生・目標の未達につながります。
⑦How much(いくら)
Howmuch(いくら)とは、値段を意味する言葉のこと。課題に取り組むときに発生するさまざまな費用を見積るのです。
How muchでは、行動計画に照らし合わせて費用を現実的に見積り、必要と考えられる費用を準備します。費用が足りなくなるとプロジェクトそのものがストップしてしまうからです。
5W2Hの例文
5W2Hの例文を挙げてみましょう。
- 3月5日午後2時にシステムのバージョンアップに関する操作説明を行います
- 操作説明にあたり、システム担当者が御社の新宿営業部を訪問します
- システムがインストールされたパソコンを使用しますので、用意をお願いします
- 費用は〇〇円です
このような要素を盛り込めば、5W2Hをすべて盛り込めます。
2.5W2Hの必要性と効果
5W2Hには、必要性と効果があります。3つの観点から解説しましょう。
- 報連相の際に重要
- 説明不足が起こりにくい
- ものごとを整理しやすい
①報連相の際に重要
5W2Hは、報連相(報告・連絡・相談)の際に重要となります。5W2Hを意識すれば、話がより具体的になるため、対応の質が高まるからです。
その結果、相手に伝わり、理解されやすくなって、伝えるべき情報に関する漏れや抜けを少なくできます。
②説明不足が起こりにくい
5W2Hを使えば、説明不足が起こりにくくなります。説明不足があると、相手から「どうしてそうなるのか・いつまでにできるのか・誰がやるのか」といった追加質問を受けてしまうでしょう。
5W2Hを使えば、要点を押さえながら具体性を持たせられます。結果、必要事項を伝達できるため、説明不足が生じなくなるのです。
③ものごとを整理しやすい
下記で構成される5W2Hを使えば、ものごとを整理しやすくなります。
- Why
- What
- When
- Who
- Where
- How
- How much
3.5W2Hが活用できるビジネスシーン
5W2Hが活用できるビジネスシーンとはどのような場面でしょうか。下記5つから、日常的に5W2Hを意識した場合の活用方法を解説しましょう。
- 報告
- プレゼンテーション
- 事業計画
- マーケティング
- 企画書
①報告
- 理由の要素であるWhy
- 内容の要素であるWhat
- 時間の要素であるWhen
- 人の要素であるWho
- 場所の要素であるWhere
- 方法の要素であるHow
- 費用の要素であるHow much
が網羅されており、漏れのない報告がスムーズにできます。
②プレゼンテーション
プレゼンテーションでは、
- 「なぜプレゼンテーションを行うのか」のWhy
- 「どう実行するのか」のHow
がポイントになります。5W2Hを使えばターゲットや期間、費用などを設定し、なぜ取り組むのか・どのように取り組むのかについて丁寧に説明できるのです。
③事業計画
事業計画には、「サービスを提供するターゲット・サービス内容・市場・提供時期や場所・販売方法・販売金額」など、さまざまな項目を盛り込みます。5W2Hを活用すれば、必要項目のほとんどを検討できるため、事業計画の精度が高まります。
④マーケティング
5W2Hにはマーケティングフレームである、
- Product
- Price
- Place
- Promotion
といった4P分析すべてが含まれています。また価格戦略や資金計画といったお金にかかわる戦略も盛り込めるのです。
⑤企画書
企画書には、必要事項をもれなく盛り込まなければなりません。そのための型として、5W2Hは有効です。
とはいえ5W2Hのすべてに答えを見つけ出し、企画書に盛り込む必要はありません。5W2Hをチェック用のフレームワークとして活用するのがおすすめです。
4.5W2Hを使うときのポイント
5W2Hを使うとき、どのような点に気を付ければよいのでしょう。ここでは下記3つについて解説します。
- メモを取る
- 順番を工夫する
- ときにはほかの切り口から追求する
①メモを取る
5W2Hに含まれる7項目を頭の中で考えていくと、多さから混乱する場合もあります。「頭のなかの混乱を防ぐ・思考を整理する・内容の度忘れを防ぐ・効果的な5W2Hを練る」ためにも、考えた内容のメモを取りましょう。
②順番を工夫する
5W2Hを使う際、伝える順番が重要になります。最初に伝えるべき項目は、
- 目的を意味するWhy(なぜ)
- 内容を意味するWhat(なにを)
- 手段を意味するHow(どうやって)
これら核心部分を最初に伝達した後、残りの項目について追加説明をするのです。
③ときにはほかの切り口から追求する
「いつから始まるのか」の問いに「〇月〇日から」と答えるだけでは足りません。
5W2Hの各項目を時間軸でとらえ直し「どのくらいの時間が必要か・どのようなスケジュールになるか・時系列の動きがどうなるか」といった異なる切り口から課題を追及します。
5.関連フレームワーク
5W2Hには、関連するフレームワークがあります。ここでは、5W2Hに関連するフレームワークを解説しましょう。
- 2W1H
- 5W1H
- 5W3H
- 6W1H
①2W1H
2W1Hとは、「Why・What・How」を使ったフレームワークのこと。5W2Hには、考える項目が多くなったり説明が長くなったりするといった問題があるのです。
2W1Hは、「なぜするのか・何が必要か・どのようにするのか」考えるだけでシンプルに思考できます。相手にも伝えやすく相手も理解しやすい平易なフレームワークといえます。
②5W1H
5W1Hとは、コミュニケーションにおける基本的なフレームワークのことで、下記6項目で考えをまとめます。
- いつ(When)
- どこで(Where)
- 誰が、誰に(Who)
- 何を(What)
- なぜ(Why)
- どのように(How)
相手に伝えたい内容を正確に、漏れや抜けなく簡潔に伝えられるのです。
5W1Hとは?【意味・読み方を簡単に】ビジネスでの使い方
5W1Hとは、情報伝達の重要なポイントのことです。この要素を意識していれば、情報を分かりやすく整理しながら、正しく伝えることができます。5W1Hについて見ていきましょう。
1.5W1Hとは?
5W1...
③5W3H
5W3Hとは、5W1Hから派生したフレームワークのひとつ。5W1Hに、「How much(いくらで)」と「How many(どのくらい)」2つの分析要素をプラスしたものです。
5W3Hは、「売上目標や価格戦略など、定量情報の分析・説得力のあるプレゼンテーション・新たな解決の糸口探し」に役立ちます。
④6W1H
6W1Hとは、目的や要件を明確に把握できるフレームワークのこと。基本の5W1Hに、「Whom(だれに)・How much(いくらで)」を追加したものです。マーケティングや経営戦略立案やWebサイト制作など、幅広い分野で活用できます。