ダウンシフター(減速生活者)とは? メリデメ、書籍

ダウンシフターとは、自分の満足を追求するライフスタイルです。ここでは、ダウンシフターについて解説します。

1.ダウンシフターとは?

ダウンシフターとは、仮に生活水準が低下したとしても、自分自身の満足を追求するゆとりあるライフスタイルを実践する人のことです。アメリカの経済学者であるジュリエット・B・ショアの著書で言及されました。

ダウンシフターは、「減速生活者」と呼ばれることがあります。「減速」という言葉には、ネガティブなイメージがありますが、ダウンシフターは自身の精神的豊かさを大切にする考え方として、注目を集めています。

そもそもダウンシフトとは?

そもそもダウンシフトとは、

  • より低く、を意味する「down」
  • 切り替える、を意味する「shift」

を組み合わせた造語です。

ダウンシフトとは、生活水準を低下させたとしても、

  • 精神的に豊かさを感じられる
  • 身の丈に合った生活をする
  • 自分自身で満足できる
  • 無理のない生活を送る

といったライフスタイルを実践します。

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2.ダウンシフターに関連した概念

ダウンシフターに関連した概念があります。ここでは、

  • スローライフ
  • リタイア
  • ミニマリズム

といった概念を取り上げて、それぞれの意味やポイントを解説します。

スローライフ

スローライフとは、ゆったりとした時間の流れの中で、

  • 生活自体に価値を見出す
  • 人生の充実感をかみしめる
  • 自然と一体になってじっくり生きる
  • 生活に手間をかけることを楽しむ

といったライフスタイルです。

現代社会で重要視されがちな、生産性や競争といった概念とはかけ離れた生き方です。

リタイア(セミリタイア、アーリーリタイア)

リタイアは引退を意味する言葉です。セミリタイアとは、仕事で生活できる最低限の収入を確保しながら、自分の時間を確保するライフスタイル。アーリーリタイアは、早期に仕事を辞めて仕事をせずに暮らす生き方です。

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ミニマリズム

ミニマリズムとは、英語の「minimalism」をカタカナ語として使用したものです。語源はである「minimal」(最小限)からもわかるように、ミニマリズムとは、必要最小限なものだけで暮らすライフスタイルのことです。無駄なものをすべて省き、本質的なものを追求して生活することを意味します。

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3.ダウンシフターが注目される背景

ダウンシフターが注目される背景があります。ここでは、

  • 終身雇用の崩壊
  • ワークライフバランスの重視

といった背景をあげて、ダウンシフターが注目される理由をポイント解説します。

終身雇用の崩壊

ダウンシフターが注目される背景のひとつは、終身雇用の崩壊です。日本型雇用の特徴のひとつである終身雇用は、崩壊しつつあります。終身雇用で一生安心して暮らせる時代は終わりを迎えました。それに代わったのは、成果主義です。

成果に焦点が当てられたことで、個々の能力や仕事の結果に関連するもの以外への時間の使い方が注目を集めました。

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ワークライフバランスの重視

ダウンシフターが注目されるふたつ目の背景は、ワークライフバランスの重視です。平均寿命が延びたことで、「人生100年時代」が到来しました。心身の健康を維持しながら、長く仕事をするためには、ワークライフバランスをとることがポイントになります。

無理なく仕事をするための働き方のひとつとして、ダウンシフターが注目されています。

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4.ダウンシフターの働き方

ダウンシフターの働き方はさまざまです。ここでは、

  • フリーランス
  • ポートフォリオワーク
  • アドレスホッパー
  • スモールビジネス
  • 半農半X

といった働き方をあげて、それぞれ簡単にポイントを解説します。

フリーランス

ダウンシフターの働き方のひとつは、フリーランスです。

独立系フリーランスとは、

  • 企業や団体といった特定の組織と雇用関係を結ばず、専従しない
  • 自分の技術や専門知識などを使って個人が独立した形態で働く

働き方です。

副業系フリーランスとは、

  • 企業などの組織と雇用関係を締結している
  • 隙間時間に個人で仕事をする

働き方です。

ポートフォリオワーク

ダウンシフターのふたつ目の働き方は、ポートフォリオワークです。ポートフォリオとは、複数の持ち物をまとめて持ち運びするカバンを意味します。

ポートフォリオワークとは、複数の職業、収入源を持ちながら働くライフスタイルです。物事が目まぐるしく変化し、価値観が多様化する時代だからこそ、複数の仕事をかけ持ちすることでリスクヘッジする人が増えています。

アドレスホッパー

アドレスホッパーという働き方もあります。アドレスホッパーとは、特定の住所を持たずに暮らすことです。

従来の日本の価値観では、定住して定職に就くことが当たり前でした。しかし、アドレスホッパーは、ホテルやウィークリーマンションなどを使って、住む場所を移動しながら自分のライフスタイルを作っていく新しい価値観を誕生させました。

スモールビジネス

ダウンシフターの働き方には、スモールビジネスというものもあります。スモールビジネスとは、個人で起業して対応できる範囲で事業を展開していくビジネススタイルのことです。

会社を大きくしていくというよりは、オンラインショップやアフィリエイトなどを使って、個人でできる範囲でビジネスを継続することを目的としています。

半農半X

農業で必要な食料の自給自足をしながら、他のことをして暮らすのが半農半Xです。

  • 半農とは、自分や自分の家族が生きていかれる分を収穫できる程度で農業を行うこと
  • 半Xとは、農業の以外の時間を自分のやりたいことをして過ごすこと

必要な分の食料を手にしながら、自分の好きなことができる半農半Xも、非常に注目されています。

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5.ダウンシフターのメリット

ダウンシフターにはメリットがあります。ここでは、ダウンシフターのメリットとして、

  • 自由な時間が得られる
  • 雇用先に束縛されない
  • 好きなことができる

といった3点をあげて簡単にポイントを解説します。

自由な時間が得られる

ダウンシフターのメリットのひとつは、自由な時間が得られることです。ダウンシフターでは、

  • 会社に勤めて毎日出勤する
  • 長時間労働を余儀なくされる

ことから解放されるため、時間的に余裕が生まれます。

仕事に追われる生活を送っているほど、ダウンシフターによって得られる自由時間は至福の時間であると考えられます。

雇用先に束縛されない

ダウンシフターのふたつ目のメリットは、雇用先に束縛されないことです。ダウンシフターでは、企業と雇用関係を結んでいないケースが多くあります。

雇用契約を結ぶ代わりに、業務委託契約や自営といった働き方を選択すれば、

  • 雇用先のルールに縛られることがない
  • 自分流を活かした仕事や時間の使い方ができる

ことになります。

好きなことができる

ダウンシフターの3点目のメリットは、好きなことができることです。ダウンシフターでは、すき間時間などを、

  • 趣味
  • 好きな仕事
  • 家族や友達との時間

などに使えます。

自分でやりたいことがあるにもかかわらず、仕事があって時間が確保できない人にとって、ダウンシフターを選択する価値は十分あるでしょう。

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6.ダウンシフターのデメリット

ダウンシフターにはデメリットもあります。ここでは、ダウンシフターのデメリットとして、

  • 収入が安定しない
  • 社会的信用を得にくい
  • 一定のスキルが求められる

といった3点をあげてそれぞれ解説します。

収入が安定しない

ダウンシフターのデメリットのひとつは、収入が安定しないことです。ダウンシフターには、自分の自由に使える時間がある半面、会社勤めをしているときのような安定した収入が望めないといったデメリットがあります。

家族や自分の将来のことを考えると、収入が安定しないことは大きな不安材料となるでしょう。

社会的信用を得にくい

ダウンシフターのふたつ目のデメリットは、社会的信用を得にくいことです。安定した収入がないと、住宅ローンや融資を希望した場合、金融機関からの支援が受けられないケースがあります。

企業などの組織に所属していれば問題とならないことも、ダウンシフターであることで社会的信用を得にくい現実があります。

一定のスキルが求められる

ダウンシフターの3点目のデメリットは、一定のスキルが求められることです。組織に所属しないで個人で仕事をする場合、仕事の内容によって高いレベルの技術や知識が必要な場合があります。

また、それら知識や技術をブラッシュアップしていくことが求められるなど、相当な自己鍛錬を覚悟しなければならない可能性があります。

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7.企業ができるダウンシフターのための取り組み

企業ができるダウシフターのための取り組みがあります。ここでは、

  • 労働時間を削減する
  • 働き方の選択肢を増やす

といったふたつの点から、企業によるダウンシフターの取り組みについてポイント解説します。

労働時間を削減する

企業ができるダウンシフターのための取り組みのひとつは、労働時間を削減することです。会社に拘束される労働時間が減れば、個人が自由に使える時間は増えます。そこで、企業は、

  • ノー残業DAYを設ける
  • 残業時間を40時間以内抑える
  • プレミアムフライデーを実行する

といった取り組みで労働時間を削減します。

働き方の選択肢を増やす

企業ができるもうひとつの取り組みは、働き方の選択肢を増やすことです。働き方の選択肢が増えれば、一人ひとりの労働者に適した働き方が実現できます。たとえば、

  • ワークシェアリングを実施する
  • 時短勤務を採用する
  • テレワークを推進する

といった多様な働き方を取り入れることで、ダウンシフターを実現できます。

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8.ダウンシフター/ダウンシフトについてのおすすめ書籍

ダウンシフトやダウンシフターをより理解するために、おすすめの書籍があります。ここでは5冊の書籍を紹介します。

『減速して自由に生きる』 高坂勝

「減速して自由に生きる」は、ひとりで小さな飲食店を営み、自由を謳歌する高坂勝の著書です。
人と交流を求め、やりたいことを小さく自営してきた著者が、開業ノウハウや生き方について自身の経験をいかして解説します。

『成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択』 神山 典士

「成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択」は、神山典士の著書です。人口減少という社会問題を抱える日本における生き方を、里山ビジネスといった切り口から解説しています。古き良き日本の里山の新たな可能性を感じさせられます。

『月3万円ビジネス』 藤村靖之

「月3万円ビジネス」は、「発明起業塾」を主宰している藤村靖之の著書です。「いい発明は、社会性と事業性の両立を果たさねばならない」と、真の豊かさを実現するためのユニークな仕事の複業などを紹介しています。2011年刊行のロングセラーです。

『20代で隠居 週休2日の快適生活』 大原扁理

「20代で隠居 週休2日の快適生活」は、大原扁理の著書です。20歳を過ぎたら都会と意識的に距離を置き、隠居する。これを「21世紀版都市型隠居」と名づけ、自分の快適さを追求しています。若い世代も共感できる一冊です。

『ニートの歩き方』 pha

「ニートの歩き方」は、京都大学を6年かけて卒業し、パソコンやネット好きが集まって暮らすシェアハウスの発起人であるphaの著書です。インターネットを片手に、お金がなくても楽しく無理なく暮らすためのヒントが満載です。