事業計画書の無料テンプレート|必要な項目、書き方のポイント

事業計画書とは事業内容や戦略、利益の見込みなどを記載する書類で、金融機関から事業資金を調達する際に、提出を求められます。テンプレートを活用した事業計画書作成のポイントや注意点を詳しく解説しましょう。

1.事業計画書とは?

事業計画書とは、事業の有用性や将来性、収益性などを記した計画書のこと。20ページから40ページほどの文書で、「全体構想」「具体的な事業内容」「創業時の資金計画表」「損益計画表」の4つの内容からなります。

金融機関に資金融資を依頼する際、提出を求められる書類といえます。なぜなら金融機関が融資の可否を判断する際、最も重視する指標となるためです。

事業計画書とは? 書き方・作り方、内容例やテンプレートを紹介
事業計画書は、創業者の夢を実現するための具体的な行動を示す計画書です。これを通して、企業の存在意義を明確にし、企業を取り巻く環境や進むべき方向性を示せます。 また、銀行や投資家から融資を受ける際にも、...

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2.事業計画書のテンプレートを無料でダウンロードできるサイト

事業計画の作成にあたり、実際にテンプレートがダウンロードできるサイトは次の通りです。

Microsoft Office

一般的な項目を満たしたエクセルのテンプレートです。自動計算機能のついたテンプレートに従って入力すればかんたんに事業計画書の作成が行えます。

参考 事業計画書Microsoft Office

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の融資申請に必要なテンプレートがダウンロードできます。エクセルと手書き用のPDF、2種類のフォーマットを選べるのです。

ほかにも借入申込書や月別収支計画書などのテンプレートが利用できるので、日本政策金融公庫の創業融資を受けるならこちらで一式そろえましょう。

参考 経営計画策定に役立つ各種資料について日本政策金融公庫

金融機関

民間銀行や信用組合、商工会議所などの機関で独自のテンプレートが用意されている場合もあります。ただしすべての項目がそろっているとはかぎりません。不足している部分は別途自分で作成しましょう。

参考 事業計画書大東銀行 参考 事業計画書東京商工会議所

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3.事業計画書作成の際にテンプレートを使うメリット

事業計画書を作成する際、どのような内容をどういった書式でまとめればよいのでしょう。そこで助けとなるのがテンプレートです。ここではテンプレートを活用するメリットについて、見ていきます。

  1. 事業計画書をかんたんに作れる
  2. 日本政策金融公庫とのやりとりが楽になる
  3. マーケティングや戦略立案に使える

①事業計画書をかんたんに作れる

テンプレートがあれば、事業内容や関連する数字を入力するだけで事業計画書を作成できるのです。まず事業計画書を提出する金融機関にテンプレートが事前に用意されているか、確認します。

金融機関にテンプレートがない場合、項目を抜き出してオリジナルの事業計画書を作るとよいでしょう。

②日本政策金融公庫とのやりとりが楽になる

日本政策金融公庫に融資を申し込む際、テンプレートに沿った事業計画書や借入申込書などの提出を求められます。日本政策金融公庫の公式サイトからかんたんにダウンロードできるうえ記入例も同時に手に入るので、作成自体もかんたんに進められるでしょう。

③マーケティングや戦略立案に使える

事業計画書のテンプレートは、新事業が開始した際の戦略にも役立ちます。たとえば事業計画書には、競合や市場のニーズなどを記載し、自社の優位性や付加価値などを記載するのです。こうした分析は、マーケティングや戦略の立案に有効活用できるでしょう。

事業計画書テンプレートの項目を一つひとつ検討し、丁寧に記載していくと、今後展開する事業のマーケティング戦略に結びつきます。

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4.事業計画書に必要な内容

日本政策金融公庫では、テンプレートで事業計画書の様式が定められています。しかし民間の金融機関ではテンプレートが用意されていない場合も少なくありません。事業計画書の作成にあたって必須項目を覚えておきましょう。

  1. 企業の概要
  2. 事業の概要
  3. 事業のコンセプト
  4. 従業員の状況
  5. 競合や市場規模
  6. 自社の強みと弱み
  7. サービスや商品の概要
  8. 販売戦略やビジネスモデル
  9. 人員計画
  10. 財務計画

①企業の概要

企業に関する基本情報です。記載する項目は下記になります。

  • 企業の正式名称あるいは屋号
  • 代表者氏名
  • 資本金
  • 所在地
  • 従業員数
  • 取引金融機関

新規事業を立ち上げる際は、起業した人のプロフィールや理念、経歴やスキルなども記載対象になります。

②事業の概要

「だれにどのような商品あるいはサービスを提供するか」を簡潔に記載します。冒頭にあたる部分なのであまり多く書かず、1~2つに絞って簡潔にまとめましょう。また出資者や金融機関の審査員が興味を持つような、事業の魅力などを記載するのもおすすめです。

③事業のコンセプト

コンセプトとは、事業を検討するにあたって全体を貫く基本の視点や考え方のこと。目的は事業を開始するきっかけとなった発想や、ほかのサービスには無いユニーク性、新規性や必要性などを記載し、事業に対する理解を得ることです。

④従業員の状況

現在の従業員数や組織内容、人事に関わる経費などを明確にし、事業拡大の余力が十分にあるとアピールします。取締役や執行役員など役員の人数と、正社員やパートなど従業員の人数を記載しましょう。合わせて見込まれる人件費を記載しておくとベストです。

⑤競合や市場規模

展開する事業の市場におけるニーズや現在の市場規模、将来にわたるマーケットへの有望性、また同様の事業を展開する競合環境などについて記載します。

グラフや表などを用いて、競合他社の戦略や市場でのターゲットと見込まれるニーズなどをわかりやすくまとめましょう。

⑥自社の強みと弱み

先ほどの競合や市場の調査から導かれる自社の強みを明確に提示します。事業を始めるにあたって、まったく競合が存在しない状況はほとんどありません。

市場で受容されて競合に打ち勝つためにも、自社の強みとなる優位性や他社との差別化をまとめましょう。一方、改善し強化しなければならない弱みも冷静に分析します。

⑦サービスや商品の概要

提供する商品やサービスについて、できるだけ具体的にわかりやすく記載します。たとえばサービスや商品の内容やセールスポイント、ターゲット層や競合商品に対しての優位性など。商品やサービスだけでなく、付随して生じる価値も記載しましょう。

⑧販売戦略やビジネスモデル

商品やサービスを、だれにどのようなチャネルや方法で販売するのか、具体的に記述します。どのような広告をどのようなタイミングで実施するか、どのようにリピーターを獲得するか、など細かくマーケティング戦略を伝えましょう。

⑨人員計画

事業を拡大するにあたっての採用計画や人員配置、人件費や求人にかかる費用などを記載します。図形を使ったわかりやすい組織図を掲載するとよいでしょう。

また業績が向上した際の増員計画も合わせて作成し、増員で生じる人件費や費用なども別途まとめておくのがおすすめです。

⑩財務計画

事業遂行のための必要経費を明確にします。売上や利益、運転資金や設備資金、資金調達方法と調達した資金の返済計画などを、具体的な数字を示して説明するのです。これらも表を用いて見やすくまとめるとよいでしょう。

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5.事業計画書を書く際のポイント3つ

事業計画書は、事業の収益性を示し、信頼を得るための重要な書類です。よい事業計画書を作成するために知っておきたい、3つのポイントをご紹介します。

  1. 具体的に書く
  2. 数値の根拠を示す
  3. 内容の整合性を意識する

①具体的に書く

事業計画書にまず必要なポイントは具体性です。5W2Hを意識し、数字を含めるよう意識するとよいでしょう。

  • When:事業開始の時期だけでなく、数年後の経営状況予測も含める
  • Where:想定するマーケットの市場規模(金額)と顧客数を明確にする
  • Who:事業に携わる人材の人数や能力を明確にする
  • Why:事業のきっかけやコンセプトを明確にする
  • What:商品やサービス内容を具体的に提示する
  • How:販売計画や方法を明確にする
  • How much:資金計画や将来的な収支計画を明確にする

また企業や代表者の詳細情報など、出資者などの理解を得るのに役立つと思われる情報があれば詳しく記載します。

②数値の根拠を示す

数字を交えて具体的に書く場合、根拠が必要です。なぜその数値が算出されたのか、その数値は妥当あるいは実現可能なのか、判断できるようにします。

商品計画であれば原材料や加工費などの実際の見積もりを明確にし、販売計画であれば流通コストや販売促進費用などを明確に提示するのが重要です。

③内容の整合性を意識する

事業計画書に記載する内容はすべて客観的にします。また記載内容に矛盾や齟齬が無いようつねに整合性を意識する必要もあるのです。たとえば売上金額があるページと別のページで異なっていては、どちらを信用していいかわかりません。

「さっきのページと言っていることが違うな」と思われてしまう事業計画書は、金融機関や出資者の信頼を得られないでしょう。