会社にはさまざまな種類がありますが、その中でも持ち株会社が日本企業には多く見られます。どのような形態の会社であり、株式会社とはどのような違いを持つのでしょうか?
本記事では持ち株会社の意味とともにメリット、デメリットを紹介していきます。
持ち株会社とは?
持ち株会社とは、他の株式会社を傘下に入れることを目的とし、目をつけた会社の株式を保有する会社のことで、ホールディングカンパニーと呼ばれることもあります。
日本にも多数の持ち株会社があり、金融系では三菱UFJフィナンシャルグループや野村ホールディングス、食品系では日清食品ホールディングスが有名です。
またセブン&アイホールディングスなどの小売り系、ソフトバンクや読売新聞と言ったメディア・情報系の企業にも多く見られるなど枚挙に暇がありません。
持ち株会社には他社の支配を本業とする純粋持ち株会社と、本業を行う一方で他社の支配を行う事業持ち株会社の2種類があります。その一方で持ち株会社の傘下に入りながらも、他の事業会社をまとめる中間持ち株会社も多くはありませんが存在します。
持ち株会社の3つの設立方法と企業例
持ち株会社の設立方法は大きく3つにわけられます。
抜け殻方式
ひとつは既存の事業を子会社に譲渡したり分割したりしながら持ち株会社に移行する抜け殻方式です。現在の日本では抜け殻方式を採っている企業が目立ちます。
フジテレビやイオン、旭化成が代表的な例。
株式移転方式
ふたつめは持ち株会社である親会社を株式移転して、新たな持ち株会社を設立する株式移転方式。
後者はバンダイナムコやセガサミーなどが代表的です。
株式交換方式
また既存の会社を株式交換することで完全親会社にする株式交換方式も少なからず存在します。
みずほフィナンシャルグループはこの方式です。
持ち株会社のメリット
持ち株会社のメリットは、何よりも子会社の恩恵を授かりやすいという点にあります。例えば傘下の会社への人事制度導入や権利の移譲が行いやすくなり、経営体制を柔軟に変更していくことが可能です。新規事業に参入しやすいというメリットも見逃せません。
またM&Aが積極的に進んでいるこの時代にあって、経営統合した他企業の買収がしやすいという声もあります。複数の持ち株会社を展開している場合、ひとつの企業が大きな損失を出したとしても、最悪の場合他社を売却することによって、損失をカバーできるという点もメリットです。
持ち株会社のデメリット
メリットが多い持ち株会社ですが、デメリットも少なからず存在します。例えばさまざまな取り決めも子会社の一存で決めることができず、親会社にお伺いを立てなければなりません。そのため経営が滞りやすいというデメリットがあります。労働条件の交渉窓口が複雑化するというデメリットもあるのです。
さらに同じ子会社同士でも連携を取りにくくなるなど、窮屈感を覚えることは多々あります。さらにたとえ子会社の業績がよくとも、親会社が非上場である場合にはその子会社は上場することができません。メリットと同時にデメリットもしっかり把握しておくようにしましょう。