入社式とは?【何をする?】開催時期(いつ?)、流れ

入社式の実施する目的、内定式との違い、開催時期、事前準備、式次第、オンライン開催などについて解説します。

1.入社式とは?

入社式とは、企業が新卒社員を正式に迎え入れるための式典です。

同期入社の社員を一同に集めて、

  • 経営陣による訓示
  • 新卒社員の顔合わせ
  • 企業理念の浸透

などを行う式です。

日本では毎年4月に行われるのが一般的です。税金の区切りや社会保険の手続きなど新卒社員の各種書類は、年度始めに合わせて4月1日となっています。

入社式を実施する目的

入社式の目的は、新入社員に社会人として、また企業の一員としての自覚を持たせることにあります。入社式が終われば社会人となるので、いつまでも学生気分では困ります。企業の一員として責任を持った行動ができるよう、意識を切り替えるためにも入社式を行います。

そのほか、新入社員が交流を深めるなどの目的もあります。

内定式とは?

内定式とは、企業が出した内定者に対して承諾をした入社前の人材と、経営者や役員などの社内関係者が一同に集い、紹介や顔合わせをする式典です。

内定式の目的は、

  • 自社の企業理念
  • 自社の方針

を、経営者や役員から内定者に直接伝えることです。

また企業の社員と顔合わせをすることで、内定者が社会人としての自覚を持つきっかけになります。

内定式とは? いつ何をするのか、目的、内容、オンライン
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入社式と内定式の違い

入社式は、企業が新卒社員を正式に迎え入れるための式典です。

一方の内定式は、企業が正式に内定者に内定を伝え、入社の承諾を得る式典です。入社式の日から新卒社員は社会人としての生活がスタートし、会社組織の一員となります。

内定式の時は内定者はまだ学生で、内定者と企業の合意で、労働契約が成り立ったということです。

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2.入社式の事前準備

新入社員が一同に集まる入社式は、企業の規模や方針によって、内容が多少異なりますが、基本点な流れは同じです。

日程調整や会場決定、式の企画、式次第の作成など入社式の事前準備について詳しく解説していきます。

日程調整と会場決定

入社式は、日本の年度始めとなる4月1日に行われるのが一般的です。4月1日が土・日曜、祝日の場合は、繰り下げて4月2日や3日、または繰り上げで3月下旬に行う企業などもあります。

日程を調整する際は、重役やあいさつの担当者、来賓などの日程の確認が重要で、打ち合わせ準備なども含めて検討します。入社式の開催会場は、本社で行う企業が多いです。規模の大きな会社は新入社員の人数も多いため、その場合は、会社から近い場所にあるホテルや貸ホールなどを予約します。

企画の検討、決定

入社式の内容を企画する際のポイントは、まず入社式の目的を決めることです。

  • 会社の信念
  • 社風の理解や業務内容の理解
  • 会社にどのように貢献して欲しいか

などといった新入社員に伝えたいメッセージを具体的にし、当日の流れを決めていきます。

一般的な入社式にするのか、メッセージを伝えるためにイベントやゲームを開催するのかなどを決定します。

式次第の作成

式次第とは、当日の入社式のプログラム表・進行表です。司会進行の担当者は、その式次第に沿って入社式を進行していきます。

式次第を用意する目的は、式が時間内にきちんと終了するためでもあります。

式次第の扱いは会社によって異なり、下記のようなものがあります。

  • 参加者全員に配布するケース
  • 入社式会場に貼られているケース

配布資料などの準備

入社式の当日に、参加者に配布する書類の作成が必要になります。
多くの企業が入社式で渡している配布物は次のような物があります。

  • 就業規則
  • オリエンテーションに関する資料
  • 入社辞令書
  • 入社記念品

近年は、新型コロナウイルス感染防止対策として、感染症対策グッズを用意している企業が多くあります。

就業規則

就業規則は社員の働き方の基準となるものです。就業規則の目的は次の通りです。

  • 活性化・効率化の点から就業規則は決めておくことが重要
  • 労働時間、休日、その他諸条件を就業規則の文書にして全社員に共通する行動基準が必要
  • 就業規則は労働基準法に関与しない部分が多いため、服務規律と違反した場合の制裁の記載事項は会社の秩序を維持するためにも重要

オリエンテーションに関する資料

オリエンテーションでは、内定通知の時点で伝えられなかった書類や説明を資料にして配布します。例えば次のような物があります。

  • 就業内容
  • 必要書類の確認
  • 人事や組織体制の説明
  • 詳細な福利厚生の説明
  • 今後の研修の流れ
  • 配属先
  • 給与振込先書類の記入
  • 翌日からの出社方法

重要なことはメモを取らせるなどの対応が必要です。

入社辞令書

入社辞令書とは会社から出される文書で、この通達と受け渡しをもって正式な入社となります。

新卒社員にとって、社会人初の辞令交付です。入社式では社長が新卒社員に直接渡すこと多いです。人数が多い場合は代表者が受け取ります。

入社記念品

入社記念品を配布する企業もあります。
記念品アイテムで人気があるのは、仕事で使える下記のようなものです。

  • ノート
  • ボールペン
  • パスケース

ノベルティーグッズは新入社員のモチベーションもアップにも繋がります。

感染症対策グッズ

多くの人が一同に集まる入社式は、密閉・密集・密接の3密を避けることは難しく、クラスター発生の原因にもなりかねません。安心して入社式に参加できる対策は不可欠です。

入社式会場に用意しておきたい感染防止対策グッズは、

  • アルコール消毒液代
  • 非接触型温度計
  • 空気汚染測定器
  • CO2濃度測定器

などです。

内定者への連絡

入社式の案内状を内定者へ3月過ぎに送付します。案内状に記載する必要な項目は次の通りです。

  • 日付…発信年月日
  • 宛名…内定者各位など
  • 差出人…会社の代表者名
  • 件名…入社式のご案内など
  • 前文…相手方の幸を喜ぶ挨拶で構成
  • 主文…入社式の実施を記載
  • 末文…結びの挨拶と結語(敬具)を記入
  • 別記…開催日時、場所、服装、式次第(概要)など

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3.一般的に用いられる式次第

企業によって異なりますが、一般的に用いられる式次第は次の通りです。

  • 開会宣言
  • 社長の挨拶
  • 入社辞令書交付
  • 内定者代表の挨拶
  • 記念写真の撮影
  • 閉会の宣言

それぞれ詳しく解説していきましょう。

開会宣言

まずは、司会者による開会の宣言を行います。「これから入社式をおこないます」または、「ただ今より、平成◯◯年度株式会社○○入社式をおこないます」などのように、簡単なあいさつで終わらせることがほとんどです。

社長の挨拶

社長挨拶・祝辞では、会社の代表である社長が、新卒社員に対してあいさつをします。

  • 会社がどのような信念をもっているのか
  • 新入社員としてどのように会社に貢献して欲しいか

など、社長挨拶・祝辞の内容は激励や訓示、働く上での心構えや、企業理念などなどが多いです。また、役員などのあいさつが続く場合もあります。

入社辞令書交付

人数が少なければ新入社員1人1人に、社長から直接手渡されます。規模の大きい会社で新入社員が多ければ、新入社員代表に対して辞令が渡されます。

入社辞令交付は、会社と新入社員との間で成立した労働契約である内定証書です。辞令を受け取ることで、「今日からここの企業の一員になった」という実感がわくきっかけとなります。

内定者代表の挨拶

新入社員のあいさつでは、新入社員を代表する1人が、入社式に対するお礼、仕事への決意表明、これからの抱負、意気込みや熱意などを会社に対して伝えます。自己紹介などが伴うこともあります。

会社の規模によりますが、人数が少ない場合は新入社員1人1人があいさつをするケースもあります。代表者ではなくても全員が、しっかりと心に刻む場です。

記念写真の撮影

今年度に入社する新卒社員全員で記念写真を撮ります。企業によっては社長も含めて撮影する場合もあります。

記念写真は、社内メディアなどに掲載する企業もあるようです。事前に撮影場所を決めてスムーズに撮影を行えるようにします。

閉会の宣言

司会者が閉会宣言をします。「それでは以上を持ちまして、平成◯◯年度株式会社◯◯新入社員入社式を終了いたします」などと簡単な文言で、入社式の閉会を宣言します。会社によっては、閉会後に研修や、懇親会があります。

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4.コロナ禍で増えるオンライン入社式

緊急事態宣言の発令の有無に限らず、参加人数が多く感染リスクがある場合は、オンライン形式で入社式を開催する企業が増えています。

オンラインで開催することで、新入社員と企業側の実際の対面がないため、密閉・密集・密接の3密を避けることができます。参加者全員が、新型コロナウイルス感染への不安を抱えることなく安心して入社式に臨めます。

オンライン入社式のメリット

オンライン入社式は、場所を選ばない、気軽に参加できるなどさまざまなメリットがあります。その他にも次のようなものがあります。

  • 新入社員の孤独感の解消
  • 異動の手間や式典のコスト削減
  • 感染症対策

それぞれ詳しく解説します。

新入社員の孤独感の解消

社会人として旅立つ新入社員の不安や孤独感を解消し、安心して入社式に臨むことができます。

実際に新入社員と企業の社員が、顔を会わせることはできませんが、オンラインであっても、これから一緒に働く仲間や先輩たちの顔や声を聞くことで、人とのつながりを感じることはできます。新入社員は社会で生きていくための心構えを持てることになります。

異動の手間や式典のコスト削減

インターネット環境があれば、場所を選ばすに開催できるのが大きなメリットです。新入社員だけでなく、社員も仕事の合間に参加できるので、全社をあげて入社式を行うことも可能です。

また大人数を収容する会場が必要ないので、会場費が掛からないというコスト面でのメリットもあります。遠方からの参加者への交通費や宿泊代なども掛かりません。

感染症対策

オンラインで開催することで、新入社員と企業側が直接的に接触することがありません。密閉・密集・密接の3密を避けることで、新型コロナウイルス感染症の予防対策になります。

新入社員は自宅から参加できるので、会場へ訪れるまでの移動中の市中感染も避けられます。つまり、参加者全員が安心して入社式に参加できるということになります。

オンライン入社式の事前準備

オンライン入社式には通常の入社式とは別の準備が必要になります。

  • ネット環境やオンラインツールの整備
  • 事前リハーサルとトラブル時の対応
  • 資料やタブレットなどの自宅送付

それぞれ詳しく解説しましょう。

ネット環境やオンラインツールの整備

オンライン入社式を開催するためには、インターネット回線が必要です。多くの新入社員が回線に入っても耐えられるネット環境を整備する必要があります。

パソコンやネット環境の他にも、実施するためのオンラインツールを用意します。さまざまなツールがあるので検討します。式当日、ストレスなく配信が行えるように事前にテストを行いましょう。

また事前に新入社員のネット環境を把握し、オンライン入社式が開催できるかどうかを確認しておくことも重要です。

事前リハーサルとトラブル時の対応

オンライン入社式の当日に、回線トラブルが起きてしまったり、参加者がツールの使い方が分からずに参加できなかったりなどといった事態に備えて、事前にリハーサルを重ねて万全の体制で臨みましょう。

もしトラブルが起きた場合のシミュレーションしておくことも大切です。インターネット以外で、連絡が取れるような対応を用意しておきます。

資料やタブレットなどの自宅送付

入社式で必要となる資料や入記念品などは事前に郵送します。

オンラインで開催する場合はタブレットやネット環境が必要です。
新入社員には事前に、

  • ノートパソコン
  • モバイルルーター
  • タブレット

などを送付しておきます。その際、オンライン開催に参加するために必要なアプリなどをセットアップしておくと、スムーズです。

オンライン入社式を開催する際のポイント

オンライン開催は、自社に適した方法でなければトラブルが生じたり、式の演出次第では参加者同士の交流が持てない、新入社員の反応が分からないなどの問題点もあります。オンライン開催をする際のポイントを紹介します。

リアルタイム、オンデマンドなど適切な配信方法の選択

オンライン入社式を実施する方法は次の3つがあります。

  • リアルタイムで実施する…ZoomやYouTube Liveなどのビデオ会議ツールを用いて行う方法
  • オンデマンド配信する…YouTube や自社サイトなどに動画をアップして、期間内に各自で視聴してもらう方法
  • 少人数に会場を分散して実施する…複数の会場に参加者を分散させて集め、各会場を中継でつないで行う方法

それぞれのメリット・デメリットを検討した上で、自社に合った適切な配信方法を選択します。

入社したリアルな実感の演出

オンライン入社式は、入社する実感が湧かないといった不満の声もあるのが実情です。
その解消法として下記のような方法があるので取り入れるといいかもしれません。

  • 内定証書授与をするとき、名前を呼び上げると同時に、新入社員にPDFを送信することで、対面で手渡しされる感覚を持ってもらう
  • 懇親会では、新入社員の自宅に食事や飲み物を宅配するサービスを活用し、一体感を演出する。会話も弾みコミュニケーションも活発になる
  • スピーチの最中は、定期的に間を挟み、画面の向こうで新入社員がどのような反応をしているのか確認しながら進行する