PSEマークとは?【意味を簡単に】取得が無い商品、偽物

PSEマークとは、電気製品の安全性を表すマークのことです。ここではPSEマークが必須化された理由や形の違い、Sマークとの違いなどについて解説します。

1.PSEマークとは?

PSEマークとは、その電気製品が電気用品安全法で定められた安全規格を満たしていると証明するマークのこと。

「Product Safety Electrical appliance & materials」の頭文字を取ったもので、電気製品が原因の火災や感電などから消費者を守る目的で施行されました。

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2.PSEマークと電気用品安全法

電気用品安全法とは、電気製品による危険、また障害の発生防止を目的とする法律のこと。電気用品の製造および輸入を行う事業者は法で定められた手続き義務を履行し、製品にPSEマークを表示しなければなりません。

いつからあるのか

PSEマーク(電気用品安全法)が試行されたのは2001年。これまでテレビや冷蔵庫、洗濯機やゲーム機器などには5年の猶予期間が設けられていました。

しかしPSEマークのついていない、いわゆるビンテージ品などを愛好するミュージシャンや、マークのない中古電気製品を大量に取り扱っているリサイクル業者などから強い反対が起き、社会問題になっていたのです。

対象外の製品

すべての電気製品がPSEマークの対象となるわけではありません。特定電気用品116品目、および特定電気用品以外341品目以外の電気用品がPSE対象外となります。具体的には次のような電気用品です。

  • リチウムイオン蓄電池
  • 電線類
  • 蛍光灯電線
  • フロアダクト
  • 温度ヒューズ
  • 光電式自動点滅器
  • ミシン用コントローラー

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3.PSEマークが取得できていない場合

PSEマークは、国が許可したり国から認証を取得したりするものではありません。電気用品安全法上の義務を果たした証として、届出事業者がみずからの責任で電気用品に表示するものです。PSEマークが取得できない場合、販売店には厳しい罰則が課されます。

販売店は厳しい罰則

PSE取得が義務付けられている製品においてPSEマークが表示されていない場合はメーカー、販売店ともに処罰の対象となります。PSEマークが表示されていない製品は製造と輸入、販売のすべてが不可能です。

またマークが表示されていない電気用品を販売したり、販売の目的で陳列したりすると法人には1億円以下の罰金、個人には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が課される恐れもあります。

法人からの買い取りは禁止

PSEマークのない電気用品について、個人からの買取は合法ですが、法人からの買取は禁止されています。PSEマークのない製品を買い取ること自体は問題ありません。ただし買い取った相手が事業として販売しないことが前提です。

PSEは、電気製品の製造や販売などを規制して安全確保を定めるもの。よって買い取ってもPSEマークがない以上、販売はできません。

輸入品は日本で使用できない可能性あり

PSEマークのない輸入製品は日本の電圧や電力に適さず、そもそも使用できない可能性があります。日本国内でPSEマークのない輸入品を使用した結果、電源がショートしたり発火したりした事例もあります。

また海外の製造事業者はPSEマークをつけられません。輸入業者はあくまでもみずからの責任で届出や適合確認などを行う必要があります。

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4.PSEマーク非表示や偽物商品を購入した場合

PSEマークの表示は、あくまでも事業者の自己申告によって行われます。シールを貼るだけで表示ができてしまうため、意図せず適正な検査を受けていない電気用品を購入したり、偽装表記された用品を購入したりする可能性もあるのです。

PSEマーク非表示の電気用品や偽物商品を購入した場合、どのような対応が必要になるのでしょうか。

  1. 消費生活センターに相談
  2. PSEマークの偽物を見分ける
  3. 個人売買サイトは出品禁止

①消費生活センターに相談

PSEマーク内のない商品や偽物を購入してしまった消費者は「消費生活センター」に相談してみましょう。同センターにはPSEマークに関する問い合わせが多数寄せられています。

消費生活センターでは法律にもとづいた表示があるか、表示方法は適切か、小売店の表示に対する意識は正しいかなどを確認する立入検査も実施しているのです。

②PSEマークの偽物を見分ける

メーカーがPSEマークを偽装して勝手につけている場合もあるため、正規のマークと見わけるのは難しいでしょう。しかし最近ではPSEマークの近くに会社名を記入するケースが増えてきました。

最近取得したPSEマークの場合、必ずといってよいほど会社名が表示されています。つまりPSEマークのみが表示されている場合、偽造の可能性があるのです。

③個人売買サイトは出品禁止

フリーマーケットアプリやオークションサイトなどでは多くの場合、PSEマークのない商品の出品を禁止しています。「Amazon」では法令遵守を確認するため電気用品の安全性に関する書類の提出を求める場合もあるのです。

また大手フリーマーケットアプリ「メルカリ」でもPSEマークのついていない商品を出品した場合、商品が削除される仕様になっています。

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5.PSEマークが必須化された理由

もともと日本では「電気用品取締法」で電気用品の安全確保を定めていましたが、手続きの煩雑さから改善を求める声が多く上がっていました。そこで施行されたのが「電気用品取締法」を抜本的に改正した「電気用品安全法」です。

ここではそのPSEマークが必須化された理由について説明します。

モバイルバッテリーの度重なる事故

PSEマーク必須化の背景にあるのが、度重なるモバイルバッテリーの事故。経済産業省によると2013年には9件だったモバイルバッテリー関連の事故は、2017年には53件と増えています。

またモバイルバッテリーからの出火で、米アマゾン・ドット・コムやアマゾンジャパンに損害賠償を求める訴訟が提起されたのも、記憶に新しいところです。

PSEマーク表示でも100%安心ではない

PSEマークがあるからといって100%安心とは限りません。モバイルバッテリーをはじめ、急速充電器や完全ワイヤレスイヤホンなどは、製造段階でどれだけ安全性を高めても適切に利用されなければトラブルに発展する可能性もあるからです。

使用の際は「激しい衝撃を与えないこと」「水に濡らしたまま充電しないこと」を遵守する必要があります。

火災事故の増加

電気用品の使用による火災事故や死亡事故も発生しています。事故情報データバンクには、2021年7月までに約30件のポータブル電源に関連する事故情報が寄せられており、そのすべてが火災事故です。

出火原因がバッテリーの異常発熱による焼損と推定される事案や、安全対策不足による過充電状態と推定される事故もありました。

安全な商品を選ぶため

こういった背景を受け、安全性の高い製品を選ぶための基準として誕生したのがPSEマークです。メーカーや輸入業者はPSEマークのない製品を製造、販売、輸入できません。

またPSEマークの基本は自主検査です。販売者や輸入業者はその電気用品がPSEの対象なのかどうか、みずからの責任で判断する必要があります。

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6.PSEマークの形の違い?

同じPSEマークにもひし形のものと丸形のものがあります。これらは何が違うのでしょう。電気用品安全法の基準をクリアしているという意味ではどちらも同じですが、その電気用品が「特定電気用品」か「特定電気用品以外の電気用品」かによって異なります。

PSEマーク(ひし形):特定電気用品

ひし形のPSEマークは116品目の「特定電気用品(電気用品のなかでもとくに安全上規制が必要なもの)」に付された記号です。

「長時間無監視で使用されるもの」「人体に直接触れて使用するもの」「社会的弱者が使用するもの」などが指定されます。具体的には次のような用品です。

  • 電気温水器
  • 自動販売機
  • 直流電源装置
  • 電熱式、電動式のおもちゃ

PSEマーク(丸形):特定電気用品

丸形のPSEマークは「特定電気用品以外の電気用品」に付されます。特定電気用品には該当しないものの、電気用品安全法の対象となる341品目の電気用品です。以下の電気用品が含まれます。

  • 電気こたつ
  • リチウムイオン蓄電池
  • テレビジョン受信機
  • 電気スタンド
  • 電気冷蔵庫

PSEマークにくわえて製造事業者の名称や定格消費電力、定格電圧などを表示するのが一般的です。

ひし形と丸形の違い

ひし形と丸形ではもちろん自主検査記録に必要な項目が違います。しかしそれ以外にもいくつかの違いがあるのです。

  • ひし型:PSEマークにくわえて登録検査機関名を表示しなければならない。なお第三者認証機関(登録検査機関)の認証が必要なのはひし形だけ
  • 丸形:第三者機関による認証は任意。ひし形に比べて検査基準が緩くなりがちで、メーカーによって検査項目数も異なる

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7.PSEマークに似たSマークとは

製造者や輸入事業者、販売事業者などと利害関係のない第三者が電気用品の安全性を確認、認証したマークのこと。1995年に電気製品認証協議会(SCEA)により誕生しました。

アルファベットの「S」を丸形で囲んだもので、製造事業者や輸入事業者だけでなく第三者にも安全を確認してもらい「より安全性の高い用品を製造、輸入している」とアピールするマークです。

PSEマークとSマークの違い

Sマークの付与、つまり第三者による認証は法律上義務づけられていないため、受けるかどうかは事業者の意思によります。

しかし「製造事業者や輸入事業者が自身を持って製品を製造、販売する」「消費者が安心安全に使える電気用品を手にする」ため、現在、店頭で販売する多くの電気用品にこのSマークが表示されています。

2つのマークのある製品は安心

電気用品を選ぶ際PSEマークとSマーク、両方が記載された製品を選ぶと安心です。製品本体、またはパッケージにもPSEマークが付されていない場合、国が定めた技術基準に適合していない可能性があります。

PSEマークとSマークはどちらも電気用品の安全と品質基準をクリアした証拠です。思いがけない不利益を被らないためにも、これらマークの意味を理解して電気用品を選びましょう。