Know Who(ノウフー)とは? 目的、ノウハウとの違い、管理方法

Know Who(ノウフー)とは、従業員が持っている知識やスキルなどの情報を共有する仕組みのことです。Know Whoの目的や運用方法などについて解説します。

1.Know Whoとは?

Know Who(ノウフー)とは、ナレッジマネジメントの一環として従業員ら人的資源のデータを検索、共有できる仕組みのこと。目的は知識の有効活用を図ることです。

従業員が持っている、知識・能力・経験値などの情報を把握できるようにすると、プロジェクトに最適な人を結びつけられます。

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2.Know Who(ノウフー)はKnow how(ノウハウ)と何が違うのか?

Know How(ノウハウ)とは、技術に関する知識や情報や物事を進めるための手法に関連する知識などのこと。

Know Howを個人で習得するには限界があります。そこで誰がどのKnow Howを持っているのか検索できるようにする仕組みがKnow Whoです。

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3.Know Whoが注目される背景

Know Whoが注目される背景には、深刻化する人材不足のほか、Know Howに関する次のような課題があります。

  1. 個人が習得できるノウハウには限界がある
  2. 作成したマニュアルやテキストが活用できていない

①個人が習得できるノウハウには限界がある

Know Howは個人がスキルアップをし知識や技術を蓄積するうえで非常に重要です。しかし、従業員ひとりが身につけられるKnow Howの量や種類には限界があります。詰め込もうとしても、かえって知識や技術の質を落としかねません。

②作成したマニュアルやテキストが活用できていない

Know Howを共有する手法として一般的なのは、テキストやマニュアルの共有です。しかし、テキストやマニュアルを見るだけでは活用しにくい場合もありえます。

また、従業員にテキストやマニュアルが浸透せず、せっかく作ったものの活用できていない企業も少なくありません。

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4.Know Whoの意味と目的

組織としての記憶や知識などを蓄積するには、Know Who(ノウフ―)を活用するとよいでしょう。Know Whoを実施する意義と目的について、次の2つを解説します。

  1. 組織力を高める
  2. 業務をスムーズに進める

①組織力を高める

組織にも「記憶力」と呼ぶべきシステムがあります。しかし組織の記憶にかかわるものとして重要なのは「組織全体が何を覚えているか」ではなく「組織の中で誰が何を知っているか(誰が何をできるか)」を知っておくこと。

新しいプロジェクトを立ち上げるときに「誰が何を知っているか」がわかれば、プロジェクトをスムーズに推進できます。Know Whoを実施すると組織全体の、記憶力・組織力が高まるのです。

②業務をスムーズに進める

ビジネスにおける知識やノウハウは、現場にいることで蓄積されるものも多いです。なかには「マニュアルやテキストのような文章や図表では、相手に伝えるのが難しい」場合もあるでしょう。

Know Whoを実施すると、それぞれが持っている知識やノウハウが明確になります。それにより、わからないことについて、詳しく知っている人材に聞けるようになるのです。

またテキストでは伝えられない細かいニュアンスや状況に合わせた対応方法も、直接尋ねることでスムーズに伝わる場合があります。

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5.Know Whoの管理方法

Know Whoはどのように管理するのでしょうか。Know Whoの管理方法を4つ紹介します。

  1. 人材管理システム
  2. 社内イントラネット
  3. グループウェア
  4. 社内SNS

①人材管理システム

組織の従業員らが持っている専門分野・技術分野・スキル・レベルなどを個人プロフィールに登録します。このように一元管理してデータベース化すると、個人がどのような能力を持っているのか可視化できるようになるのです。

人材育成・適材適所など、さまざまな場面でこの人材管理システムが活躍します。

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②社内イントラネット

従業員らが持っている得意分野やスキルなどの情報を登録・更新するデータベースを作り、社内のイントラネットで稼働させて、データを管理します。

それにより従業員自身が自分の持っている能力や知識、それに経験値などの情報をデータベースに登録できるのです。よって新プロジェクトの立ち上げといった必要な場面で、最適な人材を探し出し、すぐに連絡を取れます。

③グループウェア

掲示板・TODO・プロジェクト管理などのように、ネットワーク上で業務の情報共有や進行管理をする場のこと。

あるスキルを持った人材が必要になった際、グループウェア内に知りたい情報を書き込むと、社内から情報が集まります。結果的に「誰がその業務に詳しいか」にたどり着けるだけでなく、社内のコミュニケーションの活性化にもつながります。

④社内SNS

ビジネス用の社内SNSはグループウェアと似ています。しかし従業員が部署や役割を超えてコミュニケーションを図りやすく、心理的なハードルも低くなるのです。

タグ付けを活用すれば、発信されてきた情報がデータベースとして蓄積されます。必要な情報がある際は、タグをたどるとKnow Who検索が可能になるのです。

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6.Know Whoの注意点

Know Whoは、しっかりしたルールのもとで有効に使うことが必要です。次のような注意点を意識しながらKnow Whoを活用するとよいでしょう。

  1. Know Whoに頼りすぎない
  2. Know HowをKnow Whoにしない

①Know Whoに頼り過ぎない

従業員が退職してしまうと、その人が持っていたノウハウが消滅し、共有できなくなります。ノウハウが消滅してしまえば、事業を展開する際も大きなリスクになるでしょう。

このような事態を避けるためにも従業員の退職を想定してノウハウの記録を残していくことが大切です。方法としては、以下のようなものがあります。

  • 文章や図解を使ってマニュアル化する
  • ニュアンスを伝えにくい部分は動画で残す
  • 退職に備えて若手の従業員などにノウハウを引き継ぐ期間を設ける

②Know howをKnow Whoにしない

仕事ができる従業員にばかり頼ってしまうと、さまざまなノウハウが優秀な個人にばかり蓄積されてしまいます。そうすると、少数の人ばかりに頼ろうとする属人的な組織になり、組織のバランスがいびつになってしまうのです。

頼られている従業員が欠勤や退職してしまえば、多くのノウハウを引き継ぐ時間も取れなくなり、いざというときに組織が動けなくなってしまいます。優秀な従業員だけに頼らないようきちんとしたルールのもとでKnow Whoを管理していきましょう