気象病とは? 症状、コーヒー、効く薬【何科で受診?】

気象病とは、気温や湿度など気候の変化によっておこるあらゆる不調のことです。症状、予防や対策、診療科や薬などについて解説します。

1.気象病とは?

気象病とは、気温、湿度、気圧などの気候変動によって起こる身体的または精神的な不調全般のこと。天候が影響するので「天気病」と呼ばれることもあります。ただしいずれも不調を起こす疾患の総称であり、正式な病名ではありません。

症状はさまざまあり、下記の2タイプが多く見られます。

  1. めまいやイライラなど突発的に起こる症状
  2. 片頭痛や関節痛など持病が悪化する症状

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2.気象病の症状

気象病は近年注目され始めている病気のひとつで、代表的な症状は次のとおりです。

  • めまい
  • 頭痛
  • 疲労感
  • 吐き気
  • 首や肩の凝り
  • 低血圧
  • 関節痛
  • 痛み(古傷が痛む)
  • 手足のしびれ
  • うつ
  • 喘息発作が出やすくなる
  • 狭心症の症状の悪化

季節の変わり目や梅雨の時期に起こりやすいといわれています。

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3.気象病チェックリスト

「雨のときは頭が痛い」「季節の変わり目に体調を崩しやすい」などがある人は、気象病かもしれません。かんたんなセルフチェックリストで確認してみましょう。以下の項目のうち5つ以上、とくに1と2に当てはまると気象病の可能性があります。

  1. 天気の変化で体調の悪いときがある
  2. 雨が降ったり天気が変わったりするタイミングを予測できる
  3. 頻繁に耳鳴りやめまいが起こる
  4. 肩や首が凝る
  5. 姿勢が悪くなっている
  6. 乗り物酔いをしやすい
  7. 電子端末(パソコン、携帯電話、スマホなど)の1日平均使用時間が4時間以上になる
  8. ストレッチや適度な運動をあまりしていない
  9. よく歯を食いしばったり、歯ぎしりしたりする
  10. エアコンが効いている場所で過ごすことが多い
  11. 日頃から精神的ストレスを感じている
  12. 更年期障害のような症状がある

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4.気象病は何科を受診すればいいのか?

気象病かもしれない、と思ったら「気象病外来」や「天気痛外来」の受診がオススメです。近くにない場合は「神経内科」「漢方内科」「頭痛外来」を受診するとよいでしょう。

受診の際、自分の不調や痛みに関する記録を持参すると、症状を詳細かつ明確に伝えられます。しかし「毎日起こる症状ではないし、この程度なら受診するほどではない」と思う人もいるでしょう。

そこに大きな病気が隠れている可能性も否めません。不調がある場合は早めに受診したほうがよいでしょう。

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5.気象病の原因

気象病の原因は、気温や気圧などの気象の大きな変化によって起こる自律神経の乱れとされています。とくに気圧の変化が大きく影響しやすく、気圧が下がるときに頭痛の症状が出る可能性が高まるのです。

日本では、低気圧が日本列島を横断しやすい5月下旬から7月中旬にかけて、気圧が下がりやすくなります。いわゆる梅雨の時期にあたり、この頃に気象病の症状を訴える人が増える傾向にあるのです。

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6.気象病の予防と対策

気象病を根本から治すのは難しいものの、頭痛やめまいなど不快な症状は、自律神経を整えたり、血行を改善したりすると緩和できる可能性もあります。それは予防でも同様です。ここでは気象病の予防や対策として効果が期待できる5つの方法を説明しましょう。

  1. 水分のとりすぎに注意
  2. 耳のマッサージ
  3. 食事に注意
  4. 運動を習慣化
  5. コーヒーを摂取

①水分のとりすぎに注意

体の中の水分量を調節すると、気象病の改善効果があるといわれています。水分を摂りすぎると、平衡感覚を司る「内耳(ないじ)」がむくんで血流が悪化し、めまいや頭痛を起こすこともあるからです。

気温が上がる時期には水分補給が欠かせません。しかし必要以上に水分を摂りすぎると気象病のリスクが高まります。また短時間に大量の水を飲むと、水中毒による頭痛や嘔吐などを引き起こす可能性もあるので注意が必要です。

喉が渇いたときに一気に水分補給するのではなく、数回にわけてつねに少量の水分を摂るようにすると、気象病の予防につながるでしょう。

②耳のマッサージ

気象病の予防方法として、耳のマッサージも効果があるといわれています。前述のとおり内耳の働きが低下すると気象病が起こる可能性もあるため、耳のまわりをほぐして血行を改善すれば気象病の予防につながると考えられているのです。

マッサージ方法は、両手で左右の耳をつまんで上下や左右に引っ張ったり、グルグル回したりするだけ。1分程度でできるマッサージなので不調を感じたら試してみましょう。

③食事に注意

気象病の予防のひとつは、体に余計な水分を溜めないこと。そのため漢方の世界で水分が溜まりやすいとされている「油の多い食べ物」を避けると予防効果が期待できます。

なかでも揚げ物や油分の多いナッツ、マーガリンなど油が多い食べ物を控えると気象病予防の効果が高いとされているのです。また水分の巡りを助ける食材もあるので、こちらを積極的に摂ると体の中に水分が溜まるのを防ぎ、結果気象病の予防につながるでしょう。

  • 小豆や黒豆などの豆類
  • ワカメや昆布などの海藻類
  • 穀物のハトムギ
  • きゅうりやゴーヤなどの瓜類

④運動を習慣化

普段から運動すると、体内の水分を適量で維持しやすくなり、気象病の予防効果が期待できます。運動を習慣化すれば、こまめな水分補給をしても汗をかいて排出するサイクルが確立され、余分な水分を溜め込まずに済むからです。

運動の種類は、トレーニングマシーンを使うような激しい運動ではなく、じわっと汗をかくような軽い運動でも問題ありません。たとえばストレッチや速足で歩くだけでも十分効果があるとされています。

⑤コーヒーを摂取

コーヒーに含まれるカフェインには、血管を収縮される作用があるといわれています。低気圧で脳の血管が拡張されると、近くの神経に作用して片頭痛が起こると考えらえているため、気象病で起こる頭痛がカフェインの摂取で緩和する可能性もあるのです。

またコーヒーには利尿作用があり、体に溜まった余分な水分を体外への排出を助けます。この点においても気象病の対策や予防に役立つでしょう。

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7.気象病に効く薬

気象病で受診した場合、処方される主な薬に「五苓散」や「抗めまい薬」が挙げられます。

五苓散は、天気による頭痛やめまいを感じる人によく処方される漢方薬。全身の水分の代謝を整える効果が期待できます。服用するタイミングは、症状の出始め、あるいは調子が悪くなりやすい時期の2週間前から3週間前です。

抗めまい薬は、気圧の影響を受けてすでにめまいがある人に処方される処方箋の医薬品です。「めまいに効く」とされる市販薬もあるものの、「抗めまい薬」に分類される薬は、医師による処方箋がないと入手できません。

天気の影響を受けてめまいを感じる人は、まず病院に相談することをオススメします。またどのような薬でも、服用して下記のように感じたときは早めに病院を受診しましょう。

  • いつもと何か違う
  • 症状が良くならない
  • いつもより痛みがひどい
  • 症状がよくならず、3日以上長引く

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8.気象病予報の確認方法

気象病予報の確認ツールを活用すれば、いつ気圧が下がるかを予測でき、対策を取りやすくなります。ここではふたつの確認方法を解説しましょう。

天気痛予報®ウェザーニュース

気象情報の変化から頭痛やめまいが起きやすいタイミングを予想するツールです。Webサイト版とアプリ版が配信されています。特長は情報の見やすさで、たとえば予報内容を以下のようにアイコンの色でわけているのです。

  • 青:安心
  • 黄:やや注意
  • オレンジ:注意
  • 赤:警戒

また時間単位で気圧の推移をグラフ化しており、1週間分の予報も掲載。エリア検索もできるので、出張や旅行で県外にいても、自分が今いる地域の予報を確認できます。

参考 天気痛予報ウェザーニュース

頭痛ーる

気圧や天候、気温などから気象病が起こりそうな時間帯を予測するツールです。Webサイト版とアプリ版が配信されています。

Webサイト版では、今日・明日・明後日の気圧や天気、気温や風向、湿度の情報と、そこから予想される危険度を時間単位かつ色別で表示。SNSでの共有も可能です。

アプリではさらに痛みの具合や頻度、薬の服用を記録でき、無料なら記録を90日間閲覧できます。

参考 頭痛ーる頭痛ーる