KGI・KPIとは?【違いをわかりやすく】設定のコツ、メリット

KGI・KPIとは、目標設定や目標達成のプロセスに用いられる指標です。正しく使いわけるほど、適切な目標設定ができ、達成に向けた具体的な行動をとっていけるでしょう。

今回はKGI・KPIについて、違いや設定のコツ、設定するメリットや具体例を詳しく解説します。

1.KGI・KPIとは?

KGI・KPIは、目標設定や目標達成のプロセスに欠かせない指標です。正しく設定し、逆算して運用すると目標達成のためのPDCAが効率的に回せます。まずは、KGI・KPIそれぞれを詳しく解説しましょう。

KGI(Key Goal Indicator)とは?

最終目標やゴールとして設定するもので、長期間を対象に設定する重要目標達成指標を指します。下記は、KGIの具体例です。

  • 上半期の企業全体の収益を20%アップさせる
  • 年度末までにコストを10%削減する
  • 3年以内に女性管理職の比率を男性と同等にする

KGIが明確でないと、適切なKPIが設定できません。KPIと混同される場合も多いため、設定した目標がKGIとしてふさわしいか、見極めが必要です。

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KPI(Key Performance Indicator)とは?

目標達成の度合い(プロセス)を評価するための指標で、重要業績評価指標を指します。目標を達成するための進捗管理にも活用されます。

KPIは最終的な目標に達成するまでに存在する小さなゴールともいえるため、部門やチーム、業務ごとに設定されるケースが多くみられます。よってKGIを適切に分解して設定することがポイントになるのです。ではKPIの具体例を見ていきましょう。

  • KGI:来年度までに売上1,000万円を達成
  • KPI①月の売上200万円を目指す
  • KPI②新規顧客10件を獲得する
  • KPI③顧客単価50万円を目指す

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2.KGIとKPIの違い

KGIとは最終ゴールを示す結果を見る指標であるのに対し、KPIは最終ゴールまでの過程を見る指標です。また、KGIは長期的に達成を目指す大きな目標であり、KPIはKGI達成のために短期的に達成を目指す小さな目標ともいえます。

別の視点から見ると、KGIは企業全体レベルの目標であり、KPIは部門レベルの目標です。KPIを達成するとKGIの達成につながるため、KGIとKPIは相関関係にあるとわかります。

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3.KGI・KPIを設定するメリット

KGI・KPIを設定するメリットは、以下3つです。各メリットについて詳しくみていきましょう。

  1. 目標が明確になる
  2. 目標の進捗や成果が定量的に把握できる
  3. 優先順位が明確になる

①目標が明確になる

KGIは全体の方向性を示し、KPIがあることでそこに進むための具体的なプロセスが明確になります。そのため一貫した方向性で共通の目標に向かえるのです。

曖昧な目標だと、達成のため何をすればいいか、わからなくなってしまいます。数値を用いて定量的なKGIを設定すればKPIも具体的に設定でき、達成のために具体的な行動に落とし込めるのです。

②目標の進捗や成果が定量的に把握できる

明確な目標数値があると、目標達成の進捗や成果を定量で把握できます。

「達成までにあとどれくらいの施策が必要か」「KPIが想定よりも達成できていない。どこを改善すればよいか」など、成果や進捗からさらに具体的な動きが取れるようになり、PDCAを効率的に回せるようになるのです。

また、進捗が定量的に可視化できるため、達成へのモチベーション向上にも有効です。KPIがうまく達成でき、KGI達成に近づけば達成感も得られるでしょう。

③優先順位が明確になる

明確なKGI・KPIがあると、達成に向けてやることの優先順位が明確になります。効率的な目標達成には、優先順位の明確化が重要であるため、KGI・KPIの設定が欠かせません。

優先順位の明確化には、KPIツリー(KGIを分解し、KPIをツリー状に連ねていくフレームワーク)の作成がオススメです。KGIの達成に影響度の高いKPIが明確になるため、やるべきことの優先順位がつけやすくなります。

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4.KGI・KPIの設定方法とコツ

ここでは、KGI・KPIの設定方法とコツを解説します。

KGI・KPIの設定方法

KGI・KPIは以下のステップで設定します。

企業全体の目標となるようなKGIを設定

  • 経営方針や経営課題をふまえて具体的なKGIを設定する

KGIを分解・逆算してKPIを設定

  • KGIと連動したKPIを設定
  • 施策が実行できるレベルまでKPIを洗い出す
  • 施策で改善可能なKPIにする

KGI・KPIは数値化できる内容で設定し、誰がみても状況が把握できる定量的な目標であるようにしましょう。数値ならモニタリングしやすく、未達の場合は原因や問題点が見つけやすくなります。

KGI・KPIを設定する際のコツ

KGI・KPIを設定する際のコツは、フレームワークの意識・活用です。

  1. 「SMART」を意識する
  2. KPIツリーを活用する

①「SMART」を意識する

SMARTは、目標設定に用いられるフレームワークです。SMARTは、以下要素から構成されています。

  • S:Specific:明確な
  • M:Measurable:測定可能な
  • A:Achievable:達成可能な
  • R:Relevant:関連がある
  • T:Time-bounded:期限を定める

KGI・KPIはSMARTに沿って設定するとよいでしょう。設定後、適切な内容であるかどうか、もSMARTを活用して確認できます。

明確かつ測定可能な内容なら達成度や成果も把握しやすく、達成可能な目標であるためモチベーションを維持しながら取り組めます。必ずKGIと関連のあるKPIを設定し、期限も定めて効率的に進められるようにしましょう。

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②KPIツリーを活用する

KPIツリーは、KGIを分解し、KPIをツリー状に連ねていく手法です。目標と関連した具体的な施策を検討するのに有効な手法で、KGI達成のためのボトルネックが明確になります。

KGIに関連したKPI設定とKPI達成のための施策の検討に悩んだ際に役立つものです。

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5.KGI・KPI設定の注意点

ここでは、KGI・KPI設定の注意点をお伝えします。

  1. 現実的な数値を設定する
  2. 定量的な目標を設定する
  3. KPIを細分化しすぎない

①現実的な数値を設定する

現実的でない数値をKGI・KPIとして設定しないよう注意しましょう。達成の見込みがなさそうな目標は機能せず、モチベーションを低下させてしまう原因になってしまいます。

前述したSMARTに従って目標を検討すれば、達成可能な数値を設定可能です。モチベーションを高めるためにも、達成可能な現実的な数値をKGI・KPIとして設定しましょう。

②定量的な目標を設定する

人によって認識が異なる「客観的でわかりにくい目標」を設定しないよう気をつけましょう。

「売上をアップさせる」「コストを削減する」といったような定性的な内容は、どれくらいアップさせればいいのか、どれくらい削減すればいいのか不明であるため、KGI・KPIとして不適切です。

③KPIを細分化しすぎない

KPIはKGIの達成を効率化する役割を持ちます。しかしKPIの細分化しすぎには注意しましょう。なぜならKPIが多すぎるとその指標に振り回されてしまいやすいからです。

KPIに固執するあまりKGIを見失わないよう、KPIは適度に細分化しKGI達成に関連する内容を設定しましょう。

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6.KGI・KPI設定の具体例

ここでは、KGI・KPI設定の具体例をご紹介します。

【営業】KGI・KPI設定の具体例

  • KGIは1年間で売上40%アップ

KPI①新規営業部門

1年間で300万円の売上獲得を目指すとします。この場合のKPIは下記のとおりです。

  • テレアポ50件/月
  • 新規商談15件/月
  • 新規受注率60%

KPI②ルート営業部門

取引更新率95%を達成を目指すとします。この場合のKPIは下記のとおりです。

  • 各顧客先の訪問1回/月
  • 顧客満足度調査の実施(◯/◯まで)

上記例では、KGIに対して部門ごとにKPIを分解しています。達成のために、それぞれの部門がやるべきことをKPIとして設定している点がポイントです。

【Webマーケティング】KGI・KPI設定の具体例

  • KGIはECサイトからの売上40%アップ

KPI①新規訪問者数増加

この場合のKPIは下記のとおりです。

  • 検索エンジンからの流入数増加
  • ディスプレイ広告からの流入数増加
  • SNS広告からの流入数増加

KPI②コンバージョン率改善

この場合のKPIは下記のとおりです。

  • 直帰率の改善
  • 離脱率の改善

KPI③会員登録の増加

この場合のKPIは下記のとおりです。

  • リピート率の増加
  • SNSフォロワー◯万人増加
  • 会員限定キャンペーンからの売上◯%アップ

KGIに対して施策ごとにKPIを分解している例です。売上アップのために達成すべき目標をKPIとして設定しています。

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7.KGIとKPIに関連深い用語一覧

KGI・KPIとあわせて、関連深い用語をご紹介します。

  1. KSF(Key Success Factor)
  2. CSF(Critical Success Factor)
  3. KDI(Key Do Indicator)
  4. OKR(Objectives and Key Results)

①KSF(Key Success Factor)

事業を成功させるために何が必要かを示す「重要成功要因」で、KGIを達成する要因のひとつ。KSFは外部要因(市場や業界などの動向)と内部要因(自社の強みといった目標達成に必要な要因)にわかれます。

②CSF(Critical Success Factor)

KSFと同じく重要成功要因のこと。経営目標を達成する際に重要な要因で、目標達成に向けてCSFに資源を投下していく必要があるのです。なおCSFは下記5つにわかれます。

  • 業界に関するCSF
  • 競合に関するCSF
  • 一時的なCSF
  • 環境的なCSF
  • 管理職に関するCSF

③KDI(Key Do Indicator)

KPIを達成するために必要な要素や行動を示すもので、重要行動指標のこと。KPIを達成するために必要なアクションをどれだけ実行したかを評価する指標で、とくに重要なアクションをKDIとして設定します。

④OKR(Objectives and Key Results)

目標管理のフレームワークで、Objectivesは目的、Key Resultsは成果を示します。達成目標(Objectives)と目標達成の度合いを図る主要な成果(Key Results)を設定し、目標を管理する手法です。

企業全体のOKRを決めてから、関連する部門のOKR、個人のOKRを設定すると、個人のOKRが部門のOKR達成につながるため、企業全体のOKR達成へと導かれます。

OKRには「容易に達成できないものの、努力によって期限内に達成できる見込みがある内容」を設定しましょう。あえてレベルの高い目標を設定し、通常以上の成果を出すことが狙いです。

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