仕事の優先順位のつけ方【わかりやすく解説】つけられない原因

仕事ができる時間は限られており、かつ一人が抱える仕事はひとつではありません。限られた時間・リソースで効率的に仕事を進めるには、優先順位をつけることが重要です。

今回は仕事の優先順位について、つけられない原因や優先順位のつけ方、判断基準などをわかりやすく解説します。

1.なぜ優先順位をつけるべきなのか?

優先順位とは物事を進める順番そのものであり、優先度の高いものから順番に進めていきます。優先順位をつけるべき理由は、要領よく効率的に仕事を進めるためです。

同じ仕事量でも、優先順位がつけられていないと効率的に進められず、残業や業務過多の原因にもなります。また、優先順位をつけずに同時進行すると混乱し、結局のところ時間がかかってしまうケースが多くみられるのです。

そのため、仕事量が多い人ほど、優先順位づけが重要でしょう。優先順位を明確にした上で今やるべきことに集中して取り組むことで、仕事の効率も向上します。

優先順位と優先度の違い

優先順位はやるべきことの明確な序列であるのに対し、優先度はやるべきことを優先する度合いです。優先度は、「高」「中」「低」といったように指標化できます。

また、優先度に具体的な順位づけをしたものが優先順位です。基本的にはタスクの優先度を明確にした後、優先順位づけを行います。

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2.優先順位をつけられない原因

仕事を進めていく際、複数のタスクを抱えることがほとんどでしょう。納期や就業時間内にタスクを終わらせるには、優先順位をつけて要領よく進めることが求められます。

しかし、優先順位をつけて仕事ができないと、残業や納期遅れが発生する原因ともなり得ます。なぜ優先順位をつけられないのでしょうか。優先順位をつけられない原因が自分に当てはまっていないかをチェックしてみましょう。

仕事の全体像を把握できていない

根本的な原因であり、全体像を把握していないとすべての仕事のなかでタスクの優先度も把握できないため、優先順位もつけられません。

チームや部署全体で受け持っている仕事なら、自分の担当している仕事とその重要度や役割を理解できていないことでも優先順位がつけられなくなります。仕事の全体像のほか、自分の仕事の役割と意味、業務フローや工程を理解する必要があるでしょう。

タスクを整理できていない

自分が受け持っているタスクを整理できていないのも、優先順位がつけられない原因です。なかには、そもそも仕事をタスクに細分化できていない場合もあるでしょう。

各タスクは優先度や期限、難易度や工数が異なるため、すべての要素を把握し、自分の能力やキャパをふまえて計画的に進めることが重要です。

まずは受け持っている仕事をタスクに細分化し、優先度や期限、難易度やかかる時間を算出しましょう。優先度が低くても時間がかかりそうなタスクは優先順位を上げるといったように、工夫して計画を立てることがポイントです。

目の前の仕事から対応している

優先順位をつけられても、業務中は電話対応や書類作成、新人指導などといった突発的なタスクも発生します。

突発的に入ってきたタスクは、すぐにやるべきものとそうでないものにわけられるものの、優先順位のどこに入れればよいかわからず混乱してしまうケースも珍しくありません。

目の前のタスクに次々と手をつけてしまっては、すべてが中途半端になってしまう、または優先度の高いタスクが終わらなくなってしまう恐れもあります。

目の前の仕事にとらわれず、優先度や緊急性、依頼の意図をふまえて優先順位にうまく組み込むことがポイントです。

かんたんなタスクを優先してしまう

かんたんなタスクはすぐに完了するため、仕事をした感や満足度が高いもの。一方、難易度の高いタスクや時間のかかるタスクは、終わるまでの労力と時間もかかるため後回しにしてしまいがちです。

かんたんなタスクを優先して終わらせ、労力と時間のかかるタスクにかける時間を増やすのは優先順位づけの戦略のひとつです。

しかし、そうした戦略に関係なく、簡単なタスクばかりを優先するのは避けましょう。重要な仕事がいつまで経っても終わらず、チームや部署全体に迷惑をかけてしまいかねません。

集中できていない

マルチタスクが苦手な人が無理に取り組もうとすると、かえって集中できずに時間がかかってしまいます。また、マルチタスクできても仕事の精度が下がってしまっては、後からやり直しの手間が発生するため本末転倒です。

ひとつのタスクに集中して、その時に確実に完了させることが最も効率的でしょう。そのためにも優先順位をつけることが重要です。

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3.優先順位のつけ方

優先順位は、以下ステップでつけていきます。

  1. 抱えている仕事を洗い出す
  2. マトリクスでタスクを分類・優先順位をつける
  3. リストやタスク管理ツールで管理する

①抱えている仕事を洗い出す

まずは、抱えている仕事をすべてリストアップします。メールやチャットの履歴も確認し、抜け漏れがないようチェックしましょう。このとき仕事の全体像も把握することがポイントです。

そしてリストアップした仕事はタスクに細分化し、期限と合わせて可視化します。リストアップすると、やるべき仕事とやらないことが明確になるでしょう。仕事ができる時間には限りがあるため、やらないことも決める必要があります。

自分でなくてもできる仕事は人にわたす、といった「やる・やらない」を適切に判断しましょう。ただし、面倒だからという理由で人にわたすことは禁物です。

②マトリクスでタスクを分類・優先順位をつける

やるべきタスクを緊急度と重要度の二軸で分類します。このとき、下記のようなマトリクスの活用がオススメです。

  • ①重要度と緊急度が高い:明日のプレゼンテーションで使う資料の作成
  • ②重要度は高いが緊急度が低い:社員インタビューの準備
  • ③重要度は低いが緊急度が高い:取引先へのメール返信
  • ④重要度も緊急度も低い:デスク周りの整理整頓

上記のようなマトリクスを用いて、実際の業務を重要度と緊急度から分類すると、優先順位がつけやすくなります。

③リストやタスク管理ツールで管理する

優先順位が明確になったら、リストやタスク管理ツールで管理しスケジュールに入れ込みましょう。

自分にあった管理法を導入すると、管理しやすくなります。業務中に突発的なタスクが発生する場合もあるため、そのときは優先順位を軸に適切な順位に入れ込みましょう。既存のタスクも重要度や期限が変わる場合もあるため、入れ替えやすいよう工夫することもポイントです。

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4.優先順位の判断基準

優先順位づけを行ううえで、その判断基準に迷うこともあるはずです。優先順位の判断基準を押さえ、迷ったときでも適切な優先順位づけができるようにしましょう。

重要度と緊急度

最も優先すべき判断基準は、仕事の重要度と緊急度です。たとえば、締切が近い重要案件の対応や大口取引先のクレーム対応など、どちらも高いものは最優先で取り掛かります。

重要度と優先度のどちらかが高い場合には、重要度を判断基準としましょう。緊急度は高いが重要度の低いタスク例には、電話やメール対応があります。また、重要でないタスクは他の人に依頼する、隙間時間で迅速に処理するなどして対応しましょう。

単独性

仕事における単独性とは、自分一人で完結する仕事かどうかの指標です。単独性のある仕事なら自分軸の判断で優先順位がつけられるものの、他部署やチームでの連携が必要な仕事は自分だけの軸で優先順位づけできません。

なぜなら、プロジェクトの遅延や他の人の仕事に遅れをとってしまう恐れもあるからです。単独性も加味して、チームやプロジェクトへの遅延が発生しないよう考慮しましょう。

工程の多さ

工程が多く、長期的に進めていく仕事は早めにスケジューリングする必要があります。単独性がなく、チームや他部署との連携が必要な仕事であれば一層重要です。

早めに終わらせることで周囲も助かり、仕事への評価も上げられる可能性が高まります。早めに着手することを念頭に、優先順位づけを行うこともポイントです。

上司の判断

さまざまな要素を加味しても、優先順位づけの判断に迷うことがあるかもしれません。その場合は上司や先輩社員に相談して判断を仰ぐことも方法のひとつです。

独自の判断基準で優先順位を下げた結果、周囲に迷惑をかけてしまう恐れもあるでしょう。自分の判断基準では不安、わからないといった場合は早めに相談することが大切です。

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5.優先順位を決めたあとの仕事の進め方

優先順位をつけた後、実際にスムーズに仕事を進めていくことも大切です。優先順位を決めた後の仕事の進め方も押さえましょう。

余裕を持って仕事を進める

優先順位を軸にスケジュールを組んでも、どうしても突発的なタスクは発生してしまうもの。予定どおりに進むとは限らない点を念頭に、突発的なタスクにも対応できるよう余裕を持って仕事を進めることがポイントです。

緊急度の低いタスクやかんたんなタスクは隙間時間を活用して効率的に行いましょう。

優先順位は状況に応じてアップデートする

優先順位は重要度や緊急度が変わる可能性があるため、状況に応じてアップデートすることがポイントです。新たな仕事の指示があれば優先順位もアップデートしましょう。

この流れに慣れると、指示があった時点で優先順位をスムーズに判断できるようになります。最初に決めた優先順位に固執することなく、柔軟に対応しながら仕事を進めることも大切です。

完璧を意識しすぎない

すべてに完璧を求めようとすると、かえって非効率になってしまうかもしれません。質にこだわるあまり期限を過ぎたり、周囲に迷惑をかけてしまっては本末転倒です。

判断に迷ったり、どう進めればわからずに時間がかかったりする場合は、手遅れになる前に周囲に相談してみましょう。

適度なコミュニケーションや休憩を取る

優先順位をつけることは集中して仕事に取り組むために重要です。しかし集中力は長時間続くものではありません。集中力を維持して効率的に仕事を進めるためにも、適度なコミュニケーションや休憩も大切でしょう。

ストレスを解消したり、リラックスしたりすることでより集中して仕事に取り組め、結果的に効率的に仕事が進められるようになります。