人間関係リセット症候群とは? 特徴、原因と改善方法を簡単に

人間関係リセット症候群とは、人間関係をリセットしたくなる心理状態を表す言葉です。

SNSの普及によっていつでも手軽に人とつながれるようになった一方、簡単にそのつながりを断てるようになったことも人間関係リセット症候群という言葉が聞かれるようになった背景にあります。

今回は人間関係リセット症候群について、なりやすい人の特徴や原因、改善方法などを詳しくご紹介します。

1.人間関係リセット症候群とは?

人間関係リセット症候群とは、人間関係をリセットしたくなる心理状態のこと。医学的な病名ではなく、心理状態を表した造語です。現代はSNSが普及し、リアルだけでなくインターネットを通じて様々な人とつながれるようになりました。

誰とでも気軽に連絡がとれ、SNSをひらけば近況がわかるような環境です。便利かつ孤立感が解消されるようになった一方、誰かとつながっている状態にストレスや負担を感じてしまう人も珍しくありません。

結果、突然連絡先を変更したり、引っ越したり、SNSアカウントを削除して作り直すなどして、これまでの人間関係を絶ってしまう行動に出てしまうのです。

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2.人間関係リセット症候群になる人の特徴

人間関係リセット症候群になりやすい人には、以下のような特徴がみられます。

ネガティブ思考

ネガティブ思考な人は、他人の些細な発言や行動にも敏感に反応してしまい、自分を責めたり傷ついたりしてしまう傾向にあります。

他人の発言や行動をネガティブにとらえてしまうため、次第に人と距離を置くようになってしまうのです。そうした体験が積み重なることで、人間関係をリセットしたいと心理に陥ってしまいます。

相談が苦手・相談相手がいない

相談することで相手に迷惑をかけたくない、嫌われたくない、相談することで期待する言葉を得られなかった時に傷つきたくないなどの理由から、人に相談できない人は人間関係リセット症候群になりやすいです。

なかには、過去に相談したいことで裏切られたなど、ネガティブな経験がトラウマとなっているケースもあります。

完璧主義

完璧主義な人は周りから自分がどう見られているかを過剰に気にしたり、完璧を求めるために過度に頑張りすぎてしまったりと、気づかぬうちに自分を精神的に追い込んでしまう傾向にあります。

人間関係においても完璧を求めるため、自分の理想と現実にギャップが生じるとリセットすることで新たに完璧な人間関係を築こうとしてしまいます。

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人の目が過剰に気になる

自分の意思より、相手にどう思われているかが先行してしまう人も人間関係リセット症候群になりやすい人の特徴です。人からよく思われるために我慢してしまい、それがストレスや負担となって人間関係そのものが嫌になってしまいます。

また人の目を気にすることが嫌で衝動的に人間関係をリセットしてしまう場合もあります。

ストレスに弱い・感じやすい

周囲の雰囲気や他人の機嫌を感じ取りやすく、自分に関係のない不要なストレスまで感じ取ってしまう人も人間関係リセット症候群に陥りやすい傾向にあります。

またちょっとしたことでもほかの人以上にストレスを感じやすいためストレスへの耐性が低く、現状の環境下でストレスが蓄積されていくことで、その原因を取り除くため人間関係をすべてリセットすることで解決しようと考えてしまうのです。

生活習慣が乱れている

栄養バランスの偏りや運動・睡眠不足、過剰な喫煙・アルコール摂取などの生活習慣の乱れは、心身の健康に悪影響をおよぼします。

生活習慣の乱れは疲労やストレスが蓄積されやすい体を作ってしまい、気持ちが沈んでしまうことが多くなります。結果ネガティブ思考に陥りやすくなり、人間関係においてもリセットしたい気持ちが芽生えやすくなるのです。

めんどくさがり

人付き合いや継続的な連絡がめんどくさいと感じる人も人間関係リセット症候群になりやすいでしょう。めんどくさがりな人はプライベートな時間まで人とつながっていることに煩わしさを感じ、周囲との関係を継続できない傾向にあります。

まためんどくさがりな人にとって人とつながっていることへのメリットは少ないため、リセットすることは問題ではないことからも安易にリセットしてしまうのです。

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3.人間関係リセット症候群の人に見られる行動

人間関係リセット症候群の人は、以下のような行動がみられます。

突然連絡を返さなくなる

突然連絡を返さなくなるケースには、主に下記3パターンがあります。

  1. 返信がめんどくさい
  2. 頻繁に連絡を取るのに疲れてしまった
  3. 嫌なことを言われたことで返信を避けている

突然コミュニケーションツールのアカウントを退会したり、相手の連絡先をブロック・削除したりします。

なかには、すべての人に対してそうとは限らないケースもあり、家族や親しい友人とは連絡を取るが、会社や学校の人など特定のコミュニティの人の連絡を絶つ場合もあります。状況によっては突然連絡がなくなることで、相手に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

SNSアカウントや連絡先を削除する

何らかの理由があって削除するケースもありますが、人間関係リセット症候群の場合は衝動的に削除する傾向にある点が特徴です。

特定の人の連絡先だけ削除するケースだけでなく、すべての連絡先やSNSアカウントを削除して人間関係をまっさらな状態にする人もいます。誰とも連絡がつかなくなり、自分もこれまでつながっていた人と連絡をとることが不可能となります。

頻繁に転職や引越しをする

環境を変えたい、問題から逃げたいという心理から、引越しや転職を繰り返すことも人間関係リセット症候群の人に見られる行動です。

衝動的にそうする人もいれば、単純に人付き合いに疲れてしまった、あるいは職場や住居で何らかの人間関係問題があった場合に問題を避けるためにそうする人もいます。

環境を新しくしてすべてリセットすれば問題が解決でき、次こそうまくいくと思っている場合もあり、それが癖になってしまっているパターンもあります。

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4.人間関係リセット症候群になる原因

人間関係リセット症候群になる原因は外部要因だけでなく、その人の性質や性格も関係してきます。ここでは、人間関係リセット症候群になってしまう主な原因をみていきます。

人間関係がうまくいかない

よくある原因が、人間関係がうまくいかないことです。人間関係がうまくいかない原因は、人付き合いが面倒になった、上司や同僚との相性がよくないなど人によってさまざまです。

人間関係リセット症候群の人は状況を変える努力をせず、軽い気持ちで衝動的に人間関係をリセットしてしまう傾向にあります。しかし、その状況から逃げることが本当の意味での解決策であるとは限りません。

人付き合いへの疲れ

他人の目や評価が気になる、相手によく思われたくて過剰に気を遣ってしまう、嫌なことがあったなどの理由から人付き合いに疲れてしまうことも原因の1つ。

ある原因からすべてが嫌になり、衝動的にすべてをリセットしてしまう傾向にあります。人とのかかわりを持つこと自体が億劫となっているため、かかわりを断つことで精神的に安心したい心理からくるものです。

発達障害を抱えている

発達障害がある場合、長期的に人と関係を築いたり、他人とのコミュニケーションに苦労したりすることが多く、人間関係リセット症候群につながってしまいます。

また発達障害を抱える人は、真面目で繊細な人も多く、その分人間関係へのストレスを感じやすい傾向にあります。

そして、相手とのコミュニケーションにおいて誤解や摩擦を引き起こしたり、感情的になってしまったりすることも多いでしょう。衝動的に人間関係を断ち切ることで自己防衛し、精神的な安定を取り戻そうという意識が働くことで人間関係をリセットしてしまうのです。

HSP気質である

HSP気質がある人の特徴には、共感力が高い、他人を優先してしまう、他人の感情や雰囲気に左右される、嫌われないよう過度に気を遣ってしまうといったことが挙げられます。

人に相談したり、自分から頼ることも「迷惑ではないか」と不安に感じたりしてしまうため、結果的にネガティブな感情を一人で抱え込んでしまいます。その結果どうしようもなくなり、衝動的に人間関係をリセットして解決しようとしてしまう傾向にあるのです。

他人に嫌われていると感じる

必要以上に考え込んでしまうこととネガティブ思考が相まって、他人に嫌われていると思い込んでしまうことも原因にあります。そうした不安と恐怖から逃げるため、人間関係をリセットしてしまうのです。

この場合、相手に嫌われたくない防衛意識で自分から避けてしまう、あるいは自分のせいで相手を不快にさせてしまうことを恐れて避けてしまうパターンがあります。

人間関係への執着がない

人間関係にあまり執着がなく、環境の変化に合わせて過去のつながりをバッサリと断ち切る性格も原因の1つ。

人間関係を築くことはあくまで手段と考え、状況や環境の変化によってつながる必要がないと感じた場合に連絡先を整理したり、音信不通になったりするケースもあります。

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5.人間関係をリセットするメリット

人間関係をリセットすることは悪いことであるイメージが強いですが、メリットもあります。時には、自分を守るためにリセットすることも必要です。

心機一転できる

人間関係リセット症候群の人は、心機一転を目的としている人も多いでしょう。SNSアカウントの削除や連絡先の整理、職場や居住地を変更は新たなスタートの一歩となります。

現状に不満や不安を抱えており、自分の努力ではどうにもならないと感じた場合は、人間関係をリセットすることが自分にとってメリットとなることもあります。

良くない縁を断ち切れる

自分にとって良い影響がない、一緒にいて疲れてしまう人と過ごす時間はもったいなく、そうした人との関係をリセットすることで有意義な時間を過ごせるようになります。

ただし、すべてのつながりが良くない縁というわけではないためリセットする相手をしっかりと見極め、つながりを継続したい人の大切さに気づくことが必要です。

ストレスが減る

人間関係が原因で感じるストレスは多いもの。自分が過剰に気を遣ってしまったり、他人の目や評価が気になってしまったりと、相手に非がない原因では人間関係のリセットが解決策となることもあります。

衝動的にすべての人間関係をリセットすることがよいとは限りません。しかし、自分にとって悪影響である人とのつながりを断つことはストレスがなくなり、精神的にも安定します。

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6.人間関係をリセットするデメリット

一方で、人間関係をリセットすることは以下のようなデメリットがあります。

友達がいなくなる

人間関係をリセットするということは、友達がいなくなるということ。すべての関係をリセットしてしまったら当然孤独になります。リセットした最初のうちは良いかもしれませんが、次第に寂しさを感じるようになるでしょう。

いざというときに相談できる人も助けてくれる人もいなくなり、精神的に追い込まれてしまうかもしれません。

人との関係が築きにくくなる

人との関係を構築するにあたって、必ずしも良いことばかりではなく、価値観の違いや相性のミスマッチから衝突を経験することもあるでしょう。場合によってはかかわらないほうが自分のためになるものの、それを乗り越えることで得られる関係もあります。

人間関係リセット症候群の場合、少しのすれ違いや衝突、嫌なことがあるとすべて投げ出してしまう傾向にあります。リセットすることで解決できると感じ、それが癖になってしまうと中長期的な人間関係を築けなくなってしまいます。

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7.人間関係リセット症候群の改善方法

人間関係リセット症候群は、原因に対して対処することで改善する場合もあります。なかには関係をリセットすべき人もいますが、すべての人・ケースがそうであるとは限りません。有意義な人生を送るためには、人とのつながりが大切なときもあるのです。

ここでは、人間関係リセット症候群の改善方法をご紹介します。

不安や悩みを書き出してみる

人間関係をリセットしたくなったときに何が原因でそういう気持ちになっているのか、何に対して不安や悩みを抱えているのかを書き出してみることがオススメです。

書き出すことで自分の感情と客観的に向き合えるため、人間関係をリセットする以外の方法が見つかるかもしれません。

相談できる友達を見つける

相談できる友達がいないため、気軽に人間関係がリセットできてしまうケースもあります。相談できる友達がいれば、すべての人間関係が自分にとってマイナスではないと感じられます。

相談には勇気がいるでしょう。しかしあまり思い悩まず、前向きな気持ちで相談してみることがポイントです。

生活習慣を見直す

生活習慣が乱れていると、心身ともに悪影響をおよぼします。適度な運動や良質な睡眠、栄養のある食事など、生活習慣を見直してみることも対処法の1つです。

正しい生活習慣は疲労が改善され、心に余裕が生まれることで人間関係にもポジティブに向き合えるようになるでしょう。

一時的にSNSから離れる

SNSは手軽に利用できる一方、人間関係をリセットするのもかんたんです。人間関係リセット症候群の人はSNSを衝動的に削除・退会する傾向にあるため、衝動的に削除・退会する前に一度離れてみるとよいでしょう。

アプリを消す、ログアウトするなどして、アカウントは残したままデジタルデトックスしてみてください。

適度な距離感で人付き合いする

必ずしもすべての人と深く繋がる必要はありません。人付き合いが自分にとってマイナスな行為である場合は、自分が疲れない適度な距離感で人と付き合うよう努力してみましょう。

適度な距離感で付き合えればストレスや不安を感じすぎず、人間関係を円滑にできます。