ジェネレーションギャップとは? 具体例と問題、解消法を解説

ジェネレーションギャップとは、世代や年齢による考え方や価値観、文化や常識などの違いによって生じるズレ・隔たりのことです。ジェネレーションギャップは多様性の一種として尊重・受容すべきものですが、うまく解消しないとあらゆる問題を引き起こす可能性があります。

今回はジェネレーションギャップが生まれる原因や具体例、ジェネレーションギャップがもたらす問題や解消法などを詳しく解説します。

1.ジェネレーションギャップとは?

ジェネレーションギャップとは、世代・年齢によって考え方や価値観、文化や常識などによって生じる認識やコミュニケーションのズレ・隔たりのこと。日本語では「世代間ギャップ」と呼ばれることもあります。生まれ育った時代によって、その時の社会背景や流行などから集団的にその時代の価値観や行動様式が反映されやすくなります。

バブル世代やゆとり世代、ミレニアル世代やZ世代など、その世代を象徴するワードも存在します。

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2.ジェネレーションギャップが生まれる原因

なぜ、生まれ育った世代に応じてジェネレーションギャップが生じるのでしょうか。ここでは、ジェネレーションギャップが生まれる主な原因をみていきます。

自分の価値観・行動様式が当たり前と感じているから

生まれた世代によって、価値観や行動様式は異なります。本人たちは自分の世代が常識であり、当たり前と感じていることから、認識やコミュニケーションにズレが生じてしまうのです。

世代の違うお互いがそれぞれを「当たり前」と感じているため、相手に対して疑問や隔たりが生まれてしまうことは仕方のないことでもあります。どちらが正しい、悪いに関係なく、世代ごとの常識や価値観に則った行動をとっているため、必然的に起こってしまうのです。

技術が進歩しているから

時代が進むにつれて技術は進歩していき、テクノロジーの進歩によって育つ環境も異なります。とくに、近年は技術の進歩が著しく、そのスピードも速いもの。そうした環境下でとくに若者が吸収する情報量は多く、中高年世代がついていけない傾向にあります。

さまざまな技術は暮らしと密にかかわるため、生活様式や行動様式、コミュニケーション様式のギャップに大きく反映されてしまうのです。

世代ごとの社会情勢が異なるから

世代によって、社会情勢も異なります。たとえば、バブル時代に生まれ育った人とリーマンショック時代に生まれ育った人では、経済的な価値観に違いが生じる可能性が高いでしょう。

また、教育制度や教育方法も世代によって異なり、ゆとり世代とそうでない世代では、教育を受ける環境や内容に違いがあります。社会情勢の変化や違いは、その人の価値観や生活様式に大きく影響しているのです。

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3.ジェネレーションギャップの具体例

ジェネレーションギャップは常に感じるものではなく、会話中などふとしたときに感じるものです。ここでは、職場と日常の2シーンから、ジェネレーションギャップの具体例をみていきます。

【職場】ジェネレーションギャップの具体例

職場にはさまざまな世代の人がいるため、ジェネレーションギャップが起こりやすい環境です。職場における代表的な3つの例をみていきましょう。

電話対応への抵抗感

スマホが当たり前の時代に生きてきた世代は、固定電話を取る機会がほとんどなく、コミュニケーションはメッセージで済ませることが多い傾向にあります。それゆえ電話を取るという行為自体に抵抗がある人も多いのです。

新人業務の一つに電話対応があり、それが大きなストレスとなっているケースも少なくありません。

定時帰宅の考え方

近年は働き方改革なども進んでいることから、定時帰宅が推奨されています。しかし、それでも昔の文化・風潮が抜けない企業も少なくありません。新人は上司より先に帰らない、目標を達成できないと定時帰宅しないなど、暗黙の了解として浸透していた昔の文化は現代では理解されにくくなっています。

現代の若者がプライベートな時間やワークライフバランスを重視していることから、定時帰宅への抵抗感がなくなっていることも要因といえるでしょう。

上司の誘いを断る

昔であれば「上司の誘いは絶対」といった風潮がありました。業務後の飲み会や休日のゴルフなど、プライベートな時間でも上司の誘いがあれば参加するのが当たり前だった年上世代も多いでしょう。

しかし現代では上司の誘いであってもプライベートを優先して断る人も多いのです。

【日常】ジェネレーションギャップの具体例

あわせて、日常で感じるジェネレーションギャップもご紹介します。

カラオケで歌う曲を知らない

世代ごとに流行りの音楽が異なるため、世代の違う人たちでカラオケに行くと、相手が歌っている曲を知らないことも多いでしょう。知らない曲であることで一緒に歌えない、盛り上がれない場合もあるかもしれません。

FAXや公衆電話の使い方がわからない

スマホが普及した現代では、FAXや公衆電話を利用する頻度は低下しており、いまや公衆電話は昔ほど見かけなくなりました。FAXは今でも自宅にある人もいたり、職場で使用していたりするところもあるものの、若い従業員がFAXの使い方を知らないことも少なくありません。

使っている言葉の意味が理解できない

年上世代は、若者の流行り言葉の意味を理解できない人も多いでしょう。「エモい」「ワンチャン」、修飾語としての「鬼」の使い方など、造語や略語、本来の意味とは違った使い方をする言葉も多くあります。

反対に、「アッシー君」「メッシー君」「イタ飯」など若者が年上世代の言葉を理解できないケースもあるでしょう。

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4.ジェネレーションギャップがもたらす問題

職場において、ジェネレーションギャップが良くない方向へと働いてしまうケースもあります。ここでは、職場でのジェネレーションギャップがどのような問題をもたらすのかをみていきます。

ハラスメント

ジェネレーションギャップがハラスメントを引き起こす可能性があったり、反対にハラスメントを恐れて人間関係が希薄になったりする恐れがあります。ジェネレーションギャップが関連するハラスメントには、以下のようなケースが挙げられます。

  • 上司が部下に対して「今時の若者は根性がない」といったような発言をする
  • 定時退社する新人に対して嫌味を言う
  • ハラスメントになることを恐れて当たり障りのない指導しかしない

時代によって仕事への姿勢や働くうえで重視するポイント、上司とのかかわり方などに対する価値観は変わっています。昔・現代の価値観が絶対であるとの思い込みは、ハラスメントや人間関係の希薄化を引き起こす可能性があるため要注意です。

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コミュニケーション不足

ジェネレーションギャップがあるからと、そもそもコミュニケーションに抵抗を覚えてしまうことでコミュニケーション不足が起こる可能性もあります。

はじめから距離を置いてしまうと、その後もコミュニケーション不足が続いてしまうもの。円滑に仕事を進めるため、風通しの良い職場にするためにはコミュニケーションが大切です。

モチベーション低下

世代ごとの異なる価値観が、評価制度や報酬形態、仕事への取り組み方に反映する場合もあるでしょう。なぜなら制度や基準を整備するのは、管理職である上の世代の従業員であることが一般的であるからです。

たとえば、入社時から年功序列が当たり前であったため、成果型の評価・報酬形態に変えない、現代的な成果主義にしたことで中高年層がこれまでのような報酬を受け取れなくなったといったケースが一例です。制度などを変える場合は、特定の世代のメンバーのモチベーションが下がる可能性がある点に注意が必要です。

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イノベーションの妨げ

世代の違いによる異なる視点や価値観は、イノベーションの創出につながります。しかし、ジェネレーションギャップが大きいと新しい手法やアイデアに抵抗感が大きく、導入や変革に遅れが生じる可能性があるでしょう。

イノベーションが生まれる可能性が減ることは、組織の存続の危機にもつながる重大な問題であることを理解し、互いのジェネレーションを尊重・受容する姿勢が大切です。

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5.ジェネレーションギャップを解消する方法

根本的なギャップを完璧に埋めることは難しいものの、意識や工夫次第でギャップを解消することは可能です。ここでは、ジェネレーションギャップの解消方法をご紹介します。

お互いが歩み寄る

時代は戻ることなく進んでいくため、上司が新しい世代の価値観を理解する姿勢が重要です。なかには理解が難しいこともあるかもしれませんが、理解する姿勢を見せることが大切です。そうした姿勢を部下が感じ取れることで、上司への抵抗感や苦手意識が薄れ、信頼関係が構築しやすくなります。

反対に、若い世代が年上世代に歩み寄ることも必要です。積極的に質問したりするなどして、歩み寄る姿勢を見せてみましょう。質問したり歩み寄ったりすることで、相手の価値観やその世代のことが理解できるようになります。

広く情報収集する

異なる世代との話題や共通点を増やすには、テレビや新聞、SNSなどさまざまなチャネルから広く情報収集することも有効な方法です。自分が興味のある分野に偏ってしまうと、ジェネレーションギャップの解消に有効な情報が得られない可能性もあります。

情報のアンテナを張り、トレンドに敏感になってみるのもよいでしょう。

多様性を尊重する

ジェネレーションギャップは、多様性の一種です。異なる世代の視点や価値観、アイデアがうまく融合すれば、イノベーションの創出にもつながります。そういった視点からジェネレーションギャップを多様性と捉え、尊重することも解決法の一つです。

ジェネレーションギャップをネガティブに捉えて最初から抵抗感を持ってしまうと、解消されないままになってしまいます。

定期的な1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングとは、上司と部下が行う定期的なミーティングのこと。毎週最低1回実施するなど、高頻度で行う点が特徴です。

信頼関係は、定期的なコミュニケーションから生まれるもの。1on1ミーティングでは世代の異なる上司と部下がお互いの意見を言い、聞き入れる時間が作れるため、お互いの理解を深めることができます。

さらに、仕事に対する姿勢や業務の進め方など、仕事に関する価値観などのすり合わせも行えます。

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6.ジェネレーションギャップ解決に役立つ各世代の特徴一覧

世代ごとに特徴があり、それを表す言葉もあるほどです。世代ごとの特徴を押さえることは、その世代の人と関わるにあたって役立つこともあります。ただし、あくまで一般論であるためその特徴を決めつけたり、一括りにしたりすることは避けましょう。

自分の世代との違いを理解する入り口と捉え、各世代の特徴を押さえてみてください。

バブル世代

バブル世代は、1965〜1969年に生まれた世代の人たちです。1986〜1990年代のバブル景気のタイミングで社会人になった世代であり、就職が容易だった時代です。2024年時点では54〜59歳あたりと、管理職や退職間近の年代にあたります。

特徴は下記のとおりです。

  • コミュニケーション能力が高い
  • 積極的に消費活動する
  • 愛社精神や貢献意識が高い

社外の人との食事やゴルフ、麻雀などの接待が多かった時代であり、コミュニケーションや人との出会いが多かった人も多い世代です。また、この時代は基本的に終身雇用であるため、定年まで働き続ける考え方が定着しています。そして、景気が良かった時代を経験しているがゆえ、積極的に消費行動する人が多い点も特徴です。

団塊ジュニア世代

団塊ジュニア世代は、1971〜1974年ごろに生まれた世代の人たちです。団塊世代の子供で、就職氷河期を過ごしてきた世代であり、2024年時点では49〜53歳です。

特徴は下記のとおりです。

  • 保守的かつ現実的
  • メンタルは強いが自信がない
  • 真面目

バブル崩壊や就職氷河期など、社会情勢的にも不安定な時代を過ごしていることから、保守的・現実的な考え方をする人が多い傾向にあります。

また、団塊ジュニア世代は子供の数が多く、学歴重視の社会になりつつあった時代であるため、そうした環境で真面目に勉学に励み、メンタルを鍛えられてきた人も多いでしょう。

ミレニアル世代

ミレニアル世代は、1980〜1995年ごろに生まれた世代の人たちです。ミレニアルとは「千年紀」を意味する言葉で、2000年以降に成人になった世代という意味があります。2024年時点では、29〜44歳と比較的世代が幅広いゾーンです。

特徴は下記のとおりです。

  • デジタルパイオニア
  • プライベートを大切にする
  • コスパ重視
  • 健康意識が高い
  • 多様性を尊重する

ミレニアル世代の人たちは、プライベート充実のために仕事も重視する考え方を持っている傾向にあります。

また、SNSでの情報収集も得意であり、若者とも親しみやすい世代です。個人主義であるものの、多様性への尊重と共感性が高く、仲間とのつながりも大切にします。

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ゆとり世代

ゆとり世代は、1987〜2004年ごろに生まれた世代の人たちです。教育指導要綱の改訂によってゆとり教育(2002〜2011年)を受けた世代であり、2024年時点では20〜35歳となります。特徴は下記のとおりです。

  • メンタルが繊細な傾向にある
  • 自分の意見や価値観を大切にする
  • 競争意識や上昇意識が低い
  • 合理的

ゆとり世代は失敗を恐れたり、指示待ちになったりする人が多い傾向にあります。「ゆとり」と聞くとあまり良いイメージを持たないかもしれませんが、世代の幅が広く、一括りにするのは難しいでしょう。

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さとり世代

さとり世代は、ゆとり世代と同じ1987〜2004年ごろに生まれた世代の人たちです。さとり世代は「ゆとり後期」とも言い換えられ、阪神淡路大震災や東日本大震災、リーマンショックなど不安定かつ厳しい経済状況を経験してきた世代です。特徴は下記のとおりです。

  • 他人との衝突を避ける
  • コスパ重視
  • 現実主義
  • 安定志向

さまざまな厳しい経験をしてきたからこそ、悟っているような考え方をもつ傾向にあることから、さとり世代と名付けられました。現実的で合理的な面があり、かつコスパや効率を重視するため指示待ち人間になったり、指示以上のことをしなかったりする人も一定数存在します。

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Z世代

Z世代は、1995〜2010年ごろに生まれた世代の人たちです。デジタルネイティブであり、現在のマーケティングのメイン対象とされている層で、2024年時点では、14〜28歳となります。
特徴は下記のとおりです。

  • 自分の価値観を大切にする
  • 他者とのつながりを求める
  • 多様性を受け入れやすい
  • タイパ重視
  • 社会問題への関心が高い

Z世代は、インターネットやSNSが生活に浸透している時代に生まれ育っているため、情報への感度が高く、直感的なものを好む傾向にあります。

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