定量目標とは? 定性目標との違い、立て方、書き方と具体例

定量目標とは、金額や数量、割合など数字で具体的に示される目標のこと。本記事では、定性目標との違いや、メリット・デメリット、定量目標の立て方などについて解説します。

1.定量目標とは?

定量目標とは、金額や数量、割合など数字で具体的に示される目標のことです。数字で具体的に示すことで、達成度や進捗を客観的に評価でき、誰が評価しても目標の達成状況が明確という特徴を持ちます。

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2.定量目標と定性目標の違い

定量目標と定性目標は異なるものです。定性目標とは、プロセスや仕事への姿勢や態度、行動指針など、定量目標のように数値化するのが難しい目標のこと

それぞれの違いを表でまとめます。

定義 評価基準 具体例
定量目標 数値で表すことができる目標 目標とした数値や数量を達成したかを評価 ・毎月5件成約を取る

・来月の残業を30%削減する など

定性目標 数値では表すことができない目標 目標とした状態に達したか、あるいはどれだけ近づけたかを評価 ・顧客対応を改善する

・業務効率を向上させる など

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3.定量目標と定性目標の使い分け方

定量目標と定性目標の使い分け方について解説します。ポイントは以下の3つです。それぞれについて詳しく説明します。

  1. 業務内容別
  2. 目標設定の期間別
  3. 役職別

①業務内容別

業務の性質に応じて、定量目標と定性目標を使い分けることが重要です。

たとえば、営業や製造など成果が明確で数値で表せる部門は定量目標を中心とするのが望ましいでしょう。対して、総務や経理などの目標の数値が難しい間接部門はミスを減らすといった定性目標とそれらを具体化する定量目標を設定するとよいとされています。

②目標設定を期間で使いわける

短期目標には定量目標、中長期目標には定性目標を設定するという使い分け方もあります。

具体的な定量目標を設定することで目標達成までの手順が明確になります。このように、目標達成を目指す期間で使いわけると、両者のメリットを活かした目標設定が可能です。

③役職や立場別で使いわける

役職や立場などによって、定量目標と定性目標を使い分けるのも効果的です。

たとえば、新卒はクリアしやすい定量目標と一人前になるための定性目標の2つを掲げ、中堅社員はキャリアアップや教育に関する定性目標、管理職は定量目標と定性目標の両方というように使い分けるのもよいでしょう。

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4.定量目標のメリット

定量目標のメリットは以下の通りです。

  1. 客観的な評価が可能
  2. 計画の策定が容易
  3. 目標達成へのモチベーションが向上

数字という明確な指標があるため、目標設定や評価においてメリットが多くあります。それぞれについてさらに詳しく説明します。

①客観的な評価が可能

具体的な数字を用いて目標を設定でき、結果も数値として表れるため、客観的な評価ができます。評価者の感情に左右される心配がないため、公平かつ透明性の高い評価が可能です。

②計画の策定が容易

具体的な数字が提示されるため、中間目標や作業量を設定しやすいという特徴があります。さらに、定量目標の指標を設けると計画通りに実施しやすいでしょう。

たとえば「1日に取引先3社に訪問する」「1時間あたり5件の顧客情報を入力する」などの細かい指標も立てやすくなり、計画通りに達成しやすくなります。

③目標達成へのモチベーションが向上

具体的な行動が明確で進捗や達成率が把握しやすいため、モチベーションが高まりやすいという特徴があります。

数値化されているため他者に説明しやすいため、チームでの協力や一致団結促進につながります。さらに、途中経過を数字で測れるため、進捗状況を正確に判断でき、前に進んでいる実感を持て、モチベーションを向上することができます。

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5.定量目標のデメリット

続いて、定量目標のデメリットについて解説します。ポイントは以下の3つです。それぞれについてさらに詳しく説明します。

  1. 結果至上主義を促進する恐れ
  2. モチベーション維持が困難
  3. チャレンジ意欲が薄れる恐れ

①結果至上主義を促進する恐れ

定量目標は、数字のみを評価するため、プロセスや努力は基本的に評価に含まれず、結果至上主義が促進する恐れがあります。

また、数値化されない限り、プロセスや努力が評価されません。頑張りが評価されないと、意欲の低下を招く恐れもあります。そのため、数値化できない部分も評価する定性目標も適宜取り入れるような工夫が必要です。

②モチベーション維持が困難

全てが数値化されたうえでの判断は、社員のモチベーション低下につながる恐れもあります。

たとえば、営業部の目標で月間売上1,000万円という目標があったとします。その数値目標が達成されたか否かのみで判断すると、その売上達成に向けて頑張った営業部の社員と頑張っていない営業部の社員が同等の評価を受けてしまうことがあります。

また、「数値化された目標だけを達成すればいい」という誤った認識が広まり、数字に関わらない人間関係や心理的なマネジメントを軽視する雰囲気が出来上がってしまうこともあります。そういった組織内では、モチベーション維持が困難になることもあるでしょう。

③チャレンジ意欲が薄れる恐れ

プロセスが評価されないため、新しい仕事や課題へチャレンジしようという意欲が薄れる人も出てきてしまいます。その結果、新しいアイデアやイノベーションの創造機会が減少し、組織の成長も停滞しかねません。

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6.定量目標の立て方

大きな目標を達成するにはポイントを押さえて小さな目標を立てることが大切です。目標の立て方を順番に解説します。

  1. 課題の特定
  2. 数値目標を決定
  3. 必要に応じて定性目標も活用

①課題の特定

まずは、どのような課題を解決するのか、定めることが重要です。解決するべきことを見定めないまま目標を立ててしまうと、目標を達成しても課題が解決していないということも起こりかねません。

②数値目標を決定

数値目標を決定するうえで、参考にしたい考え方が「SMARTの法則」です。SMARTの法則とは以下のポイントの頭文字をとったもの。

  • 具体的な数値か(Specific:具体性)
  • 計測が可能か(Measurable:計量性)
  • 達成が可能か(Achievable:達成可能性)
  • ほかの目標と関連性があるか(Relevant:関連性)
  • 期限が明確か(Time-bound:期限)

それぞれについてさらに詳しく説明します。

具体的な数値か(Specific:具体性)

まず、数字などを用いらない曖昧な目標ではなく「100万円売り上げる」といった具体的な目標を設定します。あいまいな目標は個々の認識に齟齬が起きやすいため、避けてください。

大きな目標を達成するためには、小さな目標である行動目標を立てることが大切です。行動目標を立てることで、大きな目標の達成に向けたストーリーを描けるだけではなく、行動目標達成がどのような効果をもたらしているか、目標設定の精度を上げられます。

計測が可能か(Measurable:計量性)

次に、金額や人数、割合、件数など計測によるデータ化が可能な目標を設定しましょう。数値化した目標は目標と現状の差異が明確になり、進捗管理がしやすくなります。

たとえば、「月間2件、年間20件の新規契約を成立させる」といった計測が可能な目標を設定することで、具体的なアクションを進めやすくなるでしょう。この際、最終的な目標から逆算して導いた行動目標になっているか、確認するようにしましょう。

達成が可能か(Achievable:達成可能性)

現実を見据え、段階的な目標を設定することが重要です。現実から判断して高すぎる目標は達成できないだけではなく、挫折や自信喪失につながってしまうこともあります。

もし目標達成が困難な場合においては、行っている行動目標が正しい効果を生み出せているか再検討したり、目標達成に向けて新たな施策を検討および実施したりするのが望ましいでしょう。

ほかの目標と関連性があるか(Relevant:関連性)

重要な目標との関連性を持たせることで、達成率も向上する傾向にあります。とりわけ個人目標では、組織への利益を意識することが理想的です。

また、会社側が組織目標を設定する際、ボーナスや昇給といった利益を約束すると従業員のモチベーションも高まります。

期限が明確か(Time-bound:期限)

期限を決めると集中力が向上し、業務スピードも向上します。

たとえば、大きな目標には中間目標および短期目標といったように期限を設けると行動しやすくなるでしょう。期限のない目標は、行動を先延ばしにしやすく、モチベーションを維持しながら取り組み続けるのは難しくなってしまいます。

自分に対する少しのプレッシャーは、目標達成のために有効に働きます。

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③必要に応じて定性目標も活用

定量目標だけではなく、定性目標と組み合わせることでより効果的に機能することもあります。この際は、定量目標と定性目標のバランスを考えて目標設定することが大切です。

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7.定量目標設定時の注意点

続いて、定量目標を設定するときの2つの注意点について解説します。その注意点とは、以下の通りです。それぞれについてさらに詳しく説明します。

  1. 定量目標の意義を周知
  2. フィードバックを実施

①定量目標の意義を周知

定量目標は明確である反面、「なぜこの目標を達成する必要があるのか」を見失いやすいという特徴があります。そのため、数字の必要性と達成意義を事前に伝え、従業員のモチベーションを高める必要があります。

従業員にとってみると「何のために」という視点を持てないと、そもそも意欲的に取り組むことが難しいでしょう。さらに、目標を達成することで、何か利益があると、さらなるモチベーションを向上および維持しやすいでしょう。

②フィードバックを実施

フィードバックは従業員の成長促進に効果的です。フィードバックがないと目に見えない努力が評価されず、従業員のモチベーション低下を招く可能性もあります。

従業員のなかには「数字だけよければいい」と考える人も出てくるかもしれません。そういった考え方は、周囲に嫌悪感を抱かせ、団結力を妨げます。

そのため、適切にフィードバックをおこない、定性評価を伝えることが大切です。なお、このフィードバックは、上司からだけではなく、同僚や後輩の意見も加えるのが理想的です。

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8.定量目標の書き方・例文【職種別】

職種ごとに定める目標は異なるはずです。定量目標の書き方と具体的な目標を例文とともに紹介します。

営業職

営業職は、無理な納期や割引を受けなければ達成できない目標にはしないことが大切です。無理な受注はほか部署に負荷をかける可能性もあり、避けなければいけません。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:新商品の月間売上で100万円を達成する
  • 例文2:イベントを開催し、1年後までに新規顧客を15件増やす
  • 例文3:当月の成約率において、前月よりも5%以上高める

事務職

事務職といったバックオフィスの人は、ミス軽減や残業時間削減などあらゆることを定量目標にできます。

事務職のなかでも部門ごとに定量目標の書き方や具体例を紹介します。

一般事務

客観的にみてもわかりやすいように、目標に数値を詳細に盛り込むことが重要です。「何を・いつまでに・どれだけ」達成するのか決めましょう。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:業務フローを見直し、6か月後までにミスをゼロにする
  • 例文2:ペーパーレス化を進め、3か月後には1日にチェックを完了する書類の件数を10%増やす
  • 例文3:業務効率化のために、3か月後のMOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)に合格する

総務

数値化しづらい業務内容が多いため、業務内容を把握した上司が導くと目標設定しやすいでしょう。ただし、目標設定は、実務担当者が納得できる内容のものであることが大切です。

また、マルチタスクの業務内容であるため目標数が膨大にならないように注意が必要です。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:1年後までに各部門の消耗品費用を30%削減する
  • 例文2:業務プロセスを見直し、書類整理に要する時間を20%削減する
  • 例文3:半年後までに問い合わせフォームを作成し、社内の問い合わせ件数を月10件以下に減らす

人事

多種多様な人事業務は業務効率改善を目標として設定できます。さらに、人材育成や課題改善も目標設定の対象となるでしょう。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:1年間で離職率を5%下げる
  • 例文2:人事システムを導入し、評価業務に要する時間を30%削減する
  • 例文3:採用サイトを立ち上げ、応募者を前年同月よりも10名多く獲得する

経理

経理職は業務内容が定型化されていることが多いため数値化が困難な部署です。ただし、繁忙な経理業務は効率化および時短が目標を設定するうえで鍵となります。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:会計ソフトを導入し、来年度までに決算月の残業時間を30%削減する
  • 例文2:知識やスキルを向上するために、今年中に日商簿記2級を合格する
  • 例文3:チェック体制を見直し、毎月の入金管理ミスをゼロにする

専門職

専門職の目標設定は、企業や部署の特性によって異なることが多いでしょう。たとえば、プロジェクトのリリース数や顧客へのアプローチ数、集客数など、多様な数値設定が考えられます。

マーケティングと広報について定量目標の書き方や具体例を紹介します。

マーケティング

営業職と関係性の深い職種であるため、売上や営業成績と関連する目標を設定するのが理想的です。会社が掲げる目標と照らし合わせたうえで目標を設定しましょう。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:1ヵ月後に特設サイトのPV(閲覧回数)を30%増やす
  • 例文2:露出メディアを増やし、半年で商品検索数を20%向上させる
  • 例文3:新商品のSNS公式アカウントを作成し、半年後までにフォロワー数100万人を達成する

広報

広報活動は、社内広報と社外広報の2種類あり、目的がそれぞれ異なります。過去の広報施策から予想を立てて目標設定してください。なお、最終目標を立てた後、定量目標を考えると設定しやすいでしょう。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:Web広報誌の閲覧率を前年比10%向上させる(社内広報)
  • 例文2:オウンドメディアを活用し、問い合わせ件数を前年比20%にする(社外広報)

技術職

技術職のプロジェクトやスケジュールは、会社の事業計画や顧客の注文に左右される職種であるため、定量目標を掲げにくいかもしれませんが、生産性や技術、品質、ノウハウに焦点を当てて目標を設定することが可能です。

部門ごとに定量目標の書き方や具体例について紹介します。

ITエンジニア

エンジニア職は売上や受注額などの数値目標が難しいですが、スキル向上やプロジェクトへの貢献、コスト削減などの目標を設定するとよいでしょう。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:開発効率を高めるために、コードレビューの実施頻度を30%増やす
  • 例文2:今年の応用情報技術者試験に合格する
  • 例文3:次のプロジェクトでは、単体テストに要する時間を10%削減する

デザイナー

デザイナーなどのクリエイティブ職は、売上に与える影響を直接測定し数値化するのが難しいため、目標設定をする際は納期や修正回数などを基準に考えるのが適切です。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:新しいプロジェクトのデザイン提案を1週間以内に3つ以上提出する
  • 例文2:毎月のクライアントからのフィードバックに対する修正回数を10回以下に抑える
  • 例文3:UX/UIデザインを取り入れて、CVRを2倍に上げる

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9.定量目標の書き方・例文【役職別】

社歴や個々の経験によって設定する目標が異なります。続いて、役職別に定量目標の書き方を紹介します。

課長

課長の立場であれば、自分が管轄するチームの数値目標、および部下のマネジメントや育成に関する目標を設定するのが適切です。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:チームの業績を前年同期比20%向上させる
  • 例文2:仕入先を見直し、次期プロジェクトのコストを10%下げる
  • 例文3:リーダー育成に向けた研修を毎月1回実施する

部長

物用は、課長よりも広い視点で部全体に関する目標を設定する必要があります。売上やコストといった経営面のほか、部下の目標を達成させるための目標が必要です。

具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:毎月部署の全体会議をおこない、部門売上高を前年比80%以上にする
  • 例文2:毎週課長と進捗報告のミーティングをおこない、必ず課題と改善策を提示させる
  • 例文3:当月に部署内で生じる月間残業時間を10%削減する

社長

経営者であるため、事業や収益、人事、組織、社会貢献などの分野において定量的な数値を用いた目標は必須です。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:ブランディングを強化して、1年で自社製品の市場占有率15%以上を達成する
  • 例文2:福利厚生を充実させて、従業員満足度を昨年よりも20%アップさせる
  • 例文3:カスタマーサービス部署を設立し、前年よりもリピーターによる売上を30%アップさせる

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10.定量目標の書き方・例文【業種別】

イメージが湧きづらい業種の目標設定について、書き方と具体的な目標例を紹介します。

建設業

建設業は、すぐ行動に移せるように可能な限り具体的なレベルで目標設定するのが大切です。たとえば、人材不足やコスト改善の観点から働き方改革やIT導入などを目標に取り入れるとよいでしょう。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:次のプロジェクトについて完工日程を15%短縮する
  • 例文2:業務の改善案を年間5件提出する
  • 例文3:民間工事で年間売上5億円を達成する

飲食業

飲食業において、高すぎる目標は従業員のモチベーション低下につながるため、段階を踏んだ目的設定を心がけるようにしましょう。売上に対する目標設定のほか、品質向上や顧客満足度も目標設定の対象となります。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:キャンペーンをおこない、今期の売上を前年比10%向上させる
  • 例文2:調理工程を見直して提供時間を短縮し、顧客満足度調査で85%以上の高評価を獲得する
  • 例文3:食材の管理を徹底し、3か月間の食材ロス率を4%に下げる

接客やサービス業

接客やサービス業は、顧客の反応や入店数などを数値化して目標設定するとよいでしょう。

接客は、数値化しにくく目に見えにくいという特性を踏まえつつ目標を設定してください。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:接客研修をおこない、担当売場の売上を10%向上させる
  • 例文2:月に1回以上他店へ出向き、分析レポートを提出する
  • 例文3:高額商品をサジェストし、前年同月の客単価を越える

製造業

製造業は、工場全体が対象なのか、個人が対象なのかによって設定する目標が異なります。

工場全体が対象の場合は、具体的な課題を明確にし、課題改善という目的を達成するための指標を具体的に数値化します。

対して、個人が対象の場合、工場全体の目標と関連付ける目標を設定してください。あくまで個人の努力で実現可能な範囲で目標を決めるようにしましょう。具体的な目標例は以下の通りです。

  • 例文1:作業効率を見直し、工場稼働率を10%向上させる(全体)
  • 例文2:マニュアルなどを見直し、担当ラインにおける操作ミスを3回以内に減らす(個人)