キャリア形成とは? 重要性、考え方と具体的な手順、事例を解説

現代のビジネス環境では、「キャリア形成」がますます重要なテーマとなっています。キャリア形成とは、単に仕事をこなすだけでなく、自分の目標や将来の姿を明確にし、自己実現を目指すプロセスです。

とくに、多様な働き方が求められる時代や「人生100年時代」において、理想のキャリアを築くことは多くの人にとって重要な課題です。

この記事では、キャリア形成の目的やメリット、効果的な進め方、そして企業が行う支援策について詳しく解説します。自身のキャリアをどう描き、実現していくかを考えるヒントをも紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

1.キャリア形成とは?

キャリア形成とは、仕事を通して、自分のスキルや知識を高め、自己実現を目指すプロセスです。ただ仕事をこなすだけではなく、将来の理想像を具体的に思い描き、その実現に向けて着実に行動していくことを意味します。

キャリア形成は、仕事での成功だけでなく、自分の人生全体を見つめる大切なプロセスでもあります。充実したキャリアを築くには、職業や働き方の選択、目標の設定、経験を重ねつつ、主体的にキャリア形成に取り組むことが大切です。

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2.キャリア形成の目的

現代の企業でキャリア形成が重視される背景には、時代の変化に伴う働き方や価値観の多様化があります。ここでは、キャリア形成に取り組む3つの目的を見ていきましょう。

安定的なキャリアを築くため

終身雇用制度が崩壊しつつある現代、個人が自らのキャリアを主体的に形成することが重要です。キャリア形成を通じてスキルや経験を積み重ねると、変化する環境に柔軟に対応できる安定したキャリアを手に入れられるでしょう。

また、自己分析や目標設定を行うことで、自分の強みや価値観を明確にし、それに合った仕事や役割を見つけやすくなり、仕事に対する満足度も向上します。

多様な働き方を実現するため

現代社会では、正社員だけでなく、テレワークや時短勤務など、さまざまな働き方が広がり、自分に合った働き方を選べるようになっています。

また、副業やフリーランスといった、従来の枠にとらわれない柔軟なキャリアを築くことも可能。キャリア形成に取り組むことは、個人のライフスタイルや志向に合わせた多様な働き方を実現するためにも必要です。

人生100年時代を生き抜くため

平均寿命が延び、「人生100年時代」と言われる現代では、キャリアも長期間にわたって続けることが求められます。また、終身雇用が当たり前だった時代と比べて転職が一般的になり、個人が自分の意思でキャリアを築いていく重要性が高まっています。

長い職業人生の中で、技術の進歩や社会の変化に対応し続けるには、つねに学び、成長することが必要です。キャリア形成を通じて自己啓発の習慣を身につけ、新しいスキルや知識を取り入れることで、変化の激しい時代でも対応できる力が身につきます。

また、長期的な視点でキャリアを考えることで、ライフステージの変化に応じた働き方の選択や、セカンドキャリアの準備など、人生全体を見据えた計画を立てることが可能になります。

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3. キャリア形成のメリット

キャリア形成の長期的なメリットは、上述のように、社会の変化や課題に対応しながら、長く働き続けられること。さらに、短期的にも以下のようなメリットがあります。ここでは、従業員と企業それぞれの視点からキャリア形成のメリットを見てみましょう。

従業員側のメリット

キャリア形成に取り組むと、従業員は自身の未来に対して具体的な目標を持ち、それに向けたステップを踏みながら成長できます。次のような点が従業員側の主なメリットです。

将来の目標と現在取り組むべきことが明確になる

日々の仕事に追われていると、自分が目指しているものや、将来どうなりたいかが曖昧になりがちです。キャリア形成を進めることで、自分がどんな未来を目指すのかがはっきりし、今何に取り組むべきか自然と明確になります。

これにより、日々の仕事に対する意識が変わり、計画的にスキルを身につけられるようになります。

自分の強みや期待されている役割がわかる

自分の弱みはミスにつながりやすいため気付きやすい一方で、強みを把握するのは難しいことが多いでしょう。キャリア形成を通じて、自己分析や周囲からのフィードバックを受けることで、自分の強みや弱みを客観的に理解できます。

それにくわえて、会社やチームから何を期待されているかを理解できるため、役割に応じた活躍がしやすくなります。自分の強みを活かせる仕事に就くことで、より高いパフォーマンスを発揮し、キャリアの満足度を高められるでしょう。

高いモチベーションで仕事に取り組める

将来の目標がはっきりしていると、日々の仕事にもやりがいや意欲を感じやすくなります。また、自己実現に向けた道筋が見えることで、長期的な視点で仕事に取り組めるでしょう。

キャリア形成を通じて、自分の価値観や目標を明確にすることで、自分に合った働き方を選択でき、仕事に対する満足度も向上します。

転職活動を円滑に進められる

キャリア形成を通じてスキルや経験を積み重ねておくと、転職時の自己アピールにつながります。また、明確なキャリアビジョンを持てば、自分に合った転職先を見つけやすくなるでしょう。結果として、よりスムーズな転職を実現できます。

企業側のメリット

キャリア形成は従業員だけでなく、企業にとっても多くのメリットがあります。ここでは、企業にとってのメリットをみてみましょう。

従業員のエンゲージメントが向上する

企業が従業員のキャリア形成を支援することで、従業員のエンゲージメントが向上します。自分の成長と会社の成長がリンクしていると感じることで、従業員は仕事に対する意欲や責任感が強くなるものです。

これにより、生産性が上がり、離職率の低下にもつながります。さらに、キャリア支援を通じて、従業員の個性や目標を尊重する姿勢を示すと、従業員の会社への信頼感や帰属意識も一層高まるでしょう。

組織の活性化につながる

従業員が自分の強みや価値を理解し、それを組織内で発揮すると、組織全体のパフォーマンス向上が図れます。従業員の成長意欲が組織全体に波及すれば、組織全体にも活気が生まれるでしょう。

また、新しいスキルや知識を持った従業員が増えると、斬新なアイデアやイノベーションが生まれる可能性も高まります。

自発的な行動を促せる

目指すキャリアが明確に描けている社員は、その実現に向けて自発的に行動するようになります。自主的にスキルを学び、仕事に取り組む姿勢が広がれば、企業としても従業員一人ひとりの力を最大限に引き出せるため、組織の成長を促進できるでしょう。

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4. キャリア形成の考え方「Will-Can-Must」

「Will-Can-Must」は、キャリア形成を考える上で有用なフレームワークです。これは、個人の意志(Will)、できること(Can)、求められていること(Must)を整理し、キャリアの方向性を明確にするための考え方です。

Will:やりたいこと

自分が今何に興味を持ち、何を好んでいるか、また過去にどんなことに熱意を持って取り組んだかを振り返り、整理します。

Can:できること

これまでの経験やスキルを振り返り、現時点で自分が得意とすることや、できることを把握します。

Must:すべきこと

組織内での役割や周囲からの期待を踏まえ、現状で自分に求められている役割や責任を考えます。

キャリア形成では、「Will」「Can」「Must」の3つの要素のバランスを取ることが重要です。この3つがうまく重なる部分に、自分にとって最適なキャリアの方向性が見えてきます。キャリア形成においては、これら3つの要素のバランスを取りながら、少しずつ重なる部分を広げていくことが大切です。

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5.キャリア形成の進め方

キャリア形成は、自分自身を理解し、理想のキャリア像に向けて計画的に取り組むプロセスです。以下のステップに沿って進めることで、より確実に目標に近づけます。これらのステップについて順に詳しく見ていきましょう。

  1. 自分自身をより深く理解する
  2. 目指す理想像を描く
  3. 理想に近づくための計画を策定する
  4. 理想の自分になるために必要な要素を検討する
  5. 経験してみる
  6. 定期的に見直す

①自分自身をより深く理解する

キャリア形成の第一歩は、自己理解です。上記で説明した「Will-Can-Must」のフレームワークを活用し、自分がどんなスキルを持ち、どんな環境で力を発揮できるかを知っていきましょう。

また、自己分析ツールやキャリアアセスメントツールを活用するのも効果的です。自己分析を通じて、自分が本当にやりたいことや、自分に合った仕事のスタイルが見えてくるでしょう。

②目指す理想像を描く

自己理解をもとに、将来の理想像を具体的に描きます。5年後、10年後、さらには人生の終盤にどんな自分でありたいかを考えましょう。この際、仕事面だけでなく、プライベートな面も含めた総合的な視点が重要です。理想像は具体的であればあるほど、その実現に向けた行動計画を立てやすくなります。

③理想に近づくための計画を策定する

理想像が明確になったら、それに向けた具体的な行動計画を立てます。働き方や生き方の手本となるロールモデルを見つけることで、ロールモデルを参考にし、自分に足りない部分を明確にし、それを補うための行動を検討しやすくなります。

しかし、現段階で具体的な行動計画を立てにくい場合は、「やりたくないこと」を明確にするのも有効です。やりたくないことがはっきりすると、反対に自分が本当にやりたいことがイメージしやすくなります。

たとえば、「テレワークを活用できない仕事は避けたい」「休暇が取りにくい仕事はしたくない」など、自分の価値観にもとづいて、避けたいことをリストアップしてみましょう。

④理想の自分になるために必要な要素を検討する

理想像と現在の自分とのギャップを分析し、理想に近づくために必要な要素を洗い出します。スキルの向上や新しい知識の習得だけでなく、心構えやメンタル面での成長も含め、幅広い視点で必要な要素を検討しましょう。この後の章で説明する「キャリア形成に必要な能力」も参考にしてみてください。

⑤経験してみる

計画を立てたら、次に大切なのは実際に行動に移すことです。新しい役割や責任に挑戦したり、異なる部署や業界で経験を積んだりすると、実践的なスキルや知識が身につきます。また、副業やボランティアといった本業以外の経験も非常に貴重です。

こうした場でしか得られないスキルや感情も多く、これらの経験を通じて得た学びを振り返り、次のステップに活かすことがキャリアの見直しやさらなる発展に役立ちます。

⑥定期的に見直す

キャリア形成は一度決めたら終わりではなく、定期的に見直すことが必要です。自分の成長や市場の変化に応じて、目標や計画を修正していくと、つねに最適なキャリアパスを歩めます。

目標や計画が現在の状況や希望と合っているかを再評価し、必要に応じて修正をくわえましょう。この過程で、新たな機会や可能性に気づくこともあります。

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6.キャリア形成に必要な能力

キャリア形成においては、単に経験を積むだけでなく、さまざまな能力を磨くことが必要です。ここでは、特に重要な4つの能力について説明します。

課題を発見し解決する能力

キャリアを成長させるためには、目の前の課題や解決すべき点を発見し、それに対応する力が必要です。これは、単に問題を見つけるだけでなく、その根本的な原因を突き止め、最適な解決策を提案・実行する能力を指します。

課題解決力は、自分の仕事の質を向上させるだけでなく、組織全体のパフォーマンスにも貢献するため、キャリア形成において非常に重要なスキルです。

計画を立てて実行する能力

目標を達成するには、計画を立て、それを実行する力が重要です。まず、自分のキャリア目標を明確にし、その達成に向けての具体的な道筋を描き、必要な行動を続けることが求められます。計画を立てる際は、達成可能で段階的な目標を設定するとよいでしょう。

また、計画を進めるうえで、進捗を確認し、定期的に見直すことも必要です。例えば、5年後のキャリア目標を決め、それに必要なスキルや経験を年ごとに計画し、日々の行動に取り組むといった具体的な方法が考えられます。

自己研鑽力

キャリア形成では、自分の能力や知識を継続的に高める意識がとくに重要でしょう。なぜなら、ビジネス環境の急速な変化に対応し、自身の市場価値を維持・向上させるためには、つねに新しい知識やスキルを習得し続ける必要があるからです。

自己研鑽の方法には、業界の動向を把握すること、専門書を読むこと、オンライン講座を受けること、資格を取得することなど、さまざまあります。大切なのは、自分のキャリア目標に合った学習計画を立て、それを習慣化すること。

さらに、学んだことを実際の仕事に活かし、そこから新たな学びを得るという好循環を作ることも大切です。

人間関係構築力

キャリアを発展させるためには、仕事を円滑に進める人間関係を築く能力が不可欠です。チームメンバーや上司、さらには外部の取引先との信頼関係は、業務の円滑な遂行だけでなく、新たな機会の創出や情報収集にもつながります。

インターネットやSNSなどの発達により、直接対面でのコミュニケーションが減ったことで、人間関係を築くのが苦手な人が増えています。テレワークやリモート会議が普及している現在でも、人とのつながりは依然として重要な要素であるといえるでしょう。

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7.キャリア形成のポイント

キャリア形成を効果的に進めるには、いくつかの重要なポイントを意識することが大切です。自分自身の成長を支えるため、周囲と比較せず、自分に合ったキャリアパスを描くことが求められます。以下3つの要素を考慮し、充実したキャリアを築いていきましょう。

周囲と比較しない

キャリア形成において、周囲の人と自分を比較するのは避けるべきです。人それぞれ背景や経験、価値観が異なるため、単純な比較はあまり意味がありません。

さらに、他人の成功を基準にしてしまうと、モチベーションが下がったり、挫折感を感じたりすることがあります。大切なのは、自分のペースで着実に進んでいくこと。

自己評価を行う際は、他人ではなく過去の自分と比べ、どれだけ成長しているかを確認するのが効果的です。これによって自己肯定感が高まり、長期的にキャリア形成を進めやすくなります。

目指したい人を見つける

キャリア形成の過程で、ロールモデルとなる人物を見つけることは効果的です。自分が「こんな人になりたい」「こんな働き方をしたい」と感じる人を見つけ、その人の行動や考え方を参考にすると、自分のキャリアパスをより具体的にイメージできます。

ただし、その人物を完全に模倣するのではなく、自分の価値観や状況に合わせて取り入れることが大切です。また複数のロールモデルを持つと、多角的な視点を得られるもの。目指したい人物の成功要因や行動パターンを分析し、自分のキャリア形成に活かしましょう。

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キャリアを見直す機会をつくる

キャリア形成は、一度計画を立てたら終わりではなく、継続的に見直します。社会や職場の変化、個人のライフステージの変化に応じて、キャリアの目標や計画を修正することが大切です。たとえば、半年に一度や年に一度など、自分に合ったペースで自己評価の時間を設けましょう。

キャリアカウンセリングや研修への参加、メンターとの対話など、外部の視点を取り入れることも効果的です。定期的な見直しにより、環境の変化に柔軟に対応し、持続可能なキャリア形成を実現できます。

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8.企業が行うべきキャリア形成支援の具体例

企業が従業員のキャリア形成を支援するためには、以下の取り組みが効果的です。

キャリアデザイン研修を実施する

キャリアデザイン研修は、従業員が自身のキャリアについて深く考えるきっかけを提供する場です。研修では、自己分析や目標設定、キャリアプランの作成などを行います。年代別に内容を変えることで、各世代のニーズに合わせた支援が可能です。

たとえば、20代向けには将来のビジョン構築、40代向けには中期的なキャリア再設計などをテーマにできます。研修を通じて従業員は、自身のキャリアを客観的に見つめ直し、今後の方向性を考える機会になるでしょう。

また、企業にとっても従業員の志向や能力を把握し、適切な人材配置や育成につなげられるメリットがあります。

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キャリア面談や1on1を実施する

キャリア面談や1on1ミーティングを行うと、従業員は自分のキャリアプランについて上司と直接話し合う機会を持てます。この対話を通じて、目標に向けた具体的な行動計画や課題を共有でき、キャリアの方向性を確認しながら進めるでしょう。

上司は従業員の思いや課題を直接聞くことで、個々のニーズに合わせた支援策を検討し、キャリア実現に向けた環境を整えられます。

自己啓発を支援する

社員がキャリア形成を進めるなかで、現時点で不足している経験やスキルに気づくこともあるでしょう。このようなタイミングで自己啓発の機会を提供することで、効率的な成長を促せます。

具体的には、社内外の研修プログラムへの参加費用補助、資格取得支援、書籍購入補助などが挙げられます。また、e-ラーニングシステムの導入や、社内勉強会の開催なども有効です。これらの支援により、従業員は自身のスキルや知識を主体的に向上させられるでしょう。

キャリア形成を支援する人事制度を整備する

企業の人事制度も、従業員のキャリア形成をサポートする重要な役割を担っています。具体的には、社内公募制度、ジョブローテーション、社内FA制度、副業・兼業の許可、長期休暇制度(サバティカル)などが挙げられます。

これらの制度により、従業員は新たな経験や挑戦の機会を得られ、多様なキャリアパスを選択できるようになるでしょう。

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9.企業によるキャリア形成支援の事例

キャリア形成を支援するために、各企業は独自の取り組みを進めています。ここでは、伊藤忠商事株式会社とコクヨ株式会社の事例を通じて、具体的な支援策を見てみましょう。

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、社員のキャリア形成支援に向け、多様な成長機会を設けています。とくに注目すべきは「キャリアビジョン支援制度」。

この制度では、30代前半の社員を対象に、自身のキャリアを見つめ直し、将来のビジョンを描く機会を提供しています。具体的には、外部専門家によるキャリアカウンセリングや、自己分析ワークショップなどの実施です。

また、社内公募制度「チャレンジ・キャリア制度」を導入。社員が自ら希望する部署や職種に挑戦できる環境を整えています。これらの取り組みにより、社員の自律的なキャリア形成を促進し、個人と組織の成長を同時に実現しています。

参照: 厚生労働省「実践事例 変化する時代のキャリア開発の取組みp9-11

コクヨ株式会社

コクヨ株式会社は、「自分らしいキャリアをデザインする」をコンセプトに、独自のキャリア支援プログラムを展開しています。そのなかでも「キャリアチャレンジ制度(社員が自身のキャリアプランにもとづいて、新しい職務や部署にチャレンジできる制度)」が特徴的です。

また、「キャリアデザインセミナー」を定期的に開催し、年代別のキャリア課題に応じた学習機会を設けています。さらに、上司と部下が定期的にキャリアについて対話する「1on1ミーティング」を制度化し、日常的なキャリア支援を行っています。

これらの取り組みを通じて、社員の主体的なキャリア形成を支援し、個人と組織の持続的な成長を目指しています。

参照: 厚生労働省「実践事例 変化する時代のキャリア開発の取組みp48-50


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◆資料内容抜粋 (全31ページ)
・人事評価システム「カオナビ」とは?
・人事のお悩み別 活用事例9選
・専任サポートについて   など