昇給とは?【昇給率と計算方法】種類、平均額、ベアとの違い

昇給とは、年齢・勤続年数や職務上の昇格に応じた賃金の増額を意味するもの。日本においては、毎年一定の時期に昇給する定期昇給制度が主流です。

ここでは、

  • 昇給とは
  • 昇給とベースアップ(ベア)の違い
  • 昇給額の平均
  • 企業規模による違いの最新情報

などにクローズアップします。
また直近2022年に日本経済団体連合会(経団連)に発表された平均昇給額・昇給率も紹介していきます。

1.昇給とは?

昇給とは、勤続年数や成績、昇格、業績に応じて給与(基本給)が上がることです。日本における昇給は、労働のクオリティに必ずしも直結するわけではなく、毎年一定の時期に昇給する定期昇給制度が主流です。なかには、職務昇格に応じて不定期昇給も行うところもあります。

昇格と昇進と昇給の違い

  • 昇給:勤続年数や職務上の昇格に応じた賃金の増額
  • 昇進:課長や部長といった職位(役職)が高くなること
  • 昇格:職務遂行能力に応じて社員をいくつかの等級に分類し賃金の管理を行う職能資格制度において、資格が上がること

昇給とは、勤続年数や職務上の昇格に応じた賃金の増額を指し、日本においては、毎年一定の時期に昇給する定期昇給制度が主流です

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2.昇給の分類~さまざまな種類の昇給制度~

昇給には分類があり、さまざまな種類の昇給制度があります。その詳細を見ていきましょう。

さまざまな種類の昇給制度

自動昇給と考課昇給(査定昇給)

  • 自動昇給:能力や業績に関係なく年齢・勤続年数を基準とする昇給のことで、どの従業員も均等に昇給する
  • 考課昇給:成績考課を基準とする昇給を指し、査定昇給ともいう。昇給率は企業や職務内容によって差があり、時代によっても変化する

定期昇給と臨時昇給

  • 定期昇給:毎年時期を決めて定期的に行われる昇給のことで、能力に関わらず賃金が上がり、年功序列賃金制度とも呼ばれる
  • 臨時昇給:時期を特に定めない昇給

普通昇給と特別昇給

  • 普通昇給:職務遂行能力の向上など一般的理由に基づく昇給
  • 特別昇給:特殊な職務に就いていたり特別な功労があったりなど、特別な理由に基づいて個人に行う昇給

昇給制度の分類にはさまざまな種類があり、自動昇給と考課昇給、定期昇給と臨時昇給、普通昇給と特別昇給の6つがあります

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3.昇給とベースアップの違い

昇給は、基本給を増額する主要な方法ですが、唯一の方法ではありません。これ以外にベースアップ(ベア)による方法があるので。昇給が年齢や勤続年数に応じた賃金増額であるのに対し、ベースアップは昇給とは無関係の基本給の底上げを意味します。

ベースアップ(ベア)とは?

ベースアップは略してベアともいい基本給部分に対しての昇給額や昇給率を指し、個人の能力が反映されるわけではなく労働者全員の賃金が上昇するのです。

たとえば、ベースアップ1%が企業で採用されると、20歳の社員は一律で基本給20万円だったところが、1%アップの20万2,000円となります。

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昇給の特徴と利点

昇給の特徴は、現行の賃金水準をもとに個々の労働者を対象として行われる点。対してベースアップは、賃金水準それ自体を改定して全労働者の賃金を一斉に引き上げる方法です。

労働者は、昇給のみならずベースアップによって賃金の増額を獲得しようとしますが、雇う側は、賃金総額の大幅な増加をもたらすベースアップよりは、計画的に賃金増額を行って総額を長期安定化できる昇給にメリットを見出します。

一度ベースアップを実施すると、その後も長期にわたって人件費が増加するため、景気不振であった2013年まで多くの企業がベースアップを行いませんでした。景気回復が見られてきた2014年からベースアップを行う企業が増加したといわれています。

昇給以外に、基本給を増額する方法として、ベースアップ(ベア)があります。ベースアップは基本給の底上げを意味します

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4.企業における昇給の機能とは?

企業における昇給の機能にはどのようなものがあるのか見ていきましょう。

  1. 勤続年数や職務遂行能力の変化と賃金との調整機能
  2. 労働者への労働意識の刺激機能
  3. 社員の生活水準の維持機能
  4. 賃金の計画的増額を可能とする企業経営の安定機能

①勤続年数や職務遂行能力の変化と賃金との調整機能

1つ目の昇給機能として、年齢・勤続年数や職務遂行能力の変化と賃金との調整機能があります。

②労働者への労働意識の刺激機能

2つ目の昇給機能として、労働者への労働意識の刺激機能があります。定額給が持つ刺激性の欠如を補完できます。

③社員の生活水準の維持機能

3つ目の昇給機能として、社員の生活水準の維持機能があります。労働者の生活水準の上昇に伴う生活費の増加に対応できます。

④賃金の計画的増額を可能とする企業経営の安定機能

4つ目の昇給機能として、賃金の計画的増額を実現する企業経営の安定機能があります。

企業における昇給の機能は、年齢・勤続年数や職務遂行能力の変化と賃金との調整機能をはじめ、大きく4つに分類できます

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5.日本における昇給制度

昇給制度は、日本の年功序列型賃金体系を支えるひとつの要因として、第二次世界大戦前から採用されてきました。戦後、改めてその役割が注目されるようになり、昭和20年代末から30年代前半の時期に広く普及し、大半の企業で定着したのです。

しかし、1990年以降、グローバル化が進む中で、年齢・勤続年数に基づく昇給や毎年のベースアップを見直す動きが高まりました。

従来は定年まで自動昇給を採用していた企業が、この自動昇給をストップしたり、考課昇給の比重を高めたりと、職務や能力に応じて格差をつける運用方法が増加しています。

定期昇給制度とは?

定期昇給制度とは年齢や勤続年数といった年功の経過に応じて、毎年、一定の時期に自動的に基本給を上げていく仕組みのこと。

欧米諸国では、職務にどれだけ精通しているかによる職階、または格付けの変更によりますが、日本では労働のクオリティとは必ずしも直結せず、勤続年数に従って毎年増額する定期昇給制度が主流です。

日本において昇給制度は、第二次世界大戦前から採用されています。主流は、勤続年数に従って毎年増額する定期昇給制度です

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6.定期昇給制度の問題点

賃金制度の根幹をなしてきた定期昇給制度の問題点とは、どのようなものなのでしょうか。

定期昇給制度は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)とともに日本企業の賃金制度の柱となっていましたが、昨今では、この制度を廃止したり、見直したりする企業が増加しています。

日本経団連の「経営者に対する賃金決定のあり方についてのアンケート」(2002年)では、経営者の37.6%が定期昇給制度を「見直すべき」と回答したのです。

定期昇給制度のデメリット

定期昇給制度について、成果主義とのギャップや人件費が硬直化し経営が困難になるなど、デメリットがクローズアップされるようになってきました。

自動昇給を続けることで企業内でネガティブな要素を招き、長期的には社員のモチベーションの低下につながると考えられています。

たとえば、実力のある若手が勤続年数は長いが成果を出していない社員よりも低い待遇を受けてモチベーションが低下する、キャリアアップがうまく実現できない、人件費の高騰などです。

これらから、大規模なリストラを招くことも珍しくありません。

また、経済成長の鈍化、国際競争の激化、雇用の流動化、高齢化の進展と雇用延長の社会的要請など、社会・経済の環境の変化に伴い、その役割は大きく低下しているのです。

定期昇給制度を廃止した企業

定期昇給制度を廃止した企業として、日産自動車、ホンダ、日立製作所などが挙げられます。

定期昇給制度は、成果主義とのギャップなどそのデメリットがクローズアップされており、昨今廃止したり、見直したりする企業が増加しています

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7.昇給停止年齢は平均48.9歳

「一定年齢まで定期昇給がある」と回答した企業の内訳で割合が多いのは「46~50歳」26.5%、「51~55歳」30.1%の2つの年齢帯です。

全体の平均的な昇給停止年齢は48.9歳。つまり、多くの企業では50歳前後を迎えるあたりで基本給の上昇がひと段落し、自動的な賃金上昇はとどまる傾向にあるのです。

また、昇給停止年齢は企業規模によって二極化しており、中規模企業においては30代後半でひとつの山を迎え、小規模企業と大企業においては50歳前後までとなっています。

6割以上の会社が定期昇給制度を採用

2014年に公益財団法人日本生産性本部が発表した調査結果は、6割以上の企業が定期昇給制度を採用し続けていることを示していました。成果主義の傾向が強い海外企業から見ると異質といえる仕組みですが、日本の企業では現在もなお主流の制度といえるでしょう。

一定年齢で基本給アップを停止

現在もなお主流とされている定期昇給制度を続けている企業でも、定年退職を迎えるまで昇給が続く企業は17.6%程度となっています。現状、半数の企業では一定年齢になった時点で基本給のアップを廃止しているのです。

今もなお6割以上の企業が定期昇給制度を採用していますが、半数の企業は、一定年齢になった時点で基本給のアップを廃止しているのです。平均的な昇給停止年齢は48.9歳となっています

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8.企業の昇給制度の具体例(F社)

では、企業(F社)の昇給制度の具体例を下図を参考にしながら見ていきましょう。「本給」には職責等級制度のもと、等級ごとにレンジ・レートが設定されており、等級には7~9級幹部社員層も含まれています。

また、昇級による昇給とともに、同一等級における年単位での昇給(積み上げ方式)があるのです。

レンジは、賃率の範囲を指し、Ⅳ~Ⅰの4つに区分され、各人が位置する4区分ごとに2回分の半期成績の累積ポイントの5ランク(3~4等級)ないし7ランク(5~6等級)別の昇給額(表)を設定。成績評価次第では昇給がない年度もあります。

勤続=年齢によるいわゆる自動昇給を行いません。また、レンジに上限があり、昇級しない場合、昇給もゼロとなります。

ある企業の昇給制度では、本給には職責等級制度のもと等級ごとにレンジ・レートが設定されています。また昇級による昇給とともに、同一等級における年単位での昇給があります

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9.昇給額や昇給率の計算方法

次に昇給額や昇給率の計算方法を見ていきましょう。

計算式は昇給前の給与×昇給率=昇給額。定期昇給で1%の昇給率の場合、基本給が20万円の人は、20万円×1%=2,000円となります。この場合、昇給後の基本給は20万2,000円となります。

自分の会社の昇給額を見る場合は、昇給率と併せて確認しましょう。昇給額が高いと好待遇と認識しがちですが、重要なのは「昇給率」です。昇給率が低いと勤続年数が経過しても給与はなかなか上がらないことになるのです。

また、昇給率から企業の成長度などを判断することも可能です。企業の将来性を考える目安となるでしょう。

昇給前の給与×昇給率=昇給額です。昇給額を見る場合は、昇給率も併せて確認しましょう

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10.月例賃金引き上げに関する日本の現状

2022年1月に発表された日本経済団体連合会・東京経営者協会の「2021年度1月~6月実施分、昇給・ベースアップ実施状況調査結果」によると、「昇給・ベアともに実施」した企業は前年比8.3ポイント減の30.9%でした。

2021年度1月~6月実施分、昇給・ベースアップ実施状況調査結果

昇給のみ実施でベアなしと回答した企業は69.1%で、2014年から8年連続で定期昇給や賃金カーブ維持分の昇給、ベースアップなど、何らかの方法により月例賃金の増額改定を実施している結果となりました。

参考 Policy(提言・報告書)一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren

月例賃金の引上げ額(昇給分とベア分)

同調査によると、月例賃金の引上げ額は6,038円でした。

また、引上げ率は1.96%で、2013年以来の2%未満となりました。
昇給とベースアップの区別のある企業における月例賃金引上げの内訳を見ると、総額6,038円・1.96%のうち、昇給分は5,672円・1.84%、ベア分は366円・0.12%となりました。

月例賃金引上げ額は、5,000円台が27.3%で最も多く、次いで4,000円未満が18.4%、6,000円台が16.8%となりました。10,000円以上の割合は 6.8%で、前年の6.7%とほぼ同水準でした。

月例賃金引上げの実施状況を見ると、回答した全企業で、何らかの月例賃金の引上げが行われており、この傾向は2014年から8年間続いています

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11.一般的な昇給の平均額はいくら?

では、一般的な昇給の平均額はどのくらいなのでしょうか。詳細を見ていきましょう。

大企業の昇給額の相場

大手企業の平均昇給額・平均昇給率推移【年度別】

経団連(日本経済団体連合会)が調査・発表した「2022年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2022年の大企業135社の平均昇給率は2.27%で平均昇給額は7,562円でした。
給与が20万円の人の場合の昇給額は、単純計算すると200,000×2.27%=4,500円前後となります。

中小企業の平均昇給率と比較すると、大企業の平均昇給率は0.3ポイントほど高い結果です。大企業の昇給率は中小企業に比べると、好景気の影響を受けやすい傾向にあるといえます。
特に2022年の昇給率が高かった業種には、建設業や鉄鋼業などがありました。

大企業は多角的な経営を行っている場合が多いため、短期間で経営状況が悪化する可能性は中小企業より低い傾向にあります。そのため、大企業は将来的な給与を比較的予想しやすいという利点があるでしょう。

参考 Policy(提言・報告書)一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren

中小企業の昇給額の相場

中小企業の平均昇給額・平均昇給率推移【年度別】

経団連(日本経済団体連合会)が実施した「2022年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、2021年の中小企業377社の平均昇給率は1.92%で平均昇給額は5,036円でした。
給与が20万円の人の場合の昇給額は、単純計算すると200,000×1.92%=3,800円前後となります。

ほとんどの企業では、一度昇給すると合意なしでは減額できません。そのため好景気でも昇給に積極的でない中小企業が多々見受けられます。

参考 Policy(提言・報告書)一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren

公務員の昇給額の相場

公務員の給与は、基本的に俸給表によって定められており、昇級するごとに給与が増加する仕組みとなっています。昇給額は2~7万円前後までとさまざまです。

「公務員の給料は民間の給料に準ずる」という前提があるため、不景気のあおりを受け、民間全体の給料が下がった場合には、公務員もその影響を受けることとなります。

ひとつの例として、平成14年の行政職俸給表(一)・(二)適用職員の昇給率を挙げると、平均は「1.66%」となります。

景気が安定している場合、公務員の将来的な給与は比較的予想しやすいでしょう。しかし、政策や景気変動によって給与が変わることもあるため、時期によっては将来的な給与を予想しにくくなる場合もあります。

大企業の昇給率は2.59%と高く、中小企業の約2倍です。対して、公務員の昇給額はさまざまで、昇給率は景気などによって変動します

12.高卒と大卒における昇給額の違い

高卒と大卒における昇給額の違い

2006年の調査では、大卒者の平均昇給率は男性「約2.9%」・女性「約3.3%」。高卒者の昇給率は、男性「2.32%」・女性「約2.02%」でした。高卒者と比較すると、大卒者の昇給率が高いことが分かります。

このように昇給率に違いがあるため、最終学歴によって生涯年収も異なります。2010年の調査では、大卒者の平均生涯年収は「約2億5,000万円」であるのに対し、高卒者は、「約2億円」となっているのです。

大卒者と高卒者の昇給率を比較すると、基本、大卒者のほうが高いです。そのため、生涯年収に差が出ます

13.昇給通知とは?

定期昇給が賃金規定によって定められている場合、昇給の際に必ず通知をしなければいけないという法的義務はありません。

しかし、原則として給与は、雇用する側と社員の間での合意に基づいて変更することとなっているため、イレギュラーな昇給がある場合などは、通知をしたほうがよいでしょう。

定期昇給の場合でも、昇給額をきちんと通知することで、社員のモチベーションを上げる効果が期待できます。

数千円程度の昇給の場合、残業代などと混同してしまい、振り込み額だけを見ていると、給与が上がったことに気付かない場合も。給与に変更が出る場合は改めて辞令を出しましょう。下図は昇給通知の辞令の例です。

昇給通知書の例

昇給の通知に法的義務はありませんが、給与に変更が出る場合は辞令を出したほうがよいでしょう。社員のモチベーションを上げる効果も期待できます

14.昇給させる際の注意点

昇給と一口に言っても、定期昇給やベースアップ、昇格による給与アップ、手当の増加など、その種類はさまざまです。昇給がある場合には、給与が上がる理由を明確にしましょう。

昇給の根拠がはっきりしないまま給与が上がっても、社員は給与が上がった理由を理解できません。

定期的な賃金上昇であれば、今後も同じような上昇があるということになり、ベースアップなら、会社の経営状況が良くなることで賃金が上昇していくという希望が生まれます。昇格によって給与がアップすれば、モチベーションアップに大きく寄与するでしょう。

昇給の理由を明らかにすることは、社員のその後のライフプランや企業で働く上での意欲に大きく関わります。昇給がある際は、どのような理由で昇給したのかを明確にしましょう。

昇給がある場合は、給与が上がる理由を明確にしましょう。社員のその後のライフプランや企業で働く上での意欲に大きく関わります

昇給のQ&A

それぞれの意味は下記のとおりです。 「昇給」:勤続年数や職務上の昇格に応じた賃金の増額 「昇格」:職務遂行能力に応じて社員をいくつかの等級に分類し賃金の管理を行う職能資格制度において、資格が上がること 「昇進」:課長や部長といった職位(役職)が高くなること
昇給の平均額は、企業規模と最終学歴により変わります。 企業規模別に見ると、大企業の昇給率は「2.59%」。中小企業と比較すると約2倍高く、給与が20万円の人の場合、昇給額は、昇給前の給与×2.59%=5,200円前後となります。 中小企業の昇給率は「1.45%」程度が相場です。給与が20万円の人の場合、昇給額は、昇給前の給与×1.45%=2,900円前後となります。企業によって異なりますが、中小企業の昇給率は高くても4%前後です。
大卒者の昇給率は、高卒者と比較すると一般的に高くあらわれます。大卒者の平均昇給率は男性「約2.9%」・女性「約3.3%」。高卒者の昇給率は、男性「2.32%」・女性「約2.02%」です。 このように昇給率に違いがあるため、最終学歴によって生涯年収も異なります。2010年の調査では、大卒者の平均生涯年収は「約2億5,000万円」であるのに対し、高卒者は、「約2億円」となっています。