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2012年にGoogle社のリサーチチームが、チームのパフォーマンスを向上させるためには心理的安全性を高めることだ、と発表して以来、「心理的安全性」はチームの生産性を向上させる方法として大きな注目を集めています。
心理的安全性が高いほど仕事の効率化により成果がアップし、組織内の人間関係が深まるなどといわれているのです。心理的安全性の効果、メリット、不足した場合のメンバーの状態など、心理的安全性について掘り下げていきましょう。
目次
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1.心理的安全性とは?
心理的安全性(psychological safety)とは、自分の意見や気持ちを安心して表現できる組織の状態を指す言葉です。心理的安全性が高い組織は、従業員のモチベーションや生産性が高まることから、組織としての業績が伸びることも見込まれます。
提唱者:エイミー・エドモンドソン氏
心理的安全性という概念を最初に提唱したのは、ハーバード大学で組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン(Amy C. Edmondson)氏です。この概念を「対人関係においてリスクのある行動をしてもこのチームでは安全であるという、チームメンバーによって共有された考え」と定義しています。
エドモンドソン氏は、心理的安全性の重要性に気付いたときの経験を、スピーチフォーラム「TED」でスピーチしています。
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2.心理的安全性が注目されている理由
心理的安全性という言葉は、2015年にアメリカのGoogle社が「心理的安全性は成功するチームの構築に最も重要なものである」と発表したことによって、広く知られるようになりました。
しかし、その言葉自体は以前から存在しています。心理的安全性という概念を最初に提唱したのは、エイミー・エドモンドソン氏です。
Google社は2012年から約4年の歳月をかけて「プロジェクトアリストテレス(Project Aristotle)」や、その他の人事関連研究を実施しました。その成果報告として、心理的安全性がチームの生産性を高める重要な要素だと結論づけ、世界の注目を集めたのです。
プロジェクトアリストテレスとは?
Google社が2012年から約4年の歳月を費やした「プロジェクトアリストテレス」は、古代ギリシャの哲学者・アリストテレスの言葉「全体は部分の総和に勝る」から名付けられました。
この言葉通りGoogle社は、仕事は単独よりチームで作業したほうが大きな成果が挙げられると考え、「効果的なチーム構成を可能とする条件は何か」の答えを見出すことを目的にプロジェクトは始動したのです。
- 生産性の高いチームが持つ共通点
- 成功因子
2つを調査分析した結果、チームの生産性向上には個々のパフォーマンスよりも、集団的知性のほうが大きな影響力を持つことが分かりました。そして心理的安全性こそが、チームの生産性を高める唯一無二の成功因子であると判明したのです。
プロジェクトアリストテレスとは?【Google・心理的安全性】
Google社は2012年、「プロジェクトアリストテレス」と呼ばれる取り組みで、ある事柄を調査しました。どのようなことを何の目的で調べたのでしょうか。プロジェクトアリストテレスの内容と調査結果、そして...
チームの効果性に影響する因子
「プロジェクトアリストテレス」のリサーチチームは、エンジニア系のプロジェクトチーム、営業チームの合計180チームをリサーチ対象に選びました。
リサーチ内容は、チーム構成(メンバーの特性、営業スキル、性別、年齢など)、チーム力学(メンバー同士の関係性など)が、チームの効果性にどう影響するのかなど。
その結果、チームの効果性に影響を与えている因子を重要な順に示すと以下のようになるとが分かったのです。
- 心理的安全性「チームの中でミスをしても、それを理由に非難されることはない」と安全だと感じられる
- 相互信頼「チームメンバーは一度引き受けた仕事は最後までやりきってくれる」と信じられる状態
- 構造と明確さ「チームには有効な意思決定プロセスがある」と明確な状態
- 仕事の意味「メンバー全員がチームのためにしている仕事は、自分にとっても意義がある」と思えるか
- インパクト「チームの成果が組織の目標達成にどう貢献するかを理解している」と思えるか
メンバー一人ひとりに合わせた施策を打つためには、各メンバーが持つスキルや個性、志向の見える化が欠かせません。しかし、ある程度の企業規模になると紙やExcelを用いた情報収集はかなりの負担に。そのためシステム導入による効率化の検討が必要です。
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3.心理的安全性が高い組織とぬるま湯組織の違い
心理的安全性が高い組織は、「居心地がよい」「安心して発言できる」といったイメージから、ぬるま湯組織として考えられることがあります。しかし、これはよくある誤解です。具体的な違いを確認していきましょう。
ぬるま湯組織とは?
ぬるま湯組織とは、変化を恐れているために、新しいアイデアや変革に不寛容で、リスクを取れない組織を指します。ぬるま湯組織では、既存の慣習やルールを守ることが重視されるため、成長意欲が低い従業員にとっては居心地が良い一方、成長意欲が低い従業員にとっては居心地が悪いため、優秀人材が離職しやすい組織とも言えます。
ぬるま湯組織との違い
心理的安全性が高い組織は、メンバーによる自由な発言や新たな挑戦を受け入れられます。そのため失敗からの学びを活かし、成長につなげられる環境と言えます。一方で、ぬるま湯組織は快適さや安定を追求するため、新しいアイデアや挑戦が受け入れられません。結果として外部環境の変化やビジネスチャンスに適応できず、組織としての成長が難しくなります。
心理的安全性が高い組織の特徴 | ぬるま湯組織の特徴 |
率直に意見できる | 意見の衝突をさける |
成長意欲が高い | 成長意欲が低い |
チャレンジ精神がある | 新たな挑戦を避けがち |
新しいアイデアが生まれ、生産性向上が見込める | 現状維持が優先され、生産性が高まりづらい |
挑戦が評価され、優秀人材が定着しやすくなる | 挑戦が評価されないため、優秀人材が離職しやすい |
4.心理的安全性がチームに与える3つの効果
『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 (朝日新聞出版)』によると、心理的安全性がチームに与える効果は、以下の3つとされています。
- チームメンバーがフロー状態になりパフォーマンスが上がる
- イノベーションや改善が生まれる
- 質の高いエンプロイー・エクスペリエンスの提供につながる
①メンバーがフロー状態になる
フロー(flow)とは、流れという意味です。心理学で「フロー」の状態とは、人がそのとき行っている事柄に、夢中になる、完全にのめり込んでいる、精神的に集中しているといった精神状態のこと。
フロー状態では、神経伝達物質のドーパミンやエンドルフィンなどの分泌量が増え、幸福感が高まりストレスが下がるといわれています。
心理的安全性が高くなると、メンバーにフロー状態が生じます。その結果、メンバー全員が安心してその仕事に集中して取り組むことができる上、愉しく働けるようになるのです。
②イノベーションや改善が生まれる
組織に心理的安全性があれば、イノベーションや改善が生まれます。その理由は、心理的安全性の存在により、マネージャーやチームメンバーが、同じチームメンバーに対して「建設的な挑戦」ができるようになるからです。
建設的な挑戦とは、現状をより良くしていこうという前向きな姿勢で、新しい物事や困難なことに立ち向かうこと。相手の心を強く刺激して、気持ちを沸き立たせ、時には常識を逸脱したようなアイデアを提案するといったものです。
こうした建設的な挑戦を一般的な組織で実行しようと考えても、「メンバーに面倒がられるだけ」「理解してもらえないから言っても意味がない」などとマイナスな感情を抱くだけでしょう。
これではイノベーションは生まれません。心理的安全性は組織の現状を革新するためには欠かせない重要な要素なのです。
③エンプロイーエクスペリエンスが向上する
エンプロイーエクスペリエンスとは、メンバーが仕事を通して得られる体験のこと。たとえばメンバーが企業に入社してから体験する社内制度やルール、文化、また入社してから退社するまでに体験するさまざまな事柄です。
企業はその体験がどう進行し発展するのかの道筋を設計する必要があります。メンバーがどのような体験によってモチベーションが上がるのかなどを考え、メンバー一人ひとりに最適な経験をつくる機会を提供しなければなりません。
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5.心理的安全性の高い職場をつくるメリット
Google社のリサーチ結果によれば、心理的安全性の高いチームのメンバーの特徴は、
- Google社からの離職率が低い
- 他のチームメンバーが発案した多様なアイデアをうまく利用できる
- 収益性が高い
- 「効果的に働く」とマネージャーから評価される機会が 2倍多い
この結果から、心理的安全性の高い職場をつくる4つのメリットを説明します。
- 情報やアイデアの共有が活発になる
- メンバーのポテンシャルを最大化できる
- チームの目指すビジョンが明確になる
- 人材の定着率が高まる
①情報やアイデアの共有が活発になる
心理的安全性の高い職場は、メンバー個人の意見や、さまざまなアイデアがたくさん生まれます。その理由は、チーム全体に自分の考えを発表する際、心理的ハードルが低くなるからです。
心理的安全性が低い職場では、個人の意見に他のメンバーが厳しく非難する、アイデアを出してもメンバーが受け入れようとしないといった問題があるでしょう。
しかしチームメンバーが現在どのような状況にあるのか、何を考えて仕事をしているのかなどをメンバー同士が理解し合う環境、つまり心理的安全性が高い職場なら、円滑なコミュニケーションが実現します。
②メンバーのポテンシャルを最大化できる
組織内の心理的安全性が高いというのは、メンバー同士がお互いを認め合い、尊重し合うという価値観の共有ができていることを示しています。そうした環境はメンバー同士が互いに切磋琢磨しながら、個人が持つポテンシャルを最大化できるのです。
③チームの目指すビジョンが明確になる
心理的安全性が高いチームは、組織の目標や課題に対して、チームのメンバーが自由に活発に意見を出し合う建設的な議論が行えます。
全社員またはチーム全員で真剣に考えたビジョンを企業全体で共有できる上、メンバー全員が同じ目標に向かって一丸となって働くため、目標達成へのスピードも上がります。
④人材の定着率が高まる
Google社のリサーチ結果から、「心理的安全性が高いチームはメンバーの定着率が高い」ことが分かっています。
会社での居心地が良く、仕事がしやすいといった心理的に安全な環境にあるメンバーは、離職率が低く、また自分の能力や特技などを活かしながら働けるため、ここで長く働きたいと思っていくのです。
職場での満足は表現しやすい一方、不満を言葉にするのは難しいものです。しかし、この不満を放っておくと離職につながってしまいます。
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6.心理的安全性が不足するデメリット
心理的安全性が不足するとメンバーはどうなるのでしょうか。この問いに、ハーバードビジネススクールのエドモンドソン教授は、スピーチフォーラム「TED」にて、 心理的安全性の不足が引き起こす不安と行動特徴として以下の4つを紹介しています。
- 無知だと思われる不安
- 無能だと思われる不安
- 邪魔をしていると思われる不安
- ネガティブだと思われる不安
これらの不安を払拭するため、心理的安全性が確保されていない職場で働く多くの従業員たちは、
- 自己呈示行動(self-presentation)
- 自己印象操作(self-impression management)
を行い、本当の自分を偽りながら働いているというのです。
4つの不安
①IGNORANT(無知だと思われる不安)の例
チームメンバーに業務の不明点を聞く際、「こんなことも分からないなんて」と思われないかと不安になり、必要な質問ができなくなること。相談することも不安になりメンバーとコミュニケーションがうまく取れなくなります。
②INCOMPETENT(無能だと思われる不安)の例
自分が業務などで失敗をしたとき、「こんなこともできないのか」と思われるのではないかと不安になること。些細なミスであっても報告せずに隠したり、自分の間違いを認めることができなくなったりします。
③INTRUSIVE(邪魔をしていると思われる不安)の例
ミーティングなどで、自分の発言によって議論が長引いたり本題から外れたりした際、チームメンバーに「あの人はいつも議論の邪魔をしてくる」と思われないか不安に駆られること。
そのため自分から提案や発言をしなくなったり、新たなアイデアを出すことができなくなったりします。その結果、チームのイノベーションは阻まれてしまうのです。
④NEGATIVE(ネガティブだと思われる不安)の例
現状をより良く改善していこうと考えを発言しようと思った際、「あの人はいつも他人の意見を否定する」「なんて消極的なのだろう」などと思われないかと不安に駆られること。
そのため自分の意見が、他のメンバーの意見に対して少しでも否定的な意味合いを含んでいた場合、何も言えなくなります。本来の自分を出すことができず、常に自分を押し隠して働いている状態です。
心理的な不安を抱え、離職兆候が出ている従業員の把握は簡単ではありません。年に数回の従業員満足度調査やストレスチェックでは、気づいた時には手遅れの場合もあるでしょう。
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7.自社の心理的安全性を調べる方法
心理的安全性の高いチームほど、高い生産性を発揮するといわれています。では、自社の心理的安全性を測るためにはどんな方法があるのでしょうか。
心理的安全性を最初に提唱したエイミー・エドモンドソン氏は、チームの心理的安全性がどの程度のレベルであるかを調べる際、以下7つの質問が、自分自身に強く当てはまるかどうかをチームメンバーに尋ねる、といいます。
- チームの中でミスをすると、たいてい非難される
- チームのメンバーは、課題や難しい問題を指摘し合える
- チームのメンバーは、自分と異なることを理由に他者を拒絶する場合がある
- チームに対してリスクのある行動をしても安全である
- チームの他メンバーに助けを求めることは難しい
- チームメンバーは誰も、自分の仕事を意図的におとしめるような行動をしない
- チームメンバーと仕事をするとき、自分のスキルと才能が尊重され、活かされていると感じる
回答の見方と具体例
エドモンドソン氏が心理的安全性を測る手法としてメンバーに質問する7つの問いに対して、下記のように考えます。
- ポジティブな回答が多い=「心理的安全性の高いチーム」:その人はチームのメンバーを信頼し安心して仕事をしている状態にある
- ネガティブな回答が多い=「心理的安全性の低いチーム」:その人はチームのメンバーとの信頼関係を築けずに不安を抱えながら仕事をしている状態にある
チーム全員にこの質問を行ってポジティブな回答が多い場合は、生産性の高い優れたチームといえるでしょう。
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8.マネージャーによる心理的安全性の作り方
心理的安全性の高いチームになるには、メンバーの不安を解消しなくてはなりません。メンバー同士が信頼、尊重し合える関係性を構築してチームの心理的安全性を高めるためにマネージャーができる5つの考え方を紹介いたします。
- 積極的な姿勢を示す
- 理解していることを示す
- 対人関係において相手を受け入れる姿勢を示す
- 意思決定において相手を受け入れる姿勢を示す
- 強情にならない範囲で自信や信念を持つ
①積極的な姿勢を示す
具体的には、
- 相手と目を合わせて会話に集中する。会議中であればノートパソコンを閉じて話を聞く
- チームのメンバーから学ぼうという意欲を持って、積極的に質問をする
- 自分の考えを伝えて対話的なコミュニケーションを心掛ける
- 相手の話を真剣に親身になって聞く姿勢を示す
- 会話で返答するとき、「なるほど」「もっと詳しく教えてもらえますか」などの言葉や相づちを打つなど積極的な姿勢を示す
- 話を聞くとき、相手の顔を見て、身体を乗り出すようにする
②理解していることを示す
具体的には、
- 相手が話しているときに、表情や仕草、態度など否定的な反応をしていないか注意する
- 互いの理解が一致していることを確認するために、「あなたがおっしゃったのは…ということですね?」などと、相手の発言内容を要約して投げかける
- 相手の話にうなずいたり、「なるほど」などと反応したりして、内容を理解したことを示す
- 「なぜそのようなことをしたのですか?」などと責めるような言い方をしない。「よりスムーズに業務が進むようみんなで対策を考えましょう」など、解決策を見出すよう前向きな姿勢を示す
③対人関係において相手を受け入れる姿勢を示す
具体的には、
- 1on1ミーティングのような、1対1で会話をする時間を定期的につくり、仕事以外の趣味の話や不安などを聞く、キャリアに関するコーチングを行うなど友好的な態度を示す
- チームメンバーの仕事への取り組みに感謝の気持ちを伝える
- 仕事の進め方をチーム全員に伝え、メンバーに自身のやり方をチーム全員に伝えるよう促す
- チームメンバー全員に顔を向けるなど、開かれた姿勢を取る。誰かに背中を向けることはしない
④意思決定において相手を受け入れる姿勢を示す
具体的には、
- チームメンバーに意見やフィードバックを求める
- 人の話を妨げようとするメンバーがいた場合、妨げないように注意して、発言しているメンバーが続けられるように間に入ってサポートする
- 意思決定の背後にある根拠を説明する。たとえばメールや対面で、その結論に達した経緯を丁寧に説明
- チームメンバーの目標達成や好業績、業務に取り組む熱心な姿勢、成功などを認める
⑤強情にならない範囲で自信や信念を持つ
具体的には、
- ミーティングなどで、一人のメンバーの意見が、他のメンバーとの個人間の対立に発展しないようチームディスカッションをコントロールする
- 会議での雑談を認めない
- チームメンバー全員が聞き取れるような明瞭な発声を心掛ける
- チームの成果を上司に伝えるなどチームを代表して行動したりチームをサポートしたりする
- 自分の意見に対して、チームメンバーが別の意見を発言した場合、反論や異論をするようチームメンバーに促す
- 自分の弱みを見せる
- 仕事や仕事での失敗について個人的な考えをメンバーに伝える
- あえてリスクを取るようチームメンバーに促し、自分の仕事でも実践してみせる
メンバー一人ひとりが抱える不安は異なります。これをすべてインプットし、部下と向き合うのは簡単なことではありません。
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9.組織の心理的安全性を高める方法
心理的安全性が高い組織は、メンバーが失敗を恐れずに自分の意見を発言し、行動できる環境にあるため、効率的に機能し生産性も向上します。チームよりも大きい場合が多い「組織」のにおいて心理的安全性を高めるにはどうしたらよいのでしょう。
- 助け合いのカルチャーを醸成する
- 従業員の多様性を認める
- ポジティブ思考を促す
- 組織の風通しを良くする
①助け合いのカルチャーを醸成する
心理的安全性が低い組織のメンバーが持つ、「無知と思われる不安」「無能だと思われる不安」を解消するには、メンバー同士が協力し、助け合う環境づくりが重要です。
一人ひとりができないことや分からないことがあるのは当然、困ったときはメンバーに助けてもらえる、といった職場の雰囲気があるとメンバーは気持ちに余裕を持ち安心して仕事ができます。
②従業員の多様性を認める
心理的安全性が低いチームのメンバーが持つ4つの不安のうち、「邪魔をしていると思われる不安」を解消するには、相手の価値観や意見の多様性を認めることが必要です。
相手に邪魔と思われるその根底には、上司と部下、メンバー同士の立場による不健全な人間関係が関与しています。
そこで、年齢や性別、役職にとらわれずチーム内の人間関係をフェアにして、すべてのメンバーが対等な立場で意見やアイデアを出し合える風通しの良い組織をつくるのです。コミュニケーションも活発になり、チームの心理的安全性は高まるでしょう。
③ポジティブ思考を促す
心理的安全性が低いチームのメンバーが持つ4つの不安のうち、「ネガティブだと思われる不安」を取り除くために効果的な方法は、チーム全員がポジティブな受け答えや業務の振り返りをすること。
ネガティブな思考では、周囲を必要以上に気にし、仕事に対して前向きに取り組みにくくなります。見方や考え方を少し変えてみるだけでも、ネガティブ思考からポジティブ思考に変わっていくでしょう。
④組織の風通しを良くする
日本企業に多く見られるトップダウン型の形態は、閉鎖的な組織をつくってしまいいます。組織の上層部が意思決定をして、下部組織に指示する管理方式では、現場で働くメンバーが自分の本音を上層部に発言するのは難しいのです。
心理的安全性を高めるには、上層部と下部組織との間で、対等なコミュニケーションが取れる風通しの良い環境が必要です。年齢や立場に関係なく活発な意見交換をし、互いに信頼し合い、同じ目標に向かうといった状況を生み出しましょう。
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10.心理的安全性を向上させるマネジメント手法
朝日新聞出版の『世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法 』によると、心理的安全性を向上させるマネジメント手法は以下の4つです。
- 1on1ミーティング
- OKR
- ピアボーナス
- 雑談
①1on1ミーティング
1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で定期的に対話をするものです。人事評価面談と異なり、業務の不安や課題、人間関係、今後やってみたい仕事、キャリアなどプライベートな内容まで対話します。
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②OKR
OKRは、目標設定に活用されているものでObjective(目標)に対して、必要なKey Result(目標を達成するために得るべき結果)を設定します。
まず企業の目標を設定し、そこからチーム、メンバー一人ひとりの目標を設定。これにより、企業が掲げる大きなビジョンは明確になり、メンバーは企業の目標を見据えて仕事に取り組めるのです。
その際、マネージャーは、定期的な1on1ミーティングなどで、メンバーのOKRが会社のビジョンやビジネスモデルとどのようにつながっているか、また達成するための業務を行っているのかを確認します。
これらによって、組織全体が同じ目標に向かい、メンバー間のコミュニケーションもスムーズになり、チームは活気に満ちるのです。
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③ピアボーナス
ピアボーナスは、Google社がメンバーを評価する仕組みのひとつで、心理的安全性を高めるもの。仲間や同僚を意味するPeer(ピア)と、特別手当などの意味を持つBonus(ボーナス)を組み合わせてできた言葉です。
ピアボーナスは、メンバー同士が日頃の業務の成果や行動、貢献などに対して互いに称賛し認め合い、ボーナスを贈り合うという仕組みを持ちます。
Google社では、社員一人ひとりに約1万5,000円の決裁権が与えられており、「この人にボーナスを贈りたい」と思ったとき、いつでもシステムに相手の名前とその理由を入力できるようになっているそうです。
ピアボーナス制度とは?【目的・メリットをわかりやすく】
ピアボーナスは、従業員同士が賞賛や承認とともに少額の報酬を互いに送り合う仕組みです。今までの給与制度にはなかった新しい仕組みとして、多くの企業で制度として採用されています。
ピアボーナスの効果や導入...
④雑談
チームのパフォーマンスを上げるには、日頃からメンバー同士の雑談が必要です。日本のある大手広告代理店が、良いパフォーマンスを出しているチームとそうでないチームを比較する研究を行いました。
すると良いパフォーマンスを出しているチームは日頃から雑談が多く、そうでないチームは常に仕事の話ばかりしていると分かりました。仕事以外の趣味や週末の予定などプライベートな会話を含めた雑談がチームのコミュニケーションを活発にするのです。
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11.心理的安全性の向上における注意点
心理的安全性は、チームのパフォーマンスを向上させ、生産性を上げる優れた要素です。しかし組織への取り入れ方、やり方を間違えると大きな損失になってしまう危険性があります。
心理的安全性が高い組織は、メンバーがリラックスした状態で仕事ができる環境にありますが居心地の良すぎる雰囲気はメンバー同士が馴れ合いやすいため、生産性も低下してしまうのです。
メンバーに責任や使命、目標を与えなければ、心理的安全性はうまく回りません。Google社が、心理的安全性と生産性との相関関係を認めたという点からは、同社のビジネス面における厳しさを見てとることができます。
心理的安全性と責任の関係
心理的安全性が高い職場には、いつでも意見交換ができる開かれた雰囲気が生まれるため、さまざまな報告も活発に行われます。しかし業務ミスの報告もしやすくなるためミスへの抵抗感が薄れ、メンバーの責任感がなくなるのではという考えもあるのです。
そうした意見に対して、心理的安全性を最初に提唱した経営学者のエイミー・エドモンドソン氏は、「心理的安全性と責任は別の指標であり、責任感との相関関係はない」と答えています。
エドモンドソン氏は心理的安全性と責任の量について下記のように分類しました。
- 心理的安全性も責任も少なければ、「無関心」
- 心理的安全性が高く責任が少なければ「気持ちよい」
- 心理的安全性が低く責任が高いと「不安」
エドモンドソン氏のこの分類から、チームのマネジメントにおいて注意すべき点は、心理的安全性も責任も高い状態で、高いパフォーマンスを発揮できる環境づくり」だと分かります。
自社で心理的安全性を導入する際、どのように実現させるかしっかりと対策を立ててから取り組みましょう。
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