現代人の日常生活に欠かせないものとなりつつあるSNSですが、最近、プライベートだけではなくビジネスシーンでの活用が目立っています。たとえば社内SNSもそのひとつといえるでしょう。社内SNSの目的、メリット・デメリットなどについて詳しく解説します。
「社内SNS」とは?
社内SNSとは文字通り会社の中だけで完結しているソーシャル・ネットワーキング・サービスです。企業内にSNSを導入すれば横断的なコミュニケーションを作り出すことが可能となり、部門を越えたつながりが生まれることもあります。セクショナリズム(部署間の対立や軋轢)を壊すいいきっかけになります。
社内SNSは現役の社員に限定されたものばかりではありません。退職者、求職者が参加できるものもあり、人材の再活用に成功した事例も少なくないのです。すなわち、社内SNSはマンパワーの活用に非常に有効な手段ということができるでしょう。しかし、一方で注意しなければいけない点も多々あります。とくに人事としては情報漏えい、個人情報保護などにも配慮する必要があるでしょう。
社内SNSの目的
社内SNSの主な目的は、セクショナリズムを打破することです。セクションや肩書を越えた交流は新しい発想を生むパワーとすることもできるでしょう。特に数千人規模の大企業では、仕事で直接関わらないと、どんな人がいるのかさえもよくわかりません。何か悩み事を抱えていても、まわりの人には相談しにくいということもあります。そんな時、社内SNSを利用すれば思わぬ相手からヒントをもらうこともあるのです。
社内SNSと一口にいってもさまざまなタイプがあります。いくつかの成功事例を見てみると、仕事だけではなく趣味も含めた多様なコンテンツをやりとりできる社内SNSはコミュニケーションが盛んになっている様子が伺えます。また、誹謗・中傷などのトラブルを回避するために匿名性よりも実名制を採用することをおすすめします。
社内SNSのメリット
社内SNSのメリットは、問題の共有と解決までのスピードを迅速にできるという点です。何となく慣例となってはいるものの多くの社員が疑問に思っているような制度というのは、どこの会社でもあるものです。社内SNSではそういった疑問を自由に書き込むこともできます。そして、単に悪口だけに終わらず、解決策を提案する人も出てくるというのが社内SNSの利点です。
人事部としても、社内の問題点に関する意見を多くの人から指摘してもらえて、解決案まで出してもらえるというのはむしろ助かる話といってもいいでしょう。これまで、会社への批判というと飲み会での愚痴のこぼし合いのようなもので終始していたかもしれません。しかし、社内SNSを活用すれば建設的な方策をとることも可能なのです。
社内SNSのデメリット
社内SNSを管理するにはコストがかかりますし、誹謗・中傷などのリスクがある点はデメリットといえます。社内SNSでのやりとりは万が一でも社外に漏れることのないよう対策をしなくてはいけませんが、それはITツールを導入するだけではなく、社員の意識を高める必要があります。人事部としては社内SNSに関するセミナーを開催するなどして、注意点を周知させるようにつとめましょう。
また、インターネット上でのコミュニケーションというのはどうしても細かなニュアンスが伝わりにくいものです。実名制にして誹謗・中傷を回避できたとしても、相手に「誹謗・中傷された」と、誤解されてしまうこともあります。そうならないためにも、社内全体でネットワーク上におけるコミュニケーション能力を磨くきっかけにしてみてはいかがでしょうか。