勤怠管理とは?【無料でエクセルで作る方法】有料システム比較

育児や介護と仕事の両立に関心が集まり、働き方改革関連法案による勤務形態の多様化も進みつつある昨今。企業はフレックスタイム制や裁量労働制など、あらゆる勤務形態に対応していかねばならない時代になりました。

こうした複雑な勤怠状況も一目で把握できる勤怠管理システムに注目が集まりつつあります。勤怠管理システムの運用方法やメリットなどを知ってビジネスに活かしましょう。

1.勤怠管理とは?

企業が従業員の就業日時などの勤務状況を把握することを「勤怠管理」といいます。

そもそも企業は、労働者に対して勤怠管理を行うことが義務づけられておりタイムカードや打刻システムなどで始業・終業や時間外労働、休日休暇の記録を残し、管理することが必要です。

しっかり勤怠管理を行うことは、

  • 労働者に正当な額の給与を支払うことができる
  • 遅刻や欠勤がないかチェックできる
  • 過剰労働をいち早く見つけることができるため、過労による健康被害を防止できる

といったことにつながります。

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2.勤怠管理システム・ソフトウェア比較

勤怠管理をより正確に、効率的に行うことができる勤怠管理システム。最近では、スマートフォン用アプリやブラウザなどを通して、いつでもどこでも勤怠の記録や管理ができるものが増えています。

ここでは、勤怠管理システムのうち、特徴的な機能を持つ6つのシステムについて解説しましょう。

  1. AMANO(アマノ)「CLOUZA(クラウザ)」
  2. freee(フリー)「freee for チーム」
  3. NEO CAREER(ネオキャリア)「jinjer(ジンジャー)勤怠」
  4. 富士通「勤給解決」
  5. NTTコミュニケーションズ「Chronos(クロノス)」
  6. OBC「就業奉行10」

①AMANO(アマノ)のクラウド勤怠管理「CLOUZA(クラウザ)」

PCだけでなく、アプリによってスマートフォンやタブレットからも打刻ができる「CLOUZA」。無料アプリをダウンロードして登録するだけなので、初期費用も手間もかからず簡単に導入できます。操作方法もシンプルでわかりやすいのが特徴。

基本的な機能は下記の通り。

  • アプリを使った始業・終業の打刻
  • GPSによる打刻時の位置情報確認
  • リアルタイムの勤務状況と勤務状況の集計確認
  • 給与計算ソフトとの連携

※弥生給与、PCA給与、給与奉行など主要各社のソフトと連携可能対応外のソフトはCVT出力・加工でインポート可能です。

確認画面では個人ごと・月ごとの集計や全従業員の出勤状況一覧を見やすい画面で簡単に確認できPC、タブレット、スマートフォン、TimeP@CK専用端末の4種類で利用可能です。

特徴:GPS打刻機能

「CLOUZA」の特徴はGPSによる位置情報の確認。従業員がスマートフォンやタブレットを使って屋外で打刻をした場合、管理画面で打刻した場所の地図を表示できます。

これにより、外出先でも不正打刻がないかチェックできるので、より正確な勤怠管理が行えるでしょう。

価格

  • 初期費用・基本料金 無料
  • ユーザー1人につき月額200円
  • オプションで年次有給休暇管理、月額+100円もあり
参考 CLOUZA(クラウザ)公式サイトAMANO

②freee(フリー)のスマホ専用アプリ「freee for チーム」

業員ごとの専用アカウントにより、スマートフォンから打刻ができる「freee for チーム」。こちらも操作が簡単で、従業員に負担をかけず導入可能です。

主な機能は下記の通り。

  • 各従業員の専用アカウントから、ワンクリックで打刻(打刻時間の修正は理由を添えれば可能)
  • リアルタイムで就業状況が把握できる
  • 勤怠データから残業代や有給休暇を考慮した給与が自動計算される

管理画面では時間外や深夜労働なども一目で把握できます。月半ばでも残業時間を確認できるため、過剰労働を防ぐことにもつながるでしょう。オプションのビジネスプランでは、打刻した場所の位置情報が取得されるため、不正打刻をチェックできます。

特徴:給与明細の自動作成・クラウド配布

打刻された勤務時間のデータから、自動で給与計算をして明細まで発行可能なのが、「freee for チーム」の優れた特徴。Excelなどで給与明細を作成した際の計算ミスの発生や作成に時間がかかるといった問題を解消してくれます。簡単な操作で、勤怠データと合わせた給与明細をWEB上で従業員に配布することも可能です。

価格

  • 基本料金 月額1,980円
  • 従業員数4名以上の場合 1人につき300円加算
  • 機能が追加されるビジネスプランも用意(料金要問い合せ)
参考 iOS版「freee for チーム」 freee 参考 Android 版 「freee for チーム」freee

③タイムカードもエクセルもいらない「jinjer(ジンジャー)勤怠」

勤怠管理のみならず、人事に関するあらゆるデータをわかりやすくデータ化できる「jinjer(ジンジャー)勤怠」。採用活動や人事管理などに必要なデータも一緒に管理できるというのが他のソフトと大きく違う部分です。

勤怠管理の主な機能は以下の通り。

  • 多数の打刻方法 ICカードによる打刻やパソコン・スマートフォン・タブレットからの入力のほか、チャットワークや写真撮影による笑顔認証も可能
  • GPSによって打刻場所を制限
  • 給与システムとの連携
  • AIによる勤怠状況の分析
  • 残業や休日出勤などの各種申請
  • スケジュール管理
  • フレックスタイムやみなし労働時間制等勤務形態への対応

特徴:iPhone/Android対応

「jinjer(ジンジャー)勤怠」の特徴の一つとして従業員だけでなく管理側もPC以外から操作できる機能があげられます。

タブレットやスマートフォン(iPhone・Android)と各種端末で、管理者も場所を選ばず勤務状況を把握でき、打刻の修正やシステムの初期設定などの操作が可能です。

価格

  • 1人につき月額200円から
  • 導入する機能によって価格が違うため詳細は要問い合わせ
参考 勤怠管理システムjinjer(ジンジャー)

④専用タイムレコーダー不要。富士通「勤給解決」

「カメレオンコードR」という独自の2次元コードをWEBカメラにかざして打刻するシステムで、登録された画像は始業・終業の記録として自動保存されます。PC用WEBカメラで認証するので、専用読み取り機は不要。初期費用を抑えて導入できます。

主な機能はこちらです。

  • WEBカメラで2次元コードを読み取り打刻
  • 複数の従業員の記録を一括集計・管理
  • CVT出力で給与計算ソフトへデータ移行が可能
  • 無料のバージョンアップサービスで法改正に対応
  • 勤怠データが一括で自動保存・集計されるので、タイムカードからの打ち直しの手間がなくなる

特徴:PCのWEBカメラで高速・高精度認証

このシステムの特徴は、カメラでの読み込み認証という打刻方法。富士通が独自開発したカラーの2次元コード「カメレオンコードR」は、一般的なカラープリンタで印刷可能で、安価なWEBカメラでも瞬時に認証されます。

打刻の際WEBカメラは、2次元コードだけでなく使用者の顔も一緒に読み取ります。この画像は2か月間保存され、管理画面で一覧確認でき、他人のカードを使った「なりすまし」の不正打刻を防ぐことが可能です。

価格

  • 初期費用 初期設定55,000円
  • 認証システム提供サービス 33,000円
  • 月額 基本使用料30,000円
  • 追加ID 1件につき300円
参考 FUJITSU ビジネスアプリケーション 勤給解決富士通

⑤NTTコミュニケーションズ「Chronos(クロノス)」

あらゆる打刻システムに対応した、クラウド勤怠管理システム「Chronos(クロノス)」。

主な機能は下記の通り。

  • 連携ソフトにより、PC・スマートフォン・Apple Watchなどから時間・場所を選ばず打刻可能
  • リアルタイムで勤務状況を把握可能
  • 休憩時間や残業などを考慮した就業時間の自動計算

特徴:各種打刻システムと連携可能

  • TouchTime(タッチタイム) ICカードをかざして打刻
  • QuickTime(クイックタイム) PCでの打刻が可能
  • BioTime(バイオタイム) 手のひらをかざすことで打刻
  • BTime(ビータイム) スマートフォンをかざすとBluetoothによって認証
  • 「BTime Watch」 Apple Watchで打刻

上記との連携が可能です。

価格

  • 初期費用30,000円
  • 月額 100名まで1人300円、300名まで1人 250円、301名以上1人200円
参考 クラウド型勤怠管理システム「Chronos(クロノス)」NTTコミュニケーションズ

⑥クラウドサービスとして生まれ変わった「就業奉行」

大手企業の導入実績多数の「就業奉行」最新版。クラウドサービスとなったためバージョンアップが自動的に行われ、永年サポートが基本サービスとして追加されました。また、従来製品と比べオプションサービスが充実しています。

主な機能はこちら。

  • PC・スマートフォン・タブレット、その他カードや指紋認証などの専用機器で打刻可能
  • 打刻時に管理者へ通知が届く
  • リアルタイムの勤務状況を一覧で確認可能
  • 自動で未打刻がチェックされ、本人・上司に通知
  • 給与システムとの連携可能
  • サブ機能(シフト作成機能や複数承認に対応したワークフロー作成など)

特徴:Office連携機能

新しく追加された機能の一つがOffice連携サービス。Microsoft Officeのソフトと連携して、「就業奉行」で作成した帳票類をExcelやPDFへ出力できます。打ち直しの手間をはぶき、打ち間違いのリスクを減らすことができるでしょう。

価格

  • 初期費用 11万円から
  • 月額 1人につき350円(人数によって割引もあるため、詳細は要問い合せ)
参考 就業奉行10OBC
フリーソフトも使いやすい!
低コストで手軽に使える勤怠管理システムを紹介しましたがWEB上には無料で使えるソフトもいくつかあります。有料のものと比べると機能は劣りますが、その分シンプルで使いやすい場合もあります。中には基本的な機能は無料で、有料オプションで追加機能をつけられるものもあります。

クラウド勤怠管理を導入してみたいけれど上手く活用できるか不安という場合、まずは無料ソフトを使ってみるのもよいかもしれません。

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3.打刻同期できると便利なツール

始業・終業の打刻時、下記のようなツールと同期しておくことで、活用の幅がさらに広がります。

  1. Googleカレンダー
  2. LINE(ライン)
  3. Slack(スラック)

①Googleカレンダー

複数の人とスケジュール共有できる「Googleカレンダー」と勤怠管理システムを同期させておけば、現在の勤務状況に加え、全体の予定も同時に把握できます。

たとえば勤怠管理システム「MINAGINE(ミナジン)」は、Googleの各種業務系サービス(メール、カレンダー、ドキュメント、グループ、サイト、ビデオなど)と連携できます。Googleアカウントでログインできるため、専用のIDやアカウントを作成する必要がない点も魅力的です。

②LINE(ライン)

スマートフォンを使用しているほとんどの人がアカウントを持つ、おなじみの「LINE」と同期し、打刻できるシステムもあります。

「Focus U タイムレコーダー」は、LINE上の公式アカウントを友だち登録し、ログインIDを認証することで「LINE」での打刻を可能にするシステム。新たに専用アプリをダウンロードする必要がないので、導入がより手軽になります。

③Slack(スラック)

ビジネス用のコミュニケーションツールとして人気の「Slack」で打刻できる勤怠管理システムもあります。プロジェクトの進行だけでなく、出勤状況もリアルタイムで把握できるので便利しょう。

勤怠管理システム「ジョブカン」は、打刻方法の種類を選択でき、PCやタブレット、スマートフォンなどの通信機器で打刻する場合、「Slack」や「LINE」と同期して行うことが可能です。

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4.Excel勤怠管理表の作り方

勤怠管理を行う際、一般的に多く利用されているのはExcelを使った管理方法。クラウド勤怠管理システムのなかには、登録されたデータをExcelに出力できるものも。基本となる表を作って連携させるのも一つの方法です。

無料のおすすめテンプレート

Excel勤怠管理表を作る際には、テンプレートをダウンロードするのが手軽で正確な方法でしょう。WEBで検索するとたくさんの種類が出てきますが計算式がセットされていて、印刷したときに見やすい書式のものがおすすめです。いくつかをご紹介しましょう。

残業や深夜手当、休日出勤などの細かい設定ができる社員用勤怠管理表

参考 深夜と深夜残業を分けて集計するテンプレート勤怠管理表エクセルテンプレート

印刷時に見やすい形状で、打刻機能もついたテンプレート

参考 Excel One 出勤簿Vector

マクロを使わないテンプレート

マクロ機能がついていない表を使いたい場合には、こちらのようなシンプルな計算表もあります。基本的には飲食店や店舗、アルバイト管理に向いた表となっています。

見やすいガントチャート式テンプレート

参考 Excelで作るA41枚のタイムシフト表bizocean

従業員ごとに時給額を設定し、月の給与が計算できるテンプレート

参考 人件費計算できるExcelシフト表シフト表エクセルテンプレート

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まとめ

大掛かりなシステム導入や専用機器が不要で低コスト、さらに機能も豊富なクラウド勤怠管理システム。多少の知識は必要ですが、PCやスマートフォンに慣れた人なら抵抗なく気軽に対応できます。

有料・無料含めて、数多くのシステムがリリースされているため、抱える課題を解決してくれるシステムがきっとあるはずです。試用期間として無料期間を設定しているものもありますので、導入を検討してみてはいかがでしょう。