人事担当者は、従業員に賞与を支給した際に提出が必須となる「賞与支払届」の訂正と退職者の扱いについておさえておく必要があります。注意点を踏まえて、人事担当者が知っておきたいポイントを紹介します。
賞与支払届とは?
賞与支払届とは雇用している従業員に対して賞与を給付した時に、賞与の支払を行った日より5日以内に事業主が提出しなければならない届け出のことを指します。
「被保険者賞与支払届」と呼ばれ、これを提出することで、「標準賞与額」を確定させます。賞与については、健康保険や厚生年金保険の保険料と同じ割合の保険料を負担しなければなりません。
賞与支払届は、規定の年金事務所、もしくは事務センター宛てに郵送することで届け出が完了となります。都道府県によって郵送先が異なるため、提出の際には注意する必要があります。また郵送や窓口持参だけではなく、電子申請も受け付けています。
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賞与支払届の訂正
賞与金額を誤って届け出てしまった場合には、賞与支払届の修正を行います。賞与金額が修正されるのは、計算を間違えた時だけではなく、基本給に変更があった時なども該当しますので注意が必要です。
過去にさかのぼって訂正を行う必要がありますが、訂正用の書類はないので、「被保険者賞与支払届」を再提出することで訂正となります。
訂正を行う場合は、二重線で以前の賞与支給額を訂正し、正しい賞与支給額を記入します。
注意したいのが、行政区の年金機構や、社会保険事務所によって訂正の方法が異なる点です。
賞与支払届の訂正をする人事担当者は、まず事業所のある地域の年金機構や社会保険事務所に問い合わせを行い、指示に従って届け出を行いましょう。
退職者の扱いについて
賞与を給付した当月にその従業員が退職した場合、社会保険の資格喪失日には要注意です。失効日は「退職日の翌日」になります。よって月末に退職した場合翌月頭に資格喪失になります。
つまり、退職日によって社会保険を徴収する場合と、徴収しない場合があるのです。例えば、賞与を7月6日に支給し、従業員が7月12日に従業員が退職をしたとします。資格を喪失する日付は7月13日なので、7月の社会保険料は徴収しません。
7月31日に退職した場合は、8月1日に資格喪失となるので、賞与から社会保険料を徴収する必要があるのです。
そして、賞与の支払を行って、支給月内に資格喪失をすると、「賞与支払届」を作成しなければならないのも重要なポイントです。
社会保険料を徴収せずとも、賞与を支払った以上「賞与支払届」の提出が必須です。失念しないように注意しましょう。これは、賞与による社会保険料の「上限」の関係です。
健康保険料には累計での上限が定められています。なぜ上限が設けられているかというと、従業員が転職した場合、転職先の保険者が同一であれば1年間の累計に合算されるからです。
必要な手続きがもれないよう、仕組みを理解しておきましょう。