ビジネススキルとは、仕事をしていくうえで身につける必要がある知識や能力の総称です。種類や磨き方などについて解説します。
目次
1.ビジネススキルとは?
ビジネススキルとは、仕事をするうえで必要とされる知識や能力の総称です。ビジネススキルは幅広く、業務の遂行に用いる基本的なスキルから意思決定などに不可欠となる高度なスキルまで含まれます。
また各ビジネススキルは業界や業種、職種を問わず活用できるため、ポータブルスキル(持ち運べるスキル)の一種でもあるのです。そのため多くのビジネススキルを習得しておくと、現在の職場での業務で生かすだけでなく、キャリアアップにも役立ちます。
2.ビジネススキルの種類
ビジネススキルの種類は、アメリカの経済学者であるロバート・カッツ氏が提唱した「カッツ理論」による分類がよく知られています。カッツ理論による「コンセプチュアルスキル」「ヒューマンスキル」「テクニカルスキル」を解説しましょう。
テクニカルスキル
日本語では「専門能力」とも呼ばれ、仕事を的確に行うために必要な知識や技術、熟練度を指します。
一般的には業界や職種に特有の専門知識や技術、情報収集、データ分析、資料作成、マネジメントなどの基本能力が該当するのです。
ロバート・カッツ氏は、管理者が習得すべきビジネススキルのひとつとしてテクニカルスキルを提唱しており、世界的のビジネス界において重要視されました。
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ヒューマンスキル
コミュニケーションの質を向上させて、良好な人間関係を築くために必要となる能力を指します。主な分類は、自分の考えを相手に明確に伝える能力や、相手の立場や意見を引き出して理解する能力です。
ヒューマンスキルが向上すると、自分の意見を効果的に表現できるだけでなく、異なる意見や対立を包括的に理解し、建設的な対話を通じて解決に導く能力が高まります。
ステークホルダーとの信頼関係や協力関係を構築する際に欠かせないため、一般の従業員はもとより管理者や経営層には必須といえるスキルです。
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コンセプチュアルスキル
日本語では概念化能力とも呼ばれ知識や情報を用いて物事を分析し、その本質を見極めるために必要なスキルを指します。課題を根本的に解決する際は、表面上の要因や状況にとらわれず、真の原因をつかむことが重要です。
企業活動では、経験したことのない事態や、予期しない変化や課題への対処を迫られることもあります。そのため組織を運営する経営層などは、総合的に的確な意思決定を行うためにコンセプチュアルスキルが必要なのです。
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3.ビジネススキル一覧
テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルには、複数のスキルが含まれています。それぞれの具体的なスキルを解説しましょう。
テクニカルスキル
テクニカルスキルは、さらに3つのカテゴリにわけられます。
- 汎用スキル
- 専門スキル
- 特化スキル
①汎用スキル
業態や業種に関係なく、どのような仕事でも生かせる一般的な知識や技術です。以下のようなスキルが含まれます。
- 基本のパソコンスキル
- ビジネス文書作成スキル
- データの収集や分析スキル
- 語学力
- 論理的思考能力
- コミュニケーション能力
また真面目さや几帳面さなどの性質や特性も、汎用スキルのひとつです。
②専門スキル
それぞれの業務遂行に必要とされる専門性の高い知識や技術です。たとえば経理担当者は簿記や会計の知識、営業職では自社の商品やサービスに関する知識、プログラマーはプログラミングの知識が欠かせません。
専門スキルは一定の教育や訓練が必要となるため、部署などで専門スキルを持っている従業員が少ないケースも見受けられます。しかしトラブルが発生した場合、専門スキルを持つ従業員が対応しきれず、被害が増大する恐れもあるのです。
このような事態を避けるには教育や研修などを実施し、専門スキルを高める、あるいは新たに習得させて、専門スキルを持つ従業員を増やすとよいでしょう。
③特化スキル
専門スキルを上回る高度な知識や技術です。専門スキルを有する人材は、知識や技術、熟練度などが高い水準に達していることが多く、ほかの従業員では業務を代替できないことも少なくありません。
システムエンジニアであれば特定の言語で高度なシステムを構築できる人、マーケターであればさまざまな解析ツールを自在に使いこなす人などが挙げられるでしょう。
ヒューマンスキル
多くの人と円滑なコミュニケーションを維持し、良好な人間関係を築くために欠かせないスキルや特性が含まれます。
- コミュニケーションスキル
- プレゼンテーションスキル
- 交渉スキル
- ヒアリングスキル
- コーチングスキル
- リーダーシップスキル
- フィードバックスキル
- ファシリテーションスキル
- 向上心
①コミュニケーションスキル
相手との意思疎通を円滑に行うためのスキル全般を指します。表現力や読解力、他者の受容、感情や行動のコントロールなどのスキルが挙げられるでしょう。
仕事を効率的に進めて目標を達成するためには、社内外の人と円滑な関係を構築し、維持していく必要があります。そのためコミュニケーションスキルはすべの従業員に求められるスキルなのです。
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②プレゼンテーションスキル
必要な情報を整理して、的確にわかりやすく相手へ伝えるスキルです。パワーポイントなどを使った一般的なプレゼンテーションができるというだけではありません。図表やグラフ、データなどを活用し、論理的かつ客観的に物事を説明する能力を指します。
企画や商品の説明のみならず、会議などの意見交換の場においても有用なスキルです。
③交渉スキル
合意や調整のための交渉を行うスキルを指し、ネゴシエーションスキルとも呼ばれます。商談はもとより、社内外での合意形成や取引先との調整など幅広い場面で役立つスキルです。
交渉スキルでは自分の主張を伝える発信力も必要な一方、相手のメリットを確保する提案力や、相手の理解と納得を高める説得力なども欠かせません。
④ヒアリングスキル
相手の話だけでなく、立場や背景、価値観なども読み取ったうえで、出てくる意見や考えを正しく理解するスキルです。
相手の言葉を正確に聞き取ることはもちろん、表情や態度などにも本心や隠れたニーズが潜んでいることがあります。ヒアリングスキルは、これらを総合して相手の気持ちや考えなどに寄り添い、相手を深く理解する能力なのです。
⑤コーチングスキル
相手の考えや意見を引き出しながらも、自分自身で答えを見つけるように導くスキルです。なお一方的に相手へ答えや指示を与える場合は「ティーチング」と呼ばれます。
コーチングの目的は、相手の自主性や思考力、判断力などを高めて、個人や組織の潜在的な能力を最大化すること。そのため管理書や人材育成に携わるに従業員には欠かせないスキルのひとつです。
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⑥リーダーシップスキル
責任を持ってチームメンバーをまとめ、目標を達成するスキルです。リーダーには、各メンバーの使命や役割を明確に示し、優先順位を見定めて業務を進めていくことが求められます。
そのためリーダーシップスキルは、目標管理スキルやコミュニケーションスキル、判断力や論理的思考、状況把握力などさまざまなスキルの総称ともいえるのです。
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⑦フィードバックスキル
相手の行動やプロセスに対して、改善につながる具体的かつ建設的な意見を伝えるスキルです。フィードバックは気付きをあたえるきっかけともなるため、コーチングと組み合わせる場合もあります。
フィードバックは、人材育成や業務効率化の促進などを目的として社内で行うほか、外部の取引先や顧客などとのコミュニケーション手法としても有用です。
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⑧ファシリテーションスキル
会議や研修などを円滑に進行させ、対話の目的を達成するように誘導するスキルです。ファシリテーションスキルが高い人は、参加者から積極的な意見を引き出して議論を発展させ、最終的によりよい形の合意形成に向けた働きかけができます。
単純に対話を進行させるだけでなく、適宜話し合いの内容を簡潔にまとめて整理したり、場の雰囲気をコントロールしたりする役割も担うのです。
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⑨向上心
現状に満足せず自ら目標を設定し、その達成のために努力や成長を続けるスキルです。向上心が高い人は仕事に対しても積極的かつ前向きに取り組む傾向にあります。このような姿勢は周囲にも影響し、チームのモチベーションが向上することも少なくありません。
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コンセプチュアルスキル
物事の本質を見極めて重要な判断を下すスキルで、組織全体にかかわる意思決定を行う経営層などにはとくに必要だとされます。
- ロジカルシンキング
- クリティカルシンキング
- ラテラルシンキング
- 多面的視野
- 受容性
- 柔軟性
- 知的好奇心
- 探究心
- チャレンジ精神
- 俯瞰力
①ロジカルシンキング
複雑に入り組んだ事象を整理してシンプルに考えるスキルです。物事の本質をつかみやすくなるため、相手にわかりやすい形でアウトプットできます。そのため問題解決、提案、教育などさまざまなシーンで必要とされるスキルです。
ロジカルシンキング(論理的思考)とは? 鍛える方法を簡単に
論理的思考と訳されるロジカルシンキング。物事を体系立てて整理するための思考法として、多くの企業から注目を集めているのです。
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具体的手法
フレー...
②クリティカルシンキング
物事の真偽を見極めるために、あえて疑いを持って考えるスキルで、日本語では批判的思考と訳されます。単に批判して誤りを見つけるのではなく、既存の常識や慣習などが本当に正しいのかと疑い、物事を深く掘り下げて考えるのが特徴です。
クリティカルシンキングで画期的なアイデアを創出できたり、問題の本質を見抜けたりすることも多いため、コンセプチュアルスキルにおいても重視されます。
クリティカルシンキング/批判的思考とは?【鍛え方・具体例】
クリティカルシンキングを直訳すると「批判的思考」。この批判的思考をビジネスの世界でポジティブに活用すると、直訳とは違った側面が発見できるのです。
ここでは、
ビジネス界におけるクリティカルシンキング...
③ラテラルシンキング
常識や既存の枠にとらわれず物事を多面的にとらえ、斬新なアイデアを生み出すスキルです。日本語では水平思考とも呼ばれます。
クリティカルシンキングとの違いは、物事の前提条件を排除し、常識や慣習などを気にせずに思考を広げていく点です。直感的な発想が生まれやすくなるため、早期に結論へたどり着ける、あるいは革新的なアイデアが想像できるといったメリットがあります。
ラテラルシンキング(水平思考)とは?【鍛え方】例題
問題解決のための思考法の中に、ラテラルシンキングがあります。ラテラルシンキングとは、直感的で斬新な発想を生み出す思考法のこと。
今、注目を集めているラテラルシンキングについて、
ラテラルシンキングと...
④多面的視野
別の目線で物事を考察するスキルです。たとえば経営者は物事を判断する際、組織を運営する事業者の視点だけでなく、顧客や取引先からの視点、現場の従業員からの視点なども考慮する必要があります。
異なる立場からの考察が、重要な課題の発見や新事業のアイデア創出などにつながる可能性もあるのです。
⑤受容性
未知の状況や現象をスムーズに受け入れて、自らの行動に反映していくスキルです。物事を深く理解するためには、まず受け入れることが重要でしょう。新しい環境や技術、意見などを受け入れて活用する方向で考えると、ビジネスの幅が広がることもあります。
⑥柔軟性
予期しない問題に対して速やかに対処するスキルで、臨機応変とも言い換えられます。柔軟性の高い人は受容性も高い傾向にあり、突発的なトラブルや急激な社会の変化といった大きな変化も受け入れ、そのうえで慌てずに対応できます。
ルールや自身の価値観などにとらわれないため、その場で最適な意思決定が可能です。
⑦知的好奇心
未知のことに強い興味を持って情報収集を行い、積極的に取り入れる、あるいは取り組む能力です。知的好奇心によって他分野に渡る幅広い知識が培われると、市場やニーズの把握に役立つでしょう。新たな企画や事業開拓の契機にもなりえます。
⑨探究心
表面上の情報で満足せずに仮説と検証を繰り替えしながら思考し、納得するまで物事を掘り下げるスキルです。そのため問題の本質を見極める際にも役立ちます。
探求心が高い人は興味を持って物事を深く掘り下げていくため、多くの知識や技術、ノウハウなどが蓄積されていき、プロフェッショナル人材に育つことも少なくありません。
⑩チャレンジ精神
未経験の分野や仕事に対して、失敗を恐れずに諦めずに立ち向かうスキルです。チャレンジ精神旺盛な人は、高い壁であっても工夫して果敢に挑み、失敗しても再び挑戦します。
そのような姿勢は周囲に勇気や意欲を与えるため、部下やチームを率いる人材において必須ともいえるスキルです。また未知の分野への適応力や柔軟性も高く、新しい状況に対応していけます。
⑪俯瞰力
細部にとらわれず、物事の全体像を正確に把握するスキルです。高い位置から眺めて物事の全容をとらえられるため、各事業や各部署などの関係性、市場における自社のポジションなども、自分や他者の意見に左右されることなく分析できます。
俯瞰力が高まると、新たな課題やアプローチ方法、優先すべき事業や業務などの発見につながるでしょう。
4.ビジネススキルの磨き方
さまざまなビジネススキルがありますが、まずは自身の業務や役割に関連するスキルを磨くとよいでしょう。ここではビジネススキルの向上に役立つ3つの方法を解説します。
- 実務をとおして先輩や上司から学ぶ
- 研修やセミナーで学ぶ
- ビジネス書籍で学ぶ
①実務をとおして先輩や上司から学ぶ
実務と関連のあるビジネススキルであれば、上司や先輩から学ぶことも可能です。ただし漠然と教えを乞うのではなく、自分が修得したいスキルを上司や先輩へ説明し、意識していることや考え方、トレーニング方法などを聞き出しましょう。
上司や先輩からのフィードバックも積極的に受け入れると、ビジネススキルの習得や向上が早まります。
②研修やセミナーで学ぶ
実務での習得や向上が難しいビジネススキルは、研修やセミナーで学ぶ方法があります。
たとえば企業や大学などが開催するセミナーや、外部の専門家を招いた社内研修など。研修やセミナーはオンラインでの実施も可能なため、効率よくビジネススキルを磨けます。
まずは自分が修得したいビジネススキルに合う研修やセミナーの情報を収集してみましょう。
③ビジネス書籍で学ぶ
ビジネススキルをより高めたい場合は、ビジネススキルを解説している書籍を活用するのも有効です。研修やセミナーは開催日時に制限があり、内容も限定されているものの、書籍であれば自分の好きなタイミングで望む範囲の知識を習得できます。
電子書籍やオーディオブックであればスマホで閲覧できるため、本を何冊も持ち運ぶ手間も不要です。
5.転職や起業など将来に役立つビジネススキル
ビジネススキルを習得すると知識や能力が向上し、仕事の幅が広がるだけでなく、将来のキャリアアップや転職にも役立ちます。習得すると転職や起業などに役立つビジネススキルを解説します。
- 21世紀型スキル
- ITスキル
- 語学力スキル
- セルフマネジメントスキル
- マーケティングスキル
- 発想力
- データを活用した意思決定スキル
①21世紀型スキル
国際団体「ATC21s」が提唱したビジネススキルで、変化の激しい時代に適応しながらキャリアアップしていくためのスキル全般を指します。21世紀型スキルに含まれるのは次の4つです。
- 思考の方法:創造力や問題解決力など
- 仕事の方法:コミュニケーション能力やチームワークなど
- 仕事のツール:情報リテラシーなど
- 社会生活:キャリア設計や個人と社会における責任など
グローバル化や情報化社会など急速な変化に対応するために、現代のビジネスにおいて21世紀型スキルが重視されています。
21世紀型スキルとは?【わかりやすく解説】文部科学省
21世紀型スキルとは、ダイバーシティが叫ばれる現代で生きていくために必要とされるスキルのことで、次代を担う人材には欠かせません。
ここでは、
21世紀型スキルとは?
ATC21s
社会人基礎力
教育...
②ITスキル
プログラミングやWebデザインなどのITスキルは、不可欠なビジネススキルのひとつです。IT業界以外の企業においても自社システムを運用していたり、Webサイトを制作したりすることがあるため、とくにプログラミングスキルは重視されます。
採用の際にプログラミングの経験を問われて有利に働く可能性がありますので、早期にプログラミングやWebデザインなどのスキルを習得しておくと、就職や転職の際に選択肢が広がるでしょう。
③語学力スキル
企業のグローバル化が進行しているため、語学力も需要が高まっているスキルです。楽天やファーストリテイリングなど、社内の公用語を英語にしている大手企業も多数見られます。
今後も語学力スキルの重要性は高まることが予測されており、昇進や採用の条件として新たに語学力が設定される可能性もあるのです。また英語力はもとより、中国語や韓国語なども習得すると、活躍の幅がより広がるでしょう。
④セルフマネジメントスキル
目標達成や成長のために自分自身の行動、感情、考え方などを管理するスキルで、自己管理能力とも呼ばれます。主な要素は次のとおりです。
- セルフケア(メンタルヘルスケア):自分の心を安定した状態に保つ力
- レジリエンス:ストレスに対抗し、立ち直る力
- アンガーマネジメント:怒りをコントロールする力
- キャリアデザイン:なりたい理想の姿に向かってキャリアを構築し、実現していく力
⑤マーケティングスキル
自社の商品やサービスを販売するためのスキル全般を指し、市場調査、企画、データ分析などの業務を遂行できるスキルが含まれます。
具体的なスキルは、デジタルマーケティングの知識、判断力、コミュニケーションスキル、マネジメントスキルなどです。いずれも競争激化する市場で成功していくために不可欠なスキルであり、ビジネスパーソン全般に役立つスキルといえます。
⑥発想力
これまでにない新しいアイデアを生み出すスキルです。似た語に創造力がありますが、こちらは思いついたアイデアを形にするスキルを指します。
発想力が高い人は固定観念にとらわれずに柔軟に物事を考えられるため、膠着してしまった問題を解決することも少なくありません。また独自のアイデアで他者と差別化が可能となり、競争優位性も高まります。
⑦データを活用した意思決定スキル
企業活動ではさまざまなデータをもとに戦略を立てていくため、データを活用した意思決定スキルが求められます。
データ分析ツールを使って必要なデータを収集してそれらを見やすい形に整えて分析し、そこから読み取れる傾向などをふまえて、適切な意思決定を行うのです。経営層のみならず、一般の従業員が業務効率や売上などの改善策を考える際にも役立ちます。