医療機関独自の評価項目も柔軟に設定可能! 評価業務を効率化する
人事評価システム「カオナビ」は、病院の導入実績多数!
⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード
多くの企業が導入する人事考課制度を病院が実施する際、どのような点に気を付けたらよいのでしょう。人必要な基準や見直す際のポイントなどについて解説します。
目次
病院の導入効果や事例のご紹介も可能です! 病院の人事評価効率化なら、人事評価システム「カオナビ」です!⇒ 無料PDFダウンロードはこちらから
1.病院でも導入されている人事考課制度とは?
人事考課制度とは、従業員の勤務実態を公平に評価して、評価結果を「昇格」「昇進」「昇給」「賞与」など人事に反映させるものです。九州の病院を対象に2000年度に行われた調査では、多くの病院が導入しているという報告がありました。
70%以上の病院が導入している
病院における「人事考課制度導入に関する実態調査」(産労総合研究所/2014年調査実施)によると、人事考課制度を導入している病院は70%以上です。
対象は公立・公的・私的病院で、設立主体別では導入割合に差はありませんでした。しかし200~300床の病床規模を見ると、導入割合は他の規模に比べて低いと分かったのです。
離職率の減少につながっている
看護師不足に悩む病院が人事考課制度を導入した結果、看護師の離職率が半減したという事例があります。
この病院では、積極的に業務に取り組むと賞与や昇給額が上がる一方、育児や介護などで一時的に休業しても一定水準の待遇は保障されるという人事考課制度に取り組みました。こうした公平な人事考課が、モチベーションアップにつながったのです。
一方で不満も明らかに
人事考課制度の導入で多くのメリットがある一方、「考課者の主観が入っている」「評価の基準が分からない」「給与に反映されていない」といった不満の声もあります。
病院は、売上や利益など数値で成果を評価しづらいため、多くの職員が納得できる人事考課制度を作成するのは難しいのです。
部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?
・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる
効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから
【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】
評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!
●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能
2.病院における人事考課の基準には何が必要か?
病院の人事考課制度の基準に必要なものは、公正な人事考課システムの導入と整備です。一体どのようなものでしょうか。
- 評価制度
- 等級・役職制度
- 賃金制度
①評価制度
病院の評価制度に必要なのは、マイナス面を指摘して評価を下げていく「減点主義」ではなく、プラス面を見つけて人材育成していく「加点主義」を目指すこと。そのために、下記のような事柄を取り入れます。
- 病院が求める職員像を明確にする
- 職務基準を策定し、考え方を職員に浸透させる
- 個々の能力や職責に応じた業務を策定する
行動の評価
行動の評価の具体的な項目は、以下のとおりです。
- 規律…就業規則・上司の指示・職場での申し合わせ事項などの遵守
- 責任…自分に期待され求められている業務を全力でやり遂げるという態度や行動
- 協調…目標を達成させるため、自ら進んで上司・部下・後輩とともに協力し合い、チームプレイに取り組む態度や行動
- 積極…チャレンジしようとする姿勢
役割の評価
役割の評価におけるポイントは、病院側が職員に期待する役割を理解し、実行できているかという点で、具体的な項目は以下のとおりです。
- 仕事の量…指示された仕事の達成率、時間や期限など
- 仕事の質…指示された仕事の完成率、仕事内容の充実度・正確性・信頼性・効率性
- 指導…後輩や部下の技能や知識の向上、動機付け、意識向上の成果の度合いなど
能力の評価
能力の評価のポイントは、個人の能力に応じた目標が達成できたかという点で、具体的な項目は以下のとおりです。
- 知識と技能…病院から期待し求められる知識や技術の充足度
- 判断力…状況に応じた適切な対応力
- 企画力…目標を達成させるために、方法や手段を立案し展開できる能力
- 指導力…後輩や部下の技能や知識を向上させる
②等級・役職制度
職員のランクを表す等級や役職は、人事制度構築の基本です。
等級は能力・役割・職務などのレベルを表したもので、職位によって分ける方法や、「この工程ができるのでレベル2、●●の資格を持っているのでレベル4」といった、技能による序列分けなどさまざまな方法があります。
病院は同じ職種であっても、求められる技能や知識が異なるため等級を採用します。
③賃金制度
賃金制度を採用すると、優秀な人材の離職を防ぐだけでなくモチベーションアップにもつながります。病院はほかの医療機関での勤務経験があり、さまざまな経歴や資格などを有した職員が在籍しているもの。
それらを考慮しながら、優秀な職員と努力した職員などとのバランスを取って、それぞれに十分に還元できる仕組みを導入するのです。
職員
賃金制度の給与テーブル設計パターンには、積み上げ方式とメソッド給方式があります。
- 積み上げ方式:評価結果に応じて積み上げながら昇給していく仕組みで、最もオーソドックスな形。マイナスは想定していないため、給料は上がり続ける
- メソッド給方式:上位号俸ほど昇給額が下がる仕組みで、人件費の上昇を抑えられる
医師
医師の給与は、一般的に公立病院では年功序列を採用する場合が多いようです。管理職となると時間外手当が付かなくなり、年収が下がる場合も。市立病院の医師の給与は、1年単位で給与総額に合意して毎年更改していく年俸制度の採用が多いとされています。
年俸制の場合、ボーナスは年俸とは別で支給するパターンと、年俸の中に含まれているパターンがあります。
評価制度の運用に限界を感じたら、無理せずシステム導入を検討しましょう。
カオナビなら無料相談や無料のトライアルで安心して導入検討できます。まずは詳細な資料をダウンロード⇒ こちらから(無料)
3.病院の人事考課を見直すときのポイントとは?
病院の人事考課制度を見直す際は、下記のような事柄について自社の現状を確認します。
- 人事考課の目的がブレていないか
- 経営戦略をもとに考課基準を見直す
- きちんと運用できる人事考課になっているか
- 自院に適した人事考課制度か
- 十分に評価できるクオリティか
- 就業規則を変更する必要はあるか
- 情報を共有・可視化できているか
①人事考課の目的がブレていないか
「人材の育成」「離職の防止」「職員をきちんと評価する」など、自社の課題に合った人事考課制度の目的になっているか、本来の目的からブレがないかを確認します。
外部の情報にとらわれすぎて、「インターネットで得た情報」「実績のある有名な病院」と同じにしようと安直に考えず、自社の目的をしっかり設定します。
②経営戦略をもとに考課基準を見直す
「管理者を増やしたい」「働き方を改善したい」など、病院の戦略を明確に決めていきます。その上で人事考課基準をしっかりと打ち出すと、正しい人事考課を行えるのです。
病院が目指す方向性と人事考課が合っていなければ、病院も職員個人の成長とかけ離れた人事考課になってしまいます。
③きちんと運用できる人事考課になっているか
人事考課制度は、制度を運用する管理職だけが理解するのではなく、院長や副院長にも知ってもらうために理解促進と啓発活動が必要です。そこで下記のような事柄を実施します。
- 人事考課制度の基礎学習
- 面接のロールプレイング
- ケーススタディによる演習
医師の専門性とは関係ありませんが、病院全体で取り組まなければ継続につながりません。
④自院に適した人事考課制度か
標準的な人事考課制度を導入したものの、実際に運用してみると人事考課の基準や昇格基準が病院の規模に合わないため、うまく機能していないというケースもあるでしょう。その場合は、目指すべき病院組織に近付けながら人事考課制度を組み換えます。
たとえば、「職員のモチベーションの多様化に適合するもの」「キャリア選択を可能にする仕組みづくり」などです。
⑤十分に評価できるクオリティか
日々多忙を極める病院業務の中で、効率よく人事考課を進めることは考課者にとって重要な課題でしょう。しかしいくら効率よく実施しても、評価のクオリティを下げてしまっては本末転倒です。
考課面談が「はい・いいえ」の二者択一ではなく、部下が具体的に回答できるような質問を投げ掛けるなど、質の高い人事考課を短時間で行う方法になるよう見直します。
⑥就業規則を変更する必要はあるか
人事考課制度の見直しでは、就業規則の見直しも必要な場合があります。法律の改正や、病院を取り巻く時代や環境の変化を踏まえ、就業規則を必要に応じて変更するのです。
- 従業員の就業時間
- 休日数などの変更
- 雇用形態の変更
- 時短や変形労働制
- リモートワークなど勤務形態の変更
などが挙げられます。就業規則の変更を怠ると、病院と職員間のトラブル発生の原因にもなるので気を付けましょう。
⑦情報を共有・可視化できているか
人事考課制度は、職員の考課だけでなく結果を個別にフィードバックすることも大切です。評価の経緯や今後の課題、改善点を明確に伝えられれば、職員も納得して受け入れるでしょう。
フィードバックは職員の人材育成に役立ち、また上司と部下との信頼関係も深まります。病院運営に関わる情報を対象者にフィードバックすると、情報が共有・可視化されるのです。
人材情報の可視化なら、タレントマネジメント機能を持つ人事評価システムの導入が効果的です。
カオナビならあらゆる情報を一元化し、データベースを構築。評価やフィードバックに必要な情報の見える化や検索をグッと効率化します⇒ 具体的な効果がわかる資料はこちらから(無料)
4.病院の人事考課表にはどのような項目が必要か?
人事考課とは、職員の普段の業務や能力、病院への貢献度などを査定することで、結果は給与や役職などに反映されます。人事考課表とは人事考課に使われる表で、半年または1年に1回配布され、上司だけでなく本人も記入します。
病院の人事考課表に必要な項目について、見ていきましょう。
- 業績評価
- 能力評価
- 情意評価
①業績評価
業績評価は、「病院全体・科目別・職員個人の業績」を対象として考課するものです。項目の目標には、「科目ごとに設定する目標」「職員個人に設定する目標」があります。たとえば、入院数・外来数・手術数・検査数などです。
数字で表せる成果もあれば、結果を残すためにどのような行動をしてどのように改善したのか、そのプロセスを評価する場合もあります。
業務評価における項目例
業績考課の項目には、以下のとおりです。
- 仕事の質…業務の正確さ・困難度
- 仕事の量…出来高・処理速度・効率などの結果
- 重点目標…目標の達成度
- 連携…上司への相談・報告・連絡ができたか
- 指導・育成成果…部下の指導、部下が成長できたか
- 業務達成…正確さ・できばえ・困難度
- 改善工夫…出来高・処理速度・効率などの結果
②能力評価
看護師の評価能力は、以下4項目で行われます。
- 臨床…担当する患者の情報収集や看護計画、患者の看護問題の明確化、ケアや補助の実践など
- 教育…自己研鑽、教育プログラムや、業務体験を同僚と共有できる、など
- 研究…研究に関心を持ち、発表会へ積極的に参加する
- 管理…業務管理・物品管理・人的管理・危機管理
③情意評価
情意評価は、職員の業務態度や行動を査定します。評価項目は「規律性」「責任制」「協調性」「積極性」の4つで、具体的な内容は以下のとおりです。
- 規律性…勤務態度が職務規律に沿っている
- 責任性…最後まで責任を持って業務を行う
- 協調性…メンバー同士で協力し合い業務に取り組む
- 積極性…積極的に業務を行い、技術や知識習得に積極的に取り組む
MBO、OKR、コンピテンシー評価、360度評価のすべてに対応。人事評価を効率化するなら、人事評価システム「カオナビ」です!⇒ 詳細な資料のダウンロードはこちらから(無料)
5.病院の人事考課におけるコメント例について
病院の人事考課におけるコメントは、人事考課の公平性や客観性を裏付ける必要不可欠なものです。評価者は、職員から不平不満が出ないよう慎重にコメントする必要があります。また、評価される職員は、コメントにより自身をアピールできます。
被評価者(看護師)が書く際のポイント
人事考課で看護師がコメントを記入する際は、個人目標や今後の課題などを書きます。目標を立てるときのポイントは、「半年ぐらいの期間で達成できる今現在の自分の段階にあった目標にする」こと。
自分の段階が分からないときは、クリニカルラダー(看護能力を高めるシステム)を活用して確認しましょう。自分の足りない技術や知識が明確になり、目標設定がしやすくなります。
コメント例
看護師にかんするよいコメント例を紹介しましょう。
「常に元気にあいさつをし、看護を行うことを心掛けている。困っている患者さんの話をよく聞き取り、問題の解決を手助けして介助のスキル向上に努めている。勉強会や研修には毎回参加し、自己研鑽につなげられている。●月までに、勉強した疾患についてレポートをまとめる。先輩や同僚に認めてもらえるよう努力を続ける」
被評価者(新人看護師)が書く際のポイント
人事考課で新人看護師がコメントを記入する際、個人目標を明確に書きます。新人看護師は基礎をしっかりと身に付けたうえで、患者さんのケアや病態生理、そして計画立案といったように、ステップアップしていくのです。
個人目標はその段階に合わせて具体的に立てるとよいでしょう。ただし「●●をがんばる」「●●に気を付ける」といったコメントは目標達成できたのか判断できませんので、控えます。
コメント例
新人看護師にかんするよいコメント例を紹介しましょう。
「まずは基礎を定着させなければならないので、毎日15分前には出勤し、前日に学んだことを思い出して当日の目標を明確にする。また教わったことは業務が終わった後に確認し、分からないことはその日のうちに質問して疑問を解消する。●月までの具体的な目標として、注射や呼吸器の管理をひとりでできるようにする」
評価者(上司)のコメント例
評価者(上司)のコメント例を紹介しましょう。
「日常業務はひとつひとつ丁寧・迅速・正確に行っているため評価できる。緊急時の対応についても冷静かつ周囲に適切な指示を出して無事に解決できた。患者や同僚に対して積極的にコミュニケーションを取り、しっかり話を聞く姿は好感が持てる。今後もよりよい対応ができるように業務を行って欲しい」
コメントを書くときのコツ
コメントを書くときは、「SMART」を意識すると明確で相手に伝わりやすい文章になります。「SMART」とは下記のそれぞれの頭文字を取ったものです。
- Specific…具体的である
- Measurable…測定可能である
- Achievable…達成可能である
- Relevant…関連性があり妥当な内容である
- Time…期日が明確である
自己チェックの作成も有効
「看護師としてどのような行動をしてほしいのか」を理解するためには、行動チェックシートなどの作成が有効です。シートをもとに毎日自己チェックするとよいでしょう。チェック項目の例は、下記のとおりです。
- 相手の目を見て真意を聞くようにしている
- 相手の立場や気持ちを理解して対応している
- 自分がされて嬉しいことを相手にしている
【人事評価運用にかかる時間を90%削減!】
評価シートの作成、配布、集約、管理を全てシステム化。
OKR、MBO、360度評価などテンプレートも用意!
●作成:ドラッグ&ドロップ評価シートを手軽に作れる
●配布:システム上で配るので、配布ミスや漏れをなくせる
●集約:評価の提出、差戻はワンクリック。進捗も一覧でわかる
●管理:過去の結果も社員ごとにデータ化し、パッと検索できる
カオナビで人事評価を【システム化】することで、評価の“質”や“納得度”を上げるような時間の使い方ができます