「CLO」とは、法務に関する業務の最高責任者のことで、弁護士資格を有している人材を登用することが多い職種です。人事が押さえておきたい、CLO(最高法務責任者)の仕事内容や、法律顧問費用などを紹介します。
「CLO」とは?
「CLO」とは、「Chief Legal Officer」の頭文字をとった略称で、日本では「最高法務責任者」とも呼ばれます。法務に関する業務の最高責任者で、外資系の企業では「GC(ゼネラル・カウンセル)」と呼ばれることもあります。
弁護士資格を有している人材がCLOに就任することが多く、CEO直轄の役員として経営の中核を担っているケースが多くあります。
企業によっては、「Chief Learning Officer」を略して「CLO」とし、「最高人材育成責任者」のことを指す場合もあるので注意が必要です。
最高法務責任者(ゼネラル・カウンセル)の仕事内容
CLOは法務に関する業務全てに対して責任を負う立場です。リスクの指摘だけをして解決策を導き出さない法務から脱却し、解決策とそれに伴うリスクを明確に示すことが大切な仕事のひとつです。
企業の成長に寄与するためには、リスクをコントロールし、適切なマネジメントを行うのが必要不可欠といえます。CLOが最適な道を示し、最善の解決策を選ぶことが求められているのです。
CLOは法律の専門家としてだけではなく、強いリーダーシップと、グローバルな戦略の立案が求められることが多くあります。
そのため、複数の国や地域の弁護士資格を所持している人材や、グローバルなフィールドで活躍する人材も珍しくありません。
▼知っておきたい企業法務の仕事内容
CLOの下で働く企業法務を担当する顧問弁護士は、実務的な仕事を行います。例えば、契約書の作成や法律相談、法令や判例の調査などです。
法律顧問費用
一般的に法律顧問費用は常勤・非常勤、そして勤務時間や役職などによって変わります。
顧問弁護士として月極の定額で基本契約を交わし、基本契約外の業務に応じて金額が増えるケースや、提携を行い必要な業務が発生した時にのみ業務を依頼するケースもあります。
特に中小企業の場合、多額の顧問弁護士費用を支払える余裕はなく、法律顧問を常駐で抱えているケースは珍しいといえます。
最高法務責任者を置くける大きな企業の場合、その報酬は高額になるケースも多く、1,000万円近い報酬で働くCLOもいます。
コンプライアンスの流れの中で、CLOや法律顧問のニーズは高まりを見せており、社内教育や従業員のトラブル、そして顧客とのトラブルなど、法務が活躍する場面は非常に多くあります。
働き方や価値観も多様化しており、対顧客やクライアントだけではなく、従業員に対する法的なフォローアップと訴訟リスクの軽減は、企業にとっても人事にとっても重要な課題のひとつです。