コモディティとは?【意味を簡単に】コモディティ化、投資

コモディティとは、商品や日用品など生活の役に立つもののことです。ここではコモディティ化が起こる原因や対策、投資の分野におけるコモディティの意味などについて解説します。

1.コモディティ(Commodity)とは?

コモディティ(Commodity)とは、「商品」や「日用品」などさまざまな商品のこと。

投資用語で、「コモディティ投資」という言葉があります。商品取引所で取引される商品は商品先物取引を意味し、主に原油や天然ガスなどの資源エネルギー、トウモロコシや大豆などの農産物類、金やプラチナなどの貴金属類を指すのです。

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2.コモディティ化とは?

特定の分野における商品やサービスの品質が拮抗し、強豪との差別化が図れなくなった状のこと。現在、あらゆる業界でコモディティ化が起きているといわれているのです。

差別化戦略としての高付加価値は、コモディティ化が起こると薄れてしまいます。すると消費者が商品を選択する基準は「付加価値」ではなく「市場価格」や「量」になってしまうため、結果的に企業は低価格競争を余儀なくされるのです。

コモディティ化の例

コモディティ化の例としてイメージしやすいのが、コーヒーや家電、牛丼や回転寿司など。それまでコーヒーといえば喫茶店やカフェで飲むもの、あるいは缶コーヒーなどが主流でした。

しかしさまざまなコンビニがクオリティの高いオリジナルコーヒーを提供するようになったのです。顧客ては、喫茶店やカフェに長時間滞在しなくてもおいしいコーヒーが飲めるようになったのです。

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3.コモディティ化が起きる原因

すべての商品やサービスはいずれコモディティ化するといわれています。その原因は市場の成熟です。

ある程度成長した市場では、素材やノウハウが手に入りやすくなっています。独自性のある商品やサービスを開発しても、すぐに類似の商品やサービスが販売され、オリジナル商品があっという間にわからなくなってしまうのです。

機能やサービスが同じならば、顧客は当然価格の安いほうを選ぶでしょう。このように、コモディティ化は消費者にとって喜ばしい反面、企業にさまざまなデメリットを与えます。

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4.コモディティ化のデメリット

コモディティ化によるデメリットは何でしょうか。それぞれについて解説します。

  1. 企業間争いの激化
  2. 営業提案が困難
  3. スキルのコモディティ化
  4. 企業利益の縮小

①企業間争いの激化

市場のコモディティ化が進むと、各企業が提供する商品に大きな違いがなくなっていきます。機能やサービスに差がなければ、当然顧客は価格を基準に選ぶでしょう。

自社製品を選んでもらうためにも、企業は価格競争に走らざるをえないのです。結果的にデフレを引き起こすため、コモディティ化は企業だけでなく市場の成長速度を下げる原因にもなりかねません。

②営業提案が困難

コモディティ化が起きていなければ、各社の商品は差別化されているため自社のオリジナリティを訴求できます。しかしコモディティ化が起こると商品やサービスの価値は均質化されるため、「自社のオリジナル」として営業するのが難しくなるのです。

コモディティ化が起きた場合、価格以外の部分で自社のオリジナリティを訴求する、高い営業提供力が必要となります。

③スキルのコモディティ化

コモディティ化は商品やサービスだけでなく、人のスキルや経験にまでおよんでいます。原因はインターネット環境の普及により、ノウハウや学習チャンスを取得する機会は格段に増えたことです。

かつて一部の社員しか持ち得なかった知識や経験が、インターネットを介して誰でも取得できるようになったため、希少人材が埋もれていく時代になっています。

④企業利益の縮小

先に触れた企業間争いが激化し、商品の低価格化が進めば、企業の利益は徐々に下がっていきます。価格を下げるのは、自社のオリジナリティや製品の優位さがなくなったなかで、他社との差異を図るためにもっともかんたんな方法だからです。

低価格化が進めば進むほど、企業は利益確保が困難になります。これは特に中小企業にとって非常に深刻な問題でしょう。

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5.コモディティ化の対策

コモディティ化が起こったとき、どのような対策を講じればよいのでしょう。具体的な方法は次の5つです。

  1. 切り口の変更
  2. 営業アプローチでの差別化
  3. ブランドの確立
  4. 主観的な体験の販売
  5. 薄利多売への切り替え

①切り口の変更

機能や価格以外の切り口を探ることです。新たな機能を開発したり、既存商品をアップデートしたりしても、いずれは競合に模倣され再びコモディティ化します。そこで「よい商品とは何か」の切り口から商品の在り方を考え直すのです。

販路や宣伝方法、コンセプトや見せかたなど機能や価格以外の切り口から見直せば、競合には模倣できない自社の強みが見えてくるかもしれません。

②営業アプローチでの差別化

市場が画一化されても、顧客の立場に立った提案と営業アプローチで競合他社との差別化を図れます。顧客自身も気付いていない潜在的な課題を見つけ、解決できる商品を提示できれば、コモディティ化を防ぎ、他社に大きく差をつけられるのです。

従来のマーケティングや顧客へのヒアリングだけでは、差別化を図れません。徹底して顧客目線に立つことが必要です。

③ブランドの確立

自社のコンセプトやブランドを確立できれば、コモディティ化は起こりにくくなるでしょう。高額の商品やサービスであっても、顧客はブランドに対する信頼で対価を支払います。

商品の機能や性能を購入する以上に「この企業の商品なら間違いない」という信頼を購入するのです。自社のブランドが確立できれば、価格競争に巻き込まれず、収益性を高められるでしょう。

④主観的な体験の販売

コモディティ化を防ぐためには客観的な機能だけでなく主観的な体験を販売する方法も有効です。顧客は必ずしも商品の機能やサービスの価格だけを見て購入、利用するわけではありません。

販売員の丁寧な接客に対して、顧客が「あなたから商品を買いたい、あなたのサービスを受けたい」と思えば、それは他者に真似できない高い付加価値となるのです。

⑤薄利多売への切り替え

より多くの商品を売って利益を上げる「薄利多売」に方針を切り替えてコモディティ化を回避する方法もあります。百円均一ショップの「ダイソー」は、まさに薄利多売に切り替えたことで成功した事例です。

商品すべてに突出した機能や高いクオリティがあるわけではありません。しかし「こんなものまで百円で買えるのか」と圧倒的な品揃えで差別化を図りました。

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6.コモディティ投資とは?

金やプラチナなどの貴金属、トウモロコシや大豆などの農産物、ガソリンや原油などのエネルギーに投資すること。これらはいずれも日常に密着したものが多く、価格の変動を把握しやすいのが特徴です。

コモディティ投資は商品ごとの需要と供給で値動きします。そのため株価が下がったからといって、必ずしもコモディティの価格が下がるわけではありません。

近年では、商品や商品先物の市場で運用される商品ファンドのほか、投資信託と利用方法の選択肢が増えています。

コロナ禍で注目されるコモディティ投資

コモディティ投資の注目度はコロナ禍で高まったといわれています。その理由は「コロナワクチンの開発による景気回復期待にともなった投資家のコモディティ購入」および「世界的な財政出動とゼロ金利政策」の2つです。

コロナ禍により主要各国でロックダウンが相次ぎ、原油の需要が減少。コモディティの価格は大きくダウンしました。この機に割安価格でコモディティ購入を目論んだ投資家による買いが増加したのです。

またコロナ禍の事業者支援として多くの国がゼロ金利政策を取りました。金利が低くなり、債券投資の魅力が薄れた分、コモディティに投資する投資家が増えたのです。

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7.コモディティ投資のメリット

コモディティ投資には「分散投資によるリスク削減」と「インフレに強い」というふたつのメリットがあります。

分散投資

株式投資をしている人にとって、コモディティ投資は分散投資となります。コモディティ商品の価格変動はさまざまな要因に影響を受けているため、株式や債券と値動きが異なります。

「安全資産」と呼ばれる金を例に見てみましょう。金は基軸通貨であるドルが不安定になると人気が高まり、値上がりする傾向にあります。株と逆相関性があるといわれているのです。そこで株式だけでなく金にも投資すれば、リスクを分散できるのです。

インフレに強い

インフレ、つまり物価上昇に強い点もコモディティ投資のメリット。コモディティ投資では実物が資産になります。そのためインフレによって物価が上昇すれば、それにともなってコモディティも値上がりする可能性があるのです。

またコモディティ市場で金や原油などの人気が上昇していれば、実物の金や原油の価値が上昇する可能性もあります。コモディティを保有しておくことがインフレ対策だと考えている投資家もいるほどです。

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8.コモディティ投資のデメリット

コモディティ投資にはさまざまなメリットがある一方、為替リスクや価格変動などのデメリットも存在します。

為替リスク

コモディティ投資では外国資産に投資する商品が多いため、おもに外貨建てで決済されます。どうしても相場変動により外貨建て資産の価値が変動する「為替リスク」が生じてしまうのです。

これを避けるために「円建てのコモディティ投資を選択する」、「為替ヘッジあり(一定の為替レートで通貨交換する)の商品を選択するなど対策を取る場合もあります。しかし為替ヘッジには一定のコストがかかるため、それを加味した戦略が必要です。

価格変動

コモディティ投資では商品ごとに価格の変動要因が異なります。そのため価格変動が読みにくいのです。

たとえばエネルギー資源や工業用金属は世界情勢で価格が変動します。農産物は突然の災害や疫病で生産性が大きく損なわれるかもしれません。

とりわけ原油は中東の混乱に影響され供給の不確実性が高まり、価格に大きな影響を与えます。これらの発生を事前に予測するのは困難です。しかしこれをあえてリスク分散効果と考える投資家も存在します。

インカムアゲインがない

コモディティは現物資産のため、それ自体が利益を生み出すわけではありません。保有しているだけでは株式投資にとっての配当金や、不動産投資にとっての家賃収入のようなインカムゲインは発生しないのです。

つまりコモディティ投資で期待できる収益はキャピタルゲイン(売買差益による利益)のみ。資産の値上がりによる利益を狙って投資を行わなければなりません。

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9.コモディティ投資の始め方

コモディティ投資は単価が高いため、投資できる人が限られていました。しかし近年、投資信託やETFなどの方法が広がり、非常に身近なものになっています。コモディティ投資のはじめかたは以下の2つです。

  1. 現物を買う
  2. 投資信託やETFを買う

金といったコモディティを現物で保有するのも可能です。しかし盗難や損失を防ぐために投資信託やETFを買う方法もあります。それぞれ課税の仕組みが異なるため、あらかじめ十分に検討しましょう。