コンセンサスとは?【意味をかんたんに】言い換え方、得るコツ

コンセンサスとは、「同意」や「合意」、「総意」などを意味する言葉です。言い換えやビジネスシーンでの使い方などを解説します。

1.コンセンサスとは?

コンセンサス(Consensus)とは、「合意」を表す英語です。日本のビジネスシーンでは、主にチーム内や組織間など複数からの同意や合意を指し、シーンによっては共通理解などの意味で使われます

また医療や株式投資、政治、研修など一部の場では、特定の意味を持つ場合もあるため、使われる状況に応じて判断する必要があるのです。

コンセンサスはどう言い換える?

コンセンサスは、次のような言葉に言い換えられます。

  • 意見の一致
  • 合意
  • 同意
  • 総意

また合意形成のプロセスに近いニュアンスを持つ語として、「共通認識」や「共通理解」、「意識の共有」なども挙げられるでしょう。さらに合意形成のための準備という意味が強い場合は「根回し」という言葉でも代用できます。

なおコンセンサスと混同しやすいのが「アグリーメント」です。アグリーメントは個別の賛同を示す語で、複数の合意を意味するコンセンサスとは区別して使われます。

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2.コンセンサスを取るの意味と使い方

ビジネスシーンで「コンセンサスを取る」と表現した場合には、事前了解の意味が含まれます。意味と例文を解説しましょう。

主な意味は「認識」や「意識」

この場合のコンセンサスは、「認識の一致」や「共通の理解」を指します。つまり事柄について「相手が正しく認識したか」の確認をとるという意味になるのです。さらに平たく言うと「意見を聞きまわる」や「納得を得る」などとなります。

そのため、全員が同じ方向を向いて行動を進めるためまず意見を集め、理解を深めるという合意形成のプロセスを指す語ともいえるのです。

コンセンサスを取るを使った例文

「コンセンサスを取る」と表現する場合には、特定の範囲における共通認識を得るために行う活動を指します。たとえば次のような例文が挙げられるでしょう。

  • 新規プロジェクトについて、チーム内のコンセンサスを取る
  • 会議先までに関係者のコンセンサスを取る
  • 先に課長のコンセンサスを取っておく

話を通したり、再確認したりして、スムーズに進められるようにしておくという「事前交渉」「事前了解」「根回し」といった意味で使われます。

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3.コンセンサスを得るの意味と使い方

「コンセンサスを得る」という表現は、「コンセンサスを取る」と表現した場合に比べて、合意の意味が強くなります。

主な意味は「同意」や「合意」

「コンセンサスを得る」という表現は、複数のチームやメンバー、会社間において、関係者全員から同意や合意、総意を得ることを指します。

この場合のコンセンサスは、合意形成が完了した状態を示す言葉であり、「コンセンサスを取る」のような認識の共有といった意味は含めません。

またコンセンサスは複数の対象の合意として使用する言葉ですので、個人に対して使用する場合にはコンセンサスと言わずに同意や合意という表現にするのが適切です。

コンセンサスを得るを使った例文

コンセンサスを得るという表現は、対象者全員の「総意としての同意」を得る際に用います。たとえば以下のような例文が挙げられるでしょう。

  • チームのコンセンサスを得た
  • 会議でコンセンサスを得た

上記の例文では、チームメンバー全員や会議の出席者全員から同意を得たことを意味します。また「住人のコンセンサスを得る」という場合には世論形成を示し、対象者が幅広く限定されていないコンセンサスを得たことを指すのです。

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4.ビジネスシーンでの「コンセンサス」の使い方

ビジネスシーンで「コンセンサス」という用語が使われる際は、シーンによってニュアンスが微妙に変わるため注意が必要です。主に「コンセンサスを取る」と「コンセンサスを得る」の2とおりとなるため、それぞれを正しく使いわけましょう。

複数人の関係者から合意や同意を得る意味の場合

チームメンバーや相手方の組織の同意を得られているか否かを表す際に用いられます。使い方の一例は次のとおりです。

  • A社の関係部署からもコンセンサスを得ています
  • チームメンバーのコンセンサスが得られました

この場合のコンセンサスはあくまで同意や合意を意味しており、コンセンサスを得たのちは次のステップや実際のアクションへ移行することになります。

事前の根回しや交渉を行うという意味の場合

相手への根回しや事前交渉をして了承を得ておくという意味でも使用されます。使い方の一例は次のとおりです

  • 事前に関係機関のコンセンサスを取ってください
  • コンセンサスを取っていなかったため会議が紛糾した

日本のビジネス環境では、直接的なディスカッションや議論を苦手と感じる傾向にあります。そこで会議や討議がスムーズに進むように、コンセンサスを取って各々の視点や意見を理解し、最終的な合意に向けて準備を進めるのです。

全会一致の意味で使われる場合

ひとりでも合意しない人がいると承認されない会議を「コンセンサス方式」といいます。全員が納得して進めることを重要視する場合に用いられる手法で、この場合のコンセンサスは「全会一致で結論を出す」という意味です。

「総意」という意味が強く、会議のメンバー全員が納得するまで議論を続けなければならないため、結論に至るまでに膨大な時間がかかってしまう場合もあります。コンセンサス方式を取り入れる場合は、事前の情報共有や丁寧な進行などがとくに必要です。

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5.コンセンサスを得るコツ

異なる意見もあるなかで、コンセンスを得るためには工夫が必要です。コンセンサスを得るコツについて解説します。

  1. 批判を恐れずアイデアを提示
  2. 率直な意見を交換
  3. 解決方法を検討

①批判を恐れずアイデアを提示

コンセンサスを得るためには批判を恐れずに具体的なアイデアを提示し、多くの人に意見を聞くことが大切です。

全員の同意を得るためには、より具体的で論理的な提案をしなければなりません。抽象的なまま提示して同意を得たとしても、動き出したら「思っていた内容と違っていた」と思われてしまう場合があるからです。

このとき「コンセンサスを得るプロセスは素案をブラッシュアップしていく過程」だと受け止めると、アイデア創出に対するモチベーションを高く保てるでしょう。

②率直な意見を交換

合意した結果に不満を残さないためには、意見を伝えることが大切です。有無を言わせず決定されたり、空気を読んで賛成したりすると、相手の納得感が下がってしまいます。

コンセンサスを得るための会議では、意見を出しやすい雰囲気づくりや手法を取り入れ、それぞれの考えを尊重しつつ納得できるポイントを探っていくことが大切です。

③解決方法を検討

批判的な意見が見られた場合、このような意見を放置せず、集約して整理することが大切です。意見を分類して、改善できるポイントは反映し、反映できなかった意見はその理由を明確にしておきます。

また上記の解決方法を、コンセンサスを得るべきメンバーへフィードバックすると、より相手の納得感を高められるでしょう。

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6.ビジネスシーン以外で使われる「コンセンサス」

「コンセンサス」という表現は、ビジネスシーン以外にも多く用いられます。ここでは医療や金融などの専門分野で使用されるときの意味を説明しましょう。

コンセンサスゲーム

複数人でチームを作り、与えられた課題についてディスカッションを行って、チーム意見をまとめ上げるゲームのこと。コミュニケーション力とチーム統率力の習得に役立つとして、企業研修などでも体験的に取り入れられているのです。

有名なコンセンサスゲームに「NASAゲーム」が挙げられます。惑星に不時着したロケットから母船へ向かって徒歩で移動する宇宙飛行士となり、持ち出せる15個の物品について重要度の高さを決めるというゲームです。

市場コンセンサス

多くのアナリストが集まって企業の業績予想を行い、それぞれが独自の調査と分析にもとづいて立てた予想の平均を取ったもののこと。具体的には証券会社や証券アナリストによる利益や配当、レーティングなどの予想の平均値で、株取引や証券取引で使われます。

この平均値を出す作業は「コンセンサス予想」や「コンセンサス調査」と呼ばれます。起業自身が公表する業績予想は、低く見積もっている場合も多いため、下複数のアナリストによる市場コンセンサスが有用な参考指標となります。

コンセンサスアルゴリズム

暗号資産の基盤である「ブロックチェーン」という技術において、取引データを格納するブロックを追加する際、合意形成を行うアルゴリズム(計算方法や手順)のこと。「合意形成」とも呼ばれます。

ブロックチェーンでは、取引データが格納されたブロックがチェーンの最後尾につなげられると、暗号資産の取引が確定します。このブロックの生成作業において、データの真正性をチェックするためのアルゴリズムです。

なお暗号資産ごとに、使われているコンセンサスアルゴリズムは異なります。

医学的コンセンサス

医療の場面で用いられる語で、日々新しい知見が得られている医学的情報から専門家が議論し、その時点でもっとも妥当だと合意するプロセス、あるいは合意形成されて公表した内容を指します。

そのため医学的コンセンサスは、診断方法、治療方針、診療ガイドラインの作成など、医学のあらゆる領域で重要な役割を果たしているのです。

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7.コンセンサスと混同しやすい言葉

「オーソライズ」と「アグリーメント」は、コンセンサスと間違えやすい言葉です。それぞれの意味を解説します。

オーソライズ(Authorize)

「正式に認める」「公認する」などを意味する語です。コンセンサスがある一定の範囲での合意であるに比べて、オーソライズは会社間や業界に限らず、社会的に認められた状態や権限を持つ人を指します。

たとえば「オーソライズドジェネリック」は、先発医薬品メーカーから許可を得たジェネリック医薬品のことです。

アグリーメント(Agreement)

「同意」「賛同」などの意味の英語です。ビジネスシーンでは、個別に同意や賛同を得ることを指します。アグリーメントは個人の同意を意味するため、複数人の合意形成であるコンセンサスとは使うシーンが異なります。

また、アグリーメントという際には賛同の意図が重要になるものの、コンセンサスなら賛同までいかずとも意見が一致している場合に使えます。