コア業務とは?【ノンコア業務との定義の違い】業務純利益

コア業務とは、企業が行っている中心的業務のこと。ここではコア業務の定義、コア業務純益の計算方法、ノンコア業務との違いなどについて解説します。

1.コア業務とは?

コア業務とは、企業における中心的業務のことで、英語では「Core Business」と呼びます。どの業務がコア業務に該当するかは企業によって異なります。

コア業務の定義

公的な定義はないものの、一般的に「企業にとって利益や売上に直結する業務」とされています。コア業務は企業の存続に欠かせない業務で、コア業務に分類される業務は専門性や難易度が高い傾向にあるのです。

コア業務を言い換えると?

上述の定義にもとづくと、コア業務は「主業務」と言い換えられます。なお「基幹業務」は生産や販売、会計や人事、労務など企業経営に欠かせない業務のことです。

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2.コア業務とノンコア業務の違い

「ノンコア業務」はコア業務と対象にある用語です。ここではノンコア業務の定義やふたつの違いについて説明します。

ノンコア業務の定義

ノンコア業務とは、企業にとっての利益や売上に直結しない業務のこと。「サブ業務」と呼ばれる場合もあります。どの業務がノンコア業務にあたるのかは、コア業務と同様に各企業で異なるのです。

一般的には社内業務を円滑に行うための業務をノンコア業務と定義しています。たとえば一般事務や経理、総務や秘書など、間接部門におけるバックオフィス業務などです。

ノンコア業務の特徴

ノンコア業務における大きな特徴のひとつが、業務の難易度が低い点。売上や利益を直接生まないため、高度な判断をしなくても業務を遂行できるからです。定型業務も多い傾向にあり、新入社員でもマニュアルにしたがって業務を進められるでしょう。

またノンコア業務は、時期によって業務内容や仕事量が変化しやすいのも特徴です。たとえば経理の仕事は、事業年度の決算に向けて12月から3月に仕事量が大きく増加する傾向にあります。

コア業務とノンコア業務の違いは「利益へ直結するかどうか」

コア業務とノンコア業務の大きな違いは、それが利益に直結するか否か。そのためコア業務は事業成長を促進する業務、ノンコア業務はそれを支援するための業務とも定義できます。

労働生産性および売上や利益を向上するには、コア業務への注力が欠かせません。すべての業務をコア業務とノンコア業務にわけ、社員がコア業務へかけられる時間を増やす必要があります。

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3.コア業務とノンコア業務の具体例

コア業務へ注力するには、まず自社の業務をコア業務とノンコア業務に切りわける必要があります。ここでは部門ごとのコア業務・ノンコア業務の具体例を見ていきましょう。

コア業務の具体例

売上や利益を生み出すコア業務は、専門的な知識や技術にもとづいた判断力が求められる業務といえるでしょう。ここでは「営業部」「人事部」「経理部」におけるコア業務の具体例について説明します。

営業部のコア業務

売上を作る営業部は直接部門であり、多数のコア業務が存在。顧客とのコミュニケーションは基本、コア業務に該当します。

具体的には商談や契約およびそのための訪問、メールや電話による問い合わせ対応、顧客へのヒアリングなど。営業部で行われているこれらの業務は「顧客折衝業務」とも呼ばれ、これに該当する業務のほとんどはコア業務に分類されます。

人事部のコア業務

人事部は間接部門であるものの売上や利益を生む「人材」の確保に関する業務がコア業務にあたります。

たとえば採用関連であれば採用計画の立案や採用基準の設定、選考フローの設計など、経営者や人事部の判断や意思決定が必要となる業務です。

人材育成関連であれば、研修の企画と実施やキャリアパスの整備、ジョブローテーションの実施などが挙げられるでしょう。評価制度の運用や整備に係る業務も人材育成に含まれます。

経理部のコア業務

経理部もまた間接部門です。しかし経理が管理する情報は、売上や利益拡大などにつながります。経営層が経営や事業の戦略を決定するにあたって欠かせない情報だからです。

具体的には業績や予算の管理、決算処理など。また投資を行っている企業ではその戦略策定もコア業務にあたるでしょう。この点から近年、経理のコア業務に人的リソースを割くため、定型業務の標準化に着手する企業も増えています。

ノンコア業務の具体例

直接部門と間接部門のいずれにおいても、ノンコア業務が存在します。ここでも「営業部」「人事部」「経理部」で見られるノンコア業務の具体例を解説しましょう。

営業部のノンコア業務

顧客とのコミュニケーションをともなわない業務が該当します。たとえば見積書や発注書、会議議事録などの書類作成、市場調査や顧客リストの作成、日程の調整など。テレアポも、アポが取れた段階では直接売上につながらないため、ノンコア業務に含まれます。

営業部で行われている業務は利益に直結するか否かがわかりやすく、コア業務とノンコア業務の振りわけがしやすいでしょう。

人事部のノンコア業務

勤怠管理や給与計算、年末調整など。また採用でも面接官の育成や面接日程の調整、エントリーの受付など、判断や意思決定が必要とされない業務はノンコア業務に該当します。

これらの業務は高度な専門知識を必要としないうえに継続して発生するため、マニュアルやルールの整備と共有で効率化を実現できるのです。

経理部のノンコア業務

請求書の作成や発送、伝票の起票や現金出納管理、経費精算など。しかしこれらは都度あるいは毎月発生するため、ノンコア業務へ時間を取られすぎるとコア業務を遂行できなくなります。

経理部のノンコア業務もさほど専門知識を要するものではないため、効率化にはマニュアルやルールの作成と共有が有効です。

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4.コア業務に対するノンコア業務の影響

利益や売り上げとの関連性において明確な違いがあるため、コア業務とノンコア業務、両者のあいだで生じる影響についても考慮しなければなりません。ノンコア業務に注力しすぎてしまうと、コア業務の生産性や効率性も低下しやすくなるため注意が必要です。

ノンコア業務への適切なリソースがどの程度であるかを見極め、過不足の発生を防ぎましょう。そしてコア業務へより多くのリソースを割きます。

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5.コア業務に集中するためのポイント

人的リソースには限界があるため、いかにコア業務へ集中させるかを考える必要があります。ここではコア業務に集中するためのポイントを5つ解説しましょう。

  1. 業務棚卸の実行
  2. コア業務の選定
  3. マニュアルの作成
  4. ノンコア業務をアウトソーシング
  5. システムの導入

①業務棚卸の実行

業務の棚卸とは、各部門で行っている業務を洗い出し、各業務のプロセスおよび必要性や重要度を見極めること。定期的に見極め作業を行うと、不要あるいは重要性の低い業務を発見でき、その業務へ割いていたリソースをコア業務へ集中させられます。

また業務の棚卸で各業務内容の進捗や状況などを確認するので、業務効率を把握しやすくなり、業務改善にも役立つのです。

②コア業務の選定

選定時のポイントは一般的な定義だけでなく自社にとっての重要性を加味しながらコア業務とノンコア業務にわけること。たとえば自社のスキルやノウハウを高められる業務は、将来的に売上や利益を生む可能性があるため、コア業務だといえます。

また複数のコア業務がある場合、それらに優先順位をつけ、それぞれにどの程度のリソースを分配するのか、検討するのもポイントです。

③マニュアルの作成

マニュアルを作成すると、コア業務の担当者が集中できるようになります。専門性の高いコア業務は、手順の複雑化や業務の属人化が起こりやすく、担当者によって品質に差が生じる恐れもあるからです。

業務内容や手順だけでなく、目的やほかの業務との関連性なども詳細に記載されたマニュアルを作成すれば、担当者もコア業務を深く理解できるため、スムーズに進むでしょう。

また多くのコア業務は継続して行われます。マニュアルを作成しておけば、担当者間あるいは後継者と情報の共有や引き継ぎもしやすくなるのです。

④ノンコア業務をアウトソーシング

ノンコア業務をアウトソーシングすれば、社内の人的リソースをコア業務へ回せます。専門的な知識や技術を必要としないノンコア業務を、自社社員が行う必要はありません。

たとえば人事部で生じる勤怠管理や給与計算、年末調整などのノンコア業務は、必要なデータさえそろっていれば外部へ委託可能です。とくに日次や週次、月次で生じる業務や、社員全員にかかわる業務は多くの手間と時間を要するでしょう。

ノンコア業務のアウトソーシングには、以下に挙げる3タイプがあります。利用前にそれぞれの違いを知っておくと安心でしょう。

PUSH OUT型

特定のノンコア業務を外部企業などへ委託する、もっとも典型的なノンコア業務のアウトソーシング手法です。ノンコア業務を完全に自社から切り離せるため、そのノンコア業務に費やしていた人件費や時間などのコストを削減できます。

ADD ON型

ノンコア業務を外部企業へ委託するだけでなく、その外部企業が提供する専門的なサポートを受けられるタイプです。ノンコア業務の機能や効率などの向上や納期短縮などによる品質の向上が期待できます。

BUYIN型

すでにノンコア業務をアウトソーシングしている外部企業が提供するサービスを、新たに追加して利用する手法です。たとえばノンコア業務の委託を依頼するにあたって、運用体制の強化や再構築などを依頼するケースが該当します。

⑤システムの導入

ノンコア業務のように一定の手順で進められる業務は、システムの導入でもリソースの節約が可能です。業務システムで作業を簡素化できるため、社内でノンコア業務を行ったとしても時間と手間を大きく削減できます。

たとえばデータの収集や集計、分析などを自動化でき、クラウドで共有できるシステムやITツールを導入すれば、Excelを使った手作業やメールでの送付といった作業をなくせるのです。

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6.コア業務純益とその計算方法

銀行で使われる指標のひとつで、一般の企業における「営業利益」に該当するものです。そのため銀行のような金融機関では、「本業における成果」を示す指標としてコア業務純益の金額を重視しています。

また多くの銀行では、中間期や年度末の決算報告書などで、コア業務純益額および数年間の推移を公開しているのです。

コア業務純益の計算方法

コア業務純益の計算方法は以下のとおりです。

「コア業務純益」=「業務純益」+「一般貸倒引当金繰入額」-「国債等債券関係損益」

用語それぞれの意味は以下のとおりです。

  • 業務純益:銀行業務で出た利益
  • 一般貸倒引当金繰入額:回収不能などの理由で将来的に見込まれている損失
  • 国債等債券関係損益:国債や地方債、社債などで生じた損益