営業は、自社の製品やサービスを販売する仕事です。ここでは、営業の仕事内容や営業に向いている人の特徴などについて詳しく解説します。
目次
1.営業の仕事内容とは?
営業の仕事内容とは、顧客に対して自社の商品・サービスや情報の購入を促し、売買契約を取り付ける仕事のこと。職務は、「購買意欲の低い顧客に購買意欲を沸かせる」「購買行動に結び付ける」などです。
営業とは? 目的、営業職の種類と仕事内容、必要スキルを簡単に
営業は、さまざまな業種に存在する職種です。しかし、そもそも営業とは何をするのでしょう。営業の意味、種類や取り組みなどを詳しく解説します。
1.営業とは?
営業とは、企業などが利益を得ることを目的とし...
営業の仕事内容は4つに分かれる
4つに分かれる営業の仕事内容について、解説しましょう。
- 営業活動
- 直接訪問
- 電話営業
- 見積もりやプレゼンテーション
①営業活動
営業活動とは、「自社の商品・サービス、情報を顧客に知ってもらう」「商品・サービスだけでなく、顧客に自分自身も知ってもらう」「売買契約の締結を目的として、顧客と信頼関係を構築する」こと。
商品・サービスのセールスはもちろんですが、いかに顧客との信頼関係を構築できるかが営業活動のカギになります。
②直接訪問
直接訪問とは、営業が顧客の職場などの営業先に出向いたり、出向いた先で自社のサービスや商品の営業活動を行ったりすること。
直接訪問には、「アポイントなしで新規顧客に訪問」「見込み顧客にアポイントを取って訪問」「既存顧客への定期訪問」など、いくつかのパターンがあります。
③電話営業
電話営業とは、電話をかけて自社の商品・サービスをセールスすること。電話をかける方法には、「営業職自らが顧客や見込み顧客に電話をかける」「コールセンターを活用して専属社員がリストをもとに電話営業を行うアウトバウンド」の2つがあります。
④見積もりやプレゼンテーション
- 見積もり:金額や数量などを前もって概算する
- プレゼンテーション:情報を提示して聞き手の理解や納得を得るための情報伝達手段
見積もりやプレゼンテーションは、大きなプロジェクトや単価の高い製品といった営業活動に用いられます。
見積もり提示の注意点
見積もりを提示する際の注意点は、見積もりの根拠となる情報を準備し、顧客に見積もりを明確に提示すること。見積もりには、金額や数量、期間やスケジュールなどが記載されています。
それら項目の根拠となるデータを手元に確保しておき、誤解を生じさせないため、顧客に情報を明確に伝えることが重要です。
プレゼンテーションの注意点
プレゼンテーションでは、顧客第一主義という点に注意します。プレゼンテーションとは、自社の商品・サービスの購入によって、顧客がいかに利益を得られるかを伝える手法です。
そのためプレゼンテーションは自社の商品・サービスの押し売りではなく、顧客を第一に考えたものでなければなりません。
商品の受発注
営業の主な仕事内容は、営業活動や直接訪問、電話営業、見積もりやプレゼンテーションですが、ほかにも商品の受発注といった細かな仕事などがあります。
- 営業活動により契約を受注する
- 受注した商品を発注する
- 納品までのスケジュールの調整
などの業務も行うのです。
納期・数量の確認
営業が担う細かな仕事内容には、納期や数量の確認も含まれます。納期の遅れや数量違いといったミスは顧客との信頼喪失につながるため避けたいもの。
営業は、顧客が売買契約にもとづいて商品・サービスを手にするまでの間、トラブルをできる限り無くすために、納期や数量の確認を繰り返し行います。
納品・集金・アフターフォロー
納品・集金・アフターフォローを、営業が担うケースも多いです。売買契約にもとづいた商品・サービスの納品、売買契約に基づいた集金、納品後のアフターフォローは、顧客との信頼関係の深化につながります。
営業が積極的に、納品・集金・アフターフォローに関わることが、次のセールスにつながるのです。
満足度調査
満足度調査とは、顧客がサービスや商品を購入した際に得られた満足度を、アンケートに答えてもらって調べること。目的は、自社の商品・サービスの売上向上です。
満足度調査は、
- アフターフォローの一環で行われる
- 顧客にアンケートの回答を直接依頼する
が多くなっているため、営業の仕事のひとつに位置付けられています。
2.業界によって仕事内容が異なる
営業といっても、各業界で果たすべき仕事内容は異なります。ここでは、業界別に営業が果たす仕事内容を見ていきましょう。
- IT業界
- 広告業界
- 人材系
- メーカー系
- 海外営業
①IT業界
IT業界における営業が果たす仕事内容は、「システム開発」「ソフトウェアの導入・運用・保守」「Webを活用したマーケティング」「Webサイトやコンテンツ制作」など。
特徴は、IT関係の専門的知識を求められたり、プログラマーなどIT技術者とのコンタクトも多く、交渉力が求められたりする点です。
②広告業界
広告業界における営業が果たす仕事内容は、関係各所へのヒアリングやスケジュール調整
、コスト管理といったもので、BtoBといった法人の顧客対応になります。
基本的なビジネスマナー、問題解決や推進能力を発揮して担当者と信頼関係を構築できれば、BtoBならではの大きな契約・利益につながるでしょう。
③人材系
人材系企業における営業が果たす仕事内容は、オフィスへの人材派遣やイベントスタッフの手配、スタッフのフォローや新規顧客開拓です。
人材系の営業は、「人材や人材が保有するスキルなど無形の商品を取り扱う」「飛び込みや架電などの新規開拓がメイン」となるため、高いコミュニケーション能力を求められます。
④メーカー系
メーカー系企業における営業が果たす仕事内容は、商品の販売やアフターフォローなどで、BtoBといった法人の顧客対応になります。
自社製品に対する知識や人間関係を構築する交渉力、海外に販路を見出す場合は語学力などが必要です。
⑤海外営業
海外営業における営業が果たす仕事内容は、海外の企業や販売代理店との取引、契約締結、現地の情報収集などです。
海外営業には、顧客企業との現地取引や商社や販売代理店経由での取引があります。つまり異文化との交流を進めていく必要性があるため、一定の語学力やフレキシブルな対応力が求められるのです。
3.営業に求められるもの
業界ごとに営業が果たす仕事内容は異なりますが、営業に求められる本質に変わりはありません。ここでは、営業に求められるもの3点について解説します。
- 目標の達成
- 新規顧客の開拓
- 既存顧客との信頼関係構築
①目標の達成
営業には、数値化できる個人やプロジェクト全体、チームの目標が設定されており、営業は目標を達成できるよう、仕事を進めます。目標の多くは経営計画にもとづいており、達成は企業経営を左右する重大な任務となっているのです。
②新規顧客の開拓
営業の仕事は、自社の市場を広げるという目的を持ちます。そのためには、既存顧客だけでなく、新規に顧客を開拓して市場規模自体を拡大する必要があるのです。新規顧客の開拓方法には、飛び込み営業やテレアポ、関係者からの紹介などがあります。
③既存顧客との信頼関係構築
一度、売買契約を結んだ顧客を既存顧客と位置付け、より深い人間関係を構築したり、再び売買契約を結べるように努めたりすることも求められます。
既存顧客との信頼関係を築いておけば、新たな顧客を紹介してくれたりさらなる売り上げが期待できたりするからです。
4.営業に必要なスキル
営業に必要なスキル4つについて、解説しましょう。
- 好印象を与えるための表情や姿勢
- 基本的なビジネスマナー
- 分かりやすく伝える
- 相手に気持ちよく話をさせる
①好印象を与えるための表情や姿勢
人と対する営業には、「人当たりのよさ」「相手に不快感を与えない」「柔軟な対応」が不可欠です。人に対する柔和な対応は、信頼関係を生み出すもの。「老若男女問わず誰とでも気さくに話せる」といった人は、営業に向いています。
②基本的なビジネスマナー
名刺の授受や電話応対、挨拶の仕方やメールの書き方などのビジネスマナーは営業に必須ですが、BtoBではより厳格なビジネスマナーが要求されるもの。ビジネスマナーは、「社会人として最低限知っておくべき事項」「相手に対する礼儀」と考えられるからです。
③分かりやすく伝える
「自らが伝えるべき内容を正しく理解している」「相手に合わせて言葉や適切な話し方を選ぶ」2つをもって、初めて分かりやすく伝えられるもの。「専門用語の多用」「社内でしか通用しない言葉を使用」などは避けましょう。
④相手に気持ちよく話をさせる
営業というと、自社の商品・サービスを売り込むイメージがあるでしょう。しかし商品・サービスを売り込むには、顧客が何を求めているかの把握が必要です。顧客のニーズを知るためには、顧客に気持ちよく話をさせる力は不可欠でしょう。
5.営業の仕事に活かせる経験
営業の仕事に活かせる経験2つについて、解説します。
- 接客経験
- プレゼンテーション経験
①接客経験
接客経験とは、情報を伝えたり商品・サービスを販売ならびに提供したりしながら、ホスピタリティを発揮して、顧客をもてなすこと。ホスピタリティがあれば、場を円滑に進めながら相手との関係を良好にできます。
②プレゼンテーション経験
プレゼンテーション経験とは、相手の理解や納得を得るための情報を伝達する経験のこと。プレゼンテーションを実施するには、情報収集力や思考力、分析力が不可欠です。このような経験があれば、営業におけるクロージングを効果的に行えるでしょう。
6.営業に向いている人
営業に向いている人には、どんな特徴があるのでしょうか。ここでは、営業に向いていると考えられる人の特徴を6タイプから解説します。
- 顧客と同じ目線で話ができる
- コミュニケーションスキルが高い
- スケジュール管理ができる
- じっくりと粘り強く取り組める
- 記憶力が良い
- マメ
①顧客と同じ目線で話ができる
自社の商品・サービスを売り込む際、顧客との信頼関係を構築する必要があります。なぜなら、顧客の目線に立って顧客が抱える問題を把握しなくてはならないからです。よって顧客と同じ目線で話ができる人は、営業に向いていると考えられます。
②コミュニケーションスキルが高い
営業は、人と接する仕事です。人と会話のキャッチボールをうまくできる、すなわちコミュニケーションスキルが高い人は交渉をうまく進められます。
③スケジュール管理ができる
目標を達成するには、目標から逆算してやるべき仕事を明確にする必要があります。そのためには予定を立て、実行できるスケジュール管理が不可欠です。
④じっくりと粘り強く取り組める
法人営業の場合、初回の商談で契約できる状況は少ないといえます。案件が大きいほど契約までの道のりは長くなりますから、粘り強く顧客と向き合う力が必要です。
⑤記憶力がよい
顧客の開拓や掘り下げは、営業の重要な仕事です。接した顧客の顔・名前・話の内容・好みを記憶できれば、次回会った際、話を進めながら信頼関係を構築できるでしょう。
⑥マメ
顧客に対してこまめに連絡を入れれば、接点が増えるだけでなく、フォローもスムーズに進みます。顧客と良い関係を構築するには、マメである点も高いポイントになるのです。