【業界別】営業職に役に立つ/必要な資格とは?

営業に必要な資格は、業界によってさまざまです。業界別に役立つ資格とは何か、詳しく解説します。

1.営業に必要な資格とは?

営業とは、顧客にサービス・商品・情報などの購入を勧め、売買契約を成立させる仕事のこと。営業に役立つ資格は、下記の2つです。

  1. 営業としての力量を証明するための資格
  2. 営業としてのステップアップを図るための資格

営業に資格は必須ではない

営業に国家資格は必要ありません。医師や弁護士など国家資格を保有していなければならない職種もありますが、営業は特に資格がなくても仕事に取り掛かれます。しかし保持しておくと仕事がしやすくなる資格も、いくつかあるのです。

営業において資格は武器

特に必要な資格がなくてもできる営業ですが、資格を取ると下記のようなメリットを得られます。

  • 自分をアピールできる
  • 顧客と深い知識をもとに話が進められる
  • 顧客から信頼が得られる
  • 営業成績を向上させるためのテクニックを身に付けられる

資格は、営業という職種だけでなく職業人としての自分の価値も高めてくれるでしょう。

営業に特段、資格はいりません。しかし資格を取れば、スキルの向上や顧客との信頼関係の構築などが可能になります

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2.営業に役立つ資格とは?

営業に役立つ資格の中でも、代表的な資格が営業士です。営業士とは、情報を活用したマーケティングやセールスに関するスペシャリストのことで、いくつかの級が設けられています。ここでは、それぞれの級の特徴などについて詳しく解説します。

営業士

営業士は、日本営業士会による営業士検定に合格すると取得できます。営業士を取得すれば、営業に必要と考えられているマーケティングや営業技術、生産や商品開発に関する知識やスキルを持っていると証明できるのです。

営業士には、下記3ランクがあります。

  1. 初級
  2. 上級
  3. マスター

①営業士初級

営業士初級は営業担当者を対象としたもので、取得すると、営業に関する全般的な基礎知識や必要なスキル、基本的な方向性を理解していると証明できるのです。営業士初級は、「営業についての理解を深めたい」「仕事に知識を役立てたい」人が広く受験できます。

②営業士上級

営業士上級は、中堅幹部クラスを対象としたもので、取得すると、企画型営業や営業企画、マーケティングやマネジメントといった分野の応用知識を持っていると証明できるのです。

営業士初級と異なり、マネジメントや企画などの知識を学べるため、営業管理業務や営業指導に当たる立場の人材が取得しています。

③営業士マスター

営業士マスターは、幹部クラスを対象としたもので、取得すると、経営に関する高度かつ専門的な知識や営業事業評価などの実践知識、営業戦略の立案・実行やコーディネート手法などの分野に特化していると証明できます。

合格のための勉強を通じて、経営や評価、コーディネート手法などを体系的に学べるのです。

営業士の資格取得方法

営業士の資格試験は、各級につき毎年6月・11月の年2回実施され、受験料は8,640円となっています。営業士初級に受験資格は設けられていませんが、「営業士上級は営業士初級合格者」「営業士マスターは営業士上級合格者」が受験資格になっているのです。

営業士は、営業に必要な知識や技術を保持していると証明できる資格です。営業士には、「初級」「上級」「マスター」の3つがあります

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3.業界別の実力を上げる資格とは?

業界別に営業の実力を向上する資格があります。ここでは2つの資格について解説しましょう。

  1. 販売促進からコンサルティングまで幅広い知識を身に付けられるセールスレップ
  2. 販売員としての知識を身に付けられる販売士

①セールスレップ

セールスレップとは、日本セールスレップ協会(JSRA)が行う営業のプロとしての能力を認定する試験制度のことで、取得すると、企画・提案や問題解決、販売促進やマーケティング、コンサルティングといった実践的な知識とスキルを習得できるのです。

セールスレップには、3級・2級・1級という3つの階級があります。

セールスレップ3級

セールスレップ3級とは、「営業や販売活動に関するマーケティングの基礎知識」「メーカーや販売先に対する提案活動に必要な販売・販促の基礎知識」を取得していると示す資格のこと。

セールスレップ3級は、営業や販売に関する基礎知識・基礎技術が身に付いているという証明になります。

セールスレップ2級

セールスレップ2級とは、「企画型営業の応用知識」「企画提案型営業の応用知識」「財務の知識」「企画運営管理の知識」「関連法規に関する知識」を取得していると示す資格のこと。

セールスレップ2級は、「販売業務に関する専門的知識の保持」「管理業務の遂行」「部下の指導」などができるという証明になります。

セールスレップマイスター

セールスレップ1級とは、「経営の実践的知識」「企業評価の実践知識」「営業の応用知識」「販売活動におけるマーケティングの応用知識」を取得していると示す資格のこと。

セールスレップ1級は、販売業務についての高度な専門的知識の保持や販売戦略の立案、総合的な管理業務ができるという証明になります。

セールスレップの資格取得方法

セールスレップの資格試験は、各級につき毎年6月・11月の年2回実施され、受験料は8,640円です。

セールスレップ3級には受験資格は設けられていませんが、「セールスレップ2級はセールスレップ3級合格者」「セールスレップ1級はセールスレップ2級合格者」となっています。

②販売士

販売士とは、学習を通して「販売促進や商品企画などの流通、小売の知識や技能」「財務予測などの経営管理」などを身に付けたと証明する資格で、日本商工会議所が行う認定資格試験です。

販売士はマーケティングといった側面が強くなっており、3級・2級・1級の3つがあります。

販売士3級

販売士3級とは、「マーケティングの基本的な考え方」「流通、小売業で必要な基礎知識や技能」の理解だけでなく、接客や売場づくりなど販売担当者として身に付けておくべき知識や技術の取得を目指したものです。

販売士は、卸売りや製造業などがBtoC対策として取得を推進するケースもあります。

販売士2級

販売士2級とは、「マーケティングやマーチャンダイジングなど流通、小売業での高度な専門知識」「販売促進の企画や実行」「店舗、売場の包括的なマネジメント」に特化した人材を目指した資格です。

販売士2級は、売り場の管理者を対象としているため、幹部や管理職に昇進する際のハードルに設定している企業もあります。

販売士1級

販売士1級とは、「経営に関する高度な知識」「商品計画」「マーケティング」「経営計画の立案」「財務予測といった経営管理」などについて、適切な判断ができる人材を目指した資格です。

販売士1級は、店長や経営層を対象としており、マーケティングの責任者やコンサルタントなど戦略的に企業経営に関わる人材向けの資格となっています。

販売士の資格取得方法

販売士の資格試験は下記のとおりで、

  • 1級は年1回2月
  • 2級、3級は2月と7月の年2回

受験料は、

  • 1級は7,710円
  • 2級は5,660円
  • 3級は4,120円

となっています。受験資格は、すべての級に関して特段設けられていません。

営業の力を上げるための業界別の資格として、「セールスレップ(3級、2級、1級)」「販売士(3級、2級、1級)」があります

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4.営業のステップアップに役立つ資格とは?

営業のステップアップに役立つ資格があり、取得すれば、営業としての知識・技術に新たな価値を身に付けられるでしょう。ここでは、営業のステップアップに役立つ資格2つについて、解説します。

  1. 中小企業診断士
  2. 消費生活アドバイザー

①中小企業診断士

中小企業診断士とは。中小企業の経営課題・成長戦略に対応するため、診断・助言を行う専門家のことで、企業に現状分析を踏まえた成長戦略のアドバイスができる人材のスムーズな選定を目的とした国家資格です。

中小企業支援法第11条にもとづいて、経済産業大臣が一定レベル以上の能力保持者を登録します。

中小企業診断士の資格取得方法

中小企業診断士の資格試験は年1回実施され、「2日間実施される1次試験」「2次試験と15日間の実務補習または実務への従事、または登録養成機関が実施する養成課程」を経て登録できます。受験料は13,000円で、受験資格に特段の定めはありません。

②消費生活アドバイザー

消費生活アドバイザーとは、「消費者からの提案や意見を企業経営や行政等への提言に反映させる」「消費者の苦情相談に迅速かつ適切に対応する」などができる人材育成を目的とした資格制度です。

一般社団法人日本産業協会が実施しており、消費生活アドバイザー資格試験の合格者は、「消費生活アドバイザー資格」「国家資格の消費生活相談員資格」が取得できます。

消費生活アドバイザーの資格取得方法

消費生活アドバイザーの資格試験では、年1回、1次試験と2次試験がそれぞれ実施されています。

受験料は下記のとおりで、

  • 通常受験が、13,200円
  • 1次試験免除者は9,900円

受験資格に特段の定めはありません。

営業のステップアップに役立つ資格として挙げられるのは、「中小企業診断士」「消費生活アドバイザー」です

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5.業界別の営業に役立つ資格とその特徴

営業に役立つ資格は、業界ごとに異なるのです。ここでは、業界別に役立つ資格について解説します。

  1. IT業界
  2. 不動産業界
  3. 保険業界
  4. 証券・金融業界
  5. 外資系や海外取引を含む業界

①IT業界

IT業界の営業に役立つ資格は、ITパスポート、通称「iパス」です。ITパスポートは、経済産業省認定の国家資格で、ITに関する基礎的知識があると証明できます。

IT業界の営業には最低限のITリテラシーが求められ、「ITの基本的知識や技能」「実践的な知識や技能の活用能力」の習得が必須なため、取得の動きが広がっているのです。

基本情報技術者

基本情報技術者とは、ITエンジニアの登竜門と呼ばれている試験で、情報処理推進機構によって運営されています。高度なIT人材になることを目的とし、基本的知識や技能、実践的な活用能力を身に付ける資格試験です。

この資格を取得すると、「ITの活用による企業戦略の立案」「生産性の高いシステム構築」が単独で可能だと証明できます。

②不動産業界

不動産業界の営業に役立つ資格は、宅地建物取引士です。宅地建物取引士試験は、一般財団法人不動産適正取引推進機構が、すべての都道府県知事の委任を受けて実施しています。

法律で、不動産会社には5人の1人の割合で宅地建物取引士の設置が義務付けられているのです。また宅建業法第35条に定める重要事項の説明など、宅地建物取引士が行わなければならない仕事もあります。

③保険業界

保険業界の営業に役立つ資格は、下記のとおりです。

  • 生保一般課程試験
  • 生保専門課程試験
  • 損保一般試験
  • FP技能検定

保険業界の営業の仕事には、ライフプランニングやそれに合った保険の見直し、年金や税制、金融全般や不動産といった生活に関わるさまざまな分野の知識が必要となります。

④証券・金融業界

証券・金融業界の営業に役立つ資格は、証券外務員です。証券外務員試験とは、外務員としての資質を確保するために日本証券業協会が実施している試験のことで、下記2種類があります。

  • デリバティブを含めたすべての業務が可能になる一種
  • 株式の現物取引や公社債、投資信託の取引ができる二種

証券外務員の資格を取得して初めて、証券や金融関係の商品の営業が可能になるのです。

⑤外資系や海外取引を含む業界

外資系や海外取引を含む業界の営業に役立つ資格は、TOEICです。TOEICとは、グローバルスタンダードとして世界約160カ国で実施され、日本のビジネス英語資格としても広く知られているテストのことで、下記のような特徴があります。

テスト結果がスコアで表示され、実力把握や目標設定に役立つ

ビジネスや日常生活での英語によるコミュニケーション能力を幅広く測定できる

業界ごとで営業に役立つ資格はさまざまです。自分が活躍したい業界では、どのような資格が必要とされているのか、しっかり調べておきましょう

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6.資格は能力の証明にはならない

資格を取得しても、能力の証明にならない場合があります。ここでは、下記2つについて解説しましょう。

  1. 営業は結果を求める
  2. 資格取得の目的

①営業は結果を求める

なぜ資格の取得が営業能力を持つという証明にならないのでしょう。その理由は、営業は結果を求められる職種である点にあります。いくら多くの資格を保有していても、実際の営業成績が振るわない場合、昇進や転職といった先は見えません。

営業に求められるものは、売上に直結する具体的な営業成績つまり結果、という点を覚えておきましょう。

②資格取得の目的

では、資格を取得する目的は何でしょうか。資格の取得によって、「自らが得た知識や技術を実際の営業活動に活かす」「営業活動を通して営業成績を上げる」などにつなげます。

つまり資格を取得するだけでなく、資格を実際の営業の場で活かせて初めて、資格取得の目的が達成されるという点を強く意識する必要があるのです。

資格取得が証明できるのは、その分野の知識を持っている点だけです。資格取得の目的を果たすためにも、取得した資格を営業の場で活用していきましょう