受給資格者創業支援助成金は、すでに廃止されてしまった助成金です。同様の創業を支援する助成金は、地方自治体が中心になって運用を行っているものがありますので、人事担当者は受給資格や支給対象などをチェックしてみましょう。
「受給資格者創業支援助成金」とは?
受給資格者創業支援助成金とは、独立や開業時に利用することができる助成金でしたが、平成25年に廃止されました。
独立や開業時に助成金を利用することで、経営の安定化を早めることができます。
現在では、一部地域を対象とした独立・開業時の助成金があり、地域雇用開発助成金と呼ばれています。これは、雇用の難易度が高い限られた地域のみを対象とした制度です。そのため、受給資格者創業支援助成金が、いくつかある特定の条件を満たせば誰でも利用対象になった制度であったことと比較すると、限定的な制度といえます。
受給資格者創業支援助成金の廃止
受給資格者創業支援助成金は、平成25年に廃止されました。また、創業時に併用できる助成金であった中小基盤人材確保助成金もすでに廃止されています。
・受給資格者創業支援助成金
雇用保険の受給者が創業し、創業1年以内に雇用保険の適用事業の事業者となった時に、創業時の費用の一部を助成するものです。助成金の支給額は150万円を上限としていましたが、創業1年以内に雇用保険の被保険者を2人以上雇用した場合にはそれに加えて50万円が上乗せされました。
・中小基盤人材確保助成金
受給資格者創業支援助成金と併用できる助成金として、中小基盤人材確保助成金がありましたが、こちらも平成28年に終了しています。中小基盤人材確保助成金は、創業・異業種進出や生産性の向上を行うために、人材を雇用保険の一般被保険者として雇用した中小企業事業主が対象になる助成金でした。
受給資格者創業支援助成金の代わりの起業助成金
受給資格者創業支援助成金の代わりの起業助成金には、以下のようなものがあげられます。
・地域雇用開発助成金
「同意雇用開発促進地域」や「過疎等雇用改善地域」に指定されている地域において、事業所の設置や整備を行って、地域の求職者を雇用する事業主に対する助成金です。事業主に対し、設置や設備の費用だけではなく、対象労働者が増加する数に応じて一定の金額を助成します。
「同意雇用開発促進地域」は全地域の指定が一律で平成29年3月31日までで、「過疎等雇用改善地域」は、指定期間が地域別に定められています。
・中小企業庁「地域中小企業応援ファンド」
地域中小企業応援ファンドには、「スタート・アップ応援型」「チャレンジ企業応援型」の2種類があり、創業企業を対象にしているのはスタート・アップ応援型です。
これは地元地域密着タイプの事業を助成対象として運営されています。具体的な仕組みを説明すると、中小企業基盤整備機構(中小機構)が自治体と一体になってファンドの運営管理者に資金貸し付けをし、ファンド運営管理者が運用益によって地域資源を活用する新規事業等に対して助成を行う活動をしています。