エンプロイーエクスペリエンスの第一歩は、従業員の理解です。
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エンプロイーは従業員、エクスペリエンスは経験、という意味ですが、一体エンプロイーエクスペリエンスとは、どのような意味を持っているのでしょう?
- エンプロイーエクスペリエンスが注目されている背景
- エンプロイーエクスペリエンスを高める方法
などについて、具体的な取り組み事例を交えて解説します。
目次
個人の成長がエンプロイーエクスペリエンス向上につながります。
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1.エンプロイーエクスペリエンス(EX)とは?
エンプロイーエクスペリエンス(Employee Experience)を直訳すると、従業員の経験。
ここでいう経験とは、
- 従業員の満足度
- スキルアップ
- 健康状態
- 会社組織での経験
など、従業員が仕事や職場内で経験できるすべての要素を指します。
エンプロイーエクスペリエンスとは従業員が、企業や組織内で行われる経営活動や人事施策などを通して醸成する経験価値を意味するのです。
この考え方は、
- ユーザーエクスペリエンス(UX:ユーザー体験)
- カスタマーエクスペリエンス(CX:顧客体験)
といったマーケティングの概念から派生しました。
従業員の立場に立った視点から従業員の満足について追求したもので、人事・労務・総務分野だけでなく部下を取りまとめる現場の管理職などにとっても、重要な視点と考えられています。
エンプロイーエクスペリエンスは、顧客満足と同様に相手への理解が浅ければ、効果的な打ち手を実施できません。具体的な施策を考え実行する前に、まずは目の前にいる従業員の理解から始めましょう。
カオナビなら従業員理解に役立つ人材情報のデータベース機能や従業員満足度調査機能を完備。エンプロイーエクスペリエンス向上につながる施策の基礎固めを実現します。
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2.エンプロイーエクスペリエンスが注目されている背景
エンプロイーエクスペリエンスが注目されるようになった背景にあるのは、デロイト社が毎年発行するレポート。
レポート内で、ヒューマンキャピタルに関するトップ10のトレンドの一つとして、エンプロイーエクスペリエンスが取り上げられました。これをきっかけに、エンプロイーエクスペリエンスへの関心度が高まってきています。
エンプロイーエクスペリエンスの歴史
エンプロイーエクスペリエンスが広く社会で認知され始めたのは、2015年から2016年頃のこと。
このとき、HR系カンファレンスや経営に関する雑誌記事の中で、「トレンドのキーワード」として大きく取り上げられるようになったのです。
西海岸系の企業Airbnbでは、HRの部署名をエンプロイーエクスペリエンスに変えたところも。他にもHRリーダーの名称として定着していた、
- CHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)
- CTO(チーフタレントオフィサー)
を、CEEO(チーフエンプロイーエクスペリエンスオフィサー)という呼称に変更したことなどがニュースになり、それが世界的な流れを生み出すきっかけとなったのです。
CHRO/CHOとは?【役割についてわかりやすく解説】スキル
CHO、CHROという言葉をよく耳にするようになりましたが、一体どんな意味を持つ言葉なのでしょう?CHO、CHROとは、最高人事責任者と訳される人事のプロフェッショナルのこと。
企業の中でのCHOの...
カスタマーエクスペリエンスからの流れ
日本でも多くの企業が経営戦略の一つとして、カスタマーエクスペリエンスを重視しています。カスタマーエクスペリエンスとは、経営手法の一つ。商品やサービスを提供した際の心理的、感覚的な価値を意味します。
モノ以外、たとえば商品やサービスにも良質なカスタマーエクスペリエンスを提供して、長期的にカスタマーエンゲージメントを高めることこそが企業の持続的な成長につながる、という考え方に基づいています。
同時にHRのカスタマーである従業員が、魅力あるワークエクスペリエンスを得ることで、従業員エンゲージメントを向上させる取り組みが広く浸透しつつあるのです。
エンプロイーセンタードの視点
今まで検討されてきたHRの在り方は、企業そのものが中心となったカンパニーセンタードでした。すべてが会社の視点で語られ、会社の都合を最優先した施策を展開していたからです。
しかし、これからは従業員一人ひとりが中心となるエンプロイーセンタードの考え方が主流になるかもしれません。
企業経営は、何を経営の基準に据えるのかを間違うと時代に取り残されてしまい、経営が悪化してしまうことにもなりかねません。これからの時代のトレンドを、早めにしっかりと押さえておくとよいでしょう。
エンプロイーエクスペリエンス向上施策に限らず、昨今のHR関連の施策は人材データを活用し、効率化する傾向にあります。その基礎となるのが人材情報のデータベースです。
なかでもタレントマネジメントシステムと呼ばれるものは、エンプロイーエクスペリエンス向上に役立つ従業員理解やアンケート、分析機能が備わっています。
カオナビの場合、誰でも使いやすく、サポートが充実、クラウド型だから費用が控えめといった特徴があります。カオナビの資料ダウンロードは⇒ こちらから(無料)
3.エンプロイーエクスペリエンスを高める方法とは?
エンプロイーエクスペリエンスを高める方法は4つです。
- エンプロイージャーニーマップの作成、活用
- 健康経営の推進
- 従業員サーベイの実施
- オフィス改革の実施
①エンプロイージャーニーマップの作成、活用
エンプロイーエクスペリエンスを高める鍵となるのは、エンプロイージャーニーマップの作成と活用。人材の募集・採用から従業員の退職までを一連のフローとし、それをベースにしてつくるものがエンプロイージャーニーマップです。
このフローを用いて、従業員がどの場面でどのような類いのエンプロイーエクスペリエンスを得るのかを整理します。
- 旅行に出るときの地図
- 旅先での行程表
といったものをイメージすると分かりやすいでしょう。
②健康経営の推進
健康経営の推進も欠かせません。健康経営とは、企業が経営的な視点から従業員の健康管理を考えること。
ストレスを感じやすい現代社会では、心身共に健全な状態で就業できる環境の整備が、非常に重要です。
従業員の心身の状態が不健康ですと、余計な経営リスクを増幅させます。経営リスクを軽減するためにも、健康経営の推進には、積極的に取り組むべきでしょう。
③従業員サーベイの実施
エンプロイーエクスペリエンスを高めるには、従業員サーベイの実施が有効です。
従業員サーベイとは、従業員を対象としたアンケートのことで、
- 従業員意識調査
- 従業員満足度調査
といったものが挙げられます。従業員サーベイを定期的に行うと、従業員が抱えている問題の芽を早く摘むことができるでしょう。また従業員が、
- 良いと感じること
- 満足度が高いこと
などが分かれば、その分野を成長させることで、従業員エンゲージメントを高められます。
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④オフィス改革の実施
エンプロイーエクスペリエンスを高めるには、オフィスの環境改革の実施も必要です。
今の時代、オフィスはただ仕事をする場ではなくなりつつあります。
- 従業員同士が活発なコミュニケーションを展開
- クリエイティビティ溢れる刺激を受ける
このようなオフィスを提供することは、今や最低条件ともいえる時代。オフィスの在り方そのものにも、大幅な改革が求められているのです。
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4.エンプロイーエクスペリエンス向上に取り組む企業事例
エンプロイーエクスペリエンス向上にいち早く取り組む企業があります。3社の取り組みを簡単にご紹介しましょう。
- freee
- おかん
- Airbnb
①freee
2012年に設立されたfreee。「ムーブメントで世界を変える」を合言葉に、
- クラウド会計ソフト
- 人事労務ソフト
- 会社設立ソフト
- 開業ソフト
など、企業活動をサポートするシステム開発を通して、前例や慣習に囚われない組織戦略のオペレーションを、世界レベルのクオリティで提供しています。
そんなfreeeに存在するのは、メンバーサクセスチームと呼ばれている総務人事部門。
ここでは「付加価値のある業務を行ったり、自分自身の成長に関してより多くの労力を割いたりすることが、本質的な価値のある業務」という内容を前提に、社内の組織管理全般を実行しているのです。
一人ひとりの業務の充実や成長が大きくクローズアップされており、エンプロイーエクスペリエンス向上の土台ができています。
②おかん
おかんは、「働くヒトのライフスタイルを豊かにする」をスローガンにしている会社。
- 法人向けぷち社食サービス
- 個人向けお惣菜定期仕送りサービス
を提供するなど、新しいビジネススタイルを切り開く会社としても注目されています。
そんなおかんでは、
- 従業員の健康経営支援
- 従業員同士のコミュニケーション活性化の知見
- 総務・労務・人事担当者
三者ネットワークを生かした「エンプロイー・エクスペリエンス・サミット」という名のイベントを企画、実施しています。
このイベントの目的は、エンプロイーエクスペリエンスという概念を広めること。
社内でも、イベントを通し、豊かな職場環境で快適に業務を遂行できるきっかけができると好評です。
③Airbnb
民泊仲介サイトとして世界最大といわれている、Airbnb。
世界190カ国以上でのリスティング数は約500万室、という基本データからも分かる通り、ホテルの予約サイトとしての機能だけでなく、民泊ニーズに対しても迅速な取り込みを行っているのです。
そんなAirbnbの人事部は、「エンプロイー・エクスペリエンスチーム」と名付けられています。位置づけは会社の健康と幸せの向上のために日夜働く部署。
社内外にエンプロイーエクスペリエンスを実践している様子をアピールするだけでなく、従業員に対してもエンプロイーエクスペリエンスに関して責任ある人事施策を提供する姿勢を表明する良い例といえます。
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